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第3章 迷宮道中膝栗毛!!

第128話 デ、デ、デ、デンジャラス!!

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「わあああーっ!!」


 罠同士の見事なコンビネーションによって、俺は落とし穴に強引に落下させられるハメになった。罠の先に罠!このダンジョンを作ったヤツの性格の悪さがよくわかった。


「デフォっ!」


 穴の底に落ちて、なんとか受け身を取ったが痛い。普通のヤツなら死んでいたかもしれない。もっとも、普通のヤツがこのダンジョンに来れるのかと聞かれたら、返答に困ってしまうが。


「こりゃ、上には戻れそうにないな。」


 落ちてきた方向を見ると上の方の壁に四角い穴が空いているのがわかった。どう見ても上れそうな所がない。


「死んだか?バカ野郎?」


 ファルちゃんめ!仲間が罠に掛かったというのに、第一声がそれか!バカにしないでよう。ホントに死んでたら返事はできないぞ、こんちくしょう!


「うっさい!ちゃんと生きてるわい!」

「そりゃ残念だ。」

「ムッきい!」

「猿かお前は。」


 誰が猿か!もういい!一人で先に行くから。改めて、進む道を見てみよう。道は一本しかなく、しかも狭い通路が続いており、左右には穴がぽっかりと空いていた。普通に歩けば問題ないが、穴に落とすような仕掛けがあるに違いなかった。


「まずはゆっくり左右確認だ。」


 狭い通路の手前ギリギリまで近づき、罠がないか確認する。怪しい凹み、出っ張りがないか見てみる。後は壁にあやしい穴がないかどうか。何か飛び出てくる仕掛けがあるかもしれない。


「ん?あれは?」


 左右の壁には等間隔で細い溝みたいな物があった。ただ単にそういうデザインの可能性もあるが何かあやしい。


「これは何かあるな。」


 やっぱりあやしいので、慎重に壁の溝と同じ位置まで、つま先だけ踏み入れてみた。


(ヒュン!)


 そのとき何かが飛んでくる気配を感じたので、足を引っ込める。目の前を高速で通り過ぎて行く物があった。


「やべえ!なんかあった!」


 確認のため、もう一度、つま先を一瞬だけ踏み入れる動作をしてみた。


(ヒュン!)

「あっ!?」


 見えた!……その正体は巨大な刃だった!通ろうとすると、飛び出てくる仕掛けのようだ。罠のスイッチらしいものはないのに、仕掛けが動く。どういう仕組みかわからないが、そういうものらしいことはわかった。


「さあ、どうする?これは結構しんどいぞ。」


 この罠は等間隔で設置されているようだが、先の方は間隔が狭くなっているようにも見える。徐々に難しくなるようになっているのか?ハッキリ言って舐められている感じがする。


「やったろうじゃないか!」


 意を決して通路を突破することにした。タイミングをはかりつつ、ダッシュだ!行くぞ!


「うをおおおおっ!!」


 ギリギリで罠の刃が通り過ぎていく気配を感じながら、ダッシュして、時には停止してタイミングをはかりながら、くぐり抜けていった。


「あとちょっとだ!」


 今の通路の終わりが近付いてきた。そこは左右の穴と刃が出てくる溝がなくなっている。少なくとも同じ罠はそこになさそうだった。


「よっしゃ!これでゴー……、」


 次なる通路へ足を一歩踏み入れた瞬間、妙な違和感を感じた。コレ、最近どこかで感じたことある!それは……、


「また、転送かよおおおっ!!」


 そう、転送罠でした!お後がよろしいようで……。
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