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第5章 完成!究極の超次元殺法!!
第258話 身の程を知ることだ。
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「何と他愛のない。武術の幅が狭いことよ。全く、嘆かわしいことだ。」
目の前に恐ろしい光景が広がっている。大会出場者は白髪の男以外誰も立っていなかった。全員のびている。一人残らず。これだけの状態になっているのに、同じ場所にいるうんえーの人は普通に立ってる。巻き込まれなかったのが不思議だ。それ以外ではウチらのようなごくわずかの見物人だけだ。
「これでよろしいかな?この惨状を見れば、他の者は出場資格などないも同然だろう。よって私の本戦出場は確定したということだ。」
「は、はい。本戦の出場を許可致します。」
有無を言わさずという感じだ。こんな強引なやり方は見たことない。簡単に言ったらゴリ押しだ。こんなのもう競技でもなんでもない。処刑ショーだ。
「では、私は帰らせてもらう。浮いた時間は酒でも楽しむことに当てる。この国は武術の幅は狭いが、酒がうまいことだけは褒めてやろう。」
ジンなんとかっていうジジイは会場を出ようと倒れている人たちを器用に避けながら、比較的入り口に近いとこにいるウチらのいる方向に歩いてきた。
「ム?貴様ら、あの腑抜け者の連れか?」
ウチらの存在に気付いたジジイは立ち止まった。なんだ?ウチらともヤルつもりか?かかって来いやぁ!
「ほう、偵察のつもりか?つまらぬ真似をしよる。あの腰抜けにでも頼まれたか?」
「ちがう!ウチらは自主的に見に来ただけ。アンタがギックリ腰にでもなって無様な醜態さらすとこを見に来てやったの!」
「すまんな。当てが外れたようだ。ご期待に添えることは出来なかったようだ。この国の連中ごときでは私に傷一つ付ける事も叶わぬ。圧倒的な力の差を目の当たりに出来たであろう?」
「こ、このぉ~!」
その時、ウチの中の何かがブチッとキレた。思わず悔しくなって、目の前のジジイの足を思いっきり踏んづけてやろうと思った……、
「えっ……!?」
踏もうとしたウチは何故か天井を見ていた。それから、体が宙を舞っている。なにこれ……?直後に背中に激痛が走った。ウチは転ばされたんだ!
「……痛ったぁ!?」
「私は武の心得無き者には手を出さぬ主義だが、手を出された場合は話が変わる。私は武に生きる者故、無意識の内に反応してしまうのだ。」
「女の子に手を上げるなんてどういうつもり!」
ウチはジジイを思いっきり睨んだ。絶対に許さないってことを示すために!
「戦場においては男も女も関係などない。」
「ここは戦場なんかじゃない!」
「違うと申すか?戦場という物は暴力が発生した時点で成立する。仕掛けたのは貴様の方だ。暴力を仕掛けた責任は貴様にある。それがわからぬようでは命がいくつあっても足りぬぞ。身の程を知れい!」
「くっ……!?」
「娘よ、一つ忠告しておこう。ここが真の戦場であれば、貴様の命はない。それどころか身も心も陵辱され尊厳を踏みにじられるだろう。そうなりたくなければ、武を学び、身に付けることだ。」
「うるさい!言われなくてもそれくらいわかる!」
「フン!跳ねっ返りの強いことよ。……だが、私に刃向かった意気込みだけは褒めてやろう。強くなりたければ、我が梁山泊の門戸を叩くが良い。門下生にしてやらんでもない。」
「誰がアンタなんかに!」
「フハハハハ!!」
ジジイはバカみたいに笑いながら去って行った。ホント、ムカツク!バーカ、バーカ!
「お、おそろしっこ……。」
あまりに頭に血が上っていたので、忘れてたけど、ワンちゃんも一緒にいたんだった……。
「ん?何この匂い!くっさぁ!」
「ワハ、ワハハ……あまりの恐ろしさにちびってしまったでヤンス……。」
漏らしたようだ。くさい。そして、恥ずかしい。漏らすような友達なんてイヤだ。
「ワンちゃんサイテー。汚い。もう知らない!」
「あっあっ!?待って、ミャーコちゃん!置いてかないでぇ!」
ウチは足早にその場を去った。宿に帰るまでワンちゃんとは他人のフリしとこう。こっちもハズい。
目の前に恐ろしい光景が広がっている。大会出場者は白髪の男以外誰も立っていなかった。全員のびている。一人残らず。これだけの状態になっているのに、同じ場所にいるうんえーの人は普通に立ってる。巻き込まれなかったのが不思議だ。それ以外ではウチらのようなごくわずかの見物人だけだ。
「これでよろしいかな?この惨状を見れば、他の者は出場資格などないも同然だろう。よって私の本戦出場は確定したということだ。」
「は、はい。本戦の出場を許可致します。」
有無を言わさずという感じだ。こんな強引なやり方は見たことない。簡単に言ったらゴリ押しだ。こんなのもう競技でもなんでもない。処刑ショーだ。
「では、私は帰らせてもらう。浮いた時間は酒でも楽しむことに当てる。この国は武術の幅は狭いが、酒がうまいことだけは褒めてやろう。」
ジンなんとかっていうジジイは会場を出ようと倒れている人たちを器用に避けながら、比較的入り口に近いとこにいるウチらのいる方向に歩いてきた。
「ム?貴様ら、あの腑抜け者の連れか?」
ウチらの存在に気付いたジジイは立ち止まった。なんだ?ウチらともヤルつもりか?かかって来いやぁ!
「ほう、偵察のつもりか?つまらぬ真似をしよる。あの腰抜けにでも頼まれたか?」
「ちがう!ウチらは自主的に見に来ただけ。アンタがギックリ腰にでもなって無様な醜態さらすとこを見に来てやったの!」
「すまんな。当てが外れたようだ。ご期待に添えることは出来なかったようだ。この国の連中ごときでは私に傷一つ付ける事も叶わぬ。圧倒的な力の差を目の当たりに出来たであろう?」
「こ、このぉ~!」
その時、ウチの中の何かがブチッとキレた。思わず悔しくなって、目の前のジジイの足を思いっきり踏んづけてやろうと思った……、
「えっ……!?」
踏もうとしたウチは何故か天井を見ていた。それから、体が宙を舞っている。なにこれ……?直後に背中に激痛が走った。ウチは転ばされたんだ!
「……痛ったぁ!?」
「私は武の心得無き者には手を出さぬ主義だが、手を出された場合は話が変わる。私は武に生きる者故、無意識の内に反応してしまうのだ。」
「女の子に手を上げるなんてどういうつもり!」
ウチはジジイを思いっきり睨んだ。絶対に許さないってことを示すために!
「戦場においては男も女も関係などない。」
「ここは戦場なんかじゃない!」
「違うと申すか?戦場という物は暴力が発生した時点で成立する。仕掛けたのは貴様の方だ。暴力を仕掛けた責任は貴様にある。それがわからぬようでは命がいくつあっても足りぬぞ。身の程を知れい!」
「くっ……!?」
「娘よ、一つ忠告しておこう。ここが真の戦場であれば、貴様の命はない。それどころか身も心も陵辱され尊厳を踏みにじられるだろう。そうなりたくなければ、武を学び、身に付けることだ。」
「うるさい!言われなくてもそれくらいわかる!」
「フン!跳ねっ返りの強いことよ。……だが、私に刃向かった意気込みだけは褒めてやろう。強くなりたければ、我が梁山泊の門戸を叩くが良い。門下生にしてやらんでもない。」
「誰がアンタなんかに!」
「フハハハハ!!」
ジジイはバカみたいに笑いながら去って行った。ホント、ムカツク!バーカ、バーカ!
「お、おそろしっこ……。」
あまりに頭に血が上っていたので、忘れてたけど、ワンちゃんも一緒にいたんだった……。
「ん?何この匂い!くっさぁ!」
「ワハ、ワハハ……あまりの恐ろしさにちびってしまったでヤンス……。」
漏らしたようだ。くさい。そして、恥ずかしい。漏らすような友達なんてイヤだ。
「ワンちゃんサイテー。汚い。もう知らない!」
「あっあっ!?待って、ミャーコちゃん!置いてかないでぇ!」
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