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第5章 完成!究極の超次元殺法!!

第290話 闘将!狐面男!!

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「貴様ら、毒を使ったな。こんな闘技会で使うものではない。反則行為だ。」


 エレオノーラは気を失ってしまった。原因は間違いなく毒だ。警戒してはいたが、こんな公衆の面前で大胆にも使用してくるとは!


「心配ご無用。ボクが使ったモノは誰も毒だとはわからないはずだ。まだ一般には出回っていない独自のモノを使用したからね。しかも、痕跡が残りにくい。だから、反則にはならないよ。」


 その声は意外と幼かった。確かに見た目は小柄ではあったが、ただそういう体格の者だと思っていた。まさか子供を暗殺者として仕立て上げたのか?なんたることだ。目的のためにはどんな者でも利用するというのか!


「フッ、反則にはならない、か。貴様らには然るべき対処をしなければならぬな。」

「フフ、ボクたち二人に勝てると思ってるの、オジサン?」

「アタイらを嘗めない方が身のためだと思うよ?」


 暗殺者どもは煽り立てる。こうなったら私も人目を憚ってはおれぬ!可愛い弟子を可愛がってくれた礼はたっぷりと返させてもらおう。


「貴様らは職業柄、死に対しての覚悟は出来ているはずだな?」

「は?何言ってんの?」

「フ、恐怖で頭がおかしくなったか?」

「私は貴様らに死を覚悟せよ、と言っているのだ。私は本気で貴様らの相手をする。手元が狂えば、殺してしまうかもしれん。」


 私の脅し文句にも動じず。二人は笑みを浮かべ、余裕の態度を取っている。しかし……私も大人げない。こんなに心が高ぶってしまったのは何時以来だろう?


「梁山泊、五覇!槍覇のヘイフゥ、いざ、参る!一0八計が一つ、朧月彗扇!!」


 まずは手始めに槍を水平になぎ払う。相手は双方とも余裕で回避している。……いや、完全に躱したつもりでいる。


「フフ、偉そうなこと言って大したことないね。ボクらの敵じゃない。」

「アタイらもなめられた……なっ!?」

(ピッ!)


 私は二人の覆面を切り払ったのだ。先程の技は緩い攻撃をしたように見せかけ、衝撃波を放つもの。もちろん寸止めだ。本来の威力を出せばただでは済まない。侮れば、死ぬぞ、という警告を込めて放った。


「クソッ!ナメた真似を!」

「やはり、若いな。」

「若いから、どうしったてんだい!」

「死なせてしまうには、惜しいということだ。」

「そっちだって、引退寸前のオッサンのクセに!……戦いどころか、人生から引退させてやる!」


 暗殺者とあろうものが……、随分と口が達者なモノだ。そういえば、先程、エレオノーラを言葉で翻弄していたようだが、この二人は昔の私と違うタイプのようだな。私は無口・無感情で与えられた仕事のみを黙々とこなしていたものだが。
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