87 / 401
第3章 迷宮道中膝栗毛!!
第87話 ガツ丼、一丁!
しおりを挟む
「ていうか、おすすめは何なんだ?」
町に到着して、速攻で飲食店が立ち並ぶ一角へとやってきた。様々な店が誘惑してくる!色々目移りしている間に、何が何やらわからなくなってきた。
「そうじゃな。初心者には“ガツ森”じゃろうな。」
と言ってサヨちゃんは向こうにある看板を指差した。「ガツ森!!」とだけ書かれているだけで何の店かはわかんない。
「なにそれ?」
「正しくは“食べようぜ!肉メシのガツ森!!”じゃ。ライスの上に炒めた肉が乗った料理を提供しておる。ニンニクたっぷりでスタミナが付くぞい。ちなみに数年前にやってきた東洋人が経営しておる。今ハヤリのグルメじゃ!」
「今の俺にうってつけのメニューじゃねーか!」
「ええェ……、もっとおしゃれな物を食べましょうよ!私、ニンニク苦手なんですぅ。」
エルちゃんは半泣きになっていた。しまった。俺はデリカシーがなさ過ぎた。女の子に「男の食べ物」を食べさせるわけにはいかないか。
「まあ、アレじゃ。妾は元々、高級店にいく予定じゃったから、エル坊と行ってくる。そなたはそのまま、ここへゆけ。」
高級店だと?何食べる気だ!俺だけ何で仲間はずれなんだ。……ていうか、エルちゃんをそんな呼び方すんな!格闘の技みたいだろ!
「なんで俺だけここなんだよ!」
「すまんの。今から行く店はそれなりに高くてのお。予算が足りんのじゃ。残念じゃが出せるのは二人分までじゃ。妾は妥協したくはないのじゃ。堪忍せい。」
「なんだこの!意識高い系めぇ!!」
いいんだ!俺は俺で今ハヤリのグルメを堪能するから!食べまくるから!俺は店までダッシュした。
「おお、忘れておった。帰りにテイクアウトで妾の分も買ってくるように!」
知るかああ!ていうか、どんだけ食い意地張ってるんだ。
「うわあ!メチャクチャ混んでるよ、コレ!」
店の前には長めの行列ができていた。遠くからではわからなかった。でも、見てたら意外と前に進むのは早かった。回転率がいいのだろうか?
「おし、あと少しだ。」
もう一歩と言うところまでやってきた。ワクワクするな。腹はおもいっきり減っている。準備は万全だ。
「ちょいと、邪魔すんでえ!」
厳ついオッサンに割り込まれた。ずるい!こっちはちゃんと並んでるのに!邪魔するなら帰って!
「なんや!オッサン!何、割り込んでんねん!」
後ろから独特な口調の怒号が飛んできた。迫力は割り込みオッサンと負けず劣らずと言った所か?どんな人なんだろ?恐る恐る振り向いてみた……。
「豚じゃねえかあぁ!!」
「誰が豚やねん!」
豚がそこにいた。イヤ、ホント。毛むくじゃらの豚が真後ろに立っていた。
「豚ちゃうわ!猪や!……それより、オッサン、はよどかんかい!」
「なんだ、コラぁ!文句あるのか!」
「なんや?自分?ケツの穴から手ぇ突っ込んで、奥歯ガタガタ言わせたろか!」
豚の人はすごい勢いでまくし立てた。割り込みオッサンも怯んでいる。言葉の意味は良くワカランがとにかくすごい迫力だ!
「ひいい!お助けエエ!!」
オッサンは逃げていった。ビビりすぎだろ。そんなんなら、最初から割り込んでくるなよ。
「ホンマ、最近はしょうもないヤツが増えよったな。しゃらへんわ、ホンマ。」
「あの、ありがとう。助かりました。」
「かまへん、かまへん!当たり前のことしただけやで。」
俺の返礼にも気さくに気にするなと言わんばかりに気前よく振る舞っている。か、かっけえ!……豚だけど。
「おう、兄ィちゃん!ワシらの番やで。ついでやから、一緒に食べよか!」
「ガツ丼、ニクニクマシ、メシモリモリで!」
「こっちはゴチ丼、ジバラビリビリ、ピタリワン、グルグルナイでお願い!」
「あいよぅ!!」
店の中では何やら不思議なワードが飛び交っていた。全く意味が理解不能だった。わかるのは注文をしているということぐらいだ。
「あの、みなさん何を言ってらっしゃるんですかね?何言ってるかワカンナイ。」
「なんや?兄ィちゃん、初めてか?ええで、ワシが教えたるさかい、安心しぃや。」
「オナシャス!」
よ、よかった!一人だったら、一体どうなっていたんだろう?謎の魔法詠唱に失敗して、LOSTしてしまっていたかもしれない。
「じゃあ、俺、行きます!ゲリ丼、バリバリ、ベリベリキュー、マッシモンで!」
「何言うとんねん。意味わからんわ!おもろいな、自分!ナイスボケや!」
ワケワカランから適当にそれっぽく言ってみた!でも、なんか褒められたっぽい。何が悪くて、良かったのかわからない。
「まあ簡単に言うとな、料理の名前の後に付くのは、盛り方とか、トッピングの付け方とかや。」
「盛り方?トッピング?」
「自分、初心者やろ?せやったら、悪いこと言わへん、ガツ丼、ニクマシ、メシモリぐらいにしとき。」
「じ、じゃあ、それで!」
「あいよ!んで、猪の兄さんは?」
「ワシはガッツ丼、ニックゴリゴリ、メシバクバク、あと、ゴッツン・ゴーを付けてえや!」
「おお、やる気か、兄さん!久々に来たな、チャレンジメニューが!!こっちも腕が鳴るぜ!」
「オウ!前の記録、塗り替えたるで!」
周りからどよめきが起きる。中には立ち上がって、豚の人の姿を見ている。チャレンジ?一体、これから何が起きるのか?
「ガッツ丼とガツ丼の違いって何?」
「ガッツ丼はガツ丼のスペシャルバージョンや。メニュー名が似とるさかい、オーダーミスも多いんや。初心者が陥りやすいミスなんやで。」
なにそれ!罠すぎる!知らなくて、ヤベーもんが来たら大変だ!そうなると最悪、詰む。ベテランと一緒になってよかった。
「あとに続いた言葉も変わってたような気がするけど?」
「ああ、アレは要するに超爆盛り言う意味や。あそこまでするアホはなかなかおらへん。ワシ以外はな!」
この人、超大食いなのかな?ヤバイ注文しといて、すごい余裕そうだ!ひょっとしてすごい有名人だったりするんじゃないだろうか?
「ホレ、言うとる間に、兄ィちゃんのが来たで!」
さっき注文したばっかりなのに、意外と早かった。器に盛られた米と肉がやってきた。割と大きい。食べきれるだろうか?
「気にせんでええで。先食べとき。ワシのは時間かかるさかい。」
「じゃあ、遠慮なく。イタダキマス!」
とにかく、腹は減っていたので、すぐに食べ始めた。……ウマイ!やっぱり、携行食糧とはワケが違う。これならいくらでも食べられそうだ。
「おお、ええ食いっぷりやな。ガッツ丼でもいけたんちゃうか?」
いやいや、無理っす、先輩。これを食い切るだけでも精一杯っす!空腹がそうさせてるんです。
「ヘイ、お待ち!ガッツ丼スペシャルチャレンジバージョンマックス!」
「……!?」
それは 飯というには あまりにも大きすぎた。
大きく 大量に 重く そして 大雑把すぎた。
それは 正に 絶壁だった。
「な、なんじゃこりゃあああ!!」
大きすぎる器に大量の米と肉!それが壁のようにそびえ立っていた。コレ、食べれるの?食べ物なの?
「ついに来おったな!……さあ!遊ぼ!」
豚の人は立ち向かっていった。あまりにも無謀な挑戦に。勝てるんだろうか?こんな人知を超えた怪物に。
「あ、スンマセン!俺がさっき食べたヤツを一つ、テイクアウトで!」
「あいよ!どうもごひいきに!」
死闘は終わった。そして、豚の人は記録を塗り替えた。絶壁が消え失せたのだ。あとは器だけが残っている。
「ゲフゥ!……ああ、最後の方はちょっとやばかったけど、なんとかなったわ。」
「それでも、なんとかってレベルなんすか?」
「せやで。そういうもんや。ゴッツン・ゴーがあったさかい、なんとかなったんやで。」
尋常じゃない食べっぷりだった。プロだ。まさしく、プロだ!きっと、名の知れた人物に違いない!
「自分、テイクアウト頼んどったけど、帰ってから食うんか?」
「それはさすがに無理かと……。いや、友達にね、頼まれてたんすよ。他の店で食べるからって。」
「ほう、そら、なんとも豪気なやっちゃな!食べた後に、ガツ丼食うんかい!」
「そうなんすよ。それはそれは、大変な食いしん坊でして。それはそうと、俺をほったらかしにして、高級店に行っちゃったんすよ!」
「そら、災難やったな!……せや!ココの勘定、兄ィちゃんの分、払うといたるわ!」
「ええ!いいんすか?世話になってばっかなのに。」
「かまへん、かまへん!今日は気分ええさかい、まかしとき!」
なんとも気前のいい人だ!男ならこんな風になりたいな。そこに痺れる。憧れる!
「あいよ、ガツ丼テイクアウト一お待ち!」
「サーセン!」
「ほな、行こか!」
俺たちは店から出てきた。
「いやあ、ゴチソウサマデシタ!」
「かまへん、かまへん!兄ィちゃんが楽しんでくれてたら、それでええねん!ワシの心はそれでお腹いっぱいや!」
「じゃあ、俺はこれを持ってかないといけないんで!」
「せやな。はよ持っていったりや。冷めたらまずうなるさかい。……兄ィちゃん、結構、ええセンスしとるわ!楽しかったで!」
楽しんでくれてたのか。むしろ、こっちが楽しませてもらってたくらいなのに。
「ワシもこれから用事あるさかい、行くわ。ほな!」
豚の人は足早に去って行った。きっと仕事で忙しいんだろう。……しまった!名前聞くの忘れとったわ!……ありゃ?心の中の口調まで影響されちゃった!
町に到着して、速攻で飲食店が立ち並ぶ一角へとやってきた。様々な店が誘惑してくる!色々目移りしている間に、何が何やらわからなくなってきた。
「そうじゃな。初心者には“ガツ森”じゃろうな。」
と言ってサヨちゃんは向こうにある看板を指差した。「ガツ森!!」とだけ書かれているだけで何の店かはわかんない。
「なにそれ?」
「正しくは“食べようぜ!肉メシのガツ森!!”じゃ。ライスの上に炒めた肉が乗った料理を提供しておる。ニンニクたっぷりでスタミナが付くぞい。ちなみに数年前にやってきた東洋人が経営しておる。今ハヤリのグルメじゃ!」
「今の俺にうってつけのメニューじゃねーか!」
「ええェ……、もっとおしゃれな物を食べましょうよ!私、ニンニク苦手なんですぅ。」
エルちゃんは半泣きになっていた。しまった。俺はデリカシーがなさ過ぎた。女の子に「男の食べ物」を食べさせるわけにはいかないか。
「まあ、アレじゃ。妾は元々、高級店にいく予定じゃったから、エル坊と行ってくる。そなたはそのまま、ここへゆけ。」
高級店だと?何食べる気だ!俺だけ何で仲間はずれなんだ。……ていうか、エルちゃんをそんな呼び方すんな!格闘の技みたいだろ!
「なんで俺だけここなんだよ!」
「すまんの。今から行く店はそれなりに高くてのお。予算が足りんのじゃ。残念じゃが出せるのは二人分までじゃ。妾は妥協したくはないのじゃ。堪忍せい。」
「なんだこの!意識高い系めぇ!!」
いいんだ!俺は俺で今ハヤリのグルメを堪能するから!食べまくるから!俺は店までダッシュした。
「おお、忘れておった。帰りにテイクアウトで妾の分も買ってくるように!」
知るかああ!ていうか、どんだけ食い意地張ってるんだ。
「うわあ!メチャクチャ混んでるよ、コレ!」
店の前には長めの行列ができていた。遠くからではわからなかった。でも、見てたら意外と前に進むのは早かった。回転率がいいのだろうか?
「おし、あと少しだ。」
もう一歩と言うところまでやってきた。ワクワクするな。腹はおもいっきり減っている。準備は万全だ。
「ちょいと、邪魔すんでえ!」
厳ついオッサンに割り込まれた。ずるい!こっちはちゃんと並んでるのに!邪魔するなら帰って!
「なんや!オッサン!何、割り込んでんねん!」
後ろから独特な口調の怒号が飛んできた。迫力は割り込みオッサンと負けず劣らずと言った所か?どんな人なんだろ?恐る恐る振り向いてみた……。
「豚じゃねえかあぁ!!」
「誰が豚やねん!」
豚がそこにいた。イヤ、ホント。毛むくじゃらの豚が真後ろに立っていた。
「豚ちゃうわ!猪や!……それより、オッサン、はよどかんかい!」
「なんだ、コラぁ!文句あるのか!」
「なんや?自分?ケツの穴から手ぇ突っ込んで、奥歯ガタガタ言わせたろか!」
豚の人はすごい勢いでまくし立てた。割り込みオッサンも怯んでいる。言葉の意味は良くワカランがとにかくすごい迫力だ!
「ひいい!お助けエエ!!」
オッサンは逃げていった。ビビりすぎだろ。そんなんなら、最初から割り込んでくるなよ。
「ホンマ、最近はしょうもないヤツが増えよったな。しゃらへんわ、ホンマ。」
「あの、ありがとう。助かりました。」
「かまへん、かまへん!当たり前のことしただけやで。」
俺の返礼にも気さくに気にするなと言わんばかりに気前よく振る舞っている。か、かっけえ!……豚だけど。
「おう、兄ィちゃん!ワシらの番やで。ついでやから、一緒に食べよか!」
「ガツ丼、ニクニクマシ、メシモリモリで!」
「こっちはゴチ丼、ジバラビリビリ、ピタリワン、グルグルナイでお願い!」
「あいよぅ!!」
店の中では何やら不思議なワードが飛び交っていた。全く意味が理解不能だった。わかるのは注文をしているということぐらいだ。
「あの、みなさん何を言ってらっしゃるんですかね?何言ってるかワカンナイ。」
「なんや?兄ィちゃん、初めてか?ええで、ワシが教えたるさかい、安心しぃや。」
「オナシャス!」
よ、よかった!一人だったら、一体どうなっていたんだろう?謎の魔法詠唱に失敗して、LOSTしてしまっていたかもしれない。
「じゃあ、俺、行きます!ゲリ丼、バリバリ、ベリベリキュー、マッシモンで!」
「何言うとんねん。意味わからんわ!おもろいな、自分!ナイスボケや!」
ワケワカランから適当にそれっぽく言ってみた!でも、なんか褒められたっぽい。何が悪くて、良かったのかわからない。
「まあ簡単に言うとな、料理の名前の後に付くのは、盛り方とか、トッピングの付け方とかや。」
「盛り方?トッピング?」
「自分、初心者やろ?せやったら、悪いこと言わへん、ガツ丼、ニクマシ、メシモリぐらいにしとき。」
「じ、じゃあ、それで!」
「あいよ!んで、猪の兄さんは?」
「ワシはガッツ丼、ニックゴリゴリ、メシバクバク、あと、ゴッツン・ゴーを付けてえや!」
「おお、やる気か、兄さん!久々に来たな、チャレンジメニューが!!こっちも腕が鳴るぜ!」
「オウ!前の記録、塗り替えたるで!」
周りからどよめきが起きる。中には立ち上がって、豚の人の姿を見ている。チャレンジ?一体、これから何が起きるのか?
「ガッツ丼とガツ丼の違いって何?」
「ガッツ丼はガツ丼のスペシャルバージョンや。メニュー名が似とるさかい、オーダーミスも多いんや。初心者が陥りやすいミスなんやで。」
なにそれ!罠すぎる!知らなくて、ヤベーもんが来たら大変だ!そうなると最悪、詰む。ベテランと一緒になってよかった。
「あとに続いた言葉も変わってたような気がするけど?」
「ああ、アレは要するに超爆盛り言う意味や。あそこまでするアホはなかなかおらへん。ワシ以外はな!」
この人、超大食いなのかな?ヤバイ注文しといて、すごい余裕そうだ!ひょっとしてすごい有名人だったりするんじゃないだろうか?
「ホレ、言うとる間に、兄ィちゃんのが来たで!」
さっき注文したばっかりなのに、意外と早かった。器に盛られた米と肉がやってきた。割と大きい。食べきれるだろうか?
「気にせんでええで。先食べとき。ワシのは時間かかるさかい。」
「じゃあ、遠慮なく。イタダキマス!」
とにかく、腹は減っていたので、すぐに食べ始めた。……ウマイ!やっぱり、携行食糧とはワケが違う。これならいくらでも食べられそうだ。
「おお、ええ食いっぷりやな。ガッツ丼でもいけたんちゃうか?」
いやいや、無理っす、先輩。これを食い切るだけでも精一杯っす!空腹がそうさせてるんです。
「ヘイ、お待ち!ガッツ丼スペシャルチャレンジバージョンマックス!」
「……!?」
それは 飯というには あまりにも大きすぎた。
大きく 大量に 重く そして 大雑把すぎた。
それは 正に 絶壁だった。
「な、なんじゃこりゃあああ!!」
大きすぎる器に大量の米と肉!それが壁のようにそびえ立っていた。コレ、食べれるの?食べ物なの?
「ついに来おったな!……さあ!遊ぼ!」
豚の人は立ち向かっていった。あまりにも無謀な挑戦に。勝てるんだろうか?こんな人知を超えた怪物に。
「あ、スンマセン!俺がさっき食べたヤツを一つ、テイクアウトで!」
「あいよ!どうもごひいきに!」
死闘は終わった。そして、豚の人は記録を塗り替えた。絶壁が消え失せたのだ。あとは器だけが残っている。
「ゲフゥ!……ああ、最後の方はちょっとやばかったけど、なんとかなったわ。」
「それでも、なんとかってレベルなんすか?」
「せやで。そういうもんや。ゴッツン・ゴーがあったさかい、なんとかなったんやで。」
尋常じゃない食べっぷりだった。プロだ。まさしく、プロだ!きっと、名の知れた人物に違いない!
「自分、テイクアウト頼んどったけど、帰ってから食うんか?」
「それはさすがに無理かと……。いや、友達にね、頼まれてたんすよ。他の店で食べるからって。」
「ほう、そら、なんとも豪気なやっちゃな!食べた後に、ガツ丼食うんかい!」
「そうなんすよ。それはそれは、大変な食いしん坊でして。それはそうと、俺をほったらかしにして、高級店に行っちゃったんすよ!」
「そら、災難やったな!……せや!ココの勘定、兄ィちゃんの分、払うといたるわ!」
「ええ!いいんすか?世話になってばっかなのに。」
「かまへん、かまへん!今日は気分ええさかい、まかしとき!」
なんとも気前のいい人だ!男ならこんな風になりたいな。そこに痺れる。憧れる!
「あいよ、ガツ丼テイクアウト一お待ち!」
「サーセン!」
「ほな、行こか!」
俺たちは店から出てきた。
「いやあ、ゴチソウサマデシタ!」
「かまへん、かまへん!兄ィちゃんが楽しんでくれてたら、それでええねん!ワシの心はそれでお腹いっぱいや!」
「じゃあ、俺はこれを持ってかないといけないんで!」
「せやな。はよ持っていったりや。冷めたらまずうなるさかい。……兄ィちゃん、結構、ええセンスしとるわ!楽しかったで!」
楽しんでくれてたのか。むしろ、こっちが楽しませてもらってたくらいなのに。
「ワシもこれから用事あるさかい、行くわ。ほな!」
豚の人は足早に去って行った。きっと仕事で忙しいんだろう。……しまった!名前聞くの忘れとったわ!……ありゃ?心の中の口調まで影響されちゃった!
0
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
大切”だった”仲間に裏切られたので、皆殺しにしようと思います
騙道みりあ
ファンタジー
魔王を討伐し、世界に平和をもたらした”勇者パーティー”。
その一員であり、”人類最強”と呼ばれる少年ユウキは、何故か仲間たちに裏切られてしまう。
仲間への信頼、恋人への愛。それら全てが作られたものだと知り、ユウキは怒りを覚えた。
なので、全員殺すことにした。
1話完結ですが、続編も考えています。
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい
一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。
しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。
家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。
そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。
そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。
……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない
一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。
クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。
さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。
両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。
……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。
それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。
皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。
※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる