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75.新しい朝
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テラスに置いてある椅子に腰かけ、ぼんやりとしていたら、
部屋の中から焦ったようなマールの声が聞こえた。
「え?リディアーヌ様?どちらに!?」
あぁ、しまった。マールが起こしに来てしまった。
朝早く散歩に行くこともあるが、その場合は書置きを残している。
何もなく、寝台に私がいないのを見たら焦るに決まっている。
「マール、私はここよ」
「リディアーヌ様!そんな恰好で外に出るなんて!」
「あ、そういえば」
いつもの夜着の上からガウンを羽織っただけだった。
まだ夜は寒い。こんな格好で外に出ていたら……
「あぁ、やはり。……熱が高いです。
すぐにトマス先生を呼んできますから、リディアーヌ様は寝台へ」
「う、うん。ごめんね」
「さぁ、早く横になってください」
私室へと戻されると、すぐに寝台へと連れて行かれる。
ガウンを脱いで横になっていると、トマスが部屋に入ってくる。
「……もしかして昨日の夜からずっとテラスにいたのですか?」
「……うん。気がついたら朝だった」
「はぁぁ……まずは薬湯を飲んで、ぐっすり寝てください。
説教はそれからです」
「…はぁい」
眉間にしわを寄せたままのトマスから薬湯を受け取って飲む。
いつもよりも苦く感じるのは…気のせいなのかな。
飲み終わると、熱がまた上がってきている気がする。
「とにかく、今は休んでください」
「うん……」
額にあててくれるトマスの冷たい手が気持ちいい。
けっこう熱が高くなっているんだ。
失敗したな。ギルバードが帰った時に部屋の中に入れば良かった。
そしたら熱を出したとしても怒られなかったと思うのに。
身体が引っ張られるように重くて、目を閉じたらすぐに夢の中にいた。
ふわふわと漂うように流され、リディアーヌの身体に入り込む夢だった。
あの時もこんな感じだったのだろうか。何も思い出せないけれど……。
目を開けたら、心配そうな顔のトマスにのぞきこまれていた。
「まだ熱がありますね……」
「そうなの?楽になった気がしたのに」
「一晩、テラスにいたら風邪をひいて当然です。
そんなにすぐには良くなりませんよ……。
まぁ、ギルバードにホットミルクを頼んだのは私ですが」
「え?」
「さすがにテラスで話すとは思っていませんでした。
部屋の中で話すものだと」
「いくら婚約者でも部屋の中で二人きりはまずいんじゃないの?
夜だし、見つかったらお父様に叱られるでしょ?」
昼間に二人で過ごすことはあっても、さすがに夜中に二人でいたら怒られるだろう。
婚約者と言っても仮なんだし。
ギルバードが叱られることになると思う。
まぁ、昨日はそんなことを考えていたわけじゃなく、たまたまテラスにいたわけだけど。
「そうですか……まぁ、きちんと話せたのならいいですけど」
「え?」
ここでようやく気がついた。
ギルバードにホットミルクを持って行くように頼んだのはトマスだという事に。
昨日のあの状態のギルバードに、わざわざ夜に会いに来させるって。
「……まさか、トマスも知っているってこと?」
「正確に言えば、知っていた、です」
「いつから…?」
「そうですね……八歳になるくらいでしたかね」
八歳から?目覚めてから三年後にはもうマリエルだったことを知っていた?
「そんなに前から!どうして!?」
「それは、どうして知っているのか?ですか?
それとも知っているのに言わなかったことですか?」
「両方よ……わかっていて、何も言わなかったの?」
「そうですねぇ。まぁ、言う必要はないですね」
「は?」
言う必要はない?リディアーヌとして目覚めた中身が他人であっても?
あれ、そういえば、カミルが読んだ本はトマスが買い集めたものだ。
目覚めぬ者に魂がないことを知らないはずはない……。
「リディアーヌ様はリディアーヌ様です。
たしかに最初の頃は戸惑っていたように見えましたが、
八歳になる頃にはリディアーヌ様として生きると決めたように思います。
違いますか?」
リディアーヌとして目覚めてからしばらくは身体が動かなかった。
自分で動いて話せるようになるまで二年もかかっている。
その頃にはもうマリエルとして生きるのは無理だとわかっていた。
それに動けなかった間に、どれだけリディアーヌが愛されているか知ったから。
ここでリディアーヌとして生きると決めた。それもわかっていたと?
「…違わないわ。
もうマリエルとしては生きられないから、
リディアーヌとして生きていこうと決めたけれど、それでいいの?」
「私の前にいるあなたがリディアーヌ様です。
私がずっとお世話して、育ててきたのはあなたなのですよ。
それとも、私に嘘をつくようなことはありましたか?
リディアーヌ様だと演じていたとでもいうのですか?」
トマスに嘘をつくわけなんてない。
リディアーヌとして生きてきたけれど、他の誰かを演じていたわけでもない。
私は私のまま、リディアーヌとして生きてきた。
「それでいいのです。
私は、あなたが目を覚ました時から、あなたにお仕えしている。
他の誰でもなく、あなただからそばにいるのです」
「このままでいいの?」
「おや。私を辞めさせる気ですか?」
「まさか!トマスがいなくなったら困る」
「では、それでいいのでは?今まで通りで。
無理に何かを変えようとする必要はありません」
「いいんだ……そっか。わかった」
このままでいいと言われて、思った以上にほっとする。
トマスに受け入れられないと言われたらと思うと怖かった。
「旦那様も知っていましたよ」
「え?」
「あなたの過去もすべて知った上で、リディアーヌ様を愛しているのです」
「そうなの……良かった。お父様も最初からわかっていたんだね。
知ってるのはトマスとお父様だけ?」
もしかして、屋敷のもの全員がわかっていたりするんだろうか。
「目覚めぬ者についての本はこことエシェルの王宮にしかありません。
気がつくものもいないでしょう。
あぁ、奥様が知らないのは旦那様の指示です。
リディアーヌ様の目が覚めるかわかりませんでしたから。
産んだ子に魂がないとわかれば悲しむだろうと。
そういった事情があったので、目覚めた後も説明しなかったようです」
「それはそうよね。そのまま死んでいたはずだもの。
お母様が必要以上に悲しまないようにするのは当然ね」
ラルエット家とはいえ、エシェルの王族を産んだのに死なせてしまったとなれば、
責められるのはお母様だと思う。
もともと身体の弱いお母様は私を産んだ後は子を望めなくなっている。
そういうこともあって、お父様は何も言わなかったのだと思う。
「もう、悩まなくてもいいのですよ」
「トマス?」
「ギルバードとカミルに会わせてどうなるかと思っていましたが、
二人ともこの状況を受け入れたでしょう。
リディアーヌ様だけが悩むことは、もうしなくていいのです」
「うん…そうだね」
「まずは、早く身体を治しましょう。
もう少ししたら食事をお持ちしますから」
「うん………トマス、ありがとう」
「どういたしまして」
「これからも、ずっといてね」
「ふふ。もちろんですよ」
めずらしく笑ってトマスは部屋から出て行った。
あぁ、悩み事が一気に解決したような気分。
何も変わっていないような気もするのに、心が軽くなる。
もう一度目を閉じたら、夢は見なかった。
誰かに頬を撫でられたような気がして目を開けると、そこにはギルバードがいた。
「…ギルバード?」
部屋の中から焦ったようなマールの声が聞こえた。
「え?リディアーヌ様?どちらに!?」
あぁ、しまった。マールが起こしに来てしまった。
朝早く散歩に行くこともあるが、その場合は書置きを残している。
何もなく、寝台に私がいないのを見たら焦るに決まっている。
「マール、私はここよ」
「リディアーヌ様!そんな恰好で外に出るなんて!」
「あ、そういえば」
いつもの夜着の上からガウンを羽織っただけだった。
まだ夜は寒い。こんな格好で外に出ていたら……
「あぁ、やはり。……熱が高いです。
すぐにトマス先生を呼んできますから、リディアーヌ様は寝台へ」
「う、うん。ごめんね」
「さぁ、早く横になってください」
私室へと戻されると、すぐに寝台へと連れて行かれる。
ガウンを脱いで横になっていると、トマスが部屋に入ってくる。
「……もしかして昨日の夜からずっとテラスにいたのですか?」
「……うん。気がついたら朝だった」
「はぁぁ……まずは薬湯を飲んで、ぐっすり寝てください。
説教はそれからです」
「…はぁい」
眉間にしわを寄せたままのトマスから薬湯を受け取って飲む。
いつもよりも苦く感じるのは…気のせいなのかな。
飲み終わると、熱がまた上がってきている気がする。
「とにかく、今は休んでください」
「うん……」
額にあててくれるトマスの冷たい手が気持ちいい。
けっこう熱が高くなっているんだ。
失敗したな。ギルバードが帰った時に部屋の中に入れば良かった。
そしたら熱を出したとしても怒られなかったと思うのに。
身体が引っ張られるように重くて、目を閉じたらすぐに夢の中にいた。
ふわふわと漂うように流され、リディアーヌの身体に入り込む夢だった。
あの時もこんな感じだったのだろうか。何も思い出せないけれど……。
目を開けたら、心配そうな顔のトマスにのぞきこまれていた。
「まだ熱がありますね……」
「そうなの?楽になった気がしたのに」
「一晩、テラスにいたら風邪をひいて当然です。
そんなにすぐには良くなりませんよ……。
まぁ、ギルバードにホットミルクを頼んだのは私ですが」
「え?」
「さすがにテラスで話すとは思っていませんでした。
部屋の中で話すものだと」
「いくら婚約者でも部屋の中で二人きりはまずいんじゃないの?
夜だし、見つかったらお父様に叱られるでしょ?」
昼間に二人で過ごすことはあっても、さすがに夜中に二人でいたら怒られるだろう。
婚約者と言っても仮なんだし。
ギルバードが叱られることになると思う。
まぁ、昨日はそんなことを考えていたわけじゃなく、たまたまテラスにいたわけだけど。
「そうですか……まぁ、きちんと話せたのならいいですけど」
「え?」
ここでようやく気がついた。
ギルバードにホットミルクを持って行くように頼んだのはトマスだという事に。
昨日のあの状態のギルバードに、わざわざ夜に会いに来させるって。
「……まさか、トマスも知っているってこと?」
「正確に言えば、知っていた、です」
「いつから…?」
「そうですね……八歳になるくらいでしたかね」
八歳から?目覚めてから三年後にはもうマリエルだったことを知っていた?
「そんなに前から!どうして!?」
「それは、どうして知っているのか?ですか?
それとも知っているのに言わなかったことですか?」
「両方よ……わかっていて、何も言わなかったの?」
「そうですねぇ。まぁ、言う必要はないですね」
「は?」
言う必要はない?リディアーヌとして目覚めた中身が他人であっても?
あれ、そういえば、カミルが読んだ本はトマスが買い集めたものだ。
目覚めぬ者に魂がないことを知らないはずはない……。
「リディアーヌ様はリディアーヌ様です。
たしかに最初の頃は戸惑っていたように見えましたが、
八歳になる頃にはリディアーヌ様として生きると決めたように思います。
違いますか?」
リディアーヌとして目覚めてからしばらくは身体が動かなかった。
自分で動いて話せるようになるまで二年もかかっている。
その頃にはもうマリエルとして生きるのは無理だとわかっていた。
それに動けなかった間に、どれだけリディアーヌが愛されているか知ったから。
ここでリディアーヌとして生きると決めた。それもわかっていたと?
「…違わないわ。
もうマリエルとしては生きられないから、
リディアーヌとして生きていこうと決めたけれど、それでいいの?」
「私の前にいるあなたがリディアーヌ様です。
私がずっとお世話して、育ててきたのはあなたなのですよ。
それとも、私に嘘をつくようなことはありましたか?
リディアーヌ様だと演じていたとでもいうのですか?」
トマスに嘘をつくわけなんてない。
リディアーヌとして生きてきたけれど、他の誰かを演じていたわけでもない。
私は私のまま、リディアーヌとして生きてきた。
「それでいいのです。
私は、あなたが目を覚ました時から、あなたにお仕えしている。
他の誰でもなく、あなただからそばにいるのです」
「このままでいいの?」
「おや。私を辞めさせる気ですか?」
「まさか!トマスがいなくなったら困る」
「では、それでいいのでは?今まで通りで。
無理に何かを変えようとする必要はありません」
「いいんだ……そっか。わかった」
このままでいいと言われて、思った以上にほっとする。
トマスに受け入れられないと言われたらと思うと怖かった。
「旦那様も知っていましたよ」
「え?」
「あなたの過去もすべて知った上で、リディアーヌ様を愛しているのです」
「そうなの……良かった。お父様も最初からわかっていたんだね。
知ってるのはトマスとお父様だけ?」
もしかして、屋敷のもの全員がわかっていたりするんだろうか。
「目覚めぬ者についての本はこことエシェルの王宮にしかありません。
気がつくものもいないでしょう。
あぁ、奥様が知らないのは旦那様の指示です。
リディアーヌ様の目が覚めるかわかりませんでしたから。
産んだ子に魂がないとわかれば悲しむだろうと。
そういった事情があったので、目覚めた後も説明しなかったようです」
「それはそうよね。そのまま死んでいたはずだもの。
お母様が必要以上に悲しまないようにするのは当然ね」
ラルエット家とはいえ、エシェルの王族を産んだのに死なせてしまったとなれば、
責められるのはお母様だと思う。
もともと身体の弱いお母様は私を産んだ後は子を望めなくなっている。
そういうこともあって、お父様は何も言わなかったのだと思う。
「もう、悩まなくてもいいのですよ」
「トマス?」
「ギルバードとカミルに会わせてどうなるかと思っていましたが、
二人ともこの状況を受け入れたでしょう。
リディアーヌ様だけが悩むことは、もうしなくていいのです」
「うん…そうだね」
「まずは、早く身体を治しましょう。
もう少ししたら食事をお持ちしますから」
「うん………トマス、ありがとう」
「どういたしまして」
「これからも、ずっといてね」
「ふふ。もちろんですよ」
めずらしく笑ってトマスは部屋から出て行った。
あぁ、悩み事が一気に解決したような気分。
何も変わっていないような気もするのに、心が軽くなる。
もう一度目を閉じたら、夢は見なかった。
誰かに頬を撫でられたような気がして目を開けると、そこにはギルバードがいた。
「…ギルバード?」
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