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28.母様の居場所
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次の日、ルシアン様と昼食を取っていると、
食事中だというのにパトがルシアン様に何かを手渡す。
急ぎの手紙?
それを開いて読んだルシアン様が安心したように息を吐く。
「ニナ、母上の居場所がわかったよ」
「本当ですか!」
「ああ。婚約式に来ていた司祭の別邸の離れにいるようだ」
「司祭……」
あの太った男。あの男が母様を閉じ込めている。
腹立たしいと思うのと同時に不安になる。
……母様は今まで何もされなかったのだろうか。
「……ニナが不安に思っているだろうから、調べさせた。
場所が特定できたら母上の状況も探って来いと。
母上はどうやら精霊に守られているようだ」
「精霊に?」
「母上のそばに精霊の愛し子がいたんだろう。
おそらく家族だと思うが、その者が精霊に命じている。
精霊の力で母上を守れと」
「精霊が母様を?」
そんなのは初めて聞いた。
母様が精霊に守られていたなんて。
旅をしている間、たしかに母様にも精霊が見えていた。
人前では精霊に話しかけないように注意されたのは覚えている。
精霊を見えない人のほうが多いから、と。
自分が精霊の愛し子だとは捕まるまで知らなかった。
だから、今でも精霊の愛し子が何なのかよくわかってない。
「精霊の愛し子は遺伝しない、と言われている。
ジラール公爵家で続けて精霊の愛し子が生まれたことがないから、
王家の者もそう思っているだろう。
だが、本当は違う。
精霊の愛し子からは精霊の愛し子が生まれる可能性が高い」
「本当は遺伝するってことですか?」
「精霊の愛し子が遺伝するんじゃない。
精霊に好まれる気質が遺伝するから精霊の愛し子になりやすんだ。
あくまで可能性が高いだけで、確実じゃない。
だけど、祖母はそのことを隠した。
今までのジラール公爵家の歴史でも何人か隠していたらしい」
「王家に利用されないためですよね?」
「遺伝するとわかったら、最悪なことが予想できたからだ。
王家は精霊の愛し子を捕まえて、無理やり子を産ませようとするだろう」
「……」
無理やり子を産ませる?精霊の愛し子が産まれるまで?
もしかしたら、そうなったのは私かもしれない。
それをルシアン様のお祖母様が防いでくれた?
「自分や、自分の子がそんな目に合うのは嫌だろう?
だから祖母は叔父の存在を隠した。
それでもニナの母上のことは不安に思っていた。
一度精霊の愛し子を産んだのなら、また産むかもしれない、
あいつらならそう考えてもおかしくない」
「そんな……」
「だから、母上の安全がわかるまではこの話はしなかった。
もしかしたら、そうなっているかもしれないと思っていたから。
精霊に守られていて、本当によかった。
ニナの母上は精霊のことは関係なしに、
美しいという理由で司祭から愛人にと狙われていたらしい。
手を出そうとして司祭は精霊に弾かれたようだ。
それ以来、男性は近づけずに女性が世話をしている」
「男性が近づけない……じゃあ、母様は何もされていないんですよね?」
「ああ、大丈夫だ」
その言葉に心から安心する。
私が捕まった時、まだ母様は二十代前半だったはず。
愛人にしようとするものがいてもおかしくない。
「安心はしたが、すぐには助け出せない。しばらくは様子を見る。
一度失敗すれば、監禁場所を変えられてしまう。
失敗は許されないから、慎重に事を進める。それでいいか?」
「はい。確実に助け出すにはそれがいいんですよね。
わかりました。信じて待ちます」
「ああ。絶対に助け出そう」
力強くうなずいてくれるのはルシアン様だけじゃない。
パトやミリーもうなずいている。
みんなが母様を助け出すために力を貸してくれている。
本当なら今すぐにでも助け出しに行きたい。
その気持ちも、しばらくは我慢しよう。
食事を終えて、お茶を飲んでいると、
もう一つの問題を思いだす。
「そういえば、もう二学年の授業は終わりましたよね。
試験って、どうなるんですか?」
「ああ、言い忘れていた。学園に問い合わせてみたら、
ニナの二学年の試験はいらないそうだ。
それまでの試験の結果や授業態度がよかったから、
今年は受けずに進級させると」
「受けなくてもいいんですね」
また学園に行けばカミーユ様とオデットと会うことになる。
あれだけ騒げば普通の人間は近づいてこないだろうけど、
あの二人はまた何か言ってきそうな気がする。
「三学年の試験はさすがに受けなくてはいけないだろうけど、
日程などについては決まり次第連絡が来ることになっている。
学園で受けるのが難しければ、公爵家に教師を派遣するつもりらしい」
「学園で受けるのが難しいのは、
カミーユ様とオデットのせいですよね?」
「ああ。カミーユ王子は学園の卒業後は王宮から出されることが決まった。
文官になるのか、騎士になるのか、どこかに行くのかはわからないけれど」
「カミーユ様はバシュロ侯爵家を継ぐのでは?」
「そのオデットだが、侯爵家の籍を抜かれたようだ」
「……は?」
オデットがバシュロ侯爵家の籍を抜かれた?
それって、大丈夫なの?いや、大丈夫じゃないよね。
「オデットが家を継がないってことですか?」
「実は、ニナが学園で言ったの、本当だったらしい」
「え?」
「オデットは夫人が浮気してできた子だそうだ」
「はぁぁぁぁ?」
オデットが侯爵の娘じゃない?
まさか本当に夫人が浮気して??
「バシュロ侯爵夫人、自分が浮気相手の子を産んでおきながら、
私を愛人の子だって虐げていたっていうんですか?」
「そういうことになるな……だからか。
夫人は離縁して、オデットは籍を抜いて、
二人とも生家のグラッグ侯爵家に帰されている。
籍を抜かれているから、平民になっている状態だな。
カミーユ王子との婚約は王命だからそのまま。
学園を卒業したら二人とも働かなくては生きていけないだろう」
「オデットが平民……働く……想像できないです」
「だろうな。
だから、学園で会うことになれば揉めるだろうと。
一応は王子と元侯爵令嬢だからな。
どこで貴族家とつながりがあるかはわからないから、
平民と同じに扱うわけにもいかない。
かといって、公爵夫人になるニナに何かあっては大変。
ということで、試験は公爵家で受けることになるだろう」
「……それは助かりますけど」
あまりにも想像していなかったことで、
はぁぁぁぁぁとゆるいため息がこぼれる。
オデットを貶めるつもりはなかったのに、
結果として愛人の子だと暴露してしまったことになる。
これは恨まれていそうな気がする。
知らなかったと言っても、聞いてくれないだろうし。
「バシュロ侯爵から問い合わせる手紙が来たけれど、
ニナは何も知らなかったと答えてあるよ。
自分が侯爵の子どもではないという意味で言ったんだと」
「そうです。まったく知らなかったのに……」
「逆にバシュロ侯爵はその答えに慌てていたようだ。
ニナが侯爵の子どもじゃないと、俺が知っていることに」
「どうして慌てるんですか?」
「オデットを追い出したら、もう跡を継ぐのはニナしかいなくなる、
そう言ってバシュロ侯爵家をニナに押し付けることができなくなるだろう?」
「まだあきらめていなかったんですか……」
「あわよくばって感じかな。
妹の子どもを養子にするそうだよ」
「それならよかったです」
婚約式の時、顔を合わせても何も言われなかったのはそのせいか。
下手なことを言って、精霊の愛し子だとバレてしまえば、
国王と精霊教会から叱られるだろうから。
それから二週間が過ぎ、表面的には穏やかな生活を送っていた。
食事中だというのにパトがルシアン様に何かを手渡す。
急ぎの手紙?
それを開いて読んだルシアン様が安心したように息を吐く。
「ニナ、母上の居場所がわかったよ」
「本当ですか!」
「ああ。婚約式に来ていた司祭の別邸の離れにいるようだ」
「司祭……」
あの太った男。あの男が母様を閉じ込めている。
腹立たしいと思うのと同時に不安になる。
……母様は今まで何もされなかったのだろうか。
「……ニナが不安に思っているだろうから、調べさせた。
場所が特定できたら母上の状況も探って来いと。
母上はどうやら精霊に守られているようだ」
「精霊に?」
「母上のそばに精霊の愛し子がいたんだろう。
おそらく家族だと思うが、その者が精霊に命じている。
精霊の力で母上を守れと」
「精霊が母様を?」
そんなのは初めて聞いた。
母様が精霊に守られていたなんて。
旅をしている間、たしかに母様にも精霊が見えていた。
人前では精霊に話しかけないように注意されたのは覚えている。
精霊を見えない人のほうが多いから、と。
自分が精霊の愛し子だとは捕まるまで知らなかった。
だから、今でも精霊の愛し子が何なのかよくわかってない。
「精霊の愛し子は遺伝しない、と言われている。
ジラール公爵家で続けて精霊の愛し子が生まれたことがないから、
王家の者もそう思っているだろう。
だが、本当は違う。
精霊の愛し子からは精霊の愛し子が生まれる可能性が高い」
「本当は遺伝するってことですか?」
「精霊の愛し子が遺伝するんじゃない。
精霊に好まれる気質が遺伝するから精霊の愛し子になりやすんだ。
あくまで可能性が高いだけで、確実じゃない。
だけど、祖母はそのことを隠した。
今までのジラール公爵家の歴史でも何人か隠していたらしい」
「王家に利用されないためですよね?」
「遺伝するとわかったら、最悪なことが予想できたからだ。
王家は精霊の愛し子を捕まえて、無理やり子を産ませようとするだろう」
「……」
無理やり子を産ませる?精霊の愛し子が産まれるまで?
もしかしたら、そうなったのは私かもしれない。
それをルシアン様のお祖母様が防いでくれた?
「自分や、自分の子がそんな目に合うのは嫌だろう?
だから祖母は叔父の存在を隠した。
それでもニナの母上のことは不安に思っていた。
一度精霊の愛し子を産んだのなら、また産むかもしれない、
あいつらならそう考えてもおかしくない」
「そんな……」
「だから、母上の安全がわかるまではこの話はしなかった。
もしかしたら、そうなっているかもしれないと思っていたから。
精霊に守られていて、本当によかった。
ニナの母上は精霊のことは関係なしに、
美しいという理由で司祭から愛人にと狙われていたらしい。
手を出そうとして司祭は精霊に弾かれたようだ。
それ以来、男性は近づけずに女性が世話をしている」
「男性が近づけない……じゃあ、母様は何もされていないんですよね?」
「ああ、大丈夫だ」
その言葉に心から安心する。
私が捕まった時、まだ母様は二十代前半だったはず。
愛人にしようとするものがいてもおかしくない。
「安心はしたが、すぐには助け出せない。しばらくは様子を見る。
一度失敗すれば、監禁場所を変えられてしまう。
失敗は許されないから、慎重に事を進める。それでいいか?」
「はい。確実に助け出すにはそれがいいんですよね。
わかりました。信じて待ちます」
「ああ。絶対に助け出そう」
力強くうなずいてくれるのはルシアン様だけじゃない。
パトやミリーもうなずいている。
みんなが母様を助け出すために力を貸してくれている。
本当なら今すぐにでも助け出しに行きたい。
その気持ちも、しばらくは我慢しよう。
食事を終えて、お茶を飲んでいると、
もう一つの問題を思いだす。
「そういえば、もう二学年の授業は終わりましたよね。
試験って、どうなるんですか?」
「ああ、言い忘れていた。学園に問い合わせてみたら、
ニナの二学年の試験はいらないそうだ。
それまでの試験の結果や授業態度がよかったから、
今年は受けずに進級させると」
「受けなくてもいいんですね」
また学園に行けばカミーユ様とオデットと会うことになる。
あれだけ騒げば普通の人間は近づいてこないだろうけど、
あの二人はまた何か言ってきそうな気がする。
「三学年の試験はさすがに受けなくてはいけないだろうけど、
日程などについては決まり次第連絡が来ることになっている。
学園で受けるのが難しければ、公爵家に教師を派遣するつもりらしい」
「学園で受けるのが難しいのは、
カミーユ様とオデットのせいですよね?」
「ああ。カミーユ王子は学園の卒業後は王宮から出されることが決まった。
文官になるのか、騎士になるのか、どこかに行くのかはわからないけれど」
「カミーユ様はバシュロ侯爵家を継ぐのでは?」
「そのオデットだが、侯爵家の籍を抜かれたようだ」
「……は?」
オデットがバシュロ侯爵家の籍を抜かれた?
それって、大丈夫なの?いや、大丈夫じゃないよね。
「オデットが家を継がないってことですか?」
「実は、ニナが学園で言ったの、本当だったらしい」
「え?」
「オデットは夫人が浮気してできた子だそうだ」
「はぁぁぁぁ?」
オデットが侯爵の娘じゃない?
まさか本当に夫人が浮気して??
「バシュロ侯爵夫人、自分が浮気相手の子を産んでおきながら、
私を愛人の子だって虐げていたっていうんですか?」
「そういうことになるな……だからか。
夫人は離縁して、オデットは籍を抜いて、
二人とも生家のグラッグ侯爵家に帰されている。
籍を抜かれているから、平民になっている状態だな。
カミーユ王子との婚約は王命だからそのまま。
学園を卒業したら二人とも働かなくては生きていけないだろう」
「オデットが平民……働く……想像できないです」
「だろうな。
だから、学園で会うことになれば揉めるだろうと。
一応は王子と元侯爵令嬢だからな。
どこで貴族家とつながりがあるかはわからないから、
平民と同じに扱うわけにもいかない。
かといって、公爵夫人になるニナに何かあっては大変。
ということで、試験は公爵家で受けることになるだろう」
「……それは助かりますけど」
あまりにも想像していなかったことで、
はぁぁぁぁぁとゆるいため息がこぼれる。
オデットを貶めるつもりはなかったのに、
結果として愛人の子だと暴露してしまったことになる。
これは恨まれていそうな気がする。
知らなかったと言っても、聞いてくれないだろうし。
「バシュロ侯爵から問い合わせる手紙が来たけれど、
ニナは何も知らなかったと答えてあるよ。
自分が侯爵の子どもではないという意味で言ったんだと」
「そうです。まったく知らなかったのに……」
「逆にバシュロ侯爵はその答えに慌てていたようだ。
ニナが侯爵の子どもじゃないと、俺が知っていることに」
「どうして慌てるんですか?」
「オデットを追い出したら、もう跡を継ぐのはニナしかいなくなる、
そう言ってバシュロ侯爵家をニナに押し付けることができなくなるだろう?」
「まだあきらめていなかったんですか……」
「あわよくばって感じかな。
妹の子どもを養子にするそうだよ」
「それならよかったです」
婚約式の時、顔を合わせても何も言われなかったのはそのせいか。
下手なことを言って、精霊の愛し子だとバレてしまえば、
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