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17.ケイン兄さま
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公爵家に着くと、執事のシュルンが玄関前で待ち構えていた。
通常シュルンが出迎えることは無いのに、どうしたのだろう。
何か急ぎの用事でもあるのだろうか?
「おかえりなさいませ。」
「どうかしたの?何かあった?」
「ケイン様がお見えです。お嬢様の帰りを待つと。
それと、ジョーゼル様ともお話ししたいとおっしゃっていて。」
「俺とも?」
「はい。応接室でお待ちしています。」
「わかった。お邪魔するよ。」
シュルンが先導して応接室に向かう間、
ゼル様を会わせる前にケイン兄さまとの関係を説明する。
そのほうが話しやすいだろう。
「ゼル様、ケイン兄さまは父の妹の子なの。従兄よ。
私がこの公爵家を継がない時はケイン兄さまが継ぐことになっていたと思うわ。」
「あぁ、そうか。アンジェとは従兄になるのか。
セントル侯爵家のケイン様だろう?
一つ上の学年だったから覚えているよ。
一度剣技大会で戦ったこともあるし。」
「ケイン兄さまの下に妹のユリエルもいて、どちらも仲良しなの。
いずれ紹介しようとは思っていたのだけど、
急に訪ねて来るなんて思わなかったわ。」
話をしている間に応接室に着いて、シュルンは中に入っていく。
中ではケイン兄さまがソファに座ってお茶を飲んで待っていた。
私と同じ金髪緑目だが、熊のように体格は大きく、性格は穏やかで優しい。
少し見ない間にまた身体が大きくなったように見える。
「ケイン様、お待たせしました。」
「あぁ、いいよ。シュルンありがとう。
アンジェ、おかえり。
隣の彼を紹介してもらってもいいかな?」
立ち上がって迎えてくれたケイン兄さまにゼル様を紹介する。
「ゼル様、こちらは従兄のケイン兄さまです。
ケイン兄さま、第三王子のジョーゼル様です。」
「お話しするのは初めてですね。ジョーゼルです。」
「剣技大会で負けた時以来になります。ケイン・セントルです。
こんな風に会うことになるとは思いませんでしたよ。」
「あぁ俺のほうが年下なので、普通に話してください。
ケイン様、そんな話し方じゃないですよね?」
「ああ、じゃあ、ジョーゼル様も普通に話してもらえるか?
ジョーゼル様のほうが身分が上だしな。」
「わかった。」
どちらからともなく手を出すと固く握手している。
見つめ合ったと思ったら二人ともニヤッと笑った。
握手した手が離れると、ゼル様に隣に座るように手を引かれた。
「ふふふ。心配して損したな。」
思わずといった風に笑い出したケイン兄さまに、心配してきてくれたんだと気が付く。
「ケイン兄さま、心配で来てくれたの?」
「そうだよ。
アンジェは運命の相手について、あまりいい風に思っていなかっただろう?
まぁ、さわることができたら運命の相手だなんて言われて、
あれだけいろんな男に寄ってこられていたら嫌にもなるよな。
さわれるからって、そいつのことを気に入るとも限らないし。
もしかしたらアンジェは不本意だったりするのかと思って会いに来たんだ。
会ってみてすぐにわかったよ。そんな心配は必要なかったな。
せっかくハインツ様が休みをくれたっていうのに。」
「え?第一王子が?」
通常シュルンが出迎えることは無いのに、どうしたのだろう。
何か急ぎの用事でもあるのだろうか?
「おかえりなさいませ。」
「どうかしたの?何かあった?」
「ケイン様がお見えです。お嬢様の帰りを待つと。
それと、ジョーゼル様ともお話ししたいとおっしゃっていて。」
「俺とも?」
「はい。応接室でお待ちしています。」
「わかった。お邪魔するよ。」
シュルンが先導して応接室に向かう間、
ゼル様を会わせる前にケイン兄さまとの関係を説明する。
そのほうが話しやすいだろう。
「ゼル様、ケイン兄さまは父の妹の子なの。従兄よ。
私がこの公爵家を継がない時はケイン兄さまが継ぐことになっていたと思うわ。」
「あぁ、そうか。アンジェとは従兄になるのか。
セントル侯爵家のケイン様だろう?
一つ上の学年だったから覚えているよ。
一度剣技大会で戦ったこともあるし。」
「ケイン兄さまの下に妹のユリエルもいて、どちらも仲良しなの。
いずれ紹介しようとは思っていたのだけど、
急に訪ねて来るなんて思わなかったわ。」
話をしている間に応接室に着いて、シュルンは中に入っていく。
中ではケイン兄さまがソファに座ってお茶を飲んで待っていた。
私と同じ金髪緑目だが、熊のように体格は大きく、性格は穏やかで優しい。
少し見ない間にまた身体が大きくなったように見える。
「ケイン様、お待たせしました。」
「あぁ、いいよ。シュルンありがとう。
アンジェ、おかえり。
隣の彼を紹介してもらってもいいかな?」
立ち上がって迎えてくれたケイン兄さまにゼル様を紹介する。
「ゼル様、こちらは従兄のケイン兄さまです。
ケイン兄さま、第三王子のジョーゼル様です。」
「お話しするのは初めてですね。ジョーゼルです。」
「剣技大会で負けた時以来になります。ケイン・セントルです。
こんな風に会うことになるとは思いませんでしたよ。」
「あぁ俺のほうが年下なので、普通に話してください。
ケイン様、そんな話し方じゃないですよね?」
「ああ、じゃあ、ジョーゼル様も普通に話してもらえるか?
ジョーゼル様のほうが身分が上だしな。」
「わかった。」
どちらからともなく手を出すと固く握手している。
見つめ合ったと思ったら二人ともニヤッと笑った。
握手した手が離れると、ゼル様に隣に座るように手を引かれた。
「ふふふ。心配して損したな。」
思わずといった風に笑い出したケイン兄さまに、心配してきてくれたんだと気が付く。
「ケイン兄さま、心配で来てくれたの?」
「そうだよ。
アンジェは運命の相手について、あまりいい風に思っていなかっただろう?
まぁ、さわることができたら運命の相手だなんて言われて、
あれだけいろんな男に寄ってこられていたら嫌にもなるよな。
さわれるからって、そいつのことを気に入るとも限らないし。
もしかしたらアンジェは不本意だったりするのかと思って会いに来たんだ。
会ってみてすぐにわかったよ。そんな心配は必要なかったな。
せっかくハインツ様が休みをくれたっていうのに。」
「え?第一王子が?」
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