45 / 401
第2章 黒騎士と魔王
第45話 試験終了!結果は如何に!!
しおりを挟む
「今日は色々、大変でしたね。」
「ああ、もう散々だったよ、今日は。」
試験の全課程が終わり、受験者たちは控え室で試験結果を、今か今かと待ち侘びていた。本来ならスムーズに結果がわかるはずなんだそうだが、さっきの茶番のせいで結果の集計が遅れているらしい。
「結果、早く出るといいですね。」
「ホント、早くしてほしいわ。あんなことがあった後だから、余計にイライラすんなあ。」
待てども、待てども、一向に出てこない。こんな状況が無限に続くのかと思われたその時、ギルドの人が姿を現した。
「皆さん、大変お待たせしました。合格者を通知致します。」
待ちかねた結果がやっと判明する。みんな一斉にギルドの人に注目し、さっきまでざわついていた控え室内は静まりかえった。
「では合格者の方は名前をお呼びしますので、こちらまで来て下さい。同時にライセンスもお渡しします。」
ヨシ、後は名前を呼ばれるのを待つだけだ。どっしり構えて待っていよう。
「では、お呼びします。ヘイルさん、シトラスさん。」
「私、呼ばれました。じゃあ、お先に失礼します。勇者様。」
「おう、おめでとう!」
錬金術師ちゃんは早速呼ばれたようだ。なんだシトラスちゃんというのか。ようやく名前がわかった。もう一人のヘイルってのは魔獣使い君のようだ。
その後、何人も呼ばれたが、俺の名前は一向に呼ばれることはなかった。その間、シトラスちゃんやヘイル君にライセンスを見せて貰ったのだが、実技でやった内容、つまり、各個人のスキルについても詳細が書かれているようだった。どのスキルがどのランクまで使えるか等が書かれているというわけだ。なお、「ただし、炎属性に限る」等といった、一部に限定されるなどの注釈も書かれている模様。
「ヴォルフさん、どうぞ、こちらへ。」
随分と物々しい名前だな、オイ。いったい、どんな奴なんだ?
「ゴッツァンデス!」
お前か!力士、お前、そんな名前だったんか。名前と見た目のギャップが激しすぎる。なんだそれ。
「えー、以上をもって最後とさせて頂きます。」
???ちょっと、俺、まだ呼ばれていないんですけど?何か忘れていませんか?
「あの?俺は?名前呼ばれてないんですけど?」
「……?勇者殿?あ、ああ、ちょっと、ここに残って頂けますか?お話がございますので。」
なんだ?なんか態度がよそよそしいのが気になるが、後から話があるって言うんなら仕方ない。待とう。待って進ぜよう。
「では、勇者様、お先に失礼しますね。また、どこかでお会いしましょう。」
「勇者様、今後、機会があれば、またどこかで。では!」
「勇者様、魔術師が必要でしたら、私にお声がけ下さい。いつでも参上致しますよ!」
「ワイはこのあたりで行商始めますさかいに、また、よろしゅうたのんますわ!」
「ウチは各地で遊んでると思うから、困ったら呼んでネ。イケたら、イクよ!」
「皆さん、お疲れでゴワス!」
みんなそれぞれ別れを告げてギルドを去って行く。再会を祈ったり、自分の売り込みをしたり、助けに行けたら行くなどアバウトな事をぬかすやつがいたりしたものの、みんな基本的に良い奴らだった。さっさとサヨちゃんとお別れして、彼らと一緒に冒険したい。そして、控え室には俺だけが一人だけポツンと残された。他の誰もいなくなった。
「えー、他の方はみんな帰られましたね。それでは、勇者殿、よろしいですかな?」
ようやく、お声がかかった。待ちに待った、結果についてわかるときが来た。
「では話せば長くなりますので、まずは結果だけをお伝え致します。」
話せば長くなるとは何だ?合格通知以外に何の説明があるというのだろう。気になる。
「あなたは、不合格となりました。」
「ああ、もう散々だったよ、今日は。」
試験の全課程が終わり、受験者たちは控え室で試験結果を、今か今かと待ち侘びていた。本来ならスムーズに結果がわかるはずなんだそうだが、さっきの茶番のせいで結果の集計が遅れているらしい。
「結果、早く出るといいですね。」
「ホント、早くしてほしいわ。あんなことがあった後だから、余計にイライラすんなあ。」
待てども、待てども、一向に出てこない。こんな状況が無限に続くのかと思われたその時、ギルドの人が姿を現した。
「皆さん、大変お待たせしました。合格者を通知致します。」
待ちかねた結果がやっと判明する。みんな一斉にギルドの人に注目し、さっきまでざわついていた控え室内は静まりかえった。
「では合格者の方は名前をお呼びしますので、こちらまで来て下さい。同時にライセンスもお渡しします。」
ヨシ、後は名前を呼ばれるのを待つだけだ。どっしり構えて待っていよう。
「では、お呼びします。ヘイルさん、シトラスさん。」
「私、呼ばれました。じゃあ、お先に失礼します。勇者様。」
「おう、おめでとう!」
錬金術師ちゃんは早速呼ばれたようだ。なんだシトラスちゃんというのか。ようやく名前がわかった。もう一人のヘイルってのは魔獣使い君のようだ。
その後、何人も呼ばれたが、俺の名前は一向に呼ばれることはなかった。その間、シトラスちゃんやヘイル君にライセンスを見せて貰ったのだが、実技でやった内容、つまり、各個人のスキルについても詳細が書かれているようだった。どのスキルがどのランクまで使えるか等が書かれているというわけだ。なお、「ただし、炎属性に限る」等といった、一部に限定されるなどの注釈も書かれている模様。
「ヴォルフさん、どうぞ、こちらへ。」
随分と物々しい名前だな、オイ。いったい、どんな奴なんだ?
「ゴッツァンデス!」
お前か!力士、お前、そんな名前だったんか。名前と見た目のギャップが激しすぎる。なんだそれ。
「えー、以上をもって最後とさせて頂きます。」
???ちょっと、俺、まだ呼ばれていないんですけど?何か忘れていませんか?
「あの?俺は?名前呼ばれてないんですけど?」
「……?勇者殿?あ、ああ、ちょっと、ここに残って頂けますか?お話がございますので。」
なんだ?なんか態度がよそよそしいのが気になるが、後から話があるって言うんなら仕方ない。待とう。待って進ぜよう。
「では、勇者様、お先に失礼しますね。また、どこかでお会いしましょう。」
「勇者様、今後、機会があれば、またどこかで。では!」
「勇者様、魔術師が必要でしたら、私にお声がけ下さい。いつでも参上致しますよ!」
「ワイはこのあたりで行商始めますさかいに、また、よろしゅうたのんますわ!」
「ウチは各地で遊んでると思うから、困ったら呼んでネ。イケたら、イクよ!」
「皆さん、お疲れでゴワス!」
みんなそれぞれ別れを告げてギルドを去って行く。再会を祈ったり、自分の売り込みをしたり、助けに行けたら行くなどアバウトな事をぬかすやつがいたりしたものの、みんな基本的に良い奴らだった。さっさとサヨちゃんとお別れして、彼らと一緒に冒険したい。そして、控え室には俺だけが一人だけポツンと残された。他の誰もいなくなった。
「えー、他の方はみんな帰られましたね。それでは、勇者殿、よろしいですかな?」
ようやく、お声がかかった。待ちに待った、結果についてわかるときが来た。
「では話せば長くなりますので、まずは結果だけをお伝え致します。」
話せば長くなるとは何だ?合格通知以外に何の説明があるというのだろう。気になる。
「あなたは、不合格となりました。」
0
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説
ドグラマ3
小松菜
ファンタジー
悪の秘密結社『ヤゴス』の三幹部は改造人間である。とある目的の為、冷凍睡眠により荒廃した未来の日本で目覚める事となる。
異世界と化した魔境日本で組織再興の為に活動を再開した三人は、今日もモンスターや勇者様一行と悲願達成の為に戦いを繰り広げるのだった。
*前作ドグラマ2の続編です。
毎日更新を目指しています。
ご指摘やご質問があればお気軽にどうぞ。
半分異世界
月野槐樹
ファンタジー
関東圏で学生が行方不明になる事件が次々にしていた。それは異世界召還によるものだった。
ネットでも「神隠しか」「異世界召還か」と噂が飛び交うのを見て、異世界に思いを馳せる少年、圭。
いつか異世界に行った時の為にとせっせと準備をして「異世界ガイドノート」なるものまで作成していた圭。従兄弟の瑛太はそんな圭の様子をちょっと心配しながらも充実した学生生活を送っていた。
そんなある日、ついに異世界の扉が彼らの前に開かれた。
「異世界ガイドノート」と一緒に旅する異世界
異世界隠密冒険記
リュース
ファンタジー
ごく普通の人間だと自認している高校生の少年、御影黒斗。
人と違うところといえばほんの少し影が薄いことと、頭の回転が少し速いことくらい。
ある日、唐突に真っ白な空間に飛ばされる。そこにいた老人の管理者が言うには、この空間は世界の狭間であり、元の世界に戻るための路は、すでに閉じているとのこと。
黒斗は老人から色々説明を受けた後、現在開いている路から続いている世界へ旅立つことを決める。
その世界はステータスというものが存在しており、黒斗は自らのステータスを確認するのだが、そこには、とんでもない隠密系の才能が表示されており・・・。
冷静沈着で中性的な容姿を持つ主人公の、バトルあり、恋愛ありの、気ままな異世界隠密生活が、今、始まる。
現在、1日に2回は投稿します。それ以外の投稿は適当に。
改稿を始めました。
以前より読みやすくなっているはずです。
第一部完結しました。第二部完結しました。
濡れ羽色に輝く片翼の戦士
しゃもん
ファンタジー
翼を持った天空人の父と翼を持たない人である母との間に生まれたメリル。
実母が下界で亡くなった後、翼を持つメリルは父親に引き取られた。
引き取られた当初はハーフと言うことで天空人の間で蔑まれていたが、父の類まれな魔力を引き継ぎ軍で頭角を現したおかげで、現在(いま)は恋人とウハウハ状態だ。
でも天界で起こった反乱に巻き込まれて片翼を失った彼女は・・・。そんなメリルの波乱の物語。
幸せな人生を目指して
える
ファンタジー
不慮の事故にあいその生涯を終え異世界に転生したエルシア。
十八歳という若さで死んでしまった前世を持つ彼女は今度こそ幸せな人生を送ろうと努力する。
精霊や魔法ありの異世界ファンタジー。
「黒炎の隼」
蛙鮫
ファンタジー
人々を襲う怪物。忌獣を一人で討伐し続ける青年。松阪隼人。そんな彼がとあるきっかけで忌獣を討伐する組織『忌獣対策本部』の戦闘員を育成する学園『金剛杵学園』に入学する事になる。
【完結】ミックス・ブラッド ~異種族間混血児は魔力が多すぎる~
久悟
ファンタジー
人族が生まれる遙か昔、この大陸ではある四つの種族が戦を繰り返していた。
各種族を統べる四人の王。
『鬼王』『仙王』『魔王』『龍王』
『始祖四王』と呼ばれた彼らが互いに睨み合い、この世の均衡が保たれていた。
ユーゴ・グランディールはこの始祖四王の物語が大好きだった。毎晩母親に読み聞かせてもらい、想いを膨らませた。
ユーゴは五歳で母親を亡くし、父親は失踪。
父親の置き手紙で、自分は『ミックス・ブラッド』である事を知る。
異種族間に産まれた子供、ミックス・ブラッド。
ある者は種族に壊滅的な被害をもたらし、ある者は兵器として生み出された存在。
自分がそんな希少な存在であると告げられたユーゴは、父親から受け継いだ刀を手に、置き手紙に書かれた島を目指し二人の仲間と旅に出る。
その島で剣技や術を師匠に学び、様々な技を吸収しどんどん強くなる三人。
仲間たちの悲しい過去や、告白。語られない世界の歴史と、種族間の争い。
各種族の血が複雑に混じり合い、世界を巻き込む争いへと発展する。
お伽噺だと思っていた『始祖四王』の物語が動き出す。
剣技、魔法、術の数々。異世界が舞台の冒険ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる