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第 2 章
14, 誘拐〔 Ⅴ 〕
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「それじゃあ、後宜しくお願いします」
「承知。まぁ、言われずとも、伯爵の命令だからな」
ミーナが誘拐されてから7日経つ。前回述べた護衛とミーナが隣国に帰った伯爵の元へ出発する。
一方でアイル達は7日目の今日、レイの隠れ家の場所が判明した。アイル達が隠れ家に到着したが時遅くミーナは出発しておりいなかった。
☆ ☆ ☆
ガタゴト・・・ガタゴト・・・ガタゴト・・・
さっきまで静かだったのに今、ガタゴトって馬車の車輪の音がした。それに揺れている。
2日前、いきなりレイ様が来て身支度させられた。おかげでとても眠い。ろくに食べないと少し動いただけで疲れる事を知った。
「・・・起きか。ならさっさと座れ」
知らない声だと思った。フォスフィライト様やマット様でもレイ様でも無い。・・・なのに、不安に思わなかった。ただ、あの空間から出ることが出来た安堵だけ。
とりあえず、知らない声に従い馬車の椅子に座った。声から男ではないかと思っていたが、本当に男だった事に驚いた。・・・なんで驚いたんだろう。声で予感していたのに・・・。なんで・・・?
「・・・なんだ?」
「いえ、なんでもございません」
「・・・一応説明するが質問は受け付けん。逃げる事もするな。・・・面倒だからな」
頷く事で了承を示す。・・・心の中で考えている時の口調は砕けている事に『今』気づいた。でも、話すと奴隷になって以降の敬語。違和感があるけど、少し遠い昔の『私』に近づいているようで嬉しいような寂しいような。
「・・・この馬車は隣国の伯爵家へ向かっている。お前は伯爵に買われた奴隷だ。・・・着くまで静かに座っていろ。国境まで7日、さらに6日で伯爵家だ。・・・逃げても良いが五体満足でいれると思うなよ」
☆ ☆ ☆
私は何かしたのだろうか?
疑問に思っても誰も答えを知らない事を知っている。
「承知。まぁ、言われずとも、伯爵の命令だからな」
ミーナが誘拐されてから7日経つ。前回述べた護衛とミーナが隣国に帰った伯爵の元へ出発する。
一方でアイル達は7日目の今日、レイの隠れ家の場所が判明した。アイル達が隠れ家に到着したが時遅くミーナは出発しておりいなかった。
☆ ☆ ☆
ガタゴト・・・ガタゴト・・・ガタゴト・・・
さっきまで静かだったのに今、ガタゴトって馬車の車輪の音がした。それに揺れている。
2日前、いきなりレイ様が来て身支度させられた。おかげでとても眠い。ろくに食べないと少し動いただけで疲れる事を知った。
「・・・起きか。ならさっさと座れ」
知らない声だと思った。フォスフィライト様やマット様でもレイ様でも無い。・・・なのに、不安に思わなかった。ただ、あの空間から出ることが出来た安堵だけ。
とりあえず、知らない声に従い馬車の椅子に座った。声から男ではないかと思っていたが、本当に男だった事に驚いた。・・・なんで驚いたんだろう。声で予感していたのに・・・。なんで・・・?
「・・・なんだ?」
「いえ、なんでもございません」
「・・・一応説明するが質問は受け付けん。逃げる事もするな。・・・面倒だからな」
頷く事で了承を示す。・・・心の中で考えている時の口調は砕けている事に『今』気づいた。でも、話すと奴隷になって以降の敬語。違和感があるけど、少し遠い昔の『私』に近づいているようで嬉しいような寂しいような。
「・・・この馬車は隣国の伯爵家へ向かっている。お前は伯爵に買われた奴隷だ。・・・着くまで静かに座っていろ。国境まで7日、さらに6日で伯爵家だ。・・・逃げても良いが五体満足でいれると思うなよ」
☆ ☆ ☆
私は何かしたのだろうか?
疑問に思っても誰も答えを知らない事を知っている。
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