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第2章 はぐれ梁山泊極端派【燃えよ、十字剣!!】
第73話 ハンバーグ仮面に3000点!!
しおりを挟む「厳正なる審査の結果、優勝者が確定しました! ヘル・ヴァン・ブルグさんが二連覇を達成です!」
ハンバーグ仮面の優勝が確定し、会場が沸き立った。観客達もそれを期待していたかのようだ。さすがに俺らのような一見さんでは無理だったのではとさえ思える。完全にアウェーな状態だ。
「それでは、審査員の皆様から一言ずつコメントを頂きましょう。順番に至高帝様からどうぞ!」
総評か。まあ、こういう大会では定番だな。とりあえず参考に聞いておこう。
「優勝者は素晴らしかったが、まだまだ全体的にレベルが低い。伝統的な料理故、ありきたりな調理法に囚われがちだ。常に料理は至高を目指せ!」
相変わらず手厳しい意見だな。ハンバーグ仮面以外は物足りないと言っているようなもんだ。
「ふむ、新規の参加者が増えたのは良いが、調理の吟味が足りていない者が多かった。参加を決める前に、今一度精進せいよ。」
俺やタニシ、力士以外の連中もご新規さんだらけだったのか? 出場して名を上げようという輩が多かったのかもしれない。
「普通っちゃあ、普通だったけど、最後の三人は良かったね。思わず、一瓶空かしちゃったよ! 他のみんなも酒に合うヤツ、頼むよ!」
一瓶空かしただとぉ! 飲み過ぎだ! しかも料理に合わせて何種類も取っ替え引っ替えしながら飲んでたよな? どんだけ飲んでんだよ、アンタは! ここは飲み屋じゃないんだぞ!
「ああもう、なんか、やられてもうた気分や。ワイのプロデュースした“アホ”シリーズが負けるとは思わへんかったわ。」
自分の商品が負けたのがよほどショックだったみたいだな。やはり調味料単体では一流の味には敵わないのかもしれない。
「ホンマはなあ、ワイ、最後の点数……、」
お? やはりやり過ぎた事を悔いているのか? 点数があり得ないことになってたからな。悔い改めよ!
「ホンマは三千点付けたかったんやぁぁぁ!!!!!!」
悔いるどころか、更に点数を盛って来やがった! バカ言ってんじゃないよ! もう、そんなんルールが成り立たなくなるぞ!
「せやさけ、ヴァンブルグ言うたか? 悪いこと言わへんさかい、ワイとなんか新商品でも考えへんか? うまいこといったら、世界も獲れるかもしれへんで?」
点数盛った上にハンバーグ仮面にビジネス的な取引を持ちかけるとは! このオッサンの頭の中はうまい物と商売の事で一杯なのかもしれない。なにはともあれ銭次第でっせ、てな感じか?
「審査員の皆様、ありがとうございました。ここで味の女帝様からもメッセージがとどいておりますので、お読み上げ致します!」
なんでまた、サヨちゃんなんだ! 参加してないクセにいちいちメッセージ送ってくるな! そこまでやるなら実際に来ればいいだろう!
「味の女帝ことサヨ・ギーネである! いつにも増して低レベルな争いだったようじゃな! 恥を知れ! 妾が参加しておれば、存在100%OFFの嵐が吹き荒れたであろう! もっと精進するがよい!」
なんか怖いこと言ってる。過激にも程があるぞ。料理コンテスト如きで粛清の嵐を吹き荒らすのはやめろ。恐怖政治か!
「PS……勇者ロアよ。惜しかったのう。足掻いたつもりなんじゃろうが、まだまだ修行が足りぬわ! 今夜は枕を涙で濡らす情景が目に浮かぶぞ! それとヘル・ヴァン・ブルグよ! 妾の元にも今回のハンバーグを届けるように! 絶対じゃぞ! 以上。」
チクショー! また名指しでイジって来やがった! なんでコンテストの内容を知ってるんだよ! 絶対どこかで魔法使って監視してるとしか思えない! こっそり覗いてないで、出てこいやぁ! そしてハンバーグ仮面に今回のメニューを催促する食い意地の張りよう! そんなことするなら、参加すればいいだろ!
こうして波乱のハンバーグコンテストは謎の仮面男に阻まれる形で敗北し、幕を閉じたのだった。
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