173 / 331
第3章 第1幕 はぐれ梁山泊極端派【愛と勇気と学園モノ!!】
第173話 ある意味、陰謀論!?
しおりを挟む「魔術結社浄化委員会……奴等がリンに目を付けてきたというのはこの前、話したよな? 直接手を下してきたのは奴等だが、実はこの件には黒幕がいるんだ。」
「黒幕? この前の話が全てじゃなかったのか?」
「そういうことだ。この場でしか話せないからな。」
浄化委員会ですら黒幕っぽいというのに、他に怪しい連中がいるとはな。それに、この場でしか、というのはどういうことだ? この前、二人きりだったはずだが、盗聴される危険があるから言えなかった? それだったら俺の正体も知られるわけにはいかないんだが……。
「あの時、話せなかったのには理由がある。奴等はどこでも目を光らせている。盗聴、監視を得意としてるからな。奴等は浄化委員会みたいに表立って行動していない。」
盗聴に監視ねえ……。まるでどこかのロリババアみたいだな。魔法を使いさえすればそういう芸当はいくらでも出来るようだ。音とかを記録する魔法道具はふつうに売ってたりするし。でも、バレないように行うのは、更に高い技術が必要らしい。
「お前はこの学院で人が行方不明になる噂を聞いたことがあるか?」
「ああ。噂だけなら。」
むしろ真の目的はそれの調査だ。これだけは悟られるわけにはいかない。コイツには勇者であることがバレたから、浄化委員会や学院の上層部をシメに来た、ということにはしておいた。勇者がわざわざ学院に来るには多少大げさな理由は必要だしな。
「あれが噂レベルで留まっている真相は……行方不明になっているのではなく、人が入れ替わっているからだ。しかも、人ではない物にな。」
「人ではない……物!?」
人が入れ替わり、ちがう物になっている? しかも、物? 物とは何なのか? まさかゴーレムとかに置き換わってるのだろうか? いやいや、ないない!
「黒幕っていうのは……まさかのゴーレムとか魔法生物が中核になっている組織だ。」
「魔法生物の組織!?」
この前のヤツが丸っきり人形みたいだったし、門番とか学院のそこらにいる衛兵みたいなヤツらも、所詮は道具の延長線上にいるような存在だ。人間の代わりになるような物なんているなんて想像できない。
「ある意味、魔法生物の反逆とも言っていい。自我を持った一部の魔法生物が魔術師に対抗し始めてるんだ。」
「な、なんだってー!?」
ビックリだ! トレ坊先生からの情報にはなかった新事実! そんなことがありえるのか? ある意味、飼い犬に噛み付かれるようなモンだ。下剋上とかそういうのにも似ている。違うのは道具として作った物が人間を攻撃し始めるとは……恐ろしい話だ!
「奴等は秘密裏に少しずつ人間を排除し、ソックリなゴーレムへと置き換え、徐々に勢力を伸ばしている。」
「可能なのか、そんなことが?」
「嘘みてえな、本当の話だ。ある意味、陰謀論じみているからな。もし気付いて人に話そうもんなら、ウソつき呼ばわりされるのがオチだ。それが奴等の策でもある。気付かないうちにじわじわと勢力を伸ばしている。」
恐ろしく巧妙だな。作られた魔法生物っていうのに、俺の何倍も頭がいいじゃないか。もちろん、それを作り出した人間が頭が良かったからなんだろうけど。
「で、なんで気付かれにくい事実に気付いたんだ? 普通、わからないだろ?」
「普通はな。でも、奴等だってときにはボロは出す。些細な事で気付いたんだ。リンがな。リンの恩人がゴーレムに置き換わっていたんだよ。」
「ここでリン先輩が関わってくるのか。」
「ここからはあたしが話すわ。」
リン先輩自身の話なのでここでバトンタッチってワケか。さて、どんな真実が聞けるのだろう?
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
エラーから始まる異世界生活
KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。
本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。
高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。
冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。
その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。
某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。
実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。
勇者として活躍するのかしないのか?
能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。
多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。
初めての作品にお付き合い下さい。
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
俺だけステータスが見える件~ゴミスキル【開く】持ちの俺はダンジョンに捨てられたが、【開く】はステータスオープンできるチートスキルでした~
平山和人
ファンタジー
平凡な高校生の新城直人はクラスメイトたちと異世界へ召喚されてしまう。
異世界より召喚された者は神からスキルを授かるが、直人のスキルは『物を開け閉めする』だけのゴミスキルだと判明し、ダンジョンに廃棄されることになった。
途方にくれる直人は偶然、このゴミスキルの真の力に気づく。それは自分や他者のステータスを数値化して表示できるというものだった。
しかもそれだけでなくステータスを再分配することで無限に強くなることが可能で、更にはスキルまで再分配できる能力だと判明する。
その力を使い、ダンジョンから脱出した直人は、自分をバカにした連中を徹底的に蹂躙していくのであった。
神々の間では異世界転移がブームらしいです。
はぐれメタボ
ファンタジー
第1部《漆黒の少女》
楠木 優香は神様によって異世界に送られる事になった。
理由は『最近流行ってるから』
数々のチートを手にした優香は、ユウと名を変えて、薬師兼冒険者として異世界で生きる事を決める。
優しくて単純な少女の異世界冒険譚。
第2部 《精霊の紋章》
ユウの冒険の裏で、田舎の少年エリオは多くの仲間と共に、世界の命運を掛けた戦いに身を投じて行く事になる。
それは、英雄に憧れた少年の英雄譚。
第3部 《交錯する戦場》
各国が手を結び結成された人類連合と邪神を奉じる魔王に率いられた魔族軍による戦争が始まった。
人間と魔族、様々な意思と策謀が交錯する群像劇。
第4部 《新たなる神話》
戦争が終結し、邪神の討伐を残すのみとなった。
連合からの依頼を受けたユウは、援軍を率いて勇者の後を追い邪神の神殿を目指す。
それは、この世界で最も新しい神話。
異世界の約束:追放者の再興〜外れギフト【光】を授り侯爵家を追い出されたけど本当はチート持ちなので幸せに生きて見返してやります!〜
KeyBow
ファンタジー
主人公の井野口 孝志は交通事故により死亡し、異世界へ転生した。
そこは剣と魔法の王道的なファンタジー世界。
転生した先は侯爵家の子息。
妾の子として家督相続とは無縁のはずだったが、兄の全てが事故により死亡し嫡男に。
女神により魔王討伐を受ける者は記憶を持ったまま転生させる事が出来ると言われ、主人公はゲームで遊んだ世界に転生した。
ゲームと言ってもその世界を模したゲームで、手を打たなければこうなる【if】の世界だった。
理不尽な死を迎えるモブ以下のヒロインを救いたく、転生した先で14歳の時にギフトを得られる信託の儀の後に追放されるが、その時に備えストーリーを変えてしまう。
メイヤと言うゲームでは犯され、絶望から自殺した少女をそのルートから外す事を幼少期より決めていた。
しかしそう簡単な話ではない。
女神の意図とは違う生き様と、ゲームで救えなかった少女を救う。
2人で逃げて何処かで畑でも耕しながら生きようとしていたが、計画が狂い何故か闘技場でハッスルする未来が待ち受けているとは物語がスタートした時はまだ知らない・・・
多くの者と出会い、誤解されたり頼られたり、理不尽な目に遭ったりと、平穏な生活を求める主人公の思いとは裏腹に波乱万丈な未来が待ち受けている。
しかし、主人公補正からかメインストリートから逃げられない予感。
信託の儀の後に侯爵家から追放されるところから物語はスタートする。
いつしか追放した侯爵家にザマアをし、経済的にも見返し謝罪させる事を当面の目標とする事へと、物語の早々に変化していく。
孤児達と出会い自活と脱却を手伝ったりお人好しだ。
また、貴族ではあるが、多くの貴族が好んでするが自分は奴隷を性的に抱かないとのポリシーが行動に規制を掛ける。
果たして幸せを掴む事が出来るのか?魔王討伐から逃げられるのか?・・・
ザ・タワー 〜俺にしかできない魔石を鑑定する能力!魔石を使っての魔法&スキル付与!この力で最強を目指す〜
KeyBow
ファンタジー
世界初のフルダイブ型のVRMMOゲームにダイブしたはずが、リアルの異世界に飛ばされた。
いきなり戦闘になるハードモードを選んでおり、襲われている商隊を助ける事に。
その世界はタワーがあり、そこは迷宮となっている。
富や名誉等を得る為に多くの冒険者がタワーに挑み散っていく。
そんなタワーに挑む主人公は、記憶を対価にチート能力をチョイスしていた。
その中の強化と鑑定がヤバかった。
鑑定で一部の魔石にはスキルや魔法を付与出来ると気が付くも、この世界の人は誰も知らないし、出来る者がいないが、俺にはそれが出来る!
強化でパラメータを上げ、多くのスキルを得る事によりこの世界での生きる道筋と、俺TUEEEを目指す。
タワーで裏切りに遭い、奴隷しか信じられなくなるのだが・・・
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる