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第5章 完成!究極の超次元殺法!!

第302話 射程外からの攻撃

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「フン、弓まで使えるワケか。これもホマレとやらか?」

「至極当然の事なり。」


 弓まで持ち出すとはな。相手も中々、本気でコロしに来ている。後ろからうるさい気配がするが放っておこう。他人のことまでは構ってられない。敵さんもそのつもりの算段だろう。


「お主らにとって、今の状況は互いに不利といえよう。だが拙者は構わず、勝ちを取りに行く!」


 侍が情け容赦ない必殺の突きを連続で繰り出してくる。対してこちらは普通の長剣だ。戦槌や斧等の重量のある武器相手なら、身軽さで翻弄できるが、リーチの長い槍が相手では懐に飛び込まねば、決定打を与えられない。どうやってチャンスを作るかが課題になってくる。


「どうした?前の試合で感じた意気込みを拙者にも見せてみよ!」


 ジュリアとの戦いもキッチリ見てやがったのか。生憎、同じようには戦えない。想定外の武器で攻めてこられた事もあり、試合運びのプランを台無しにされてしまったからな。


「見せてやるよ。槍以上の槍ってモンをな!」


 一旦、剣を引っ込め、両手それぞれで魔法を行使できるようにした。魔力を集中し、風の魔力を長い棒状にまとめ上げる。


「タービュレンス・ポール!」

「むう!こ、これは!?」

「見えない風の槍。槍っつうか、これは棒みてえなもんだけどな!」


 魔法の槍、向こうの槍も似たようなモンだが、こっちは武器としての質を落として、魔法としての強みを前面に押し出してみた。打ち合った場合は確実に負けるが、リーチは確実にこちらに分がある。剣同士ならともかく、槍対槍なら、長い方が確実に有利なはずだ。要は相手の間合いの外から攻撃できりゃあいいんだ。


「どうだ、間合いの外から一方的に攻撃される気分は?」

「むうう!これはやっかいな!」


 不定形な分、ある程度曲げたり伸ばしたり、先端を広げる事も出来る。槍の扱いには慣れてはいないが、その変化で翻弄する。


「このような付け焼き刃如きに!」

「付け焼き刃だろうと使いようによっちゃ痛い目にあわせられるってことだ。」


 俺は更に、両手それぞれからポールを出現させ、相手を挟み込むように攻撃する。さすがに百戦錬磨の侍とはいえ、意表を突かれ体勢を崩している。その隙に相手の槍を両側から挟み込み跳ね上げる。見事に侍の手から離れ、槍は遠くへ撥ね飛ばされた。


「くっ!?おのれ!」

「今だ!ヴォルテクス・バレット!」


 ヴォルテクス・カノンよりも一段質は落ちるが、とっさの追撃なら収束時間の短いこっちの方が最適だ。


(ヴォバッ!!!)


 空気の破裂音が鼓膜を震わせる。無防備な状態で喰らえばただでは済まないが……残念ながら防がれた。ゴーレムの方が本体を庇いに表れたのだ。さすがに防御力は高いと見える。防御姿勢を取っただけで完全に防がれている。風魔法とは相性が悪い相手だな。


「不覚を取った。一旦、拙者は引かせて貰う!」

「グロロ!」


 この流れで前衛後衛の入れ替えをするようだ。思ったよりもこちらが戦果を上げたと考えても良さそうだ。


「オイ、こっちも交代だ!魔法使って消耗してるんじゃないか?」

「チッ!まあいい。素直に従ってやるよ。」


 魔法を立て続けに使って消耗したのは事実だからな。少し休ませてもらう。
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