20 / 25
第 2 章
14, 誘拐〔 Ⅴ 〕
しおりを挟む
「それじゃあ、後宜しくお願いします」
「承知。まぁ、言われずとも、伯爵の命令だからな」
ミーナが誘拐されてから7日経つ。前回述べた護衛とミーナが隣国に帰った伯爵の元へ出発する。
一方でアイル達は7日目の今日、レイの隠れ家の場所が判明した。アイル達が隠れ家に到着したが時遅くミーナは出発しておりいなかった。
☆ ☆ ☆
ガタゴト・・・ガタゴト・・・ガタゴト・・・
さっきまで静かだったのに今、ガタゴトって馬車の車輪の音がした。それに揺れている。
2日前、いきなりレイ様が来て身支度させられた。おかげでとても眠い。ろくに食べないと少し動いただけで疲れる事を知った。
「・・・起きか。ならさっさと座れ」
知らない声だと思った。フォスフィライト様やマット様でもレイ様でも無い。・・・なのに、不安に思わなかった。ただ、あの空間から出ることが出来た安堵だけ。
とりあえず、知らない声に従い馬車の椅子に座った。声から男ではないかと思っていたが、本当に男だった事に驚いた。・・・なんで驚いたんだろう。声で予感していたのに・・・。なんで・・・?
「・・・なんだ?」
「いえ、なんでもございません」
「・・・一応説明するが質問は受け付けん。逃げる事もするな。・・・面倒だからな」
頷く事で了承を示す。・・・心の中で考えている時の口調は砕けている事に『今』気づいた。でも、話すと奴隷になって以降の敬語。違和感があるけど、少し遠い昔の『私』に近づいているようで嬉しいような寂しいような。
「・・・この馬車は隣国の伯爵家へ向かっている。お前は伯爵に買われた奴隷だ。・・・着くまで静かに座っていろ。国境まで7日、さらに6日で伯爵家だ。・・・逃げても良いが五体満足でいれると思うなよ」
☆ ☆ ☆
私は何かしたのだろうか?
疑問に思っても誰も答えを知らない事を知っている。
「承知。まぁ、言われずとも、伯爵の命令だからな」
ミーナが誘拐されてから7日経つ。前回述べた護衛とミーナが隣国に帰った伯爵の元へ出発する。
一方でアイル達は7日目の今日、レイの隠れ家の場所が判明した。アイル達が隠れ家に到着したが時遅くミーナは出発しておりいなかった。
☆ ☆ ☆
ガタゴト・・・ガタゴト・・・ガタゴト・・・
さっきまで静かだったのに今、ガタゴトって馬車の車輪の音がした。それに揺れている。
2日前、いきなりレイ様が来て身支度させられた。おかげでとても眠い。ろくに食べないと少し動いただけで疲れる事を知った。
「・・・起きか。ならさっさと座れ」
知らない声だと思った。フォスフィライト様やマット様でもレイ様でも無い。・・・なのに、不安に思わなかった。ただ、あの空間から出ることが出来た安堵だけ。
とりあえず、知らない声に従い馬車の椅子に座った。声から男ではないかと思っていたが、本当に男だった事に驚いた。・・・なんで驚いたんだろう。声で予感していたのに・・・。なんで・・・?
「・・・なんだ?」
「いえ、なんでもございません」
「・・・一応説明するが質問は受け付けん。逃げる事もするな。・・・面倒だからな」
頷く事で了承を示す。・・・心の中で考えている時の口調は砕けている事に『今』気づいた。でも、話すと奴隷になって以降の敬語。違和感があるけど、少し遠い昔の『私』に近づいているようで嬉しいような寂しいような。
「・・・この馬車は隣国の伯爵家へ向かっている。お前は伯爵に買われた奴隷だ。・・・着くまで静かに座っていろ。国境まで7日、さらに6日で伯爵家だ。・・・逃げても良いが五体満足でいれると思うなよ」
☆ ☆ ☆
私は何かしたのだろうか?
疑問に思っても誰も答えを知らない事を知っている。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
王太子の子を孕まされてました
杏仁豆腐
恋愛
遊び人の王太子に無理やり犯され『私の子を孕んでくれ』と言われ……。しかし王太子には既に婚約者が……侍女だった私がその後執拗な虐めを受けるので、仕返しをしたいと思っています。
※不定期更新予定です。一話完結型です。苛め、暴力表現、性描写の表現がありますのでR指定しました。宜しくお願い致します。ノリノリの場合は大量更新したいなと思っております。
あなたを忘れる魔法があれば
七瀬美緒
恋愛
乙女ゲームの攻略対象の婚約者として転生した私、ディアナ・クリストハルト。
ただ、ゲームの舞台は他国の為、ゲームには婚約者がいるという事でしか登場しない名前のないモブ。
私は、ゲームの強制力により、好きになった方を奪われるしかないのでしょうか――?
これは、「あなたを忘れる魔法があれば」をテーマに書いてみたものです――が、何か違うような??
R15、残酷描写ありは保険。乙女ゲーム要素も空気に近いです。
※小説家になろう、カクヨムにも掲載してます
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
旦那様には愛人がいますが気にしません。
りつ
恋愛
イレーナの夫には愛人がいた。名はマリアンヌ。子どものように可愛らしい彼女のお腹にはすでに子どもまでいた。けれどイレーナは別に気にしなかった。彼女は子どもが嫌いだったから。
※表紙は「かんたん表紙メーカー」様で作成しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる