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第七章

決戦は休息日

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決戦の朝。

まだ薄暗い街を風が吹き抜けていく。

ゆっくりと陽が昇り、城壁の向こう側から顔を出した頃。

そこには敵陣の前に一人たたずむ俺の姿が・・・。

なんて始まりだったらかっこいいんだけど、残念ながらそんなに上手く話は進みません。

結局俺が敵陣である商業ギルドに赴いたのは太陽が真上に昇る時間。

そろそろ昼休みの鐘が鳴ろうかという頃だった。

だってさ、ガスターシャ氏の報告が上がってきたのが今日の朝食頃。

それからエミリア達にお願いしていた奥の手が整ったのがついさっき。

それまではひたすら情報を整理してどういう闘い方をするかに頭を悩ませていたわけですよ。

休息日なのに休息できない矛盾。

ガスターシャ氏にはぼやかれるし、カムリには睨まれるしで散々ですよ。

え、昨夜はお楽しみじゃないのかって?

そんな時間無いんですけど!

むしろ騎士団でそんなことする場所があるわけないじゃないですか。

一体何を言っているのかね。

全く意味がわからないよ!

「いよいよだな。」

「やれるだけやりましたので後は何とかなるでしょう。」

「頑張ってくださいシュウイチさん。」

俺の両隣にエミリアとシルビア様。

後ろには残りの皆様が控えておられます。

これは討ち入りでしょうか。

赤穂浪士じゃないんですよ?

ちゃんと生きて帰ってきますし切腹もしないからね!

「私が行けば早い気がするんだけど、それじゃダメなのよね。」

「これは私の面子をかけた戦いですのでお気持ちだけ受け取っておきます。」

「そもそもアーシャ様はこんな所に来られて大丈夫なのですか?」

「あら、せっかくだから見学させてもらおうかと思って。」

「せっかく、ですか。」

いてもらう分には構わないんだけど、何故ガスターシャ氏がここにいるんだろう。

騎士団に来た後会議があるとか何とかぼやきながら帰ったはずなんですが。

会議はどうしたのさ。

それとカムリの姿が見えないようですが・・・。

まぁいいか。

「では行ってきます。」

近くを通る人が不思議そうな顔で俺達を見てくる。

これ以上は目立っちゃうよね。

返事は無かったが、みんなの視線を感じて1歩前に進みだす。

俺は一人じゃない。

みんなが近くで見ていてくれる。

そう思うだけで勇気がわいてきた。

やるだけやろう。

俺の後ろをエミリアが着いてくる。

どれだけ言ってもついてくると聞かないので、ついてきてもらうことにした。

俺もそのほうが安心するしね。

玄関前の階段を上り大きな扉に手をかける。

休息日だというのに鍵は開いていた。

よかった。

ここまで来て休みでしたはさすがにかっこ悪い。

一応開いているかどうかは確認しておいたけどなんせ休息日ですから。

ぐっと力を入れて押してみる。

あ、開かない。

マジかまさかの休みか?

この状況で休みとか勘弁してください。

後ろの皆になんて言えばいいんだ・・・。

「シュウイチさん引いてください。」

「あ、ですよね。」

押してだめなら引いてみろ。

今度は逆に引っ張ってみると、何の抵抗も無く扉が開いた。

どれだけ緊張してるんだよ。

「シュウイチさんでも緊張するんですね。」

「私はいつも緊張してますよ?」

「いつも堂々とされているので意外です。」

いえいえ、バッチリチキンハートです。

扉を開けて中へ入る。

休息日でも中は人で溢れていた。

商売人に休息日は無しか・・・。

「ようこそ商業ギルドへ本日はどのような御用件ですか?」

受付に行くと受付嬢がにこやかに対応してくれた。

どうやら歓迎されていないわけでは無さそうだ。

まぁ、受付嬢まで情報が降りていないだけかもしれないけど。

「イナバと申しますがデン様もしくはマッカ様へお取次ぎ願えますでしょうか。名前を言えばお分かりいただけると思います。」

「イナバ様ですね、少々お待ち下さい。」

受付嬢は笑顔で返事をすると誰もいないほうに向かってブツブツと話し始めた。

恐らく念話か何かでコンタクトを取っているんだろう。

内線も携帯電話も無い世界なんだから仕方ないよな。

勤怠をパソコンで管理しているわけでもないしね。

「申し訳御座いません、生憎お二人共他の方と打ち合わせをしておりまして・・・。」

「ではマッカ様に御伝言をお願いします、いい儲け話があると。」

「儲け話ですか?」

「お伝えすればわかると思います。」

「かしこまりました。お時間かかると思いますのでどうぞ奥のお席でお待ち下さい。」

指定されたのは玄関横の商談スペースのような場所だ。

「随分とすんなり入れましたね。」

「私を探していると聞いていましたので大人数で押しかけてくるのかと思っていましたが何かあったんでしょうか。」

「シュウイチサンが直接きたので驚いているのかもしれませんよ。」

まぁそれはあるかもしれない。

追い出そうとしている相手がまさか自分の本丸に来るとは思わないだろう。

普通に考えたらありえないよな。

それから少し待つも俺を追い出そうとするような雰囲気は無く、穏やかな空気のまま時間は流れて行った。

「なんだか拍子抜けですねぇ。」

あんなに構えていた自分はなんだったんだろうか。

っていうか俺を探していたんじゃないの?

探してた人間が手の中に入ってきたというのに、それを放置する理由は何だろう。

追い出す理由がなくなったから?

っていうかそもそも俺を追っていた理由は何だっけ。

バレるといけないからとか何とかいってたような気がするんだけど。

いまさらだけど俺が追われていたのって別に重要じゃなかったんじゃないだろうか。

「これはこれはイナバ様ようこそ我がギルドへ。」

その時、前方から歩いてきた初老の男性が俺に気付き声をかけてきた。

えっと、どちら様?

「ルシルク様!」

「そちらはメルクリア様の所におられたエミリア様ですね、はじめまして。」

「イナバ様、こちらは商業ギルドのギルド長をしておられますルシルク様です。」

ギルド長!?

ってことは一番偉い人じゃないか。

こりゃしっかり挨拶しないと。

「はじめましてイナバシュウチと申します。この度は突然訪問いたしまして申し訳御座いません。」

「事前にご連絡いただけましたらおで迎えさせていただきましたのに。」

「そんな、ただの商人に恐れ多い事です。」

「お若いのに謙虚でおられる、噂通りの方ですね。」

「恐縮です。」

なんだろう、あの兄妹との明らかな違いは。

丁寧だし物腰は柔らかい。

この人の部下に何故あのような兄妹がついているんだろうか。

わからん。

「それで、今日はどのような御用で来られたのですか?」

「マッカ様に用があって来たのですが残念ながら来客中だったようです。こちらで待たせていただきたいのですがよろしいでしょうか。」

「マッカにですか・・・。」

「先日は有り難いお声がけをお断りしてしまいましたので、お詫びにと思いまして新しいお話をお持ちしました。」

「それはお気遣いいただきましてありがとう御座います。」

思い出した!

ギルド長に今回の一件がばれるとややこしいから、帰ってくるまでに追い出そうって話しだったんだ。

今日がその期限だったはずなんだけど、それって言い換えれば今日は帰ってこないって事だよな。

にもかかわらず目の前にギルド長がいる。

これってどういうこと?

「ルシルク様、ガスターシャ様がそろそろ来られるお時間ですが。」

「おっと、そうだった。そのために1日早く帰ってきたんだったな。」

「お忙しいようですね。」

「久々に休みをと思ったのだが中々うまく行かないようだ。」

なるほどガスターシャ氏の入れ知恵でしたか。

一応お礼を言うべきなのかな?

でもこれで俺を追い出すという彼等の目論みは脆くも崩れ去ったわけだ。

今俺を追い出せば話はややこしくなる。

それだけじゃなく俺に対するギルド会員達への命令についてバレるかもしれないと戦線恐々しているのかもしれない。

それについては知ったこっちゃ無いけど。

とか何とか思いをめぐらせていたら正面の階段からドタバタと慌しい足音が聞こえてきた。

「こ、これは、ルシルク様!」

「デンではないか、留守の間何も無かったか?」

ほら、渦中の人物が来ましたよ。

「は、はい、あんじょうよろしゅうやってます。明日お戻りなられるいうて聞いてましたんやけど、どないしはったんですか?」

「元老院副参謀に呼び出されてな、休暇を切り上げたのだ。」

「随分偉い人と会われるんですなぁ。」

「来客中くれぐれも面倒なこと起こさぬようしっかり頼むぞ。ではイナバ様失礼します。」

「ガスターシャ氏に宜しくお伝え下さい。」

「そういえばお知り合いでしたな、かしこまりました。」

ギルド長がおつきの人と共に奥へと去って行く。

残されたデンが苦虫を噛み潰したような顔でそれを見送っていた。

さぁあなたが追っていた張本人が目の前に居ますよ?

どうしますか?

「デン様先日は大変お世話になりました。来客中との事でしたがよろしいのですか?」

「こ、これはイナバ様よう来てくれはりました。なんや、ワテに用事ゆうことですけど、えらいすんませんすぐ戻らなあきませんねん。」

「お忙しいようで何よりです。サンサトローズのどのお店も皆さんお忙しいようで、商売繁盛で羨ましい限りですね。」

「そ、そうですやろ。今日は休息日の最後やからしっかり稼がなあきません。ほな失礼します。」

さも、なにも知りません的なふりして話しているけど面白いな。

慌てて奥へと消えていくデン氏を見送りながら思わず笑ってしまった。

「大慌てでしたね。」

「上司と会わせたくない人間が先に談笑しているんですから、敵ながら同情してしまいます。」

「ガスターシャ様にもお礼を言わないと。」

「そうですね、資料の件といい頭があがりません。」

頭の切れる彼の事だ、ある程度勘づいていながらほっといてくれたんだろう。

ここまでお膳立てされたんだから、しっかりやらないとな。

「うまく行きますよね。」

「エミリアがいれば大丈夫です。」

「そんな、私は何もできませんよ?」

「側にいてくれるだけで大丈夫です。それに、離れていてもみんなが待っていてくれますから。」

「そうですよね。」

「それに、どうやら今回は危ない目に会う事もなさそうです。」

今まで何度も命の危険に遭遇している。

というか毎回か?

そういう意味では今回は非常に安全だと言えるだろう。

え、暗殺されるって疑った癖にって?

そんなこともありましたねぇ。

あれは誤解ですよ誤解。

今は同じ釜の飯を食べた中ですから。

え、一緒に食事をしただけ?

そこまで突っ込まないでほしいなぁ。

「どうしましたシュウイチさん。」

「いえ、何でもありません。」

独り言もここまで行くと特技みたいなもんだよな。

心の声はよく漏れているから危ない人だと思われないように気を付けないと。

「まずはトリシャさんを自由にしてあげる事、これが最優先事項です。」

正面から見覚えのある人間が歩いてくる。

俺は自分に言い聞かせるように目的を再確認した。

「これはこれはイナバはんやないですか、こないな所までようおいで下さいました。」

癪に障る関西弁風なしゃべり方。

あからさまな持ち上げ方。

今回の最重要人物の登場だ。

「マッカ様、お忙しい中お呼びだてして申し訳ありません。」

「なんでも美味しい儲け話がある言う話やないですか。そないなこと言われたら来ないわけにはいきませんやろ。」

「先日はありがたいお誘いをお断りしてしまいましたので、お詫びと言っては何ですが是非マッカ様のお耳に入れたいお話が御座います。」

「さっきデン兄さんとすれ違いましたけど、どないしたんですやろ。」

「さぁ、私には存じ上げません。ギルド長様が戻られたと聞いて随分と青い顔しておられました。」

「ギルド長が!?」

「なんでも元老院副参謀のガスターシャ様が来られるという事で急遽お戻りになったそうですよ。」

「元老院がいったい何しに・・・。」

俺を嵌めようとしていたデン氏と違いこっちは元老院を怖がっているのか。

まぁ、裏で色々と悪いことをしているみたいだし警戒するのは仕方ないよな。

「それで、お話なのですが・・・。」

「あぁ、そうでしたな。」

「ここでお話しさせていただいてもよろしいですか?」

「別に聞かれて困るようなもんでもないですやろ?」

「私は別に構いませんが・・・。」

「ウチもこう見えて忙しいんです、さっさと話してくれませんやろか。」

ガスターシャ氏が来ることが気になって仕方ない様だ。

ばれたら困るものの証拠隠滅でもしたいのかもしれない。

叩けばいくらでも埃が出てきそうだもんな、

「わかりました。先日活きのいい奴隷を手に入れましてね、そのご紹介にと思いまして・・・。」

「なんやって!」

「ですから奴隷を・・・。」

「話は分かりました奥で話しますからちょっと黙ってもらえますやろか!」

俺が話そうとすると上からかぶせて周りに聞こえないようにして来る。

だが、その声が大きすぎて逆に目立っているのに気づかないんだろうか。

それともそれぐらい動揺しているのか?

「奥に通してくださるそうです、いきましょうか。」

「はい、イナバ様。」

大股で歩くマッカ氏の後ろを仕事モードに切り替わったエミリアと共に追いかける。

キリッと引き締まった顔も素敵ですよ。

「よっぽど奴隷の話は聞かれたくないんですね。」

「そのようです。」

マッカ氏に聞こえない様にエミリアがそっと耳打ちしてくる。

確か奴隷を売買していいのは奴隷商だけのはずだ。

商業ギルドの人間、しかも位の高い人間が奴隷の商いをするのは良しとされていないのかもしれない。

人の命を売買するわけだし、メンツの問題なのかな。

受付の横を通り過ぎて建物の奥へと進む。

一応偉い身分なので通り過ぎる人間が皆頭を下げていた。

こんな上司で大変だな。

「ここで待っとってもらえますやろか、すぐ戻ります。」

派手な装飾が施されたドアの前で立ち止まり中へと案内される。

「失礼します。」

中は高そうな調度品に見事な家具。

いかにも重役の部屋という感じだ。

「勝手に座るのはさすがにまずいですよね。」

「大丈夫だと思いますよ。」

取引先で先に部屋で待つこともあったけどいつも立ってたなぁ。

今思えば別に座っちゃいけない理由はないんだよな。

自分が座ったらダメって思い込んでるだけで。

思い込み、ダメ絶対。

「それにしてもすごい調度品ですね。詳しくは分かりませんが見ただけで高そうな事は分かります。」

「この長椅子もなかなかの逸品だと思います。それにあの執務机、魔力を感じますので良い霊木をつかっているんでしょう。」

そんな事も分かるのか。

元の世界で言う屋久杉を使った机とかが近いのかな。

「お待たせしました。」

ドアが開きマッカ氏が入ってくる。

「素敵な部屋ですね。」

「他所ではなかなかお目にかかれへんウチの自慢の逸品達ですわ。」

「眼福です。」

「そうですやろ?それで儲け話なんやけど、奴隷がどうの言うてましたなぁ。」

正面にドカッと音を立てて座り、笑顔で俺のほうを見る。

見た目は笑顔だ、だが目は笑っていない。

俺の知らないところで危ない橋を渡っているんだ、肝も据わっているだろう。

さて、どうやって攻略していきますかね。

俺は乾いた唇を潤してから、先制口撃の口火を切った。
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