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第12話
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そうあの日、これからの運命を変える出会いをした。
「クロード!早く~」
「もう早すぎ……」
私は疲れてしまい地面に倒れ込んだ。
「もうっ、クロードは体力無さすぎ」
「無理を言わないで。ミシェル」
容姿端麗なこの子は人間だが私の幼なじみで、ノワール家の子だ。小さい頃からお転婆でいつも私を困らせる。赤ん坊の頃は可愛かったのに……
「ねぇねぇ、クロードは恋人とかいないの?」
ミシェルはニヤニヤしながら尋ねてきた。
「いたらミシェルとこうして遊んでるわけがないでしょ」
「それもそうだよね」
「急にどうしたんだ。そんな話をするなんて」
ついにミシェルも気になる人ができたのかな
「えっと、じつはあって欲しい人がいるんだ」
ミシェルは恥ずかしそうに言った。
おぉ、予想が当たった!!ついにミシェルに春が訪れたよ。いやぁよかった、よかった。
「いいよ。ぜひ連れておいで、会ってみたいから」
「ほんと!!良かった、断られるかと思ってたから」
「いやいや、何で断るんだよ。ミシェルが私に頼み事するなんてないんだから、これぐらいのことで断らないよ」
「嘘つけ~、いつもだったら断るくせに」
「うるさいな」
確かにいつもだったら断るけど、こんな面白そうなこと断る訳には行かない。
「ちょっとなに面白がってんのよ!」
「面白がってなんかないよ。じゃあいつにする?明日とか?」
「これからって言ったら困る?」
「そんなすぐに会って相手の方は大丈夫なの?」
「うん。大丈夫、大丈夫」
本当に大丈夫なのかな……でも気になるし思い切って今日会うことにしようかな。
「じゃあ、今から会いに行こうか」
「うん!!私の後をついてきてね」
そう言うとミシェルは走り出した。
いや、なんで走るの?そんなに早く会いたいのかな。どんな子なのか楽しみだなぁ。
「ミシェル、転ぶと危ないからあまりスピード出さないでね」
「子どもじゃないんだから、転ばないよ」
「そうだといいけど」
「むかつくー、もうクロードなんて置いていってやる」
そう言うとミシェルはスピード上げ、進んでいった。
いつまでたっても、子どものままだな。まぁそこがミシェルの魅力なんだろうけど…
「ごめんってー、もう言わないから許して」
私がそう言うとミシェルは立ち止まった。
「次はないからね」
怒りながらも許してくれた。
根は優しい子なんだよなぁ…
「わかってるよ。さあ、行こうか」
ミシェルの手を握りながら言った。
「うん」
ミシェルは笑顔で手を握り返してくれた。
「クロード!早く~」
「もう早すぎ……」
私は疲れてしまい地面に倒れ込んだ。
「もうっ、クロードは体力無さすぎ」
「無理を言わないで。ミシェル」
容姿端麗なこの子は人間だが私の幼なじみで、ノワール家の子だ。小さい頃からお転婆でいつも私を困らせる。赤ん坊の頃は可愛かったのに……
「ねぇねぇ、クロードは恋人とかいないの?」
ミシェルはニヤニヤしながら尋ねてきた。
「いたらミシェルとこうして遊んでるわけがないでしょ」
「それもそうだよね」
「急にどうしたんだ。そんな話をするなんて」
ついにミシェルも気になる人ができたのかな
「えっと、じつはあって欲しい人がいるんだ」
ミシェルは恥ずかしそうに言った。
おぉ、予想が当たった!!ついにミシェルに春が訪れたよ。いやぁよかった、よかった。
「いいよ。ぜひ連れておいで、会ってみたいから」
「ほんと!!良かった、断られるかと思ってたから」
「いやいや、何で断るんだよ。ミシェルが私に頼み事するなんてないんだから、これぐらいのことで断らないよ」
「嘘つけ~、いつもだったら断るくせに」
「うるさいな」
確かにいつもだったら断るけど、こんな面白そうなこと断る訳には行かない。
「ちょっとなに面白がってんのよ!」
「面白がってなんかないよ。じゃあいつにする?明日とか?」
「これからって言ったら困る?」
「そんなすぐに会って相手の方は大丈夫なの?」
「うん。大丈夫、大丈夫」
本当に大丈夫なのかな……でも気になるし思い切って今日会うことにしようかな。
「じゃあ、今から会いに行こうか」
「うん!!私の後をついてきてね」
そう言うとミシェルは走り出した。
いや、なんで走るの?そんなに早く会いたいのかな。どんな子なのか楽しみだなぁ。
「ミシェル、転ぶと危ないからあまりスピード出さないでね」
「子どもじゃないんだから、転ばないよ」
「そうだといいけど」
「むかつくー、もうクロードなんて置いていってやる」
そう言うとミシェルはスピード上げ、進んでいった。
いつまでたっても、子どものままだな。まぁそこがミシェルの魅力なんだろうけど…
「ごめんってー、もう言わないから許して」
私がそう言うとミシェルは立ち止まった。
「次はないからね」
怒りながらも許してくれた。
根は優しい子なんだよなぁ…
「わかってるよ。さあ、行こうか」
ミシェルの手を握りながら言った。
「うん」
ミシェルは笑顔で手を握り返してくれた。
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