らりぱっぱっぱっぱ

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紺野翅庵×1

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「あー……あー……」
 手足がジンジンと痺れるようだった。口を開いたまま閉じることも出来ず、よだれはぽたぽたと床を汚した。
 ソノ瞬間、世界が白く弾けるようだった。性器からはどぷどぷと何かが出ているが射精とは違う。
 気持ち良すぎる。後ろから掴まれたところだけが熱く、感覚があった。そこだけもげて、身体は溶けて消えてしまいそうに思った。
 下手な薬よりも気持ちいい。
 この幸福が永遠に続けばいいのに。


 二人でシャワーを浴びて、服に着替える。向葵の制服は無残なことになっていたから、オレの服を着せた。
 オレは普段から大きいサイズを着ていたから、オレより若干小さい向葵が着るとさらにぶかぶかになった。うーん、今すぐぶち犯したいくらいだが、同じくらい腹も減ってる。
 適当なファミレスに向葵のおごりで行ったあと、店を出たところで向葵の携帯に電話がかかってきた。
「……はい、向葵です……はい、うん、いや、知り合いと……違う、男の人、年上……え? なんで……はい、うん、はい、わかりました……はい」
 低めのテンションで返事をする向葵。敬語とタメ口が入り混じった不器用な会話だった。
「ごめん、兄貴が、朝帰りするなら相手の人に家まで送ってもらえって」
「ふうん?」
「じゃなきゃ家入れてくれないって……」
「オケオケ。なに、向葵のにいちゃんて過保護なの?」
「いや、今まで無関心だったのに、最近色々干渉してくるようになって……あ、前に灯とカラオケ行った時ぐらいからだ」
 向葵が思い出したように言って、それからちょっと気まずい空気が流れた。当たり前か。あの時は置き去りにしたわけだし。
「とりあえず家、こっちだから」
「はーい」
 それにしても、向葵の兄貴が、オレに家に来いと言っているわけだ。
 かなりやっかいそうだった。この場でバックレるのでもいい。向葵は家に入れてもらえなくなるけど、それならオレの家に来ればいい。
 そこまで考えたけれど、口にはしなかった。
「なー、向葵ん家でヤらない?」
「え?! うちはマジ無理、兄貴に殺される」
「そうなん? なんで? 兄貴もセックスぐらいすんだろ」
「いや、知らないよ。あの人恋人連れてきた事ないし」
「えー? インポなのか」
「えー、違うって。多分……でもインポかも」
 言いながら笑う向葵。普段頭が上がらないようだから、もしそうなら弱みを見つけたと喜んでいるみたいだ。
「したらさ、兄ちゃんのちんこしゃぶってやればいいじゃん。それでちんこ勃ったら、そいつ向葵に頭上がらなくなるぞ」
「えっ?! えー……ええ?! いやいや、無理無理無理。ない」
 一瞬考えたらしい向葵がブンブンと顔を振った。
「そんなに? 男なんかちんこしゃぶればスグだろ。一瞬だよ、一瞬」
「いやいや一瞬とかいう話じゃ無いから。うわ、兄貴のちんことか想像したくない」
 おえー、顔をしかめて言う向葵にオレは声を上げて笑った。
「でもまあ、兄貴とは仲良くなっといた方がいいぜ。大人になっちゃうとさ、甘えたい時に甘えられないから」
「灯も兄貴いるの?」
「義理のな。金とか借りてるけど。でも全然、話もしない。オレ嫌われてんのかな」
 はあ、と大きなため息を吐くと、向葵がオレの頭を撫でた。
「俺は灯のこと、好きだけど」
 少し目線を外して、何故か拗ねてるみたいに言う。
「はあー……向葵、セックスしよ」
「いやいやいや、公道ですけど?!」
「いいじゃん、向葵パンツ穿いてねーんだし。やる気満々かよ」
「ちょ、灯が貸してくれなかったからだろ、やめろ中覗くな」
「うわあ、超しゃぶりたい」
「あーもうおまわりさーん、変態がいますー」
「あ、やめてシャレにならない」
 そうやってゲラゲラ笑いながら道を歩く。まるで高校生に戻ったみたいだった。
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