136 / 331
第3章 第1幕 はぐれ梁山泊極端派【愛と勇気と学園モノ!!】
第136話 皮から骨まで使えます的な?
しおりを挟む「あのさあ、それ以前にコレ、食えんの?」
ゲイリーが捕まえてきた怪物。実際問題、コイツは食えるんだろうか? 尻尾のサソリは俺の国で珍味として食べられるとは聞いたことがあるけど、本体のライオンは? 獅子に食われた人の話は聞いても、食った話は聞いたことない。いや、それよりも食べる物がこれしかないから、食べるしかない!
「これを食べるとかじゃなくて、素材として取引するのもいいんじゃない? 魔獣から取れる素材は専門家からしたら貴重な物ばかりだから。」
「なるほどね。これを売るのも手ってワケか。」
魔獣の皮、爪、骨やらは素材としてタ飼う取引されるとはよく聞く。武器や防具、魔法とかの触媒としても使用されてるらしいな。頭の中が食べる事しか考えてなかったから、その事実を忘れていた。特にうまいのかどうかワカラン代物を無駄に消費するよりかは大分有意義な使い方だろう。
「さて、そうと決まれば、誰に売るかだよな?そういう取引してるところを探さないとな。買い手も探さなきゃならんし。」
「どうするッスかぁ? 串焼き? 蒸し焼き? 丸焼き? ステーキとかッスかぁ?」
「いや、だから、食べる線は無しの方向に話が進んでるだろうが! 話聞いてなかっただろ!」
「え? 炭火焼きッスか? 炭なんてないッスよ?」
ダメだ。言葉が通じていない。食べないと言っているのに、なんで焼き方の話が出てくるんだ! 早いとこ処理してしまわんと、調理されてしまうかもしれんな!
「ああーっ!? フ、フリアン!?」
どこからともなく女性の、悲鳴にも似た叫び声が聞こえてきた。その声の主を見ると、短髪の少女がいた。格好は魔術師そのもので、割とセクシーな感じなアレンジがされており、ミヤコほどではないが、多少、肌の露出がある。簡単に言うならセクシー魔女という感じかな? 何者だろう? その前にフリアンって誰?
「な、な、な、なんてヒドいことを!」
そのセクシー魔女は倒れたマンティコアの前に走り寄り、魔獣の死体を揺さぶった。ということは、モシカシテ……?
「あ、あのー? フリアンってのは、コレのことッスか……?」
「“コレ”だなんて失礼な! あたくしの大切なフリアンに対して、ぞんざいな呼び方は許さなくってよ!」
ヤバい……! やっぱ野良の魔獣じゃなかったんだ! 一度は嫌な予感を頭の隅に追いやりはしたが、結局、的中してしまった! ですよねー! 絶対、マズい方向に話進むッスよねー!
「あーた達! よくもあたくしの大切なフリアンに危害を加えてくれたわね! ただでは済まさなくってよ!」
「ええーっ!? これから焼き肉パーティーをやろうとしてたのに、あんまりじゃないっすかぁ! 有料って聞いてないッスよぉ!」
焼き肉パーティーって、お前……。食べる気マンマンじゃないかよ。確かにセクシー魔女はただでは済まさないとは言ったが、お金払ったら食べられるとかじゃないんだからな……。
「ヒドい! フリアンを食べようだなんて! あーたには人の心がないのかしら!」
うん。人の心がないのは確かかもしれない。人語を解さないゴリラなんで……。いやいや、それよりもこの事態をなんとかしないと、大変なことになりそうだ。
「あーた達の処断について、決めました! 公衆の面前で堂々と裁いて差し上げますわ!」
「え、捌く? 三枚にでもおろすつもりッスか?」
「そっちの“捌く”ではなくってよ! お肉の話はおよし!」
とんだ“さばく”違いだな。まだ、食うことしか考えてないようだ。そんなことはどうでもいい。公衆の面前で裁くとは一体どういう事なのだろう?
「あーた達の事は詳しく存じないけれど、覚悟なさい! 学院から必ず追放して差し上げますわ!」
「ええぇ!?」
いきなり初っぱなから追放の危機に直面してしまった。どういうワケかわからんが俺たちを追放する手段があるのだろう。これは食料どころの話ではなくなってきたぞ!
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
エラーから始まる異世界生活
KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。
本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。
高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。
冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。
その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。
某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。
実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。
勇者として活躍するのかしないのか?
能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。
多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。
初めての作品にお付き合い下さい。
聖騎士殺しの異世界珍道記〜奴隷を買ったらお姫様だった件〜
KeyBow
ファンタジー
彼には秘密がある。殺した奴のスキルを奪うスキル食いのギフトを持っているのだ。最初に一つ奪うまではハードルが高いが、そこからはそれを駆使して相手を上回れる可能性を秘めた超チートだ。
戦闘奴隷として死に戦に投入されるも、片手を失いつつ見事に敵将を討ち、その功績から奴隷解放された。
しかし左手を喪い、世話をさせるのに男の子だと思った奴隷を買う。しかし実は女の子だった。また、追加で買った奴隷は殺した聖騎士の婚約者だった・・・
俺だけステータスが見える件~ゴミスキル【開く】持ちの俺はダンジョンに捨てられたが、【開く】はステータスオープンできるチートスキルでした~
平山和人
ファンタジー
平凡な高校生の新城直人はクラスメイトたちと異世界へ召喚されてしまう。
異世界より召喚された者は神からスキルを授かるが、直人のスキルは『物を開け閉めする』だけのゴミスキルだと判明し、ダンジョンに廃棄されることになった。
途方にくれる直人は偶然、このゴミスキルの真の力に気づく。それは自分や他者のステータスを数値化して表示できるというものだった。
しかもそれだけでなくステータスを再分配することで無限に強くなることが可能で、更にはスキルまで再分配できる能力だと判明する。
その力を使い、ダンジョンから脱出した直人は、自分をバカにした連中を徹底的に蹂躙していくのであった。
異世界の約束:追放者の再興〜外れギフト【光】を授り侯爵家を追い出されたけど本当はチート持ちなので幸せに生きて見返してやります!〜
KeyBow
ファンタジー
主人公の井野口 孝志は交通事故により死亡し、異世界へ転生した。
そこは剣と魔法の王道的なファンタジー世界。
転生した先は侯爵家の子息。
妾の子として家督相続とは無縁のはずだったが、兄の全てが事故により死亡し嫡男に。
女神により魔王討伐を受ける者は記憶を持ったまま転生させる事が出来ると言われ、主人公はゲームで遊んだ世界に転生した。
ゲームと言ってもその世界を模したゲームで、手を打たなければこうなる【if】の世界だった。
理不尽な死を迎えるモブ以下のヒロインを救いたく、転生した先で14歳の時にギフトを得られる信託の儀の後に追放されるが、その時に備えストーリーを変えてしまう。
メイヤと言うゲームでは犯され、絶望から自殺した少女をそのルートから外す事を幼少期より決めていた。
しかしそう簡単な話ではない。
女神の意図とは違う生き様と、ゲームで救えなかった少女を救う。
2人で逃げて何処かで畑でも耕しながら生きようとしていたが、計画が狂い何故か闘技場でハッスルする未来が待ち受けているとは物語がスタートした時はまだ知らない・・・
多くの者と出会い、誤解されたり頼られたり、理不尽な目に遭ったりと、平穏な生活を求める主人公の思いとは裏腹に波乱万丈な未来が待ち受けている。
しかし、主人公補正からかメインストリートから逃げられない予感。
信託の儀の後に侯爵家から追放されるところから物語はスタートする。
いつしか追放した侯爵家にザマアをし、経済的にも見返し謝罪させる事を当面の目標とする事へと、物語の早々に変化していく。
孤児達と出会い自活と脱却を手伝ったりお人好しだ。
また、貴族ではあるが、多くの貴族が好んでするが自分は奴隷を性的に抱かないとのポリシーが行動に規制を掛ける。
果たして幸せを掴む事が出来るのか?魔王討伐から逃げられるのか?・・・
ザ・タワー 〜俺にしかできない魔石を鑑定する能力!魔石を使っての魔法&スキル付与!この力で最強を目指す〜
KeyBow
ファンタジー
世界初のフルダイブ型のVRMMOゲームにダイブしたはずが、リアルの異世界に飛ばされた。
いきなり戦闘になるハードモードを選んでおり、襲われている商隊を助ける事に。
その世界はタワーがあり、そこは迷宮となっている。
富や名誉等を得る為に多くの冒険者がタワーに挑み散っていく。
そんなタワーに挑む主人公は、記憶を対価にチート能力をチョイスしていた。
その中の強化と鑑定がヤバかった。
鑑定で一部の魔石にはスキルや魔法を付与出来ると気が付くも、この世界の人は誰も知らないし、出来る者がいないが、俺にはそれが出来る!
強化でパラメータを上げ、多くのスキルを得る事によりこの世界での生きる道筋と、俺TUEEEを目指す。
タワーで裏切りに遭い、奴隷しか信じられなくなるのだが・・・
神々の間では異世界転移がブームらしいです。
はぐれメタボ
ファンタジー
第1部《漆黒の少女》
楠木 優香は神様によって異世界に送られる事になった。
理由は『最近流行ってるから』
数々のチートを手にした優香は、ユウと名を変えて、薬師兼冒険者として異世界で生きる事を決める。
優しくて単純な少女の異世界冒険譚。
第2部 《精霊の紋章》
ユウの冒険の裏で、田舎の少年エリオは多くの仲間と共に、世界の命運を掛けた戦いに身を投じて行く事になる。
それは、英雄に憧れた少年の英雄譚。
第3部 《交錯する戦場》
各国が手を結び結成された人類連合と邪神を奉じる魔王に率いられた魔族軍による戦争が始まった。
人間と魔族、様々な意思と策謀が交錯する群像劇。
第4部 《新たなる神話》
戦争が終結し、邪神の討伐を残すのみとなった。
連合からの依頼を受けたユウは、援軍を率いて勇者の後を追い邪神の神殿を目指す。
それは、この世界で最も新しい神話。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
辺境の契約魔法師~スキルと知識で異世界改革~
有雲相三
ファンタジー
前世の知識を保持したまま転生した主人公。彼はアルフォンス=テイルフィラーと名付けられ、辺境伯の孫として生まれる。彼の父フィリップは辺境伯家の長男ではあるものの、魔法の才に恵まれず、弟ガリウスに家督を奪われようとしていた。そんな時、アルフォンスに多彩なスキルが宿っていることが発覚し、事態が大きく揺れ動く。己の利権保守の為にガリウスを推す貴族達。逆境の中、果たして主人公は父を当主に押し上げることは出来るのか。
主人公、アルフォンス=テイルフィラー。この世界で唯一の契約魔法師として、後に世界に名を馳せる一人の男の物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる