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4章ミスキャンパス決勝戦
3、ジョイ様の学園改革
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「台本を一字一句たがえず暗記しているとはさすがですね。
なだたる実力者をはねのけて、オーデションで優勝したのも納得です」
「ありがとうございます。
ジョイ王子にそう言ってもらえたら、自信につながります」
足首まである濃紺のワンピースを着た私は深々と頭を下げた。
「本当はね。
アランにのせられて、オーデションに参加したことを後悔してたの。
栄えあるミスキャンパスの司会者が、訳ありの私だなんて黒歴史すぎるでしょ」
「オリビア様は実力で選ばれたんだから、余計な事をクヨクヨと考えないで欲しい。
コンテストに関わる人々が全員、王族や貴族だけという今までのやり方の方が、よほど恥ずかしい事だろ」
ジョイ王子は澄んだ青い目で私を見据える。
「それはそうですが……」
「なら堂々と胸をはって司会を務めてください。
本番では思わぬハプニングがつきものと言います。
けど頭の回転のいいオリビア様なら、立派に切り抜けられると信じていますから。
それにしても今でも残念でしかたありません。
兄がオリビア様を捨てて、あんな軽い女に血迷ったのが
ちくしょう!」
ジョイ王子は、らしくない言葉をはくと拳をつくって空をきる。
けど、すぐにハッとした顔をすると口をつぐんだ。
「すいません。嫌な事を思い出させてしまって」
「気にしないでください。ヒョイ様はすっかり過去になっているから。
それよりジョイ様が留学をきりあげて、学園に戻ってきてくれた事に感謝しているのよ。
マリーは学園からルネを排除したくて、あの手この手の嫌がらせをしかけているようだから。
きっとルネも心強く思っているはずよ。
どうかルネをよろしくお願いします」
心からそう思って頭を下げる。
「ふふふ。
私なんかがお願いしなくても、ジョイ様はルネを守ってくれるでしょうけど。
ねー」
しばらくして、頭を上げると意味深に笑った。
するとジョイ様は顔を赤らめ、はにかんだ微笑を見せてくれる。
きゃああー。なんて純粋なの!
私は心の中で悲鳴をあげた。
ジョイ王子が復学してから、王子主導で学園の改革が少しずつ行われている。
今回の件もその1つだった。
司会者、審査員……すべてがオーディションで選ばれたのだから。
「『石頭のムッツリスケベ』『理想主義のオバカ』。他にも色々な言葉でマリー様は毎日ジョイ王子を貶めています」
今ではルネの親友となっているバーネットはスパイとしてマリー派に残り、あちらの様子を逐一報告してくれていた。
「マリーのことですもの。
どんな汚い手を使ってでも、優勝しようとするはずよ。
けど決して、それを許してはいけないのよ」
バーネットの報告を思い浮かべてキュウっと奥歯をかみしめた時だった。
「やっと見つけたぞ。オリビア。
今までどこに隠れていたか知らんが、コンテストの司会者になってマリーを陥れようとしているわけか。
相変わらず、腹のどす黒い女だな!」
背後から、忘れたくても忘れられない声がとんでくる。
なだたる実力者をはねのけて、オーデションで優勝したのも納得です」
「ありがとうございます。
ジョイ王子にそう言ってもらえたら、自信につながります」
足首まである濃紺のワンピースを着た私は深々と頭を下げた。
「本当はね。
アランにのせられて、オーデションに参加したことを後悔してたの。
栄えあるミスキャンパスの司会者が、訳ありの私だなんて黒歴史すぎるでしょ」
「オリビア様は実力で選ばれたんだから、余計な事をクヨクヨと考えないで欲しい。
コンテストに関わる人々が全員、王族や貴族だけという今までのやり方の方が、よほど恥ずかしい事だろ」
ジョイ王子は澄んだ青い目で私を見据える。
「それはそうですが……」
「なら堂々と胸をはって司会を務めてください。
本番では思わぬハプニングがつきものと言います。
けど頭の回転のいいオリビア様なら、立派に切り抜けられると信じていますから。
それにしても今でも残念でしかたありません。
兄がオリビア様を捨てて、あんな軽い女に血迷ったのが
ちくしょう!」
ジョイ王子は、らしくない言葉をはくと拳をつくって空をきる。
けど、すぐにハッとした顔をすると口をつぐんだ。
「すいません。嫌な事を思い出させてしまって」
「気にしないでください。ヒョイ様はすっかり過去になっているから。
それよりジョイ様が留学をきりあげて、学園に戻ってきてくれた事に感謝しているのよ。
マリーは学園からルネを排除したくて、あの手この手の嫌がらせをしかけているようだから。
きっとルネも心強く思っているはずよ。
どうかルネをよろしくお願いします」
心からそう思って頭を下げる。
「ふふふ。
私なんかがお願いしなくても、ジョイ様はルネを守ってくれるでしょうけど。
ねー」
しばらくして、頭を上げると意味深に笑った。
するとジョイ様は顔を赤らめ、はにかんだ微笑を見せてくれる。
きゃああー。なんて純粋なの!
私は心の中で悲鳴をあげた。
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けど決して、それを許してはいけないのよ」
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「やっと見つけたぞ。オリビア。
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背後から、忘れたくても忘れられない声がとんでくる。
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