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過去

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私は、ずっと虐められていた。高校で進路が分かれるまで、ずっと。毎日毎日、お金を要求されたり、殴られたり。直接的ないじめだった。というのも、止める人がいなかったからだろう。先生も、親も、みんな無視した。ことなかれ主義、というやつだろうか。忘れることはない。今でこそすみれという友達もいるが、死のうとしたことだってあったのだ。簡単に「抵抗すればいいのに」という人だっているだろう。でも、そんなことできたら苦労はしない。1人で何ができるというのか。みんなみんな、私がいじめの対象だと知ると離れていく。自分がいじめられたくないから。抵抗するとエスカレートすることだって、分かってる、分かってるんだ。だからこそ抵抗なんてできないし、しようとすら思えなかった。みんなが私を避けていたのも、知ってるよ。

だから、私は、手を差し伸べてくれなかったこの世界を憎んでいる。とんだ責任転嫁だけど。私の人望のなさが招いたことだけど。ふふ、と嘲笑する。いじめられた方が悪いのかもね。でも、許すことはできない。

あの時できなかった抵抗、それが今はできるかもしれない。私はもうすぐ死ぬから。死をもって逃げることができるから。そっと微笑む。復讐ーーその言葉が頭に浮かんだ。みんな、今も幸せに生きてるんだろうな、理不尽なこの世界だから。私のことなんて、忘れて。ひょっとしたらまたいじめを繰り返しているかもしれない。また傍観してる人もいるかもね。


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