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第七章

ジャパネットネムリだから出来る事

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ユーリたちと別れ再び南通りへと歩みを進める。

通り過ぎる人の大半が好意的な目を向けてくれるが、やはり商店から感じる目は不安そうだ。

クレーマーじゃないけれど要注意人物だ。

対応に困る気持ちは分からなくも無い。

なのでそういったお店には入らず、いつもと変わらない目を向けてくれるお店に行く事にする。

このサンサトローズでそのような対応をしてくれるお店。

思いつくのは1つしかない。

「失礼します。」

「イラッシャイマセ、これはイナバ様シルビア様エミリア様。皆様よくおいでくださいました。」

俺を見た途端に子供のように小さな目が商売人の目に変わった。

見た目に騙されてはいけない。

こう見えて子持ちの妻帯者だ。

しかも俺と出会ってからどんどんと事業を拡大させ、今や王都の職人と直接やり取りするような凄腕の商人でもある。

人呼んでジャパネットネムリ。

彼にかかればどれだけ買う気の無いお客でも、気付いた時には素敵な商品を喜んで買っているらしい。

恐るべき男だ。

俺もエミリア達もその餌食になった過去がある。

買わされたはずなのに嫌な気がしない。

これこそがネムリのすごい所だといえる。

「ネムリさん御無沙汰しております。」

「エミリア様も相変わらずお綺麗で、いえ前よりもお美しくなられたのではないですか?先日の指輪も気に入っていただけて何よりでございます。」

「相変わらずのようだな。」

「シルビア様、先日は大変お世話になりました。こうして商いが出来るのも騎士団の皆様が身を挺してこの街を守ってくださったおかげでございます。」

ネムリ節が今日も炸裂する。

シルビアは定期的に来ているそうだが、エミリアがここに来るのはちょうど一月ぶりぐらいか。

「先日の指輪ありがとうございました。あれのおかげで命を救われました。」

「役に立った用で何よりです。向こうの職人もイナバ様の気前のよさに大変喜んでおられましたよ。」

「指輪、ですか?」

ですよねー。

そこに食いつきますよねー。

「前回の事件の際にネムリから頂いたんです。本当は二人にと思っていたのですが精霊のお二人にお渡しする約束を思い出しましてお渡ししました。この前命を助けていただいたご恩もありましたから。」

「言の葉の鎖だったか?」

「その通りです。」

「あのお二人のおかげで今のシュウイチさんがありますから。」

そうなんです。

決して他の女性にあげたとかじゃないんです。

信じてください。

「使用料の件ですが、今までの分と今月分を頂いておりますどうぞお納め下さい。」

「今までの分を頂いてもいいんですか?」

「先方が是非にと申しておりました。もし王都に来る事があれば立ち寄ってほしいとの事です。」

「いつになるか分かりませんがその時は立ち寄らせていただきましょう。」

「王都での噂はこのサンサトローズにも届いている。なんでも人気がすごすぎて予約が半年待ちだとか。」

「半年ですか!」

そんなに待つのか。

そんなすごい店の指輪をただでもらって大丈夫だったんだろうか。

それこそあれが今までの使用料で良いんじゃないの?

まぁ、もらえるなら貰うけど。

「ちょうど昨日新作が入荷いたしましたが御覧になられますか?」

「「是非!」」

二人の声が綺麗にハモる。

あー、これは満足するまで帰れないパターンか。

違うな、買わないと帰れないやつだ。

だって目の輝きが違うもん。

声のトーンもいつもより高かったし。

ですよねー、ネムリの店に来て何も買わないで帰ることなんてできないよねー。

「では二人に見てもらっている間にネムリには別のことを聞きたいんですが、時間は大丈夫ですか?」

「あぁ、例の件についてですね。」

「話が早くて助かります。」

「では机の上に置いておきますのでどうぞ手にとってお試し下さい。店は一時閉店としておきます。」

「商売時ですがいいんですか?」

休息日といえば一期で一番のかきいれ時だ。

そんな時に店を閉めて大丈夫だろうか。

「イナバ様だけでなくお二人がこの店を利用してくださるだけで元は取れますから。」

「客寄せパンダというヤツですか。」

「パンダというのは良く存じ上げませんが、つまりはそういうことです。」

街の大半の人間は俺の事を好意的に受け止めてくれている。

シルビアも騎士団長としての人気は絶大だ。

エミリアに関しては良く分からないが、シルビアと共に俺と結婚した事で高感度がうなぎのぼりに上昇しているらしい。

そんな三人が同時に店を利用して買い物をしたとなれば、何を買ったのか気になる人が出てくるだろう。

なんでもシルビアが買ったものは他の人も買っていくんだとか。

芸能人が使っている化粧品やカバンが場か売れするのと同じ原理だな。

むしろ二人が何を買ったのか他人に見せないようにする作戦なのかもしれない。

独占禁止法が無いのでそれを買い占めておけば利益はすさまじいものになる。

俺もそうやって儲けを出そうかなぁ。

俺愛用のポーション!とか、シルビア愛用の石鹸!とか、エミリア愛用の櫛!とか。

本人がやると俗っぽくてダメか。

「では単刀直入に聞きます。おそらく商業ギルドから私への不売を呼びかけるような指示が出ていると思いますが間違いありませんか?」

ネムリなら応えてくれるという確信がある。

それにここなら仮に商業ギルドの圧力がかかっても、他と取引して生計を立てれるので安心だ。

これもジャパネットネムリの実力あってこその作戦だな。

「間違いありません。先日の夕刻にサンサトローズ商業ギルドに属する全ての商店に対してこのような書面が送られてきました。」

そう言ってカウンターの下から一枚の紙を取りだした。

A4ぐらいの大きさに20行ぐらいの文章が書かれている。

何箇所かはわざわざ色と大きさを変えて強調してあるようだ。

ネムリから受け取り目を通す。

なになに・・・?

なるほど読めん。

「そういえばイナバ様は字を読めないんでしたね。」

「まだまだ勉強中でして、すみません。」

勉強する時間が取れないぐらいに忙しいんだよな。

困ったものだ。

「本日以降、商業ギルドに属する全ての商店に以下に定める項目を義務付けるものである。

1、イナバシュウイチという商人に対する商品の販売を禁ずる。
2、上記の者に近しい人物へも同様に販売を禁ずる。
3、上記の者達への飲食物の提供ならびに奉仕を禁ずる。

これら全ての項目に対して一つでも違反する者があれば、当ギルドはその商店へのギルド加入を解除し商品の卸しを停止する。

当ギルドに属する皆様の賢明な判断を期待する。

以上です。」

これはまたすごい圧力をかけてきたな。

商品飲食物サービス、言えば全ての商業活動を俺達に対して行なうなということだ。

そしてさらにそれを破れば、ギルドへの加入を解除され仕入れも出来なくなる。

こりゃあ商売できなくなるよね。

あの店主が怯えるのも無理ないか。

商店側としてはお客である以上来て貰った人には商売をしたい。

俺のように認知度がある人間が買い物をすれば、ネムリのように相乗効果を期待する事だってできる。

それを真っ向から否定して来るんだから加入商店としてはたまったもんじゃないな。

ネムリに関してはギルドから拒絶されようがもう自分ひとりで何とかなる域まで来ているので怖いものは無いだろう。

いや、そんな事は無いか。

ギルドに加入している方が何かとやりやすい。

それを切ってでも俺の為に手を貸してくれているのだろう。

体は小さいけれど心はでかいなぁ。

「これは中々すごい内容ですね。」

「私もこれを読んだときは目を疑いましたよ。」

「いやぁまさかこんなに恨まれているとは思わなかったなぁ。」

「何かされたんですか?」

「商業ギルドの身分の高いお二人を怒らせてしまいましてね。敵に回すとどうなるのかなと思っていたんですが、いやはや想像以上でした。」

「もしかしてデンマッカ兄妹ですか?」

「その通り、よく分かりましたね。」

「イナバ様に対してこんな手段をとるのはあの兄妹ぐらいなものです。あの二人を敵に回すと話が非常にややこしくなるので他の商店も大変迷惑しているでしょうね。」

非常に話がややこしくなる。

恐らくネムリもなにか面倒な事になった事があるのだろう。

非常にめんどくさそうな顔をしている。

「まぁ、こんな風に非常にややこしい状況なんです。」

「うちの事は気にせずにどうぞこれからも御贔屓にしてください。」

「もちろんです、これからも宜しくお願いします。」

頼りにしていますジャパネットネムリ。

「話は終わったのか?」

それからしばらくネムリと談笑していると商品を見終わった二人がこちらに歩いてきた。

「状況はつかめました。そちらも満足されましたか?」

「非常に良いものを見せてもらった。また資金をためていただきに来るとしよう。」

「何かお気に召すものが御座いましたか?」

「私もいくつか気になったものがありました。」

二人とも至極満足そうだ。

ウィンドウショッピングをして満足感を得るのと同じ状況だろうな。

「ではよろしければそのいくつかをどうぞお持ち帰り下さい。」

「いいのか!?」「いいんですか?」

二人の声が綺麗に合わさる。

えっと、どういうことでしょうかネムリさん?

「こちらの商品は先方様からお二人に是非着けていただきたいとの事で御提供いただいたものです。サンサトローズで皆に愛される騎士団分団長シルビア様、商店連合で知らない人が居ないエミリア様。このお二人が着けてくださればそれを聞きつけた皆様がまた商品を買いに来てくださいます。お二人の事は王都でも有名なんですよ。」

「そこまで言われると恥ずかしいな。」

「そうです、私より綺麗な人なんてたくさんいます。」

「何を謙遜されています。今や飛ぶ鳥を落とす勢いで名声を上げるイナバ様の奥様ですからこれぐらいの商品を身に着けて当然です。それに、代金はしっかりと頂いておりますから御安心下さい。」

代金受領済み・・・。

なるほどそういうからくりですか。

「それが今までの使用料という事ですか。」

「さすがイナバ様察しがよろしいですね。現金での支払いは難しいそうですが、試作品という形で御提供してもらえるようにかけ合わせていただきました。今期分からは現金でのお支払いになりますのでどうぞこちらを納め下さい。」

そう言ってネムリが差し出したのは金色に光る金貨が1枚。

マジか、一期でこんなにもらえるの?

「冗談ですよね?」

「冗談では有りません。本当はもう少し色をつけてくださるようにお話したのですが、先方もなかなか優秀な方でして。その代わりにこれからも試作品をいくつか御提供いただけることになりました。確か奥様方のほかにお二人身近な方がおられましたよね?」

「そうですね、正確には3人ほど。」

「ではその方々の分も今回の中からお選び下さい。全て差し上げるわけには参りませんが、それぐらいは持って行っていただいて大丈夫です。」

太っ腹ー!

ネムリ愛してるー!

きゃー!

というような歓声が聞こえてきたような来なかったような。

明日にでも残りの三人を連れてくるとしよう。

この後商業ギルドがどういう手段をとってきたかを聞くことも出来る。

「では三人にはまた明日来てもらうという事で。」

「そうだな、三人が気に入るものがあるかもしれないし私達も明日いただくとしよう。」

「よろしいのですか?」

「せっかくいただくんだ、仲良く分け合うべきだろう。」

「そうですね。私達が独占するものでもありません。」

そうなると明日また1からという事になるわけで。

まぁ良いんだけどね。

「では今日はこの辺で。おそらく私がここに来たという噂は広がっていると思いますのでその後の対応は面倒ですがお願いします。」

「お任せ下さい。」

「明日また詳しく聞かせてもらえるとありがたいです。」

「明日は昼に商談が入っていますので朝か夕刻でお願いします。」

「休息日も休み無しですね。」

「妻と子供達に怒られていますが、今頑張れば子供が大きくなる頃にはあの子達に苦労をかけることはなくなりますから。」

さすが父親。

子供の将来の為に今は頑張るというヤツですな。

「頑張りすぎずたまには子供達と遊んでやるがいい。」

「そうですね、夏が終われば少しは落ち着きますのでその時に遠出でもしようと思います。」

「御旅行ですか?」

「王都の途中に良い湯治場があるんです。食べ物も美味しいと評判ですしたまには妻も休ませてあげたいですから。」

旅行といえば基本は上げ膳据え膳だ。

子連れでの旅行は気を使う所もあるが、奥さんとしては美味しい食事にゆっくりとした時間があるだけでも嬉しいと思ってくれるだろう。

俺も少し手が空いたらみんなで旅行とかしたいなぁ。

休息日はムリだけど陰日ならまとまった休みが取れそうだ。

温泉かぁ・・・。

家族なら混浴してもおかしくないよね?

「では今日はこの辺で。」

「またのお越しをお待ちしております。」

ネムリに見送られ白鷺亭へと向かう。

明日は皆で美味しい料理を頂く予定だし朝一で伺うとしよう。

その後は何か適当なことをして時間をつぶせばいい。

いや、つぶさなくてもなんだかんだ忙しいような空気はプンプンしているけど・・・。

まぁそれは御愛嬌という事で。

「奥様を労って旅行だなんて素敵ですね。」

「王都までの道は比較的整備されているし魔物も少ないから安全だ。良い旅になるだろう。」

「噂では美容にいい温泉らしいですよ。」

「私も聞いたことがあるな。他にも子宝の湯や癒しの湯なんていうのもあるらしいぞ。」

そこなんてスーパー温泉?

いや、異世界だしそういう効果があってもおかしくないか。

元の世界でも子宝の湯とかあるもんな。

こっちはガチでそういう成分はいってそうだけど。

間違って入浴すると女になってしまう池なら知ってる。

あ、パンダもあるんだっけ?

あと黒豚に鶴それと猫か。

今考えると何でもありだな。

「いつか皆でいけると良いですね。」

「シュウイチ、そこは行けると良いではなく行こうというべきだ。」

「これは失礼しました。しっかりと店を繁盛させてみんなで温泉に行きましょう。」

「がんばりましょうね、シュウイチさん!」

美人を連れての温泉とかこれなんてハーレム?

最高じゃないですか。

もっとも、一緒に入るとは一言も言っていませんけどね!

「その為にも今度の催しは成功させなければなりません。そうなるとあの面倒そうな相手を何とかしなければいけないわけですが・・・。」

「それも明日になれば何か分かるだろう。今日ぐらいはゆっくり休もうではないか。」

「それもそうですね。」

「もう用事は無いんですか?」

「お祝いを頂いた方々にお礼を言いに行こうかと思っていたぐらいです。」

サンサトローズに来たのはこの為と言ってもいい。

「それも明日で大丈夫そうだな。」

「ネムリの店で見てもらっている間に私だけで回ることも出来ますから。」

「それはダメです。妻として同行する義務があります。」

え、義務なの?

それぐらい構わないんじゃないかなぁ・・・。

だって選んでるの待つの暇なんだもん。

「せめてウェリスを護衛につけるべきだ。」

「そんな危ない場所行きませんよ?」

「相手がどんな手段をとるかわからない以上、念には念を入れるべきだな。」

さすがに暴力には訴えてこないと思うけど。

でもまぁ、念には念をというしね。

「ではその辺りも帰ってから決めましょう。」

「「はい。」」

まだ日は高い。

支配人にお礼と挨拶をして夕食のお勧めを聞こう。

今日は休息日だ。

たまにはお酒を飲んでもいいかもしれない。

美人二人に挟まれて、俺は幸せな気分で宿へと向かうのだった。

その後ろをすごい顔で睨んでいる人物が居るとも知らずに・・・。
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