169 / 401
第3章 迷宮道中膝栗毛!!
第169話 ……目ノ前ノ 敵スベテヲ…斬ル!!
しおりを挟む
「虚心坦懐……、絶空八刃!!」
(ズボアッ!!!)
空間を斬る。我ながら大それた技だと思う。不死身の相手、実体のない悪のエネルギーとか色んな物を斬ってきたが、斬るという概念が通用しなさそうな相手まで斬ることになるとは……。
「やった……か?」
何かを斬った感覚はある。でも、倒した、という実感はまだない。
「私を斬るだと?そんな馬鹿なことが……、」
(ミシッ!!)
何かがきしむような変な音がした。その音がすると同時にダイヤ竜たちが一斉に動きを止めた。
「ウゲッ!」
ダイヤ野郎は妙な奇声を発した。効いたんだろうか?実体が見えないので、わかりにくい。
「ロア!今一度、あの技を使うのだ!まだ、浅い!渾身の一撃を決めろ!」
狐面が叫ぶ。アイツがそう言うんなら大丈夫なんだろう。俺は二撃目の姿勢を取った。
「痛みだと、馬鹿な!私は痛みなど、とうの昔に克服したはずだ!ありえぬ!一体何をしたというのだ?」
痛みを克服した?感覚がなくなっていたんだろうか。もうそんなものは生き物ですらない。死んでいるも同然じゃないか。
「決して許さぬぞ、野蛮人どもめ!全力でひねり潰してくれるわ!」
ダイヤ竜たちが他を無視して、俺目掛けてい一斉に突進してきた。脇目を振らず猛然と。何千年ぶりに感じた痛みにヒステリーを起こしているみたいだ。
「もう一度だ!次で決めてみせる!」
再び集中を始める。……さっきと違って、相手がこっちに意識を向けているせいか、気配がハッキリわかる。敵の手が迫っているとはいえ、かえってチャンスになった。
「虚心坦懐……、絶空八刃!!!!!!」
(ズボアッ!!!)
(ミ…シッ。)
斬った。今度はハッキリと手応えがあった。下手をすると、自分の腕が折れてしまいそうなくらいの圧を感じた。でも、斬った。途中からは剣の刃を滑らせるような感じでスッ、と斬れた。
「私は…ふ…じ…み……だ。」
斬った瞬間からダイヤ野郎の様子がおかしくなった。おかしくなる自分をおさえようとしているようにも感じる。
「私は…完全なのだ。負ける、死ぬ等ということはありえない。」
とうとう現実逃避を始めた。魔法を極めた伝説の王が情けないことになっている。
「私は…そうだ、死さえも極めたのだ。私は更に完全になったのだ。そうだろう、ロバート?」
おかしなことを言い始めた。ところで、ロバートって誰?
「死を極めた!死を極め…死をきわ…死をき…死を…死……、」
止まった。ついに死んだか。
「ロバアァーーーートぉぉぉぉ!!!!!!」
だから誰なんだよ、ロバートって!最後にモヤモヤさせんじゃねーよ!未完で終わるなよ!
(ビキ……ビキビキッ!…バキッ!!)
何かが壊れるような音がし始めた。……そうか!アイツが死んだから空間が壊れ始めてるんだ。
「空間が崩壊するぞ!」
今まで存在していた地面、景色、建物が消えていった。同時にダイヤ竜たちも消えていく。全てが音を立てながら壊れた。
(ズボアッ!!!)
空間を斬る。我ながら大それた技だと思う。不死身の相手、実体のない悪のエネルギーとか色んな物を斬ってきたが、斬るという概念が通用しなさそうな相手まで斬ることになるとは……。
「やった……か?」
何かを斬った感覚はある。でも、倒した、という実感はまだない。
「私を斬るだと?そんな馬鹿なことが……、」
(ミシッ!!)
何かがきしむような変な音がした。その音がすると同時にダイヤ竜たちが一斉に動きを止めた。
「ウゲッ!」
ダイヤ野郎は妙な奇声を発した。効いたんだろうか?実体が見えないので、わかりにくい。
「ロア!今一度、あの技を使うのだ!まだ、浅い!渾身の一撃を決めろ!」
狐面が叫ぶ。アイツがそう言うんなら大丈夫なんだろう。俺は二撃目の姿勢を取った。
「痛みだと、馬鹿な!私は痛みなど、とうの昔に克服したはずだ!ありえぬ!一体何をしたというのだ?」
痛みを克服した?感覚がなくなっていたんだろうか。もうそんなものは生き物ですらない。死んでいるも同然じゃないか。
「決して許さぬぞ、野蛮人どもめ!全力でひねり潰してくれるわ!」
ダイヤ竜たちが他を無視して、俺目掛けてい一斉に突進してきた。脇目を振らず猛然と。何千年ぶりに感じた痛みにヒステリーを起こしているみたいだ。
「もう一度だ!次で決めてみせる!」
再び集中を始める。……さっきと違って、相手がこっちに意識を向けているせいか、気配がハッキリわかる。敵の手が迫っているとはいえ、かえってチャンスになった。
「虚心坦懐……、絶空八刃!!!!!!」
(ズボアッ!!!)
(ミ…シッ。)
斬った。今度はハッキリと手応えがあった。下手をすると、自分の腕が折れてしまいそうなくらいの圧を感じた。でも、斬った。途中からは剣の刃を滑らせるような感じでスッ、と斬れた。
「私は…ふ…じ…み……だ。」
斬った瞬間からダイヤ野郎の様子がおかしくなった。おかしくなる自分をおさえようとしているようにも感じる。
「私は…完全なのだ。負ける、死ぬ等ということはありえない。」
とうとう現実逃避を始めた。魔法を極めた伝説の王が情けないことになっている。
「私は…そうだ、死さえも極めたのだ。私は更に完全になったのだ。そうだろう、ロバート?」
おかしなことを言い始めた。ところで、ロバートって誰?
「死を極めた!死を極め…死をきわ…死をき…死を…死……、」
止まった。ついに死んだか。
「ロバアァーーーートぉぉぉぉ!!!!!!」
だから誰なんだよ、ロバートって!最後にモヤモヤさせんじゃねーよ!未完で終わるなよ!
(ビキ……ビキビキッ!…バキッ!!)
何かが壊れるような音がし始めた。……そうか!アイツが死んだから空間が壊れ始めてるんだ。
「空間が崩壊するぞ!」
今まで存在していた地面、景色、建物が消えていった。同時にダイヤ竜たちも消えていく。全てが音を立てながら壊れた。
0
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説
人気MMOの最恐クランと一緒に異世界へ転移してしまったようなので、ひっそり冒険者生活をしています
テツみン
ファンタジー
二〇八✕年、一世を風靡したフルダイブ型VRMMO『ユグドラシル』のサービス終了日。
七年ぶりにログインしたユウタは、ユグドラシルの面白さを改めて思い知る。
しかし、『時既に遅し』。サービス終了の二十四時となった。あとは強制ログアウトを待つだけ……
なのにログアウトされない! 視界も変化し、ユウタは狼狽えた。
当てもなく彷徨っていると、亜人の娘、ラミィとフィンに出会う。
そこは都市国家連合。異世界だったのだ!
彼女たちと一緒に冒険者として暮らし始めたユウタは、あるとき、ユグドラシル最恐のPKクラン、『オブト・ア・バウンズ』もこの世界に転移していたことを知る。
彼らに気づかれてはならないと、ユウタは「目立つような行動はせず、ひっそり生きていこう――」そう決意するのだが……
ゲームのアバターのまま異世界へダイブした冴えないサラリーマンが、チートPK野郎の陰に怯えながら『ひっそり』と冒険者生活を送っていた……はずなのに、いつの間にか救国の勇者として、『死ぬほど』苦労する――これは、そんな話。
*60話完結(10万文字以上)までは必ず公開します。
『お気に入り登録』、『いいね』、『感想』をお願いします!
捨て子の僕が公爵家の跡取り⁉~喋る聖剣とモフモフに助けられて波乱の人生を生きてます~
伽羅
ファンタジー
物心がついた頃から孤児院で育った僕は高熱を出して寝込んだ後で自分が転生者だと思い出した。そして10歳の時に孤児院で火事に遭遇する。もう駄目だ! と思った時に助けてくれたのは、不思議な聖剣だった。その聖剣が言うにはどうやら僕は公爵家の跡取りらしい。孤児院を逃げ出した僕は聖剣とモフモフに助けられながら生家を目指す。
異世界に転生したので幸せに暮らします、多分
かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。
前世の分も幸せに暮らします!
平成30年3月26日完結しました。
番外編、書くかもです。
5月9日、番外編追加しました。
小説家になろう様でも公開してます。
エブリスタ様でも公開してます。
一人だけ竜が宿っていた説。~異世界召喚されてすぐに逃げました~
十本スイ
ファンタジー
ある日、異世界に召喚された主人公――大森星馬は、自身の中に何かが宿っていることに気づく。驚くことにその正体は神とも呼ばれた竜だった。そのせいか絶大な力を持つことになった星馬は、召喚した者たちに好き勝手に使われるのが嫌で、自由を求めて一人その場から逃げたのである。そうして異世界を満喫しようと、自分に憑依した竜と楽しく会話しつつ旅をする。しかし世の中は乱世を迎えており、星馬も徐々に巻き込まれていくが……。
子ども白刃抜け参り(時代小説新人賞最終選考落選歴あり、別作品、別名義で)
牛馬走
歴史・時代
(時代小説新人賞最終選考落選歴あり、別作品、別名義で)
貧乏御家人の次男の助之進は、通っている剣術道場の娘の志乃と心を通わせ合う仲にあった。しかし、それを知らない志乃の父、道場の師範は縁談の話を持ってきてしまう。実は隠してきたが労咳を病んでいる志乃、思い詰め、助之進に伊勢参りを勝手に子どもだけで敢行する“抜け参り”に同道してくれと申し出る。迷った末に受諾する助之進。敢行当日、待ち合わせ場所に朋友である晴幸が姿を現し共に伊勢に向かうこととなる。
防御魔法しか使えない聖女はいらないと勇者パーティーを追放されました~そんな私は優しい人と出会って今は幸せです
土偶の友
ファンタジー
聖女のクロエは歴代最強クラスの防御魔法を使うことが出来た。しかし、その代償として彼女は聖女なのに回復魔法が一切使えない。
「お前、聖女なのに回復魔法使えないってホント?」「付与術師の私でも回復魔法使えるのに、聖女の貴方が使えないってどういうこと?」勇者パーティーではそのことを言われ続け、使えない聖女として扱われる。
そんな彼女には荷物持ち、夜の見張り番、料理当番。そういった雑用全てを押し付けられてきた。彼女の身も心もボロボロになっていく。
それでも懸命に人類の為にとこなしていた彼女だが、ついには役立たずはいらないからと危険な森で1人、勇者パーティーを追放される。
1人彷徨っていたところを真紅の髪の冒険者に助けてもらう。彼は聖女の使う防御魔法を褒めてくれて、命の恩人だとまで言ってくれる。
勇者パーティーから追放された聖女の幸せな旅が始まり、聖女を追放した勇者パーティーは様々な不都合が起きていき、機能しなくなっていく。料理が出来るものはいない。見張りは長時間になり体力の消耗が激しくなる。そして、敵の攻撃が強くなったような気がする。
しかし、そんなことは知ったことかと聖女は身分を隠して自分のやりたいことをやって人々に感謝される。それでも結局彼女は聖女と呼ばれて、周りと幸せになっていく聖女の物語。
小説家になろう様でも投稿しています。あらすじを少し変更しました。
2020.12.25HOTランキングに載ることが出来ました! 最初から読んでくださった方も、新しく読みに来てくださった方も本当にありがとうございます。
称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる