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1章 可愛いは無敵
2,新しい婚約者は妹?
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「はーあ?
オリビアが可愛くない?
それは最初からわかっていた事ではありませんかのう」
お父様が不思議そうに首を傾ける。
「お父様までひどすきますわ」
「へ? ワシが? 王太子様じゃなくて?」
「はい。お父様ですよ。
ここは『ワシにはオリビアが可愛く見えるぞ』と、かばって欲しかったです」
頭髪がかなり淋しくなったお父様にジトッとした視線を移す。
「そー言われても、ワシは嘘をつけない体質だからのう。
それとも、オリビアは自分の事を可愛いと思っているのか? え?」
お父様は大きなお腹をつきだしながら渋面をした。
「いいえ。。
瞳も髪も老婆の色のうえにガリガリのノッポなのだから」
わが国ではプラチナ色は老婆の色と忌み嫌われていた。
「あと目は一重で吊り上がっているし、唇は薄い。
こんな私は可愛いとはほど遠いわ」
「さよう。適切な自己分析じゃ。さすが賢いオリビアだ。
じゃがオマエは隙がなさすぎて女として魅力がない。
外見もそうだが、そういう内面もリビアにそっくりだ」
お父様は太いため息をついた。
「あんまりですわ。亡くなった人を悪く言うなんて」
「すまん。
1ミリも愛せなかったとはいえ、リビアは私の妻だったからな」
筆頭公爵家の令嬢だった実母は不愛想だったけど頭のいいしっかり者で、そこをお爺様(お父様のお父様で、その時の王様)に見こまれて、お父様の結婚相手に選ばれたと聞いている。
私とヒョイ様とまるで同じなのだ。
結局、お母様はお父様に愛されないまま亡くなってしまう。
「可愛くなかったからから、お母様は幸せになれなかったの?」
ポロリと心の声をもらした瞬間だった。
「そーよ。お姉様! やっと気がついたようね」
聞きなれた甲高い声が耳をつんざく。
「あらマリー。今日はハリス伯爵令嬢のお邸にお出かけじゃなかったの?」
血のつながりのない妹、マリーに目を丸くする。
マリーはお父様と再婚相手ネーネとの間に生まれた。
桜色の瞳に同じ色の髪。
そしてまん丸の大きな目にプックリとした唇。
髪をツインテールに結んだ小柄なマリーが笑うと左頬にペコリと大きなエクボができる、そんな可愛いマリーを男達がほっておくはずもなく、年頃になると求婚が殺到した。
ある日のことだ。
邸の図書室で本を選んでいると、マリーに背後から声をかけられた。
「お姉様聞いてちょうだい。
今日でマリーにきた縁談が100個になったの。
で、そのお祝いにお父様とお母様が人気レストラン『ムール』へ連れていってくれんだって。
残念ながら、お姉様はお留守番だけどね」
「そう。
食べすぎて、お腹をこわさないように気をつけなさい」
手にしていた本を書架に返して後ろを振りかえると、腰に両手をあててドヤ顔をするマリーが目にとびこんできた。
「なにカッコつけてるのよ。
本当はメッチクチャ悔しいくせして。
これでわかったでしょ。
可愛いは無敵だってことが。
女は可愛くないと幸せにはなれないのよ。
いくら天才でも、可愛くないお姉様のお先真っ暗ね。へーん、いい気味だわ!」
あの日は悪魔だったマリーが今はでエンジェルに化けているようだ。
偽エンジェルとバカ王子が結ばれたの?
それってブラウニー王国にとって悲劇だわ。
オリビアが可愛くない?
それは最初からわかっていた事ではありませんかのう」
お父様が不思議そうに首を傾ける。
「お父様までひどすきますわ」
「へ? ワシが? 王太子様じゃなくて?」
「はい。お父様ですよ。
ここは『ワシにはオリビアが可愛く見えるぞ』と、かばって欲しかったです」
頭髪がかなり淋しくなったお父様にジトッとした視線を移す。
「そー言われても、ワシは嘘をつけない体質だからのう。
それとも、オリビアは自分の事を可愛いと思っているのか? え?」
お父様は大きなお腹をつきだしながら渋面をした。
「いいえ。。
瞳も髪も老婆の色のうえにガリガリのノッポなのだから」
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「あと目は一重で吊り上がっているし、唇は薄い。
こんな私は可愛いとはほど遠いわ」
「さよう。適切な自己分析じゃ。さすが賢いオリビアだ。
じゃがオマエは隙がなさすぎて女として魅力がない。
外見もそうだが、そういう内面もリビアにそっくりだ」
お父様は太いため息をついた。
「あんまりですわ。亡くなった人を悪く言うなんて」
「すまん。
1ミリも愛せなかったとはいえ、リビアは私の妻だったからな」
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私とヒョイ様とまるで同じなのだ。
結局、お母様はお父様に愛されないまま亡くなってしまう。
「可愛くなかったからから、お母様は幸せになれなかったの?」
ポロリと心の声をもらした瞬間だった。
「そーよ。お姉様! やっと気がついたようね」
聞きなれた甲高い声が耳をつんざく。
「あらマリー。今日はハリス伯爵令嬢のお邸にお出かけじゃなかったの?」
血のつながりのない妹、マリーに目を丸くする。
マリーはお父様と再婚相手ネーネとの間に生まれた。
桜色の瞳に同じ色の髪。
そしてまん丸の大きな目にプックリとした唇。
髪をツインテールに結んだ小柄なマリーが笑うと左頬にペコリと大きなエクボができる、そんな可愛いマリーを男達がほっておくはずもなく、年頃になると求婚が殺到した。
ある日のことだ。
邸の図書室で本を選んでいると、マリーに背後から声をかけられた。
「お姉様聞いてちょうだい。
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