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おまけ マリーナ
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第二王子でもあるセドリックが魔術師になり、
ジルベール様の屋敷の家令となったのは、
シャル様が学園を卒業してから一年が過ぎた頃だった。
今日が仕事始めということで、
部屋でくつろいでいるお二人にセドが挨拶をし、
邪魔をしないように短時間で出てきた。
部屋の中では、一生懸命魔術書を読んでいるシャル様。
大事そうにシャル様を後ろから抱きしめるジルベール様自身も、
集中して魔術書を読んでいた。
本当に似たもの夫婦だと思う。
同じ特級魔術師でも親しみやすい院長とは違い、
ジルベール様は孤高の存在だった。
それがシャル様と並んでいると、
少し変わっているがちゃんと夫婦に見える。
「今日は精霊が融合していなかったけれど、
シャル様は猫耳が見える時があるから覚えていて。
そういう時はあまり部屋から出ないから、
特にセドが関わることはないはずだけどね」
「はぁぁ。あれがシャル様か。
たしかに可愛らしいけれど、びっくりしたな……」
「そう?そんなに驚くことあった?」
「いや、ジルベールって、あんな感じだったか?
あいつって毒舌で人を虫けらみたいに見てきた気がするのに」
ああ、なるほど。
ジルベール様の三つ下のセドは、
幼いころはいたずら好きで手が付けられない子だった。
あのジルベール様に何度もいたずらを仕掛けたと聞いて、
命が惜しくないのかと思ったものだ。
その頃のジルベール様のままだと思っていたのなら、
さぞかし驚いたことだろう。
「ジルベール様が優しいのはシャル様の前だけよ。
シャル様がいない時に令嬢に話しかけられたら、
以前のまま毒舌で撃退しているわ」
「そうなのか……それは安心したような?」
「シャル様に関わることでセドが何かすれば、
同じように責め立てられると思うから気をつけなさいね」
「う……わかった。気をつけるよ」
しっかり警告だと受け取ったようで、
セドは姿勢を正すように身震いした。
シャル様にいたずらを仕掛けるような馬鹿な真似をすれば、
すぐにクビになるだろうし、庇う気もない。
そこだけは確実に理解しておいてもらわないと。
シャル様との結婚を公表した後も、
ジルベール様の愛人希望の令嬢は減らなかった。
むしろシャル様に優しくしているジルベール様を見た令嬢が、
勘違いして突撃していくことが増えていた。
たいていはシャル様もいる時に話しかけ、
素っ気ない態度で追い返されるだけなのだが、
まれにシャル様がいない時もある。
その時の毒舌っぷりは健在で、あれはシャル様には聞かせられない。
ジルベール様もそう思うから、シャル様の前では抑えているに違いない。
それに気がついていないシャル様は、
のほほんとジルベール様は優しいとか言っているけれど。
周りが黙っているのはジルベール様が怖いからだ。
もちろん、私も余計なことを言うつもりはない。
「それにしても本当に家令になるとは。
領地二つも経営することになるのに、大丈夫なの?」
「大丈夫。マリーナと結婚するためならこれくらい。
なんてことないよ」
にっこり笑うセドに、私も絆されてしまったと思い返す。
ずっと求婚を断っていたのに、ここまでされたのでは。
もう自分の気持ちをごまかすのも限界だった。
セドのことは好きだったけれど、自分の夢は捨てられなかった。
ジルベール様の助手にしてもらおうと思ったのは、
生家の公爵家に権力で連れ戻されたくなかったから。
それは今も同じ気持ちで。
セドと結婚するのに条件をつけた。
伯爵家以下の爵位にしてほしいと。
侯爵家以上の爵位があるとこの家の侍女が続けられなくなる。
ジルベール様の保護下から出てしまえば、
公爵家のお父様が出しゃばってくる可能性が高い。
魔術師でいたいという気持ちももちろん強いけれど、
今はシャル様の侍女でい続けたい気持ちの方が強い。
セドは私の願いを聞いて、王家が持つアンクタン伯爵家の領地を得た。
シャル様が聞いても気がつかないように、
名前は変えてルメール伯爵家になっている。
結婚するのは来年になるが、
セドは王族を降り伯爵に、そのまま家令を続ける。
私も伯爵夫人となるが侍女の仕事を続ける予定だ。
「あぁ、そうだわ。
これからはジルベール様と呼ばないとダメよ」
「あーそうだった。そうする」
えらそうな態度だけはどうにかしてほしいけれど、
問題さえなければジルベール様は気にしないだろう。
すべてはシャル様が自由に過ごせるようにと。
「では、私はお茶の用意をするから。
家令の仕事、がんばって」
「ああ」
ようやく一緒に働けるようになったのに冷たかっただろうか?
さみしそうに執務室へと向かったセドに申し訳ない気持ちもあるけど、
今は侍女としての仕事がある。そうのんびり話してはいられない。
もうすぐ午後のお茶の時間になる。
シャル様が魔術書を読むのに邪魔にならないお菓子を用意して、
少しぬるめのお茶を淹れよう。
二人とも夢中になると火傷しても気がつかないから。
努力家のシャル様はこの短期間で全属性の魔術を使えるようにまでなった。
もう一度魔力検査をすれば特級魔術師になる可能性もあるが、
そうしないのはシャル様が助手でいられなくなることと、
新たに助手をつけなくてはいけなくなるから。
あの二人についていける助手が見つかるとは到底思えない。
準備をして部屋に入ろうとドアを開けたら、
シャル様がジルベール様に寄りかかってうたたねをしていた。
その無防備な姿がかわいいとジルベール様がながめているのがわかって、
もう少し時間を置いてからにしようとドアを閉めた。
「ふふふ。今日もいいものが見れたわ」
これだからこの仕事はやめられない。
特級魔術師の生活を研究するって、なんて素敵なのかしら。
ジルベール様の屋敷の家令となったのは、
シャル様が学園を卒業してから一年が過ぎた頃だった。
今日が仕事始めということで、
部屋でくつろいでいるお二人にセドが挨拶をし、
邪魔をしないように短時間で出てきた。
部屋の中では、一生懸命魔術書を読んでいるシャル様。
大事そうにシャル様を後ろから抱きしめるジルベール様自身も、
集中して魔術書を読んでいた。
本当に似たもの夫婦だと思う。
同じ特級魔術師でも親しみやすい院長とは違い、
ジルベール様は孤高の存在だった。
それがシャル様と並んでいると、
少し変わっているがちゃんと夫婦に見える。
「今日は精霊が融合していなかったけれど、
シャル様は猫耳が見える時があるから覚えていて。
そういう時はあまり部屋から出ないから、
特にセドが関わることはないはずだけどね」
「はぁぁ。あれがシャル様か。
たしかに可愛らしいけれど、びっくりしたな……」
「そう?そんなに驚くことあった?」
「いや、ジルベールって、あんな感じだったか?
あいつって毒舌で人を虫けらみたいに見てきた気がするのに」
ああ、なるほど。
ジルベール様の三つ下のセドは、
幼いころはいたずら好きで手が付けられない子だった。
あのジルベール様に何度もいたずらを仕掛けたと聞いて、
命が惜しくないのかと思ったものだ。
その頃のジルベール様のままだと思っていたのなら、
さぞかし驚いたことだろう。
「ジルベール様が優しいのはシャル様の前だけよ。
シャル様がいない時に令嬢に話しかけられたら、
以前のまま毒舌で撃退しているわ」
「そうなのか……それは安心したような?」
「シャル様に関わることでセドが何かすれば、
同じように責め立てられると思うから気をつけなさいね」
「う……わかった。気をつけるよ」
しっかり警告だと受け取ったようで、
セドは姿勢を正すように身震いした。
シャル様にいたずらを仕掛けるような馬鹿な真似をすれば、
すぐにクビになるだろうし、庇う気もない。
そこだけは確実に理解しておいてもらわないと。
シャル様との結婚を公表した後も、
ジルベール様の愛人希望の令嬢は減らなかった。
むしろシャル様に優しくしているジルベール様を見た令嬢が、
勘違いして突撃していくことが増えていた。
たいていはシャル様もいる時に話しかけ、
素っ気ない態度で追い返されるだけなのだが、
まれにシャル様がいない時もある。
その時の毒舌っぷりは健在で、あれはシャル様には聞かせられない。
ジルベール様もそう思うから、シャル様の前では抑えているに違いない。
それに気がついていないシャル様は、
のほほんとジルベール様は優しいとか言っているけれど。
周りが黙っているのはジルベール様が怖いからだ。
もちろん、私も余計なことを言うつもりはない。
「それにしても本当に家令になるとは。
領地二つも経営することになるのに、大丈夫なの?」
「大丈夫。マリーナと結婚するためならこれくらい。
なんてことないよ」
にっこり笑うセドに、私も絆されてしまったと思い返す。
ずっと求婚を断っていたのに、ここまでされたのでは。
もう自分の気持ちをごまかすのも限界だった。
セドのことは好きだったけれど、自分の夢は捨てられなかった。
ジルベール様の助手にしてもらおうと思ったのは、
生家の公爵家に権力で連れ戻されたくなかったから。
それは今も同じ気持ちで。
セドと結婚するのに条件をつけた。
伯爵家以下の爵位にしてほしいと。
侯爵家以上の爵位があるとこの家の侍女が続けられなくなる。
ジルベール様の保護下から出てしまえば、
公爵家のお父様が出しゃばってくる可能性が高い。
魔術師でいたいという気持ちももちろん強いけれど、
今はシャル様の侍女でい続けたい気持ちの方が強い。
セドは私の願いを聞いて、王家が持つアンクタン伯爵家の領地を得た。
シャル様が聞いても気がつかないように、
名前は変えてルメール伯爵家になっている。
結婚するのは来年になるが、
セドは王族を降り伯爵に、そのまま家令を続ける。
私も伯爵夫人となるが侍女の仕事を続ける予定だ。
「あぁ、そうだわ。
これからはジルベール様と呼ばないとダメよ」
「あーそうだった。そうする」
えらそうな態度だけはどうにかしてほしいけれど、
問題さえなければジルベール様は気にしないだろう。
すべてはシャル様が自由に過ごせるようにと。
「では、私はお茶の用意をするから。
家令の仕事、がんばって」
「ああ」
ようやく一緒に働けるようになったのに冷たかっただろうか?
さみしそうに執務室へと向かったセドに申し訳ない気持ちもあるけど、
今は侍女としての仕事がある。そうのんびり話してはいられない。
もうすぐ午後のお茶の時間になる。
シャル様が魔術書を読むのに邪魔にならないお菓子を用意して、
少しぬるめのお茶を淹れよう。
二人とも夢中になると火傷しても気がつかないから。
努力家のシャル様はこの短期間で全属性の魔術を使えるようにまでなった。
もう一度魔力検査をすれば特級魔術師になる可能性もあるが、
そうしないのはシャル様が助手でいられなくなることと、
新たに助手をつけなくてはいけなくなるから。
あの二人についていける助手が見つかるとは到底思えない。
準備をして部屋に入ろうとドアを開けたら、
シャル様がジルベール様に寄りかかってうたたねをしていた。
その無防備な姿がかわいいとジルベール様がながめているのがわかって、
もう少し時間を置いてからにしようとドアを閉めた。
「ふふふ。今日もいいものが見れたわ」
これだからこの仕事はやめられない。
特級魔術師の生活を研究するって、なんて素敵なのかしら。
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