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第3章 迷宮道中膝栗毛!!
第127話 迫りくる闇
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「ううっ!一体、どうなったの?」
しばらく気を失ってた!……確か落とし穴に落ちてしまったはず。メイちゃんはどこに……?そういえば、下が何か柔らかい……、
「メイちゃん!」
私は重大な事実に気付いて、その場から離れた。今までメイちゃんの上に倒れていたんだ!
「ごめんなさい、メイちゃん!しっかりして!」
「うう……。」
彼女は意識を取り戻して、うめき声を上げた。
「へ、平気だよ……。エルちゃんの方は大丈夫?」
「私はなんともない。でも、メイちゃんが……。」
「よ、良かった。」
平気とは言っているけれど、彼女は苦しそうにしてる。私の下にいたのだから、代わりに怪我をしてしまっていると思う。
「実は、私が下になってあなたを受け止めたの。」
「どうしてそんなムチャを!」
私の顔から血の気が引いていくのがわかった。やっぱり、自分の存在が彼女に無理をさせてしまったんだ!
「エルちゃん、体が細くて怪我しそうだったから、私が庇ったの。私はドワーフで体が丈夫なのがとりえだから。庇った甲斐があってよかった。……うう!」
「ああっ、しっかり!」
足と背中を怪我しているみたい。なんとかしないと。
「だ、大丈夫。私はヒーラーだから、自分で怪我は治せるから安心して。」
「うう……。ごめんね。」
私は自分を無力だと思った。そう思うと涙が止まらなかった。自分が弱くなければ、自分が回復魔法を使えるなら、メイちゃんを苦しめる事なんてなかったのに。
「グルル!」
何かのうめき声が聞こえてきた。慌てて、その方向に魔法の灯りを差し向けた。するとそこには蜥蜴の様な魔物がいた。しかも、何匹もいる!
「魔物が……!なんとかしないと!」
杖を構えて、攻撃魔法の準備をする。とにかく、早く倒さないと。後ろにはメイちゃんがいるし、私が何としてでも食い止めなきゃいけない。
「ダーク・インパクト!」
なるべく広い範囲を攻撃できる魔法を使った。闇の力で苦痛と衝撃を与える魔法だ。一匹ずつだとメイちゃんを守り切れないし、自分だって危なくなる。
「ああっ!?」
前の方の何匹かは倒すことが出来た。生き残った数匹がこちらに向かってくる。そして、その中の一体がこちらにガスのような物を吐きかけてきた。
「うっ!」
思わず顔を両腕で覆い顔に当たるのを防いだ。毒のブレスかもしれなかったからだ。
「こ、これは!?」
腕を下ろそうとしたけど動かなかった。それだけじゃなく、足も動かなかった。もしかして……、これは石化ブレス!
「バジリスクだったのね……。迂闊だった!」
顔を腕で覆ったので顔の周辺は石化せずにすんだけれど、動けないのなら、危険な状況なのは変わりない!どうしよう!
「キシャアアア!」
バジリスクが迫ってくるのが気配でわかった。前が見えないので、状況がわからない。それが一層、私の恐怖心を煽った。
「戦技一0八計が一つ、燕雀連攻!!」
誰かがバジリスクを攻撃する気配がした。この声は……ここに落ちてくる前に聞こえた声と同じだ!
しばらく気を失ってた!……確か落とし穴に落ちてしまったはず。メイちゃんはどこに……?そういえば、下が何か柔らかい……、
「メイちゃん!」
私は重大な事実に気付いて、その場から離れた。今までメイちゃんの上に倒れていたんだ!
「ごめんなさい、メイちゃん!しっかりして!」
「うう……。」
彼女は意識を取り戻して、うめき声を上げた。
「へ、平気だよ……。エルちゃんの方は大丈夫?」
「私はなんともない。でも、メイちゃんが……。」
「よ、良かった。」
平気とは言っているけれど、彼女は苦しそうにしてる。私の下にいたのだから、代わりに怪我をしてしまっていると思う。
「実は、私が下になってあなたを受け止めたの。」
「どうしてそんなムチャを!」
私の顔から血の気が引いていくのがわかった。やっぱり、自分の存在が彼女に無理をさせてしまったんだ!
「エルちゃん、体が細くて怪我しそうだったから、私が庇ったの。私はドワーフで体が丈夫なのがとりえだから。庇った甲斐があってよかった。……うう!」
「ああっ、しっかり!」
足と背中を怪我しているみたい。なんとかしないと。
「だ、大丈夫。私はヒーラーだから、自分で怪我は治せるから安心して。」
「うう……。ごめんね。」
私は自分を無力だと思った。そう思うと涙が止まらなかった。自分が弱くなければ、自分が回復魔法を使えるなら、メイちゃんを苦しめる事なんてなかったのに。
「グルル!」
何かのうめき声が聞こえてきた。慌てて、その方向に魔法の灯りを差し向けた。するとそこには蜥蜴の様な魔物がいた。しかも、何匹もいる!
「魔物が……!なんとかしないと!」
杖を構えて、攻撃魔法の準備をする。とにかく、早く倒さないと。後ろにはメイちゃんがいるし、私が何としてでも食い止めなきゃいけない。
「ダーク・インパクト!」
なるべく広い範囲を攻撃できる魔法を使った。闇の力で苦痛と衝撃を与える魔法だ。一匹ずつだとメイちゃんを守り切れないし、自分だって危なくなる。
「ああっ!?」
前の方の何匹かは倒すことが出来た。生き残った数匹がこちらに向かってくる。そして、その中の一体がこちらにガスのような物を吐きかけてきた。
「うっ!」
思わず顔を両腕で覆い顔に当たるのを防いだ。毒のブレスかもしれなかったからだ。
「こ、これは!?」
腕を下ろそうとしたけど動かなかった。それだけじゃなく、足も動かなかった。もしかして……、これは石化ブレス!
「バジリスクだったのね……。迂闊だった!」
顔を腕で覆ったので顔の周辺は石化せずにすんだけれど、動けないのなら、危険な状況なのは変わりない!どうしよう!
「キシャアアア!」
バジリスクが迫ってくるのが気配でわかった。前が見えないので、状況がわからない。それが一層、私の恐怖心を煽った。
「戦技一0八計が一つ、燕雀連攻!!」
誰かがバジリスクを攻撃する気配がした。この声は……ここに落ちてくる前に聞こえた声と同じだ!
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