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第5章 完成!究極の超次元殺法!!
第287話 そういえば聞いたことがある!
しおりを挟む「な、何が起きたんだ?」
激しい発光が収まり、徐々に闘技場中央の状況がわかってきた。一見変わっていないようにも見えるが……、侍とブドーの位置関係が入れ替わっている。左右入れ替わりになっていて、侍は刀を振り抜いたような体勢になっている。相手の魔術師は……、
「鎧と盾が真っ二つになってる!」
横一文字に切断されてしまっている。だが、本人達は無傷のようだ。綺麗に防具だけ斬られた形である。
「あ、あああ……!?」
「我が兄弟自慢の、鉄壁の守りを持つ盾と鎧が破壊されてしまった!?」
兄弟二人は茫然自失になっている。これでは、もう試合を続行できそうにない。
「試合を続行するか、否か?」
「む、無理です!降参します!」
兄弟二人は降参するや否や、その場にへたり込んでしまった。余程恐ろしい思いをしたのだろう。確かにあんなド派手な大技見せられたらたまったもんじゃない!
「またしても、一瞬で試合が終わってしまいましたぁ!チーム・地雷也、恐るべき実力です。彼らを止めることの出来る選手は、果たして存在するのでしょうか?」
止められるのか?いや、止めないといけない。俺には先に進む理由があるし、侍には勝ちたい。ここで怯んでいるわけにはいかないのだ。
「マグネット・エナジー……。やっかいなモノを持ち出してきやがった。アイツは本当に侍の域を超えてやがる!」
まーた出た。謎の専門用語!さっきは試合が気になってたから聞けなかったが、今度はちゃんと聞いておこう。
「ちょっと説明してくれるか?俺、訳わかんないだけど?」
「ああ?マグネット・エナジーのことか?あれは要するに羅針盤の針の原理を魔術で再現するようなモンだ。」
「は?」
ファルちゃんが見るからに面倒くさそうな顔をしている。だってよくわかんないんだもん。しょうがないじゃない。
「羅針盤の針の原理は雷の力と関係があることが、魔術師の研究で近年明らかになった。雷の力をうまく使えば、引力を発生させることが出来る。」
「ま、マジで!?」
引力を発生させるだと?昨日のエルちゃんの対戦相手も引力魔法を使ってたようだけど、関係はあるんだろうか?雷要素は何もなかったけど。
「言っておくが、昨日の魔次元なんとかっていう奴等が使っていたモノとは別系統の技術だ。雷で発生する引力は発生条件が限られているんだ。」
「その心は?」
「雷の力ってのは、金属を透過する性質がある。それどころか、金属を伝う限り、どこまでもその威力を伝達させることも出来る。ある程度減衰もするから限度はあるがね。」
金属を透過する?ああ、剣を持ってたり金属鎧を着てると雷が落ちる、って話が多いのはそのためなのか。ってことはヤバイじゃん。雷を防げないじゃないか。
「引力の話に戻るが、雷の力の性質が実証されて以降、伝達・強化する研究は頻繁に行われていた。その中で引力効果が発見された。金属線を螺旋状に巻いた物に雷を通せば引力が発生する。しかも金属線を巻いた回数を増やせば力も強くなるそうだ。」
「巻く?強くなる?」
だ、ダメだ。頭がこんがらがってきた。脳みそが爆発するぅ!脳みそ、バーンってなりそう!
「侍達が腕に巻いている鎖……あれを巻いた金属線の代わりにしているようだな。それに、巻く向きを互いに逆向きにすれば、それ同士を引き合わせることが出来る。応用できれば移動スピードやパワーを強化することも出来るだろうな。」
「でもさあ、相手のやつらの動きを封じてた原理がわかんないんだけど?あれ魔法の防具でしょ?金属製じゃないんでしょ?」
「アイツらは地属性魔法の使い手だ。鎧自体の強度を確保するために、金属で作ったんだろうよ。それが裏目に出たってワケだ。侍が雷魔法を使うなんて情報は俺らくらいしか知らない。運悪く相性最悪の相手に当たってしまったんだよ。アイツらもそこそこの使い手のはずなのにな。」
ファルはともかく、俺は金属製の剣を持っている。あの技を食らったらひとたまりもない。なにか対策をしないと大変なことになる。どうやって防ごうかな?
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