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19.治癒
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「魔力を流していると、怪我している場所も少しわかるんだ。
右胸、どうしたのか教えて?」
リアは右胸と聞いた瞬間、さっと顔色を悪くした。
やはり何かはあったんだな。
だいたい想像はつくけど、ちゃんと説明してほしい。
「リア、話してくれない?」
「…後ろから羽交い絞めにされて、
服を脱がされそうになったから肘打ちして抵抗したの。
そしたら右胸を力いっぱい掴むようにさわられて…制服の上からだけど。
力が強かったからあざになってると思う…。」
思い出したのか少し涙目になってしまったリアに、
心配いらないと抱きしめて頭を撫でる。
「嫌な思いしたけど、よく逃げたね。リアは頑張ったよ。」
「うん…。」
「そのあざも俺が消して無かったことにするから、ね?」
「うん…。」
「じゃあ、服脱がせるよ。」
「えっ。」
右胸についているというあざを見ようとブラウスのボタンを一つずつ外していく。
目に見えて慌てて真っ赤な顔しているリアが可愛いが、止めてあげない。
「ジル?ちょっと待って。自分で治すから!」
「無理だよ。今リアの中にあるのは俺の魔力だって言ったでしょ。
リアの属性は光と風だね。光なら自分自身にも治癒できるよな。
だけど、俺の属性は水と氷と闇だから。自分に治癒はかけれないよ。」
「じゃあ、私の魔力に戻ったら治す!」
「いやだよ。あいつに傷つけられた痕をそのままにしておくわけないだろう。
俺は治癒が得意じゃないから、見て直接触らないと使えないんだ。」
ブラウスのボタンは全部外され、下着が見える。
声では嫌がってるけど、全く抵抗されないのをいいことに、
そのまま下着も外してしまう。
真っ白で形のいい胸や桃色の先が見えて、興奮する気持ちもあるけど、
右胸にはっきりと赤黒いあざがあるのが見えてイラつく気持ちの方が強い。
俺のリアにこんな痕をつけるのは許さない。
どれだけ強く揉んだらこんな痕になるんだ。
そこに見えた暴力の痕に、リアがどれだけ怖かっただろうと思う。
すぐに治してあげたかった。
湯あみで一人でいる時にその痕を見て怯えてしまわないように、
どうしても今俺が治しておきたかった。
「さわるよ。痛かったら言って?」
痛くないようにリアの右胸にそっと手を当てる。
胸全体をおおうように手を当てて、治癒を展開させていく。
思ったよりも範囲が大きくて、何度か手を当てる場所を変えて治癒をかける。
「んっ。」
リアが真っ赤なまま口に手を当てて声が出ないようにしているのを見て、
少しだけ意地悪な気持ちになる。
嫌な思い出を上書きできないかな…俺が。
もうほとんどあざが消えたのを確認しながら、手ではなくくちびるでふれ、
ぱくりと咥えるように口にふくんだ。
そのまま魔力を送りこんで、薄く残っていた痕も消していく。
右胸全体を綺麗にした後、胸の少し上に吸い付いてわざと痕をつける。
身体の態勢を元に戻して、
恥ずかしさで息が上がってしまっているリアを抱き寄せると、
何の抵抗も感じずにリアは胸に顔を寄せてくる。
「もう大丈夫。全部綺麗になった。
その上で、俺が痕をつけた。
いい?リア。思い出すのは俺の痕のことだけだよ?」
「…うん。ありがとう。」
そのまま余韻を楽しむように抱き合った後、リアに湯あみをさせてミトを呼んだ。
着替えなどを用意して待ってるはずだ。
久しぶりに顔を見たミトは泣いていたのか目が赤くなっている。
寝不足なのだろう。その後ろにいるリンとファンは眠そうだ。
「もう大丈夫だ。怪我はあざだけだったし、それも全部治癒してる。
リアの湯あみと着替えが終わったら、軽食を食べて移動しよう。
もう夕方になるから、夜になるのを待ってから移動した方がいいな。」
「はい。」「あ、あの…リア様は大丈夫でしたか?」
おそらくミトが言うのは、シャハルに乱暴されていないか聞きたいのだろう。
「リアはほとんどケガも無く無事だった。安心していい。
全身に魔力を流して確認しているから、リアは綺麗なリアのままだよ。」
「あぁぁ。良かったです…。」
ほっとしたのだろう。崩れ落ちそうになったのをリンが支えてやっている。
「別邸に着いたら使用人達もいるだろう。お前たちも一度休みを入れるんだ。
二週間ほどは外に出ないと思うから、その間にちゃんと休めよ。」
「わかりました。」
右胸、どうしたのか教えて?」
リアは右胸と聞いた瞬間、さっと顔色を悪くした。
やはり何かはあったんだな。
だいたい想像はつくけど、ちゃんと説明してほしい。
「リア、話してくれない?」
「…後ろから羽交い絞めにされて、
服を脱がされそうになったから肘打ちして抵抗したの。
そしたら右胸を力いっぱい掴むようにさわられて…制服の上からだけど。
力が強かったからあざになってると思う…。」
思い出したのか少し涙目になってしまったリアに、
心配いらないと抱きしめて頭を撫でる。
「嫌な思いしたけど、よく逃げたね。リアは頑張ったよ。」
「うん…。」
「そのあざも俺が消して無かったことにするから、ね?」
「うん…。」
「じゃあ、服脱がせるよ。」
「えっ。」
右胸についているというあざを見ようとブラウスのボタンを一つずつ外していく。
目に見えて慌てて真っ赤な顔しているリアが可愛いが、止めてあげない。
「ジル?ちょっと待って。自分で治すから!」
「無理だよ。今リアの中にあるのは俺の魔力だって言ったでしょ。
リアの属性は光と風だね。光なら自分自身にも治癒できるよな。
だけど、俺の属性は水と氷と闇だから。自分に治癒はかけれないよ。」
「じゃあ、私の魔力に戻ったら治す!」
「いやだよ。あいつに傷つけられた痕をそのままにしておくわけないだろう。
俺は治癒が得意じゃないから、見て直接触らないと使えないんだ。」
ブラウスのボタンは全部外され、下着が見える。
声では嫌がってるけど、全く抵抗されないのをいいことに、
そのまま下着も外してしまう。
真っ白で形のいい胸や桃色の先が見えて、興奮する気持ちもあるけど、
右胸にはっきりと赤黒いあざがあるのが見えてイラつく気持ちの方が強い。
俺のリアにこんな痕をつけるのは許さない。
どれだけ強く揉んだらこんな痕になるんだ。
そこに見えた暴力の痕に、リアがどれだけ怖かっただろうと思う。
すぐに治してあげたかった。
湯あみで一人でいる時にその痕を見て怯えてしまわないように、
どうしても今俺が治しておきたかった。
「さわるよ。痛かったら言って?」
痛くないようにリアの右胸にそっと手を当てる。
胸全体をおおうように手を当てて、治癒を展開させていく。
思ったよりも範囲が大きくて、何度か手を当てる場所を変えて治癒をかける。
「んっ。」
リアが真っ赤なまま口に手を当てて声が出ないようにしているのを見て、
少しだけ意地悪な気持ちになる。
嫌な思い出を上書きできないかな…俺が。
もうほとんどあざが消えたのを確認しながら、手ではなくくちびるでふれ、
ぱくりと咥えるように口にふくんだ。
そのまま魔力を送りこんで、薄く残っていた痕も消していく。
右胸全体を綺麗にした後、胸の少し上に吸い付いてわざと痕をつける。
身体の態勢を元に戻して、
恥ずかしさで息が上がってしまっているリアを抱き寄せると、
何の抵抗も感じずにリアは胸に顔を寄せてくる。
「もう大丈夫。全部綺麗になった。
その上で、俺が痕をつけた。
いい?リア。思い出すのは俺の痕のことだけだよ?」
「…うん。ありがとう。」
そのまま余韻を楽しむように抱き合った後、リアに湯あみをさせてミトを呼んだ。
着替えなどを用意して待ってるはずだ。
久しぶりに顔を見たミトは泣いていたのか目が赤くなっている。
寝不足なのだろう。その後ろにいるリンとファンは眠そうだ。
「もう大丈夫だ。怪我はあざだけだったし、それも全部治癒してる。
リアの湯あみと着替えが終わったら、軽食を食べて移動しよう。
もう夕方になるから、夜になるのを待ってから移動した方がいいな。」
「はい。」「あ、あの…リア様は大丈夫でしたか?」
おそらくミトが言うのは、シャハルに乱暴されていないか聞きたいのだろう。
「リアはほとんどケガも無く無事だった。安心していい。
全身に魔力を流して確認しているから、リアは綺麗なリアのままだよ。」
「あぁぁ。良かったです…。」
ほっとしたのだろう。崩れ落ちそうになったのをリンが支えてやっている。
「別邸に着いたら使用人達もいるだろう。お前たちも一度休みを入れるんだ。
二週間ほどは外に出ないと思うから、その間にちゃんと休めよ。」
「わかりました。」
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