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第3章 第1幕 はぐれ梁山泊極端派【愛と勇気と学園モノ!!】

第131話 魔術適正検査!?

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 所変わって、お次は魔術適正検査が行われることになった。色々と簡単な試験というか、魔力とか集中力を測定したりするらしい。知らんけど。エル達、学院側から招待されたグループはもう既にこの検査を終えて、次のカリキュラムとやらに進んでいるらしい。


「それでは魔力量を測りますので、こちらの測定器に触れて下さい。それではそちらのコボルトさんから。」


 測定担当の人が計測をタニシに促す。魔力測定器? これは目盛りと数値が書かれた円盤が付いた大がかりな装置だ。その数字盤の真ん中に針の様なものが付いている。数値は多分、魔力量を指し示すのだろう。誰も触れていないためか針は0の所で止まっている。例のデーモン・シードの汚染度を測るための装置に似ているかな?


「あっしからでヤンスね! あっしの迸る魔力をとくと見よ、でヤンス!」

「なんだ、その無意味なハリキリは?」


 よくワカランがタニシは張り切っている。上機嫌で測定器に触る。装置から先端に水晶の付いた突起が付いているので、それに触れれば魔力が測れるらしい。


「ホチャーッ!!」


 なんか、謎の雄叫びを上げている。それでも、測定器の目盛りは変化していない。ヘンに力みすぎてるから、測れないんじゃないのか?


「あの……もっと静かに集中するだけでいいんですよ?」

「そうでヤンしたか!? フンヌ!」


 ここでようやく測定器に変化が現れた。針がピッ、ピッ、とちょっと上に上がった。その後も特に変化はなく、そのまま測定が終わってしまった。……少ない。


「う、う~ん、す、少ないですね。残念でした。」

「しょぎゃわーーーーん!?」

「少ないって……どれぐらい少ないってことなんすか?」

「普通に魔術を使わない、魔術適正のない一般人レベルの魔力量ですねえ……。」


 一般人レベルか。まあ、そうだろうな。才能あるんだったら、ここに来るまでの間に魔法の一つや二つ身に付けてるだろうし。タニシが魔法を使ってるところを見たことがないし、順当な結果だろう。


「では次はそちらの東洋の方、どうぞ。」

「へーい!」


 次は俺の番。東洋の人と呼ばれたが、この人は俺が勇者であることを知らない。この人も当然、魔術師なので額冠があったとしても勇者としては認識してくれないだろう。それ以前に、今の俺は“ただ普通の人”だ。さて、測定に集中しよう。


「むむ……。」


 測定の素子に触れ、集中力を高める。魔法自体はサヨちゃんから基本を教わったので、それに忠実に使うようにしている。まあ、あんまり使ったことはないし、大した事も出来ないんだが。


「……んん!? あの、ちゃんと集中されてますか? 測定器に変化が見られないんですが……。」

「しゅ、集中はしてるっすよ!」


 それでも変化は見えない。割と気張っているというのに……。これ以上やると出てはいけない物が出てきてしまいそうだ!


(ブリュリ!!)

「く、くちゃーーーい!?」


 屁が出てしまった。その間、測定器に変化があったのか測定の人が目をこらして目盛りを観察している。


「むむ? よく見ると若干ですが目盛りは動いています。……最小の“1”ではありますが……。」

「す、少ない……!?」


 う、うん! わかってたよ! 少ないのはね……。額冠ありで大魔法使っても、ショボい効果しか出なかったし……。やっぱ、俺、魔法も平均以下の力しかなかったのか。


「あ、アニキ、ど、ドンマイ!でヤンス……。」

「ありがとよ、タニシ。」


 くやしいが、ここは現実を受け入れるしかない。色々禁止された上、ここで行使出来る力もスズメの涙程度しかないとは……。先が思いやられるなぁ。


「次は俺っちッスね!!」


 最後はゲイリーだ。俺を押しのけ、鼻息を荒くして測定の素子をムンズと掴む。力みすぎだろ。


「壊れるので、もっと優しく使って下さい!」「ムンフゥ!!」


 聞いちゃいないな。測定に集中しているし、妙に踏ん張っている。針はというと……激しく上下して、ワケのわからないことになっている!


(ピキン!!! ボンッ!!!)


 妙な音を立てて、針が0より下に一気に振り切れた! そして、針は力を失ったようにダランと垂れ下がるような形になってしまった。これ、壊れたんじゃ……。


「ええ!? 馬鹿な!? こんな事見たことがない! 一体何をしたんですか? 壊れたかもしれません!」

「うそぉーーーん!?」


 俺とタニシは同じように声を上げ、開いた口がしばらくそのままになってしまった。あーあ、下手したら、また修理費を払わないといけない。とほほ。
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