2 / 25
第 1 章
2, 出逢い
しおりを挟む
少女が闇オークションに出展されたあの日から11年もの月日が流れた。少女の体つきは女性へと成長した。一方で、少女の心は感情を失った・・・
春、冬の寒さが和らぎ少しずつ暖かくなり過ごし易くなっていくこと以外、何も変わらない1日を今日もまた始まろうとしているが・・・
☆ ☆ ☆
初めまして。私は11年前ご主人様に買われ奴隷となった猫の獣人です。名前は実の両親から貰っていたと思いますが、ご主人様の奴隷となったその瞬間から名無しとなりました。ただ、呼ぶ時大変だからと呼び名として髪色からラチと付けて貰いました。ラチはあくまで呼び名であり名前ではないと何度も繰り返し仰っていました。
11年間ご主人様の奴隷として、時にご主人様自ら、時にご主人様に仕えていらっしゃる皆様からしつけて貰いました。「泣きわめくな」「逃げることを考えるな」「表情をだすな」「生かしてい下さっているご主人様に感謝しろ」最後に1番大切で重要なことそれは「ご主人様の仰ることなさることは絶対」です。少しでも嫌がる反応を見せると直ぐにご主人様からの罰があるため、ご主人様の従順な奴隷になるためにも頭と体に刷り込みました。罰は様々あり、鞭であったり食事を抜かれたり屋敷全てを1人で掃除をしたりです。次第にしつけて貰うことになれ、罰も減り、今ではご主人様に呼ばれた時以外では何も無くなりました。
私のいつもの1日の始まりは、夜が明ける前からです。手早く身支度をした後、部屋を掃除しご主人様がお食事なさる部屋を掃除します。終わる頃からご主人様に仕えていらっしゃる皆様が起きて来ます。料理人様が私達の朝食を作られたら、皆様と一緒に食事を摂りつつ日程を確認します。食事後、私はご主人様を起こしに行き、食事わを摂られる部屋へ案内させていただき、ご主人様が出発の準備を整えられたら見送り、朝の私の仕事は終了します。いつもならば、・・・・・・。
☆ ☆ ☆
ご主人様が出発なさるその瞬間に騎士の方々が訪ねてきました。ご主人様に用があるようでご主人様と騎士の方がお話していましたが、ご主人様の顔色がどんどん青くなっていき、最後はその場に座りこんでしまったのです。思わず駆け寄りましたが、後1歩のところで腕を騎士の方に掴まれ傍によることが出来ませんでした。私を掴んでいる騎士を見ますと、とても大きく黒髪と静かに私を見下ろす深青の瞳が印象的な『人』でした。
これが、私を『私』に変えて下さった『人』との大切な出逢いです。
春、冬の寒さが和らぎ少しずつ暖かくなり過ごし易くなっていくこと以外、何も変わらない1日を今日もまた始まろうとしているが・・・
☆ ☆ ☆
初めまして。私は11年前ご主人様に買われ奴隷となった猫の獣人です。名前は実の両親から貰っていたと思いますが、ご主人様の奴隷となったその瞬間から名無しとなりました。ただ、呼ぶ時大変だからと呼び名として髪色からラチと付けて貰いました。ラチはあくまで呼び名であり名前ではないと何度も繰り返し仰っていました。
11年間ご主人様の奴隷として、時にご主人様自ら、時にご主人様に仕えていらっしゃる皆様からしつけて貰いました。「泣きわめくな」「逃げることを考えるな」「表情をだすな」「生かしてい下さっているご主人様に感謝しろ」最後に1番大切で重要なことそれは「ご主人様の仰ることなさることは絶対」です。少しでも嫌がる反応を見せると直ぐにご主人様からの罰があるため、ご主人様の従順な奴隷になるためにも頭と体に刷り込みました。罰は様々あり、鞭であったり食事を抜かれたり屋敷全てを1人で掃除をしたりです。次第にしつけて貰うことになれ、罰も減り、今ではご主人様に呼ばれた時以外では何も無くなりました。
私のいつもの1日の始まりは、夜が明ける前からです。手早く身支度をした後、部屋を掃除しご主人様がお食事なさる部屋を掃除します。終わる頃からご主人様に仕えていらっしゃる皆様が起きて来ます。料理人様が私達の朝食を作られたら、皆様と一緒に食事を摂りつつ日程を確認します。食事後、私はご主人様を起こしに行き、食事わを摂られる部屋へ案内させていただき、ご主人様が出発の準備を整えられたら見送り、朝の私の仕事は終了します。いつもならば、・・・・・・。
☆ ☆ ☆
ご主人様が出発なさるその瞬間に騎士の方々が訪ねてきました。ご主人様に用があるようでご主人様と騎士の方がお話していましたが、ご主人様の顔色がどんどん青くなっていき、最後はその場に座りこんでしまったのです。思わず駆け寄りましたが、後1歩のところで腕を騎士の方に掴まれ傍によることが出来ませんでした。私を掴んでいる騎士を見ますと、とても大きく黒髪と静かに私を見下ろす深青の瞳が印象的な『人』でした。
これが、私を『私』に変えて下さった『人』との大切な出逢いです。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
会うたびに、貴方が嫌いになる
黒猫子猫(猫子猫)
恋愛
長身の王女レオーネは、侯爵家令息のアリエスに会うたびに惹かれた。だが、守り役に徹している彼が応えてくれたことはない。彼女が聖獣の力を持つために発情期を迎えた時も、身体を差し出して鎮めてくれこそしたが、その後も変わらず塩対応だ。悩むレオーネは、彼が自分とは正反対の可愛らしい令嬢と親しくしているのを目撃してしまう。優しく笑いかけ、「小さい方が良い」と褒めているのも聞いた。失恋という現実を受け入れるしかなかったレオーネは、二人の妨げになるまいと決意した。
アリエスは嫌そうに自分を遠ざけ始めたレオーネに、動揺を隠せなくなった。彼女が演技などではなく、本気でそう思っていると分かったからだ。
くろぼし少年スポーツ団
紅葉
ライト文芸
甲子園で選抜高校野球を観戦した幸太は、自分も野球を始めることを決意する。勉強もスポーツも平凡な幸太は、甲子園を夢に見、かつて全国制覇を成したことで有名な地域の少年野球クラブに入る、幸太のチームメイトは親も子も個性的で……。
もしもしお時間いいですか?
ベアりんぐ
ライト文芸
日常の中に漠然とした不安を抱えていた中学1年の智樹は、誰か知らない人との繋がりを求めて、深夜に知らない番号へと電話をしていた……そんな中、繋がった同い年の少女ハルと毎日通話をしていると、ハルがある提案をした……。
2人の繋がりの中にある感情を、1人の視点から紡いでいく物語の果てに、一体彼らは何をみるのか。彼らの想いはどこへ向かっていくのか。彼の数年間を、見えないレールに乗せて——。
※こちらカクヨム、小説家になろう、Nola、PageMekuでも掲載しています。
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる