60 / 401
第2章 黒騎士と魔王
第60話 隠し通路を探せ!
しおりを挟む
「……あのさ?思ったんだけど、これからどうしようか?」
一晩、そのまま野宿し、夜が明けたものの、途方に暮れるハメになった。無計画……逃げようとして落ちただけなので、当然なんだけどな。
「とりあえず、この山の中から出た方がいいんじゃないでしょうか?」
「う~む、そうだな、食料的な問題もあるし……。」
昨日、あの変な木の実以降、何も口にしてない。苦いだけだったので、たとえ一個でも食べきるのは苦労した。以外と空腹になってなかったり、気分も悪くならなかったので毒があるわけではなかったのだろう。……とはいえ、あまり自分から積極的に食べたくなる物ではない。ていうかイヤ。何の罰ゲームだ。
「それに、ずっとここにいるとどうなるのかは、この人が証明している。」
と、エルちゃんが使役している見張りガイコツさんを指差す。早くしないと、この人と同じ運命を辿ることになる。
「この人、餓死したんじゃなくて、怪我して動けなくなって亡くなったみたいですよ。」
「え?何?そんなこともわかるの?」
「ええ。ちょっとだけですけど。」
死体からそんな情報も引き出せるとは。これなら、未解決事件も色々解決出来るのではないのか。探偵事務所でも経営すれば大成功するんではなかろうか。……いや、でも無理か。屍霊術自体禁止されてるから、捕まってしまうか。
「上の方に上がる方法を探さないとな。」
落ちてきた付近の崖下は川になっているし、例えそうじゃなかったとしても、崖である。超急斜面。上れそうにない。プロじゃないと無理だろうし、それ用の道具一式もない。……無理だ。
「砦の隠し通路を探すのはどうでしょう?」
「隠し通路?」
「古くて有名な砦みたいですし、脱出用の通路があるかもしれません。私が隠れていた地下室につながっている場所があるかも。」
「なるほど!」
ああ、そうか!それがあるかもしれないな。賢いな、この子。俺一人だったら、ひたすら上ることだけしか考えなかっただろう。
「そうと決まれば、早速探索だ!」
行くぞ、探すぞ、エイエイオー!
一晩、そのまま野宿し、夜が明けたものの、途方に暮れるハメになった。無計画……逃げようとして落ちただけなので、当然なんだけどな。
「とりあえず、この山の中から出た方がいいんじゃないでしょうか?」
「う~む、そうだな、食料的な問題もあるし……。」
昨日、あの変な木の実以降、何も口にしてない。苦いだけだったので、たとえ一個でも食べきるのは苦労した。以外と空腹になってなかったり、気分も悪くならなかったので毒があるわけではなかったのだろう。……とはいえ、あまり自分から積極的に食べたくなる物ではない。ていうかイヤ。何の罰ゲームだ。
「それに、ずっとここにいるとどうなるのかは、この人が証明している。」
と、エルちゃんが使役している見張りガイコツさんを指差す。早くしないと、この人と同じ運命を辿ることになる。
「この人、餓死したんじゃなくて、怪我して動けなくなって亡くなったみたいですよ。」
「え?何?そんなこともわかるの?」
「ええ。ちょっとだけですけど。」
死体からそんな情報も引き出せるとは。これなら、未解決事件も色々解決出来るのではないのか。探偵事務所でも経営すれば大成功するんではなかろうか。……いや、でも無理か。屍霊術自体禁止されてるから、捕まってしまうか。
「上の方に上がる方法を探さないとな。」
落ちてきた付近の崖下は川になっているし、例えそうじゃなかったとしても、崖である。超急斜面。上れそうにない。プロじゃないと無理だろうし、それ用の道具一式もない。……無理だ。
「砦の隠し通路を探すのはどうでしょう?」
「隠し通路?」
「古くて有名な砦みたいですし、脱出用の通路があるかもしれません。私が隠れていた地下室につながっている場所があるかも。」
「なるほど!」
ああ、そうか!それがあるかもしれないな。賢いな、この子。俺一人だったら、ひたすら上ることだけしか考えなかっただろう。
「そうと決まれば、早速探索だ!」
行くぞ、探すぞ、エイエイオー!
0
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説
騎士学院のイノベーション
黒蓮
ファンタジー
この世界では、人間という種が生存できる範囲が極めて狭い。大陸の大部分を占めているのは、魔物蔓延る大森林だ。魔物は繁殖能力が非常に高く、獰猛で強大な力を有しており、魔物達にとってみれば人間など餌に過ぎない存在だ。
その為、遥か昔から人間は魔物と戦い続け、自らの生存域を死守することに尽力してきた。しかし、元々生物としての地力が違う魔物相手では、常に人間側は劣勢に甘んじていた。そうして長い年月の果て、魔物達の活動範囲は少しずつ人間の住む土地を侵食しており、人々の生活圏が脅かされていた。
しかし、この大陸には4つの天を突くほどの巨大な樹が点在しており、その大樹には不思議と魔物達は近寄ろうとしなかった。だからこそ魔物よりも弱者であるはずの人間が、長い年月生き残ってきたとも言える。そして人々は、その護りの加護をもたらす大樹の事を、崇拝の念を込めて『神樹《しんじゅ》』と呼んでいる。
これは神樹の麓にある4つの王国の内の一つ、ヴェストニア王国に存在する学院の物語である。
自衛官、異世界に墜落する
フレカレディカ
ファンタジー
ある日、航空自衛隊特殊任務部隊所属の元陸上自衛隊特殊作戦部隊所属の『暁神楽(あかつきかぐら)』が、乗っていた輸送機にどこからか飛んできたミサイルが当たり墜落してしまった。だが、墜落した先は異世界だった!暁はそこから新しくできた仲間と共に生活していくこととなった・・・
現代軍隊×異世界ファンタジー!!!
※この作品は、長年デスクワークの私が現役の頃の記憶をひねり、思い出して趣味で制作しております。至らない点などがございましたら、教えて頂ければ嬉しいです。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊
北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。
剣客居酒屋 草間の陰
松 勇
歴史・時代
酒と肴と剣と闇
江戸情緒を添えて
江戸は本所にある居酒屋『草間』。
美味い肴が食えるということで有名なこの店の主人は、絶世の色男にして、無双の剣客でもある。
自分のことをほとんど話さないこの男、冬吉には実は隠された壮絶な過去があった。
多くの江戸の人々と関わり、その舌を満足させながら、剣の腕でも人々を救う。
その慌し日々の中で、己の過去と江戸の闇に巣食う者たちとの浅からぬ因縁に気付いていく。
店の奉公人や常連客と共に江戸を救う、包丁人にして剣客、冬吉の物語。
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
異世界で奴隷と開業を
佐々木 篠
ファンタジー
高校生でありながら新月食堂で店長業務を行っている朔は、ある日交通事故に合い異世界に迷い込む。
そこで元の世界に戻るため、朔は命を助けてくれた獣人の女の子と一緒にダンジョンでお金を稼ぐ事になるのだが……。
ダンジョンに潜りつつお金を貯めて奴隷を買い、開業を目指す。そんなお話です。
巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる