上 下
210 / 331
第3章 第2幕 はぐれ梁山泊極端派【灰と青春と学園モノ!!】

第210話 破壊VS無効化

しおりを挟む

「ギロチン・バースト!!」

(ザンッ!!)


 逃げ回りながら、銀仮面の攻撃を躱し続ける。通常の点による攻撃となぎ払う攻撃を織り交ぜながら、俺を執拗に追い詰めてくる。今度は縦方向になぎ払う攻撃だ!


「逃げ回ってばかりだな! 防戦一方では決着が付かんぞ!」

「余計なお世話だっ!」


 戦いはずっと一方的な展開だった。相変わらず銀仮面の攻撃を凌ぐ手段は思いついていない。あのなぎ払う攻撃もあるせいで余計に困難になってしまった。


「勝敗を決する条件を加えようか? お前が降参するという条件を。」

「でも、そうなったら、なんらかのペナルティを課してきたりするんだろ?」

「もちろん。」


 そんな条件を加えてくるとは。相手もそろそろ飽きて来やがったんだろう。あまりにも俺が抵抗をしないので、早く決着を付けたがってるのかもしれない。それなら、こちらも付き合ってやるとするか。


「……?」


 早速、行動に移した。それと同時にヤツの動きも止まった。ヤツが俺の居所を探る方法、それの裏を突く手段を試した。ヤツは戸惑っているようだが、俺の居所の痕跡が完全に消失したと思っているかもしれない。もちろんそれは、俺の推理が当たっていればの話だが。


「何をした? 今さら小細工をしたところでお前に勝ち目があるとは思えない。無駄な抵抗はよせ。」


 変化に気付いている。やっぱりヤツからは俺は消えたように思っているんだろうな? そうとわかれば、一気に決める! ヤツの気配は手に取るようにわかるので、一思いにヤツの眼前まで躍り出る。


「ムッ!? そんなところにいたのか! そのまま隠れていれば、わからなかったものを。わざわざ負けに来るとは!」

「早期決着がお望みだったんだろう? その望み叶えてやるんだよ!」


 銀仮面に向かって走る。その間にヤツはエベリオンを構えて、破壊術を撃ってくる。来るのはわかっているので、無効化しながら前に進む。


破壊デストラクション!! 破壊デストラクション!! 破壊デストラクション!!」

「無効!! 無効!! 無効!!」


 後、二、三歩で届くところまで来た。その状態であの攻撃が来た。


「ギロチン・バースト!!」


 横薙ぎの攻撃! 俺は無効化せずにスライディングをしながら躱した。相手の意表を突きたかったからだ。


「クッ!? そううまく逃れられると思うな!」


 なぎ払いの後、素早く切り返し、目前に迫った俺にエベリオンを突き付けてきた。これは無効化が間に合わない。でも、撃たせない!


「これならどうだ!」

「なっ!? どういうつもりだ!」


 突き付けられたエベリオンを逆に俺の胸に当てさせた。普通に考えたら絶体絶命だが、ヤツは撃たなかった。いや、撃てないんだ。


「撃てないんだろ? この状態で撃っちまったら、俺は確実に死ぬ。でも、殺したら計画は台無しになる。そうだろ?」

「だったら、お望み通り撃ってみせるさ!」

「峨嶺辿征!!」

(ボンッ!!!!)


 撃つ前に俺の技が発動し、エベリオンに亀裂が入った。魔法無効化で壊れたのだ。これも俺の予想通りだった。


「クッ!? 私のエヴェリオンが!?」

「おかしいと思ったんだよ。強い魔法を即座に撃って、連射も出来るのは何か秘密があると思ってたんだよ。連射式の弩みたいに予備の玉をコレに詰めてあるんだろ? だから、これに対して無効化を使えばそれも消滅する、それで合ってるよな?」

「おのれ! 気付いていたのか! 魔力喪失といい、小細工を使いおって!」

「剣も武術も禁止されてるんだから、こういう戦い方しか出来ないだろ? それに、ヤッパリその鎧、相手の魔力を感知して居場所を特定できるんだな?」

「気付いたからといって、探知不能に出来るはずはない! 魔力が全く無い状態など人間に出来るものか! 魔力が0なのは死体でない限りありえんのだ!」


 ありえないのか? そのありえない人間が目の前にいるんですけどね? 俺って実は死体だった? んな、アホな!


「魔力を0にする方法、それは……魔法無効化を空打ち連発してたからだ!」

「バカな! そんな馬鹿げた方法に私は騙されたのか!」

「バカげた方法で悪かったな! でも、お前はそのバカに負けたんだよ!」

「おのれ! 認めんぞ!」

「往生際が悪いぞ!」


 とりあえず勝った。倒してはいないが、エベリオンを壊して使用不能にしたから勝ちのはず。でも、銀仮面は納得がいってないようだ。困ったヤツだな。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います

しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

ハイエルフの幼女は異世界をまったりと過ごしていく ~それを助ける過保護な転移者~

まぁ
ファンタジー
事故で亡くなった日本人、黒野大河はクロノとして異世界転移するはめに。 よし、神様からチートの力をもらって、無双だ!!! ではなく、神様の世界で厳しい修行の末に力を手に入れやっとのことで異世界転移。 目的もない異世界生活だがすぐにハイエルフの幼女とであう。 なぜか、その子が気になり世話をすることに。 神様と修行した力でこっそり無双、もらった力で快適生活を。 邪神あり勇者あり冒険者あり迷宮もありの世界を幼女とポチ(犬?)で駆け抜けます。 PS 2/12 1章を書き上げました。あとは手直しをして終わりです。 とりあえず、この1章でメインストーリーはほぼ8割終わる予定です。 伸ばそうと思えば、5割程度終了といったとこでしょうか。 2章からはまったりと?、自由に異世界を生活していきます。        以前書いたことのある話で戦闘が面白かったと感想をもらいましたので、 1章最後は戦闘を長めに書いてみました。

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる

街風
ファンタジー
「お前を追放する!」 ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。 しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

処理中です...