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伯爵・商会編

プロローグ

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大陸の南に位置するファトラス王国の王都にある冒険者ギルドに一人の青年が入ってきた
背はそこまで高くないのだが、顔立ちが良く十人中十人が振り返るほどである
普通は冒険者ギルドにいることすら驚くだろうが誰も声をかけようとしない
彼らにとってこの光景は見慣れたものである
彼も迷わず受付に歩いていく
彼の動きは洗練されていて隙がない

「ユアンさんお疲れ様でした」

そう受付嬢が挨拶すると

「うん、じゃあこれ討伐証明ね」

そう言って取り出したのは彼の身長を超えるほどの大きさのワイバーンの首だ
それをみた周りがまたかよという雰囲気を出している
どうやらこの光景も見慣れたものらしい
受付嬢もそれを見ても眉一つ動かさず笑顔で

「確かに討伐証明ありがとうごいます
それではこちらが報酬です」

そう言って金貨が大量に入った袋を差し出した
中に入っている金貨は普通の人が1ヶ月遊んで暮らせるだけの金額だ
ユアンそう呼ばれた青年はそれを受け取ると

「じゃあまた何かあったら呼んで」

そう言って出て行った
すると、彼と入れ違いで入ってきた青年は彼の顔を見て首をかしげていた

「あの人って誰だろう」

どうやら本物の彼に会うのは初めてらしい
確かに初めて見た人には彼の正体には気づかないだろう
彼は不思議に思ってその隣の酒場にいた中年の冒険者に聞いた
すると、彼は快く教えてくれた
しかし、彼の正体を聞くと

「え~‼︎」

そう言って驚いた

それもそのはずだ
彼の名はユアン・シルフィス
冒険者が多く集まるこの王都でも彼しかいないSSランク冒険者だ
冒険者にはしたからG、F、E、D、C、B、A、S、SSとあるがその中でも最もランクの高いSSランク冒険者なのである
SSランク冒険者はこの大陸には6人しかいない
そしてそれぞれに通り名があり、彼は氷狼のユアンと呼ばれる
それは彼の従魔がフェンリルであるからだ
ちなみにフェンリルはユアンにハクと言われている

彼は冒険者ギルドから出ると召喚魔術を使った
すると彼の肩に仔犬サイズのオオカミが出てくる
この狼こそフェンリルのハクだ
彼はその子を撫でながら歩いていく
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