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2日目(2)
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朝ご飯を食べ終え、準備をした私は、少し早めに家を出た。2日連続で遅刻するのはまずいので念のため。これだけ早く出たら何があっても平気だろう。
うろ覚えの流行っている曲を軽くハミングしながら歩く。…あぁ、なんて呑気なんだろう。もうすぐ死ぬのに。いまだに信じられていないのか否か、私は冷静でいつも通りだった。すみれと話したきり、あんなことも考えなくなったし。すみれのおかげだね。そんなことを考えながら、私は青になった信号を見て、歩き始めた。と、そこに。
「危ないっ!!!」
声が響いた。
「えっ!?」
横には、すぐそこまで迫ったトラックが。
そんな、私、もう死ぬの?
ー1週間以内にと、ユアちゃんはそう言っていた。そっか。…以内、かぁ。それにしても早すぎる。死にたくない、よ。そう思った、その瞬間。いきなり、後ろから衝撃。私は、背中を押されたのだ。勢い余って転びながらも、急いで後ろを振り返ると。
「すみれ!!」
急いで駆け寄って、呼びかける。
「やだ…!死なないでよ!」
流れ続けて止まらない血を、どうにか止めようと、ハンカチで押さえるが。
「無理だ。」
今度は上着を脱いですみれにあてがう。でも、もはや傷口がどこかも分からなくて。頭も強く打っているようだった。助からないんじゃないか、そんな考えが頭をよぎった。
「おいていかないで‥」
すみれの名前を呼ぶことしかできない自分の無力さを呪った。
その後、誰かが呼んでくれた救急車に乗せられて、すみれは病院へ運ばれた。そしてそのまま、帰ってくることはなかった。
うろ覚えの流行っている曲を軽くハミングしながら歩く。…あぁ、なんて呑気なんだろう。もうすぐ死ぬのに。いまだに信じられていないのか否か、私は冷静でいつも通りだった。すみれと話したきり、あんなことも考えなくなったし。すみれのおかげだね。そんなことを考えながら、私は青になった信号を見て、歩き始めた。と、そこに。
「危ないっ!!!」
声が響いた。
「えっ!?」
横には、すぐそこまで迫ったトラックが。
そんな、私、もう死ぬの?
ー1週間以内にと、ユアちゃんはそう言っていた。そっか。…以内、かぁ。それにしても早すぎる。死にたくない、よ。そう思った、その瞬間。いきなり、後ろから衝撃。私は、背中を押されたのだ。勢い余って転びながらも、急いで後ろを振り返ると。
「すみれ!!」
急いで駆け寄って、呼びかける。
「やだ…!死なないでよ!」
流れ続けて止まらない血を、どうにか止めようと、ハンカチで押さえるが。
「無理だ。」
今度は上着を脱いですみれにあてがう。でも、もはや傷口がどこかも分からなくて。頭も強く打っているようだった。助からないんじゃないか、そんな考えが頭をよぎった。
「おいていかないで‥」
すみれの名前を呼ぶことしかできない自分の無力さを呪った。
その後、誰かが呼んでくれた救急車に乗せられて、すみれは病院へ運ばれた。そしてそのまま、帰ってくることはなかった。
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