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17.当主になれば(エミール)
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「何を言いだすかと思ったが、これで安心だな!」
「ええ、意外とあっさり認めましたねぇ。
婚約の破棄だけでなく次期公爵の立場も無くなり、
エルヴィラ嬢はこの後どうするつもりなんでしょう?」
「案外、他に男でもいるのかもしれんぞ。
公爵家なんていらないから、さっさと嫁に行きたいとかなぁ。
もしそうなら可愛げがあるじゃないか」
エルヴィラが退室してから、陛下と宰相はご機嫌でそんなことを言っている。
俺は二人の話に相づちを打つのがやっとで、
これからどうなるのかという不安を見せないように必死だった。
当主変更の儀?そんなの聞いたことないぞ。
一か月後、またあの場所に連れて行かれるのか?あの……化け物の前に………。
考えただけで震えが止まらなくなる。
なんとかその場をごまかし笑いで過ごし、屋敷へと戻る。
王宮を出るころには、もう暗くなり始めていた。
雨が降り始めた、と思ったらいきなり本降りになる。
まるで夕立のような雨に、馬車の速度が落ちる。
屋敷の前に着いたら、なぜか馬車はぴたりと止まって動かなくなった。
「どうかしたのか?」
馬車の中から聞いたが、雨がひどくて御者に聞こえていないようだ。
次の瞬間、馬車のドアが開いたと思ったら、ずぶ濡れの女が飛び込んできた。
悲鳴をあげそうになったところで聞き慣れた声で呼ばれた。
「エミール!助けて!」
「お父様!」
「……は?」
飛び込んできたずぶ濡れの女はアンヘラだった。
その後ろからブランカも馬車の中に入ってこようとしている。
こんな雨の中、どうして外で待っていたんだ?
「お前たち、雨なのにどうしたんだ?」
「わからないのよ!部屋の中にいたのに、急に外に出ていたの」
「私もよ!お茶を飲んでいたのに、急に敷地の外に出されていて。
中に戻ろうとしても入れないの!お父様、どういうことなの!?」
「外に出された……?」
敷地の中に入れない……外に出される。
思い出したのは、妻だったディアーヌを裏切ったことが知られた日。
急に外に放り出されたと思ったら、もう敷地の中に入れなかった。
あの日も、こんな風にひどい雨だった。
それから二年して、ディアーヌが亡くなったと知らされた。
俺が公爵家に再び入れたのはその一年後。
……そうだ。エルヴィラに許可されたからだ。
当主代理として、本宅にいるのであれば許可すると。
だが、どうして入れなくなった?
俺に当主を譲るのではなかったのか?
エルヴィラが認めたら精霊は怒らないんじゃなかったのか?
わからないが、今は公爵家の使用人も出てきてくれない。
御者も中に入れないらしく、呼んでこさせることもできない。
「……仕方ない。兄上のところに行こう」
御者に行き先を変えるように告げる。ダーチャ侯爵家の屋敷へと。
アーンフェ公爵家の屋敷とは比べ物ならないほど小さい屋敷だが、それも仕方ない。
昔は裕福だった侯爵家だが、十五年も不作が続いている。
以前の屋敷は売り払い、ここは二年ほど前に買い直した元男爵家が使っていた屋敷だ。
爵位だけ高くても、維持はできない。
それも俺が公爵になれば何とでもなると思って兄上は耐えてくれている。
「急にどうしたんだ!エミール。
一緒にいるのはアンヘラとブランカなのか?」
「あぁ、急にすまない。兄上、一月ほど面倒を見てくれないか?」
「何かあったのか?」
心配そうな顔の兄上に、公爵家の当主になることを告げる。
そして、一か月当主変更の儀が行われているので、公爵家に入れないことを説明する。
それが終わるまでここに置いてほしいと言うと快く受け入れてくれた。
「そうかぁ。やっとだな。やっと公爵家はお前のものになる」
満足げに笑う兄上に、俺もほっとする。
やっと兄上の望みを叶えてあげることができる。
あの公爵家から俺を解放し、愛する人と娘を守るのに手を貸してくれていた。
その恩に報いることができる。
客室に案内してもらい、すぐに湯あみをする。
激しく降る雨に濡れて、身体が冷え切っていた。
ようやく落ち着いたと寝台に転がったら、額に水が落ちてきた。
「なんだ?雨漏り……?」
どうやらぼろい屋敷の天井が雨漏りしているらしい。
使用人に言って寝台を雨漏りしていない場所に動かす。
やれやれと思って寝ていたら、またすぐに水が落ちてくる。
「どれだけぼろい屋敷なんだ……」
朝になる頃には雨漏りは十数か所にもなり、
あちこちに置かれた器に水がたまり、雨が落ちてくる音がうるさい。
ぴちょん。ぴ。ぽちょん。ぴ。ぼちゃん。ぴ。
「うるさいっ!!」
怒鳴ったところで静かになるわけもない。
一晩中雨の音と湿気に悩まされ、一睡もできなかった。
朝食の場に向かうと、アンヘラとブランカも顔色が悪かった。
二人の部屋もほぼ同じような状況らしい。
この屋敷全体が古いせいで、どこに行っても同じだった。
食堂でも廊下でも、ぴちょん。音がついて回る。
うるさすぎておかしくなりそうだ。
屋根を修理しようにも、雨がやまなければ何もできない。
昨晩中続いた雨は、昼になっても、夕方になっても止むことはなかった。
「いったい、いつまで続くんだ。降りすぎるだろう……」
一週間たっても雨は続いていた。むしろ、ひどくなっていく気がする。
雨漏りした天井は腐りかけ、壁や柱までもろくなっていく。
カビと木の腐った匂いが漂い、部屋の中にいるのが耐えきれない。
それでも屋敷の外に出れば暴風雨。馬車に乗るのさえ危ない。
もし、このまま雨が止まなければどうなるんだ。
そんな考えがよぎって、すぐにやめた。
きっと朝には雨が止んでいるはず。
きっと明日には晴れ間が見えるはず。
そんなことはありえないと、そろそろわかっていたのに。
「ええ、意外とあっさり認めましたねぇ。
婚約の破棄だけでなく次期公爵の立場も無くなり、
エルヴィラ嬢はこの後どうするつもりなんでしょう?」
「案外、他に男でもいるのかもしれんぞ。
公爵家なんていらないから、さっさと嫁に行きたいとかなぁ。
もしそうなら可愛げがあるじゃないか」
エルヴィラが退室してから、陛下と宰相はご機嫌でそんなことを言っている。
俺は二人の話に相づちを打つのがやっとで、
これからどうなるのかという不安を見せないように必死だった。
当主変更の儀?そんなの聞いたことないぞ。
一か月後、またあの場所に連れて行かれるのか?あの……化け物の前に………。
考えただけで震えが止まらなくなる。
なんとかその場をごまかし笑いで過ごし、屋敷へと戻る。
王宮を出るころには、もう暗くなり始めていた。
雨が降り始めた、と思ったらいきなり本降りになる。
まるで夕立のような雨に、馬車の速度が落ちる。
屋敷の前に着いたら、なぜか馬車はぴたりと止まって動かなくなった。
「どうかしたのか?」
馬車の中から聞いたが、雨がひどくて御者に聞こえていないようだ。
次の瞬間、馬車のドアが開いたと思ったら、ずぶ濡れの女が飛び込んできた。
悲鳴をあげそうになったところで聞き慣れた声で呼ばれた。
「エミール!助けて!」
「お父様!」
「……は?」
飛び込んできたずぶ濡れの女はアンヘラだった。
その後ろからブランカも馬車の中に入ってこようとしている。
こんな雨の中、どうして外で待っていたんだ?
「お前たち、雨なのにどうしたんだ?」
「わからないのよ!部屋の中にいたのに、急に外に出ていたの」
「私もよ!お茶を飲んでいたのに、急に敷地の外に出されていて。
中に戻ろうとしても入れないの!お父様、どういうことなの!?」
「外に出された……?」
敷地の中に入れない……外に出される。
思い出したのは、妻だったディアーヌを裏切ったことが知られた日。
急に外に放り出されたと思ったら、もう敷地の中に入れなかった。
あの日も、こんな風にひどい雨だった。
それから二年して、ディアーヌが亡くなったと知らされた。
俺が公爵家に再び入れたのはその一年後。
……そうだ。エルヴィラに許可されたからだ。
当主代理として、本宅にいるのであれば許可すると。
だが、どうして入れなくなった?
俺に当主を譲るのではなかったのか?
エルヴィラが認めたら精霊は怒らないんじゃなかったのか?
わからないが、今は公爵家の使用人も出てきてくれない。
御者も中に入れないらしく、呼んでこさせることもできない。
「……仕方ない。兄上のところに行こう」
御者に行き先を変えるように告げる。ダーチャ侯爵家の屋敷へと。
アーンフェ公爵家の屋敷とは比べ物ならないほど小さい屋敷だが、それも仕方ない。
昔は裕福だった侯爵家だが、十五年も不作が続いている。
以前の屋敷は売り払い、ここは二年ほど前に買い直した元男爵家が使っていた屋敷だ。
爵位だけ高くても、維持はできない。
それも俺が公爵になれば何とでもなると思って兄上は耐えてくれている。
「急にどうしたんだ!エミール。
一緒にいるのはアンヘラとブランカなのか?」
「あぁ、急にすまない。兄上、一月ほど面倒を見てくれないか?」
「何かあったのか?」
心配そうな顔の兄上に、公爵家の当主になることを告げる。
そして、一か月当主変更の儀が行われているので、公爵家に入れないことを説明する。
それが終わるまでここに置いてほしいと言うと快く受け入れてくれた。
「そうかぁ。やっとだな。やっと公爵家はお前のものになる」
満足げに笑う兄上に、俺もほっとする。
やっと兄上の望みを叶えてあげることができる。
あの公爵家から俺を解放し、愛する人と娘を守るのに手を貸してくれていた。
その恩に報いることができる。
客室に案内してもらい、すぐに湯あみをする。
激しく降る雨に濡れて、身体が冷え切っていた。
ようやく落ち着いたと寝台に転がったら、額に水が落ちてきた。
「なんだ?雨漏り……?」
どうやらぼろい屋敷の天井が雨漏りしているらしい。
使用人に言って寝台を雨漏りしていない場所に動かす。
やれやれと思って寝ていたら、またすぐに水が落ちてくる。
「どれだけぼろい屋敷なんだ……」
朝になる頃には雨漏りは十数か所にもなり、
あちこちに置かれた器に水がたまり、雨が落ちてくる音がうるさい。
ぴちょん。ぴ。ぽちょん。ぴ。ぼちゃん。ぴ。
「うるさいっ!!」
怒鳴ったところで静かになるわけもない。
一晩中雨の音と湿気に悩まされ、一睡もできなかった。
朝食の場に向かうと、アンヘラとブランカも顔色が悪かった。
二人の部屋もほぼ同じような状況らしい。
この屋敷全体が古いせいで、どこに行っても同じだった。
食堂でも廊下でも、ぴちょん。音がついて回る。
うるさすぎておかしくなりそうだ。
屋根を修理しようにも、雨がやまなければ何もできない。
昨晩中続いた雨は、昼になっても、夕方になっても止むことはなかった。
「いったい、いつまで続くんだ。降りすぎるだろう……」
一週間たっても雨は続いていた。むしろ、ひどくなっていく気がする。
雨漏りした天井は腐りかけ、壁や柱までもろくなっていく。
カビと木の腐った匂いが漂い、部屋の中にいるのが耐えきれない。
それでも屋敷の外に出れば暴風雨。馬車に乗るのさえ危ない。
もし、このまま雨が止まなければどうなるんだ。
そんな考えがよぎって、すぐにやめた。
きっと朝には雨が止んでいるはず。
きっと明日には晴れ間が見えるはず。
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