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第十四章
番外編~新米冒険者ターニャの冒険~
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「どいつもこいつもバカばっかり!どうしてあそこで前に出るのよ!」
そんな悪態をつきながらギルドの受付に依頼書をたたきつける。
そんなことは日常茶飯事なのか受付のお姉さんはニニコニとした笑顔でそれを受け取った。
無言で中身を精査し、一番最後の行にさらさらと署名をしていく。
これで依頼は終了。
代わりにカウンターに積み上げられたのは銀貨が1枚と銅貨が20枚。
それを奪うように受け取ると私は後ろで待つ仲間の所に戻った。
仲間って言っても今回限り、周りを見れないようなやつと一緒に戦うなんて金輪際ごめんだわ。
「はい、三人で割って一人銅貨40枚ね。銀貨を渡すから銅貨10枚ずつ頂戴。」
「え、でも経費は・・・。」
「そんなのいいわよ。そのかわりにもう一緒に冒険に出ることはないから、ほら早く出して!」
男のくせになに驚いた顔してるのよ。
慌ててポケットから出した銅貨を確認することも無く私はそれを受け取ってギルドを後にした。
あんな奴らと一緒の空気を吸いたくなかった。
ただそれだけ。
ギルドを飛び出しても胸のムカムカした気持ちは晴れることなく、そのまま噴水まできて私は大きく息を吐いた。
そのまま噴水の縁に腰かける。
「またやっちゃった。」
どうしてあんな態度に出たのか、理由はわかっている。
私達が今回受注したのはモフラビット5匹の討伐と毛皮の納品。
依頼書には近くにコボレートの巣もあるから注意しろって書いてあった。
でも、依頼はモフラビットだけだしこの時期ならまだ素材もおいしい。
それを見越して前にシュリアン商店のダンジョンツアーに参加した仲間を勇気を出して誘ってみた。
一人はラルフさんのような前衛、もう一人はビクターさんみたいな僧侶。
そしてこの私。
このバランスなら先輩達みたいにうまくやれるって期待していたんだけど、結果は散々だった。
最初こそ順調にモフラビットを討伐していたんだけど、三匹目をさばいているときにコボレートに遭遇。
一匹ぐらいだったらなんとかなるんだけど、あれよあれよという間に仲間が集まってきて・・・、最後は逃げるように森から飛び出した。
毛皮は手に入れたけど肉は追いてきちゃったし、矢もほとんど使い切ってしまった。
もっとうまくコボレートの注意を引き付けてくれれば私も狙いようがあるのに、僧侶の彼が前であちこち動き回るからそれにつられてやつらも動き回ってなかなか矢を当てることが出来ない。
ラルフさんならもっと上手に立ち回るし、ビクターさんなら多少襲われても自分で何とかしてしまうだろう。
そしてなにより先輩ならどんな状況でも的を外したりしない。
つまりは私がもっとしっかりしていたら何とかなったんだ。
それを仲間のせいにして、それをわかっているからまた自分にイライラしちゃって・・・。
「はぁ。」
何度目かわからないため息が漏れる。
今日の報酬は銅貨40枚。
そこから矢の補充をして、逃げるときに切れてしまった弦の張替えもしたら残りは銅貨10枚残らない。
大赤字だ。
「今日どこで寝ようかな・・・。」
ダンジョンツアーからもうすぐ二度目の聖日がくる。
あれから二回程ダンジョンに潜ってみたけどやはり一人では無理があって、それから何度かさっきみたいに仲間を見つけて依頼をこなしてみたけど長続きしない。
理由はわかってる。
私の求めているものが高すぎるんだ。
多少他の子たちより先に行っているかもしれないけど、結局は私も新米冒険者。
先輩みたいな中級冒険者なんてまだまだ先の話だ。
それが悔しくて、焦って、失敗して。
いったい何をやっているんだろう。
外はだんだんと暗くなってきた。
冬節ももう花期になったとはいえまだまだ寒いし、暗くなるのは早い。
この時間から依頼をこなすなんて無理な話だ。
それよりも早く装備の整備をして明日に備えないと。
明日。
明日はもっと上手くやる。
私一人でも生きていける。
でも、私一人じゃ先に行けない。
先に進むためにも、この壁を越えなくちゃ・・・。
パンパンと頬を叩いて暗くなった気持ちを奮い立たせ、工房へと向かった。
南通りをまっすぐと進み途中で一本裏路地に入るとその工房はある。
冒険者がひっきりなしに出入りするようなすごい工房じゃないけれど、私はここが好きだ。
入り口の扉を開けて中に入ると、カウンターにいた女の子が私の顔を見てにこりと笑った。
「今日も弦の張替えに矢の補充ね、矢を100本買って頂けたら安くできるけど・・・。」
「そんなお金ないわ、いつもと一緒で矢を70本頂戴。」
「失敗したの?」
「失敗なんてするはずないでしょ?いいから早くしてよ。」
「はいはい。ちょっと待ってね。」
テスにまで心配されるなんて、よっぽど顔に出ていたのかな。
なじみの工房の一人娘。
テスはサンサトローズに来て初めて出来た友達だ。
初めてこの街に来た時、どこに行けばいいかわからなかった私を冒険者ギルドまで連れて行ってくれて、装備まで選んでくれた。
もちろん、自分のお店で買って欲しかったっていうのもあっただろうけどテスは私の話をよく聞いてくれる。
だから私もつい、ここにきてしまうんだ。
「それで何があったの?」
「別に、いつもと一緒。」
「また一緒に行ってくれた人と喧嘩したの?」
「だってあそこで魔物の方に行くとかありえないでしょ!?自分の身も守れないのに何が冒険者よ。」
「またそんなこと言って。最初はみんなどうすればわからないから、失敗しながら学んでいくんだってお父さんいつも言っているわ。ターニャだって最初はそうだったでしょ?」
「私はそんな事ない。最初から上手くやってこれたもん。」
「はいはい、ターニャはすごいもんね。」
弦を張り替えながらカウンター越しにテスと話をする。
分かっている。
最初は皆へたくそで、私はたまたま弓の才能があっただけだ。
才能って言っても人よりも多少上手く使えるだけで、先輩みたいに戦う事なんてまだまだできない。
だから先輩からしてみれば私も他の冒険者と同じぐらいの位置にいるんだろう。
「私は上手くやってる・・・。」
「うん、ターニャが頑張ってるのは知ってるよ。」
「でも上手くいかない。」
「そりゃあまだ初心者だもん。」
「どうやったら上手くやれるとおもう?」
「それはもうわかってるでしょ?」
いつもそうだ。
テスはそうやって答えをはぐらかす。
違う、自分でもわかっている。
どうすればいいかなんて簡単、私が周りに合わせればいいんだ。
最初は上手くいかないんだから何度も挑戦したらいいのに、どうしても我慢できない。
早く先輩みたいに強くなりたい・・・。
そう焦ってしまってつい我慢が出来なくなってしまう。
「はい、出来たよ。」
「ありがとう、いくら?」
「銅貨25枚ね。」
「え、安くない?」
「お金ないんでしょ?」
「でも・・・。」
「その代わりに今度モフラビットのお肉持ってきてよ。お父さんあれ、好きだから。」
「わかった持ってくる。」
いつもは銅貨30枚なのに5枚も安くしてくれた。
私がお金ないの知っているから。
でもおかげで手持ちの銅貨10枚と合わせれば何とか今日の宿代は足りそうだ。
「わかった持ってくる。」
それだけ言うと弓を返してもらいいつもの汚い安宿へと帰った。
そして翌朝。
昨日は何とかなったけど、今日の宿代を稼がないと寝る場所がない。
野宿離れてるけどこの時期は寒いし、寄ってくるネズミや男も嫌い。
だから何としてでも宿代を稼ぐ必要があった。
なら、向かう場所は一つだけ。
「あら、ターニャさんおはようございます。」
昨日と同じように冒険者ギルドへ向かうと、中に入ったところでまさかの人物に呼び止められてしまった。
「あ、ティナギルド長おはようございます。」
「最近はどう?何とかやれてる?」
「あ、えぇ、はい・・・。なんとか。」
「そう、春になればまた流れも変わるからそれまでは無理しないでね。」
「有難うございます。」
「ティナギルド長、お客様がお見えです。」
「あ、ごめんなさい。それじゃあまた。」
忙しいのに私を見つけてワザワザ声をかけてくれたあたり、昨日のやり取りは筒抜けってことね。
まぁ別に知られたからと言ってどうってことない。
私は私。
いつもと同じように生きるだけだもん。
早朝のギルドは人が少なく、すぐに私の番がやってきた。
受付をしてくれたのは昨日と同じあの人だ。
「おはよう、今日も依頼を受けに来たの?」
「はい。」
「昨日と同じモフラビットでいいかしら。」
「それでお願いします。」
「冬も終わりだけどまだまだ需要があるのよね・・・とそうだわ、貴女にどうしてもお願いしたい依頼があるんだけどどうかしら。」
え、ワザワザ私に?
「モフラビット三匹の討伐なんだけど、毛皮の代わりに肉を収めてほしいのよ。依頼料は昨日と同じ、でも急ぎの依頼だから今日の夕方までに完了させてほしいの。もちろん急ぎの追加料金はギルドが保証するわ。どうかしら・・・。」
「三匹でいいんですよね?やります。」
「よかった、貴女ならそう言ってくれると思っていたわ。これが依頼書、場所は昨日と同じだけどまだコボレートの巣は見つかっていないからくれぐれも気を付けてね。」
「わかりました。」
「支給品は薬草と矢が50本、足りるかしら。」
「そんなにですか?」
「依頼主からおねがいされ・・・っとこれは内緒だったっけ。ともかくお願いね。」
差し出された依頼書を奪い取るようにして受け取り急いでギルドを出て依頼主を確認する。
もう、どうしてみんな私なんかに優しいんだろうか。
これだって絶対無理を言って依頼したに違いない。
ギルド印が渇いていないってことはついさっき提出されたってことだ。
私が朝一で来ることをみこしていたのか、それとも待ち伏せしていたのか。
どちらにせよ私に受けさせるためだけに受付にまで芝居をさせて・・・。
ほんと嫌になっちゃう。
ここまでされて失敗できるはずないじゃない。
帰ったらたっぷり文句言ってやるんだから。
生活の為に、なんて言ってられない。
友情の為に何としてでも成功させて見せる。
その強い気持ちを弓に込めて、私は狩場へと足早に向かった。
狩場はサンサトローズの西に広がる森。
まっすぐ行けばシュリアン商店のダンジョンへとつながっている。
主に出る魔物はモフラビット、それとコボレート。
森の奥に行かないとコボレートには出合わないはずなんだけど、最近は巣が近くにできたのか頻繁に街道付近に姿を見せることがある。
彼らもまたモフラビットを主食にしているので最近数が少なくなって困ってるんだ。
早く何とかしてほしいんだけどなぁ・・・。
っと、そんなことよりも早く依頼をこなさなきゃ。
森に来て早数刻。
陽は頭上高く昇っているというのに未だモフラビットを見つけることが出来ないでいた。
いつもならこれだけ探せば一匹ぐらい出てくるのに・・・。
焦りで視界が狭くなるのを深呼吸をしてごまかしながら私は慎重に森の奥を進んでいく。
コボレートの足跡はないしそろそろ出てきてもいいんだけど・・・。
そう思ったその時、ギギギギという聞きなれた鳴き声に思わず身をかがめた。
呼吸を、気配を殺して声の主が通り過ぎるのを待つ。
すると目の前を一匹のモフラビットが通り過ぎて行った。
こっちに気付いた様子はない。
ゆっくりと弓を構えながら矢を番え後ろから狙いをつける。
耳は討伐の証になるし肉は今回提出する事になっている。
という事は毛皮はすべて自分の取り分になる。
なので狙うのは体の中心、ではなく首もしくは頭。
毛皮の真ん中に穴が開いていたらどうしても買い取り価格が下がるんだもん。
暖かい部屋で春を迎えるためにも、狙いは外せない。
深呼吸を三つして集中を深める。
一つ、二つ、三つ。
よし、いま!
弦をいっぱいまで引き、呼吸のタイミングに合わせて指を離す。
放たれた矢は放物線を描くことなくまっすぐと飛び、モフラビットの頭を綺麗に射抜いた。
おそらく痛みを感じる暇もなかっただろう。
衝撃で吹き飛んだものの、倒れたモフラビットが動き出すことは二度となかった。
流石私!
急いで駆け寄り矢を引き抜く。
次にナイフを取り出してすぐに耳を切り落として袋に入れ、今度は首を落として逆さにする。
この肉がテスのお腹に入るのなら血抜きはしっかりとしておかないとね。
血が出なくなったら今度は毛皮を傷つけないように剥いで肉と分ければ完璧。
もちろん内臓を抜くのも忘れない。
最後は穴を掘って内臓と首を埋めればおしまいね。
とりあえずこれで一匹。
血の匂いに釣られてコボレートが集まってくるから急いで場所を変えないと・・・。
仕留められた安堵と、次への期待に胸躍らせながら私は再び森の奥へと向かう。
そうして次も同じように獲物を見つけて処理を終えさぁ、最後の一匹と思ったときだった。
周りにいくつかの魔物の気配がある。
囲まれた?
処理に集中しすぎて周りを見ていなかった私が悪い。
数はわからないけど、明らかに私を狙っている。
この森でこれだけの数、コボレートしかいないよね。
ナイフをしまって代わりに弓を構える。
矢筒にはまだ矢は沢山ある。
どうすればいい?
私が獲物を狩る時のように向こうもゆっくりと近づいてくる。
いけない、場所を変えないと。
でも、囲まれた事なんてないしどうやって逃げればいいの?
っていうかどこに逃げるのよ。
そんな私の動揺を察してか魔物がどんどんと迫って来る。
ガサガサという音が1,2,3、4
四方から私に近づき、そして・・・。
「ガウゥ!」
犬の顔に小さな体。
でも手に持っているのは剣に鎗に斧まである。
一匹ならさほど怖くないけれど、こいつらの面倒な所は数で襲って来るところだ。
四方から私めがけて殺到するもそんな事でやられる私じゃない。
襲われる前に場所を変え、振り向きざまに矢を射かける。
よし、一匹命中!
でも仲間がやられたことに腹を立ててコボレートが追いかけて来た。
あーもう、あと一匹なのに!
依頼もテスとの約束も大切だけど、今は生き残ることが一番大切。
貰った矢を盛大に消費して牽制しながら私は森の中を駆け抜けた。
それからどれぐらい走ったのかわからない。
走っても走っても奴らは追いかけるのを止めなくて、私も今どこを走っているのかが分からなくなってしまった。
陽はまだ高いけど、現在地が分からない。
もぅ、こんな事なら誰かを誘ってくればよかった!
昨日喧嘩別れさえしなければこんなことに・・・。
ううん。
弱気になっちゃダメ、先輩ならこんな時絶対に慌てない。
焦らず数を減らして・・・。
そんなことを考えて走っていると盛り上がった木の根に足を取られ盛大に転んでしまった。
弓が手元から離れる。
私は慌てて起き上がろうとするも足に激痛が走りその場でうずくまってしまった。
痛い。
痛いよ。
そんな状況でも奴らが待ってくれるわけがなく、バウバウという鳴き声が確実に私に向かって来る。
もぅ、犬みたいに鼻が良いんだから!
何とか這って弓までたどり着き、大きな樹に体を預けながらゆっくりと立ち上がる。
もう走れない。
なら、戦うしかないわ。
数はわからないけどせめて一匹ぐらいなら・・・。
ガサガサという音が近づいてくる。
囲まれたら終わり。
でも、最後の最後まで抵抗してやる。
新米だからって甘く見ないでよね!
でもでも。
「せめて最後は苦しくないのが良いなぁ・・・。」
そんな弱音が聞こえたかどうかはわからないけど、物音は確実に迫って来る。
私は矢を番え、音の方向に照準を合わせた。
来るなら来なさい!
ガサガサという音は一番近くの藪までたどり着き、そして・・・!
「ターニャ?どうしてこんな所にいるのよ!」
茂みから現れた先輩を見た途端、緊張の糸がぷつんと切れてその場にへたり込んでしまった。
「ちょっとちょっと、やだ!ひどいケガじゃない。ビクター、こっちよ来て!ターニャがいたの!」
先輩は私の様子を見て慌てて駆け寄ってくれた。
いつも冷静でかっこいい先輩がオロオロとしているのがなんだかおかしくて、でもさっきまでの恐怖が心を支配していてなかなか声が出なかった。
「ケイト・・・先輩。」
「え、なに?どうしたの?」
「一人って、大変ですね。」
「もう、前にそう教えてあげたでしょ?大変だから誰かを頼りなさい。それがターニャに今必要な事なんだから。」
やれやれと言った感じで先輩が笑った。
それを見た途端にホッとして涙がポロポロと溢れて来る。
怖かった。
死んじゃうかと思った。
そんな私を見て先輩は優しく頭をなでてくれた。
結局あの後はビクターさんに足を直してもらい、先輩が持っていたモフラビットのお肉を貰って何とか依頼を達成できた。
あの時先輩たちが森いたのはコボレートの巣を破壊しに来ていたからだそうだ。
偶然が重なったからよかったものの、先輩がいなかったら間違いなくあそこで死んでいた。
テスにもたっぷり怒られたっけ。
依頼は無事に達成できたけど、まだまだ春まで過ごす分のお金は溜まっていない。
なので昨日の今日だけど私はいつもと変わらずにギルドに向かっている。
むさくるしい先輩冒険者を押しのけながら受付まで行き、よさそうな依頼を確保する。
今日はコボレートの残党処理。
先輩たちが巣を壊したけれど、まだまだ外に出ていたコボレートがいるそうだ。
最低5匹、後は討伐すればするだけ報酬が上乗せされるなかなかに美味しい依頼だった。
依頼主はシュリアン商店。
なんでも、初心者支援の為にこういった依頼を時々張り出しているみたい。
今日はついてる。
受付のお姉さんにお礼を言って、そのままギルドの外へ・・・って思ったんだけど。
視界の隅に入ったのがどうしても気になって。
昨日助けてもらえたからいいけれど、今日また同じ目に合わないとも限らない。
進むためには変わらなきゃ。
そう決意した私は、ギルドの隅にいた二人に声をかけた。
「あ、あのさ。この間はごめんなさい・・・。あのね、美味しい依頼があるんだけど一緒にどうかな。」
その後・・・。
サンサトローズに凄腕の弓使いがいるという噂が国中に広がったかどうかは、また別の話だ。
そんな悪態をつきながらギルドの受付に依頼書をたたきつける。
そんなことは日常茶飯事なのか受付のお姉さんはニニコニとした笑顔でそれを受け取った。
無言で中身を精査し、一番最後の行にさらさらと署名をしていく。
これで依頼は終了。
代わりにカウンターに積み上げられたのは銀貨が1枚と銅貨が20枚。
それを奪うように受け取ると私は後ろで待つ仲間の所に戻った。
仲間って言っても今回限り、周りを見れないようなやつと一緒に戦うなんて金輪際ごめんだわ。
「はい、三人で割って一人銅貨40枚ね。銀貨を渡すから銅貨10枚ずつ頂戴。」
「え、でも経費は・・・。」
「そんなのいいわよ。そのかわりにもう一緒に冒険に出ることはないから、ほら早く出して!」
男のくせになに驚いた顔してるのよ。
慌ててポケットから出した銅貨を確認することも無く私はそれを受け取ってギルドを後にした。
あんな奴らと一緒の空気を吸いたくなかった。
ただそれだけ。
ギルドを飛び出しても胸のムカムカした気持ちは晴れることなく、そのまま噴水まできて私は大きく息を吐いた。
そのまま噴水の縁に腰かける。
「またやっちゃった。」
どうしてあんな態度に出たのか、理由はわかっている。
私達が今回受注したのはモフラビット5匹の討伐と毛皮の納品。
依頼書には近くにコボレートの巣もあるから注意しろって書いてあった。
でも、依頼はモフラビットだけだしこの時期ならまだ素材もおいしい。
それを見越して前にシュリアン商店のダンジョンツアーに参加した仲間を勇気を出して誘ってみた。
一人はラルフさんのような前衛、もう一人はビクターさんみたいな僧侶。
そしてこの私。
このバランスなら先輩達みたいにうまくやれるって期待していたんだけど、結果は散々だった。
最初こそ順調にモフラビットを討伐していたんだけど、三匹目をさばいているときにコボレートに遭遇。
一匹ぐらいだったらなんとかなるんだけど、あれよあれよという間に仲間が集まってきて・・・、最後は逃げるように森から飛び出した。
毛皮は手に入れたけど肉は追いてきちゃったし、矢もほとんど使い切ってしまった。
もっとうまくコボレートの注意を引き付けてくれれば私も狙いようがあるのに、僧侶の彼が前であちこち動き回るからそれにつられてやつらも動き回ってなかなか矢を当てることが出来ない。
ラルフさんならもっと上手に立ち回るし、ビクターさんなら多少襲われても自分で何とかしてしまうだろう。
そしてなにより先輩ならどんな状況でも的を外したりしない。
つまりは私がもっとしっかりしていたら何とかなったんだ。
それを仲間のせいにして、それをわかっているからまた自分にイライラしちゃって・・・。
「はぁ。」
何度目かわからないため息が漏れる。
今日の報酬は銅貨40枚。
そこから矢の補充をして、逃げるときに切れてしまった弦の張替えもしたら残りは銅貨10枚残らない。
大赤字だ。
「今日どこで寝ようかな・・・。」
ダンジョンツアーからもうすぐ二度目の聖日がくる。
あれから二回程ダンジョンに潜ってみたけどやはり一人では無理があって、それから何度かさっきみたいに仲間を見つけて依頼をこなしてみたけど長続きしない。
理由はわかってる。
私の求めているものが高すぎるんだ。
多少他の子たちより先に行っているかもしれないけど、結局は私も新米冒険者。
先輩みたいな中級冒険者なんてまだまだ先の話だ。
それが悔しくて、焦って、失敗して。
いったい何をやっているんだろう。
外はだんだんと暗くなってきた。
冬節ももう花期になったとはいえまだまだ寒いし、暗くなるのは早い。
この時間から依頼をこなすなんて無理な話だ。
それよりも早く装備の整備をして明日に備えないと。
明日。
明日はもっと上手くやる。
私一人でも生きていける。
でも、私一人じゃ先に行けない。
先に進むためにも、この壁を越えなくちゃ・・・。
パンパンと頬を叩いて暗くなった気持ちを奮い立たせ、工房へと向かった。
南通りをまっすぐと進み途中で一本裏路地に入るとその工房はある。
冒険者がひっきりなしに出入りするようなすごい工房じゃないけれど、私はここが好きだ。
入り口の扉を開けて中に入ると、カウンターにいた女の子が私の顔を見てにこりと笑った。
「今日も弦の張替えに矢の補充ね、矢を100本買って頂けたら安くできるけど・・・。」
「そんなお金ないわ、いつもと一緒で矢を70本頂戴。」
「失敗したの?」
「失敗なんてするはずないでしょ?いいから早くしてよ。」
「はいはい。ちょっと待ってね。」
テスにまで心配されるなんて、よっぽど顔に出ていたのかな。
なじみの工房の一人娘。
テスはサンサトローズに来て初めて出来た友達だ。
初めてこの街に来た時、どこに行けばいいかわからなかった私を冒険者ギルドまで連れて行ってくれて、装備まで選んでくれた。
もちろん、自分のお店で買って欲しかったっていうのもあっただろうけどテスは私の話をよく聞いてくれる。
だから私もつい、ここにきてしまうんだ。
「それで何があったの?」
「別に、いつもと一緒。」
「また一緒に行ってくれた人と喧嘩したの?」
「だってあそこで魔物の方に行くとかありえないでしょ!?自分の身も守れないのに何が冒険者よ。」
「またそんなこと言って。最初はみんなどうすればわからないから、失敗しながら学んでいくんだってお父さんいつも言っているわ。ターニャだって最初はそうだったでしょ?」
「私はそんな事ない。最初から上手くやってこれたもん。」
「はいはい、ターニャはすごいもんね。」
弦を張り替えながらカウンター越しにテスと話をする。
分かっている。
最初は皆へたくそで、私はたまたま弓の才能があっただけだ。
才能って言っても人よりも多少上手く使えるだけで、先輩みたいに戦う事なんてまだまだできない。
だから先輩からしてみれば私も他の冒険者と同じぐらいの位置にいるんだろう。
「私は上手くやってる・・・。」
「うん、ターニャが頑張ってるのは知ってるよ。」
「でも上手くいかない。」
「そりゃあまだ初心者だもん。」
「どうやったら上手くやれるとおもう?」
「それはもうわかってるでしょ?」
いつもそうだ。
テスはそうやって答えをはぐらかす。
違う、自分でもわかっている。
どうすればいいかなんて簡単、私が周りに合わせればいいんだ。
最初は上手くいかないんだから何度も挑戦したらいいのに、どうしても我慢できない。
早く先輩みたいに強くなりたい・・・。
そう焦ってしまってつい我慢が出来なくなってしまう。
「はい、出来たよ。」
「ありがとう、いくら?」
「銅貨25枚ね。」
「え、安くない?」
「お金ないんでしょ?」
「でも・・・。」
「その代わりに今度モフラビットのお肉持ってきてよ。お父さんあれ、好きだから。」
「わかった持ってくる。」
いつもは銅貨30枚なのに5枚も安くしてくれた。
私がお金ないの知っているから。
でもおかげで手持ちの銅貨10枚と合わせれば何とか今日の宿代は足りそうだ。
「わかった持ってくる。」
それだけ言うと弓を返してもらいいつもの汚い安宿へと帰った。
そして翌朝。
昨日は何とかなったけど、今日の宿代を稼がないと寝る場所がない。
野宿離れてるけどこの時期は寒いし、寄ってくるネズミや男も嫌い。
だから何としてでも宿代を稼ぐ必要があった。
なら、向かう場所は一つだけ。
「あら、ターニャさんおはようございます。」
昨日と同じように冒険者ギルドへ向かうと、中に入ったところでまさかの人物に呼び止められてしまった。
「あ、ティナギルド長おはようございます。」
「最近はどう?何とかやれてる?」
「あ、えぇ、はい・・・。なんとか。」
「そう、春になればまた流れも変わるからそれまでは無理しないでね。」
「有難うございます。」
「ティナギルド長、お客様がお見えです。」
「あ、ごめんなさい。それじゃあまた。」
忙しいのに私を見つけてワザワザ声をかけてくれたあたり、昨日のやり取りは筒抜けってことね。
まぁ別に知られたからと言ってどうってことない。
私は私。
いつもと同じように生きるだけだもん。
早朝のギルドは人が少なく、すぐに私の番がやってきた。
受付をしてくれたのは昨日と同じあの人だ。
「おはよう、今日も依頼を受けに来たの?」
「はい。」
「昨日と同じモフラビットでいいかしら。」
「それでお願いします。」
「冬も終わりだけどまだまだ需要があるのよね・・・とそうだわ、貴女にどうしてもお願いしたい依頼があるんだけどどうかしら。」
え、ワザワザ私に?
「モフラビット三匹の討伐なんだけど、毛皮の代わりに肉を収めてほしいのよ。依頼料は昨日と同じ、でも急ぎの依頼だから今日の夕方までに完了させてほしいの。もちろん急ぎの追加料金はギルドが保証するわ。どうかしら・・・。」
「三匹でいいんですよね?やります。」
「よかった、貴女ならそう言ってくれると思っていたわ。これが依頼書、場所は昨日と同じだけどまだコボレートの巣は見つかっていないからくれぐれも気を付けてね。」
「わかりました。」
「支給品は薬草と矢が50本、足りるかしら。」
「そんなにですか?」
「依頼主からおねがいされ・・・っとこれは内緒だったっけ。ともかくお願いね。」
差し出された依頼書を奪い取るようにして受け取り急いでギルドを出て依頼主を確認する。
もう、どうしてみんな私なんかに優しいんだろうか。
これだって絶対無理を言って依頼したに違いない。
ギルド印が渇いていないってことはついさっき提出されたってことだ。
私が朝一で来ることをみこしていたのか、それとも待ち伏せしていたのか。
どちらにせよ私に受けさせるためだけに受付にまで芝居をさせて・・・。
ほんと嫌になっちゃう。
ここまでされて失敗できるはずないじゃない。
帰ったらたっぷり文句言ってやるんだから。
生活の為に、なんて言ってられない。
友情の為に何としてでも成功させて見せる。
その強い気持ちを弓に込めて、私は狩場へと足早に向かった。
狩場はサンサトローズの西に広がる森。
まっすぐ行けばシュリアン商店のダンジョンへとつながっている。
主に出る魔物はモフラビット、それとコボレート。
森の奥に行かないとコボレートには出合わないはずなんだけど、最近は巣が近くにできたのか頻繁に街道付近に姿を見せることがある。
彼らもまたモフラビットを主食にしているので最近数が少なくなって困ってるんだ。
早く何とかしてほしいんだけどなぁ・・・。
っと、そんなことよりも早く依頼をこなさなきゃ。
森に来て早数刻。
陽は頭上高く昇っているというのに未だモフラビットを見つけることが出来ないでいた。
いつもならこれだけ探せば一匹ぐらい出てくるのに・・・。
焦りで視界が狭くなるのを深呼吸をしてごまかしながら私は慎重に森の奥を進んでいく。
コボレートの足跡はないしそろそろ出てきてもいいんだけど・・・。
そう思ったその時、ギギギギという聞きなれた鳴き声に思わず身をかがめた。
呼吸を、気配を殺して声の主が通り過ぎるのを待つ。
すると目の前を一匹のモフラビットが通り過ぎて行った。
こっちに気付いた様子はない。
ゆっくりと弓を構えながら矢を番え後ろから狙いをつける。
耳は討伐の証になるし肉は今回提出する事になっている。
という事は毛皮はすべて自分の取り分になる。
なので狙うのは体の中心、ではなく首もしくは頭。
毛皮の真ん中に穴が開いていたらどうしても買い取り価格が下がるんだもん。
暖かい部屋で春を迎えるためにも、狙いは外せない。
深呼吸を三つして集中を深める。
一つ、二つ、三つ。
よし、いま!
弦をいっぱいまで引き、呼吸のタイミングに合わせて指を離す。
放たれた矢は放物線を描くことなくまっすぐと飛び、モフラビットの頭を綺麗に射抜いた。
おそらく痛みを感じる暇もなかっただろう。
衝撃で吹き飛んだものの、倒れたモフラビットが動き出すことは二度となかった。
流石私!
急いで駆け寄り矢を引き抜く。
次にナイフを取り出してすぐに耳を切り落として袋に入れ、今度は首を落として逆さにする。
この肉がテスのお腹に入るのなら血抜きはしっかりとしておかないとね。
血が出なくなったら今度は毛皮を傷つけないように剥いで肉と分ければ完璧。
もちろん内臓を抜くのも忘れない。
最後は穴を掘って内臓と首を埋めればおしまいね。
とりあえずこれで一匹。
血の匂いに釣られてコボレートが集まってくるから急いで場所を変えないと・・・。
仕留められた安堵と、次への期待に胸躍らせながら私は再び森の奥へと向かう。
そうして次も同じように獲物を見つけて処理を終えさぁ、最後の一匹と思ったときだった。
周りにいくつかの魔物の気配がある。
囲まれた?
処理に集中しすぎて周りを見ていなかった私が悪い。
数はわからないけど、明らかに私を狙っている。
この森でこれだけの数、コボレートしかいないよね。
ナイフをしまって代わりに弓を構える。
矢筒にはまだ矢は沢山ある。
どうすればいい?
私が獲物を狩る時のように向こうもゆっくりと近づいてくる。
いけない、場所を変えないと。
でも、囲まれた事なんてないしどうやって逃げればいいの?
っていうかどこに逃げるのよ。
そんな私の動揺を察してか魔物がどんどんと迫って来る。
ガサガサという音が1,2,3、4
四方から私に近づき、そして・・・。
「ガウゥ!」
犬の顔に小さな体。
でも手に持っているのは剣に鎗に斧まである。
一匹ならさほど怖くないけれど、こいつらの面倒な所は数で襲って来るところだ。
四方から私めがけて殺到するもそんな事でやられる私じゃない。
襲われる前に場所を変え、振り向きざまに矢を射かける。
よし、一匹命中!
でも仲間がやられたことに腹を立ててコボレートが追いかけて来た。
あーもう、あと一匹なのに!
依頼もテスとの約束も大切だけど、今は生き残ることが一番大切。
貰った矢を盛大に消費して牽制しながら私は森の中を駆け抜けた。
それからどれぐらい走ったのかわからない。
走っても走っても奴らは追いかけるのを止めなくて、私も今どこを走っているのかが分からなくなってしまった。
陽はまだ高いけど、現在地が分からない。
もぅ、こんな事なら誰かを誘ってくればよかった!
昨日喧嘩別れさえしなければこんなことに・・・。
ううん。
弱気になっちゃダメ、先輩ならこんな時絶対に慌てない。
焦らず数を減らして・・・。
そんなことを考えて走っていると盛り上がった木の根に足を取られ盛大に転んでしまった。
弓が手元から離れる。
私は慌てて起き上がろうとするも足に激痛が走りその場でうずくまってしまった。
痛い。
痛いよ。
そんな状況でも奴らが待ってくれるわけがなく、バウバウという鳴き声が確実に私に向かって来る。
もぅ、犬みたいに鼻が良いんだから!
何とか這って弓までたどり着き、大きな樹に体を預けながらゆっくりと立ち上がる。
もう走れない。
なら、戦うしかないわ。
数はわからないけどせめて一匹ぐらいなら・・・。
ガサガサという音が近づいてくる。
囲まれたら終わり。
でも、最後の最後まで抵抗してやる。
新米だからって甘く見ないでよね!
でもでも。
「せめて最後は苦しくないのが良いなぁ・・・。」
そんな弱音が聞こえたかどうかはわからないけど、物音は確実に迫って来る。
私は矢を番え、音の方向に照準を合わせた。
来るなら来なさい!
ガサガサという音は一番近くの藪までたどり着き、そして・・・!
「ターニャ?どうしてこんな所にいるのよ!」
茂みから現れた先輩を見た途端、緊張の糸がぷつんと切れてその場にへたり込んでしまった。
「ちょっとちょっと、やだ!ひどいケガじゃない。ビクター、こっちよ来て!ターニャがいたの!」
先輩は私の様子を見て慌てて駆け寄ってくれた。
いつも冷静でかっこいい先輩がオロオロとしているのがなんだかおかしくて、でもさっきまでの恐怖が心を支配していてなかなか声が出なかった。
「ケイト・・・先輩。」
「え、なに?どうしたの?」
「一人って、大変ですね。」
「もう、前にそう教えてあげたでしょ?大変だから誰かを頼りなさい。それがターニャに今必要な事なんだから。」
やれやれと言った感じで先輩が笑った。
それを見た途端にホッとして涙がポロポロと溢れて来る。
怖かった。
死んじゃうかと思った。
そんな私を見て先輩は優しく頭をなでてくれた。
結局あの後はビクターさんに足を直してもらい、先輩が持っていたモフラビットのお肉を貰って何とか依頼を達成できた。
あの時先輩たちが森いたのはコボレートの巣を破壊しに来ていたからだそうだ。
偶然が重なったからよかったものの、先輩がいなかったら間違いなくあそこで死んでいた。
テスにもたっぷり怒られたっけ。
依頼は無事に達成できたけど、まだまだ春まで過ごす分のお金は溜まっていない。
なので昨日の今日だけど私はいつもと変わらずにギルドに向かっている。
むさくるしい先輩冒険者を押しのけながら受付まで行き、よさそうな依頼を確保する。
今日はコボレートの残党処理。
先輩たちが巣を壊したけれど、まだまだ外に出ていたコボレートがいるそうだ。
最低5匹、後は討伐すればするだけ報酬が上乗せされるなかなかに美味しい依頼だった。
依頼主はシュリアン商店。
なんでも、初心者支援の為にこういった依頼を時々張り出しているみたい。
今日はついてる。
受付のお姉さんにお礼を言って、そのままギルドの外へ・・・って思ったんだけど。
視界の隅に入ったのがどうしても気になって。
昨日助けてもらえたからいいけれど、今日また同じ目に合わないとも限らない。
進むためには変わらなきゃ。
そう決意した私は、ギルドの隅にいた二人に声をかけた。
「あ、あのさ。この間はごめんなさい・・・。あのね、美味しい依頼があるんだけど一緒にどうかな。」
その後・・・。
サンサトローズに凄腕の弓使いがいるという噂が国中に広がったかどうかは、また別の話だ。
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