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第五章
予定調和とはいかない話
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昼の中休みの鐘が作戦開始時刻を告げる。
いよいよニケさん買受作戦第二幕の始まりだ。
準備は万全だ。
作戦の打ち合わせも問題なし。
後は向こうの出かたに合わせてやっていくだけだ。
こういう部分は出たとこ勝負になるが、いつもそんな感じだし不安は少ない。
むしろいつもよりも状況は良いといっていいだろう。
なんせ、命の危険が無いのだから。
いつもはカイジもビックリの失敗即死亡のデスゲームになるので、それが無いだけでも心穏やかに作戦に取り組める。
横流しのときに命の危険になるような事はしないって誓ったもんな。
「では行きましょうか。」
「そうだな、良い頃合だろう。」
「では私達は皆様が出た後少し時間をおいて向かいます。」
「こちらは白鷺亭から馬車に乗り換えますのでそんなに時間をおかなくても大丈夫ですからね。」
ここから猫目館はそんなに遠くない。
俺達四人が先行部隊、ニケさんとマヒロさんが後続部隊だ。
一緒に出てもいいのだが、向こうの出方を確かめるためにも時間が欲しい。
だが時間が余りすぎても困るのでこのあたりは場当たりで何とかするしかないだろう。
まぁこれもいつもの事だし。
口で何とかするのが俺の仕事だ。
ニケさんを探している連中との荒事は武闘派メイドマヒロさんが居るのでそちらにお任せしよう。
武勇伝を聞くことが無いように祈ってはいる。
「あ、あのもう少し羽織る物とかありませんか?」
出かけようと足を向けたとき、エミリアが戸惑いながら聞いてきた。
「この季節ですので其方しかご用意できませんでした、ご了承ください。」
「ですがこれでは・・・。」
「前後は私とユーリが隠すので問題ないだろう、白鷺亭までの辛抱だ頑張ってくれ。」
「確かにそうですが・・・。」
エミリアの戸惑いも分かる。
だがそのたわわな果実を包み込める衣装がそれしかなかったのだ。
許してくれ。
俺は別にそのままでもいいんですけどね。
「すみませんエミリア、無理を言ってしまって。」
「わ、私がついて行くと言ったんですから頑張ります。」
俺のジャケットをかけてあげてもいいのだが、それでも隠れない場所がある。
そろそろ皆さんも気になっているだろう。
うちの可愛い可愛いエミリアが恥らうほどの衣装。
それはなんと!
以前も着たことのあるニケさんが逃げるときに来ていたあの衣装だ。
胸元がパックリあいたワンピース風で丈はかなりの膝上。
風が吹けばパンチラ必須の素敵衣装だ。
だが俺以外の奴が見るのは許せない。
これをみていいのは俺だけなのだから。
今回は胸元を隠すガウンのようなものもあるのでたわわな果実は多少隠されているものの、素敵な太ももはどうしても見えてしまう。
ストッキングやタイツなんていう文化は残念ながら無い。
タイツも好きだが生足に勝るものはないだろう。
眼福眼福。
「では皆様お気をつけて、私共も後で参ります。」
「皆さんよろしくお願いします。」
二人に見送られてシルビア邸を後にして、向かうは白鷺亭だ。
道中すれ違う男どもがエミリアに好奇の眼を向けるが、その度に俺とシルビア様の鋭い眼光で威嚇する。
今の俺はいつもの俺じゃない。
昨日演じた強気な俺だ。
今なら魔物だって倒せちゃうぜ。
ガウガウ。
エミリアの前を俺とシルビア様、後ろをユーリというフォーメーションでゆっくりと目的地へと向かう。
急げないのはパンチラ防止の為なので致し方ない。
エミリアにとっては羞恥プレイもいい所だろう。
そういうプレイがお好みの人なら嬉しいかもしれないが、見た感じエミリアはそういうタイプの人間ではなさそうだ。
「まだ着きませんか?」
「まだ半分も来ていないぞ。」
「そんな、まだかかるんですか・・・。」
このやり取りも何度目だろう。
少し進むたびにエミリアから悲壮な声がきこえてくる。
出来るならシルビア様の家の前に馬車をつけても良かったのだが、そのまま色町まで行くのも世間体が悪い。
あくまでも白鷺亭に宿泊している金持ちが利用しているという感じを演出しなければならないのだ。
そこまでしなくてもいいとは思うのだが、シルビア様に迷惑をかけるわけにはいかない。
ただの市民ならまだしもこの人は騎士団の団長なのだから。
という事情があって、エミリアには申し訳ないがもう少しこの羞恥プレイに耐えて頂かなければならない。
頑張れエミリア、負けるなエミリア、勝利はもうすぐそこだ。
それからシルビア様と家に向かったときの倍ほどの時間をかけて白鷺亭へと戻るのだった。
頑張って歩いた宿の前には昨日と同じような馬車が止められている。
いや、昨日より豪華じゃない?
「お待ちしておりましたイナバ様。」
「すみませんお待たせしてしまいまして。」
「準備は出来ておりますのでどうぞご利用ください。」
「有難うございます。」
支配人がわざわざ馬車の前で待機してくれていた。
さすがというかなんと言うか。
今日もお世話になります。
俺が乗り込む前にエミリアを先に誘導する。
エミリアは大急ぎでステップを上がり馬車の中に駆け込んだ。
そんなに焦らなくてもいいんじゃないかなぁ。
向こうからワンピースの中が見えてしまいますよ。
ついでシルビア様ユーリと乗り込んで、最後に俺が馬車の中に入る。
「それでは行ってきます。」
「いってらっしゃいませ、お気をつけて。」
朝も同じように見送られたような気もしないではないが、支配人に見送られ馬車はゆっくりと走り始めた。
行き先は伝えていないんだけど大丈夫だろうか。
「やっと、一息つけます。」
「ご苦労だったなエミリア。」
「もうこんな格好で街中を歩くなんて絶対にしません。」
羞恥心でこことがパンクしそうなのだろう。
顔がまだ赤いままだ。
でもこの後もその格好で外に出るんですが、大丈夫かな。
「この後は予定通り猫目館でニケさんの買受けを行います。しかしながら向こうも何かしらの理由をつけて断って来るかと思いますので、出来るだけ話を引き伸ばしてニケさんの登場を待つことになります。ニケさんが居ない事実がばれないためにも建物の中で話をしようとはしないでしょうから、入り口もしくは玄関口でのやり取りになるかと思います。シルビアとユーリには窮屈な思いをさせますがこの場でお待ちください。」
どういう言い訳をしてくるかが楽しみだ。
そしてニケさんが登場した時にどんな対応をしてくるのか。
それを楽しみに話をするとしよう。
「もし二人が中に入ってしまった場合はどうすれば良い?」
「その場合もこちらでお待ちください。もしニケさんが来た場合にはユーリが先に中に入り私を呼んで貰えれば助かります。あくまでも二人が無事に着いたらの話ですが。」
「もし争っていた場合は?」
「そこは場を納めていただければ大丈夫です。街中で女性が襲われているとなれば騎士団長が出ない理由はありませんから。」
「なるほど考えたな。」
たまたまシルビア様が乗っていただけであって、買受けに来たのは別の人間だ。
ここにいて駄目な理由はない。
そうならない事を祈るけどね。
「エミリアは引き続き私の側に居てくれるだけで大丈夫です。もし書類が出てきたときはこの前のように耳打ちしてくだされば助かります。先日のニケさんの金額について出された書類は覚えていますか?」
「内訳も覚えていますよ。」
さすがエミリア。
「では同じような書類が出てきたときには相違がないかどうかの確認も一緒にお願いします。」
「わかりました。」
「これでやっと私達の横流し騒動も終結を迎えます。ニケさんを無事に買受けるためにも頑張りましょう。」
「「「はい。」」」
馬車はゆっくりと眠れる色町の中を進んでいく。
これから起きる一悶着を知ってか知らずか静かな時間だけが流れていた。
そして目的の場所に到着する。
今日は出迎えはないみたいだな。
「では行ってきます。」
「頼んだぞ。」
「お任せください、エミリア行きましょう。」
「はい。」
先に馬車を降り、エミリアの手を取って二人で猫目館の入り口の前に立つ。
扉を開けようとした瞬間、内側から扉が開き中から男が出てきた。
「お待ちしておりましたイナバ様。」
男は俺の顔を見るなりそう切り出した。
おや、昨日の男じゃないみたいだが・・・。
「自己紹介が遅れました、私は当猫目館の支配人をしておりますブラフと申します。本日は当館の娘を買受にきてくださったと伺っております。」
ブラフて、嘘ですって自分から言っているようなものじゃないか。
名は体をあらわす。
まさに名前の通り嘘を塗り固めてこの地位まで来たんだろうな。
「イナバだ、支配人自らとは光栄だな。」
「噂のイナバ様がうちの娘を気に入って頂いたのですから当然でございます。どうぞ中へお入りください。」
およ、自ら中に誘ってくるか。
これは何か企んでるな。
と、なるとだ。
ここはあえて外で話してみよう。
「今日は時間がないんでね、この場で結構だ。俺の女はどこにいる?この時間まで待ったんだ準備はできているんだろ?」
まずは先制攻撃だ。
早く女を出せとイラついてみせる。
「まだ準備ができておりませんので部屋におります。それと、誠に申し訳ございませんがニケをイナバ様にお譲りすることが出来なくなりそうでして。」
「譲れないとはどういうことだ。こちらは手付けまで払っているんだぞ?」
「お話は伺っております。ですが、昨夜ニケが相手をしましたお客様も大層本人を気に入りまして、このまま買い受けたいと仰ってきたのです。もちろんこちらとしてはイナバ様が買受けるいう事情をお話いたしましたがそれを上回る金額をご提示されまして強引にも買い受けるといわれておりまして。」
なるほど。
そういうやり方で来ましたか。
譲る相手が別に出てきたということにして諦めさせるつもりだな。
もしくは、事情を説明して断るので時間をくれとでも言うつもりだろう。
さて、どういう切り返しでいくべきか。
「それは随分と自分勝手なやり方だな。金さえ出せば人の物を奪っても構わないというわけか、そしてそっちもそれを了承していると。」
「も、もちろんこちらとしてはお断りしています。ですがお名前は出せませんがそれなりに身分のある方でして、私どもとしましても強く言えない状況なのです。私以上の金額を出す男ならば譲っても構わない、そう仰っておりまして・・・。」
「それで、いくら出せばいいんだ?」
「金貨40枚でございます。」
金貨40枚!?
これはまたずいぶんとふっかけてきたな。
それぐらい出すだろうと思われているだろうが、当初の値段の二倍と来たか。
買わないといったらどうするつもりなんだろう。
あぁ、本人が居ないから売るわけにもいかず無理やり高値にしているのか。
となると、ここは逆にあきらめずにグイグイいくべきだな。
「なんだそんなものか。彼女ならもっと高値をつけられていると思ったがその相手も随分と安く見積もったものだな。」
「そ、そうでございますね。」
ほら、引き下がると思っていたのに食い下がってきて慌ててる。
「それで、金貨40枚出せば今日連れて帰れるんだろ?」
「一応、先方に金貨40枚出す方がおりますとお伝えさせて頂きたく、すぐというのは・・・。」
「そうやって言ったとして、向こうがもっと出すといえばそっちに買受けさせるんだろ?そこはどうするつもりなんだ?」
「そ、それはもちろんイナバ様にお譲りさせていただくのが筋かと。」
「それなら今すぐ連れて帰り、先方には後で話をもっていくだけでも構わないんじゃないのか?」
「それはそうでございますが、一応向こう様の顔もございまして。」
困ってる困ってる。
猫目館の入り口で支配人と綺麗な女を連れた男の口論だ、人が少ないとはいえ目立ってしまう。
さっきから俺の後ろを気にして視線が泳いでいるところをみると、世間体を考えているのかもしれないな。
ここは玄関先からあえてエントランスぐらいに移動して安心させてもいいかもしれない。
少し善処したフリをして気を緩めたところをまた攻撃。
正攻法以外のやり方で攻めるのもまた上手い戦い方といえるだろう。
そうだ、これは戦いなんだ。
完膚なきまで相手を叩き潰し、ニケさんを解放するための戦いだ。
「それだけでは納得できないな、筋の通った話をして貰おうか。おい、少し遅くなるが構わないな?」
「はい。」
横にいるエミリアに声を掛けてエミリアの肩を抱きながら支配人を押しのけて中に入る。
その場で話をするつもりだったが、このままでは他の人間にエミリアの下着を見られそうなので場所を移動したかったのもある。
俺だって見たいんだぞ!
一応馬車の中にいるシルビア様と目があったので中に入るのは伝わっただろう。
「お、お待ちください。」
支配人が慌てて後ろを追いかけてくる。
さぁ、向こうの陣地に入ってやったんだ。
どういう風に出てくるのかな。
広いエントランスの横に待機所のような場所があったので勝手にそこに座る。
エミリアは俺の後ろで待機だ。
ふてぶてしく座り、腕を組んで支配人の出方を待つ。
遅れてきた支配人が慌てて俺の前に座った。
「単刀直入に聞くがお前は俺に彼女を売る気はあるのか?」
「もちろんでございます。イナバ様ほどの方に当館の娘を気に入って頂けるという事はとても光栄なことでございますから。」
「だがお前は俺に譲れないとも言っている。」
「そ、それは先ほどもお話しましたように先方の都合がありまして・・・。」
「この場合どちらが先方になるんだ?俺か?それともその偉い人とやらか?」
普通はただの商人が身分の高い人間に向かってこんな口を利いたら処罰されてもおかしくない。
だが今回はそんな人物がいないのを知っているので、少々強気に話を進めることができる。
俺だって不確定な場合はこんな強気の発言しないさ。
今回はこちらがジョーカーを握っているからこそできるやり方だ。
ただ向こうからしてみれば、身分の高い相手にも強気で話をする人間だと思うだろう。
そういう人間を相手にするとどうなるか。
こういう商売で支配人をやっている人間なら分かる事だろう。
「それはもちろん、イナバ様でございます。」
「分かれば結構だ。それで、いつまで待てば良い、半刻か?1刻か?言っておくが私の気は短いぞ。今はこいつがいるから我慢しているが、もしいなかったら今頃この机はどうなっていたかなぁ。」
エミリアの方を見てから再び支配人のほうを見る。
その瞳には怯えた色が出てきている。
なんだかこの役を演じるのが楽しくなってきた。
これが俗に言うなんとかハイという奴なんだろうか。
それとも俺の中にこういう性格の人間がもう一人いるのか。
どちらにしろこの流れのまま話を持っていければ最高だ。
「すぐ使いの者を出しますので、半刻いや1刻お時間をいただけますでしょうか。」
「半刻だ。」
「か、かしこまりました!」
支配人が急いで立ち上がり店の奥へと走っていった。
時間が早い為俺とエミリア以外に客はいない。
「とりあえずうまく行っていますね。」
俺は少しだけ力を抜き、後ろにいるエミリアに話しかけた。
ここまでは全て計算通り。
予定調和ってやつだ。
正直出来すぎなきもするが、トラブルなんて起きないほうがいい。
「本当に目の前にいるのがシュウイチさんか不安になるぐらいです。」
「ちょっとやりすぎですか?」
「そんな気もしますが、それぐらいの方がいいのかもしれません。」
「わかりました。とりあえずこの調子でやっていきますが、怖がらないでくださいね。」
「わかってます。」
エミリアの手が俺の肩に置かれ、俺もその手の上に手を重ねる。
エミリアの体温を感じるととげとげしていた心が丸くなる感じがする。
落ち着くんだろうな。
後ろを振り返って衣装を見てしまうと別の部分が落ち着かなくなりそうなのでそこは自重するとしよう。
しかしアレだな、お客なのにお茶も出さないなんてどういうことだ。
こちとら立派なお客様だぞ!
なんていうとクレーマーみたいになるので言わない。
もっとも、今は半分クレーマーみたいなことしているけど、正論しか言ってないし。
理不尽な事を言うのがクレーマーですよ。
今頃裏で大慌てで作戦会議でもしてるんだろうな。
ニケさん捜索隊も増員されたりして。
でもまぁ、向こうは最強メイドさんがいるし大丈夫だろう。
今俺がしなければならないのは、ニケさんが来るまで向こうの出方を見ながら適切に対処するだけだ。
ジョーカーは俺が握っている。
負けるはずがない。
それからしばらくゆっくりとした時間が流れた。
だがそれもほんのつかの間、予想以上の嵐が俺たちを襲うのだった。
「何処だ!俺の女を買受けようっていう不貞野郎は!」
「お待ちくださいバルバス様!」
奥から巨漢の男と支配人が走ってくる。
どちらさまですか?
「貴族の俺様に楯突こうなんて事考えてるってぇのはお前だな、おい!」
俺の前に巨大な壁が立ちはだかる。
それもお貴族様と来たら、ちょっとヤバくないですか?
いるはずのない昨夜のお相手、しかも貴族。
買い受け大作戦第二幕はそう上手くは行かないらしい。
いよいよニケさん買受作戦第二幕の始まりだ。
準備は万全だ。
作戦の打ち合わせも問題なし。
後は向こうの出かたに合わせてやっていくだけだ。
こういう部分は出たとこ勝負になるが、いつもそんな感じだし不安は少ない。
むしろいつもよりも状況は良いといっていいだろう。
なんせ、命の危険が無いのだから。
いつもはカイジもビックリの失敗即死亡のデスゲームになるので、それが無いだけでも心穏やかに作戦に取り組める。
横流しのときに命の危険になるような事はしないって誓ったもんな。
「では行きましょうか。」
「そうだな、良い頃合だろう。」
「では私達は皆様が出た後少し時間をおいて向かいます。」
「こちらは白鷺亭から馬車に乗り換えますのでそんなに時間をおかなくても大丈夫ですからね。」
ここから猫目館はそんなに遠くない。
俺達四人が先行部隊、ニケさんとマヒロさんが後続部隊だ。
一緒に出てもいいのだが、向こうの出方を確かめるためにも時間が欲しい。
だが時間が余りすぎても困るのでこのあたりは場当たりで何とかするしかないだろう。
まぁこれもいつもの事だし。
口で何とかするのが俺の仕事だ。
ニケさんを探している連中との荒事は武闘派メイドマヒロさんが居るのでそちらにお任せしよう。
武勇伝を聞くことが無いように祈ってはいる。
「あ、あのもう少し羽織る物とかありませんか?」
出かけようと足を向けたとき、エミリアが戸惑いながら聞いてきた。
「この季節ですので其方しかご用意できませんでした、ご了承ください。」
「ですがこれでは・・・。」
「前後は私とユーリが隠すので問題ないだろう、白鷺亭までの辛抱だ頑張ってくれ。」
「確かにそうですが・・・。」
エミリアの戸惑いも分かる。
だがそのたわわな果実を包み込める衣装がそれしかなかったのだ。
許してくれ。
俺は別にそのままでもいいんですけどね。
「すみませんエミリア、無理を言ってしまって。」
「わ、私がついて行くと言ったんですから頑張ります。」
俺のジャケットをかけてあげてもいいのだが、それでも隠れない場所がある。
そろそろ皆さんも気になっているだろう。
うちの可愛い可愛いエミリアが恥らうほどの衣装。
それはなんと!
以前も着たことのあるニケさんが逃げるときに来ていたあの衣装だ。
胸元がパックリあいたワンピース風で丈はかなりの膝上。
風が吹けばパンチラ必須の素敵衣装だ。
だが俺以外の奴が見るのは許せない。
これをみていいのは俺だけなのだから。
今回は胸元を隠すガウンのようなものもあるのでたわわな果実は多少隠されているものの、素敵な太ももはどうしても見えてしまう。
ストッキングやタイツなんていう文化は残念ながら無い。
タイツも好きだが生足に勝るものはないだろう。
眼福眼福。
「では皆様お気をつけて、私共も後で参ります。」
「皆さんよろしくお願いします。」
二人に見送られてシルビア邸を後にして、向かうは白鷺亭だ。
道中すれ違う男どもがエミリアに好奇の眼を向けるが、その度に俺とシルビア様の鋭い眼光で威嚇する。
今の俺はいつもの俺じゃない。
昨日演じた強気な俺だ。
今なら魔物だって倒せちゃうぜ。
ガウガウ。
エミリアの前を俺とシルビア様、後ろをユーリというフォーメーションでゆっくりと目的地へと向かう。
急げないのはパンチラ防止の為なので致し方ない。
エミリアにとっては羞恥プレイもいい所だろう。
そういうプレイがお好みの人なら嬉しいかもしれないが、見た感じエミリアはそういうタイプの人間ではなさそうだ。
「まだ着きませんか?」
「まだ半分も来ていないぞ。」
「そんな、まだかかるんですか・・・。」
このやり取りも何度目だろう。
少し進むたびにエミリアから悲壮な声がきこえてくる。
出来るならシルビア様の家の前に馬車をつけても良かったのだが、そのまま色町まで行くのも世間体が悪い。
あくまでも白鷺亭に宿泊している金持ちが利用しているという感じを演出しなければならないのだ。
そこまでしなくてもいいとは思うのだが、シルビア様に迷惑をかけるわけにはいかない。
ただの市民ならまだしもこの人は騎士団の団長なのだから。
という事情があって、エミリアには申し訳ないがもう少しこの羞恥プレイに耐えて頂かなければならない。
頑張れエミリア、負けるなエミリア、勝利はもうすぐそこだ。
それからシルビア様と家に向かったときの倍ほどの時間をかけて白鷺亭へと戻るのだった。
頑張って歩いた宿の前には昨日と同じような馬車が止められている。
いや、昨日より豪華じゃない?
「お待ちしておりましたイナバ様。」
「すみませんお待たせしてしまいまして。」
「準備は出来ておりますのでどうぞご利用ください。」
「有難うございます。」
支配人がわざわざ馬車の前で待機してくれていた。
さすがというかなんと言うか。
今日もお世話になります。
俺が乗り込む前にエミリアを先に誘導する。
エミリアは大急ぎでステップを上がり馬車の中に駆け込んだ。
そんなに焦らなくてもいいんじゃないかなぁ。
向こうからワンピースの中が見えてしまいますよ。
ついでシルビア様ユーリと乗り込んで、最後に俺が馬車の中に入る。
「それでは行ってきます。」
「いってらっしゃいませ、お気をつけて。」
朝も同じように見送られたような気もしないではないが、支配人に見送られ馬車はゆっくりと走り始めた。
行き先は伝えていないんだけど大丈夫だろうか。
「やっと、一息つけます。」
「ご苦労だったなエミリア。」
「もうこんな格好で街中を歩くなんて絶対にしません。」
羞恥心でこことがパンクしそうなのだろう。
顔がまだ赤いままだ。
でもこの後もその格好で外に出るんですが、大丈夫かな。
「この後は予定通り猫目館でニケさんの買受けを行います。しかしながら向こうも何かしらの理由をつけて断って来るかと思いますので、出来るだけ話を引き伸ばしてニケさんの登場を待つことになります。ニケさんが居ない事実がばれないためにも建物の中で話をしようとはしないでしょうから、入り口もしくは玄関口でのやり取りになるかと思います。シルビアとユーリには窮屈な思いをさせますがこの場でお待ちください。」
どういう言い訳をしてくるかが楽しみだ。
そしてニケさんが登場した時にどんな対応をしてくるのか。
それを楽しみに話をするとしよう。
「もし二人が中に入ってしまった場合はどうすれば良い?」
「その場合もこちらでお待ちください。もしニケさんが来た場合にはユーリが先に中に入り私を呼んで貰えれば助かります。あくまでも二人が無事に着いたらの話ですが。」
「もし争っていた場合は?」
「そこは場を納めていただければ大丈夫です。街中で女性が襲われているとなれば騎士団長が出ない理由はありませんから。」
「なるほど考えたな。」
たまたまシルビア様が乗っていただけであって、買受けに来たのは別の人間だ。
ここにいて駄目な理由はない。
そうならない事を祈るけどね。
「エミリアは引き続き私の側に居てくれるだけで大丈夫です。もし書類が出てきたときはこの前のように耳打ちしてくだされば助かります。先日のニケさんの金額について出された書類は覚えていますか?」
「内訳も覚えていますよ。」
さすがエミリア。
「では同じような書類が出てきたときには相違がないかどうかの確認も一緒にお願いします。」
「わかりました。」
「これでやっと私達の横流し騒動も終結を迎えます。ニケさんを無事に買受けるためにも頑張りましょう。」
「「「はい。」」」
馬車はゆっくりと眠れる色町の中を進んでいく。
これから起きる一悶着を知ってか知らずか静かな時間だけが流れていた。
そして目的の場所に到着する。
今日は出迎えはないみたいだな。
「では行ってきます。」
「頼んだぞ。」
「お任せください、エミリア行きましょう。」
「はい。」
先に馬車を降り、エミリアの手を取って二人で猫目館の入り口の前に立つ。
扉を開けようとした瞬間、内側から扉が開き中から男が出てきた。
「お待ちしておりましたイナバ様。」
男は俺の顔を見るなりそう切り出した。
おや、昨日の男じゃないみたいだが・・・。
「自己紹介が遅れました、私は当猫目館の支配人をしておりますブラフと申します。本日は当館の娘を買受にきてくださったと伺っております。」
ブラフて、嘘ですって自分から言っているようなものじゃないか。
名は体をあらわす。
まさに名前の通り嘘を塗り固めてこの地位まで来たんだろうな。
「イナバだ、支配人自らとは光栄だな。」
「噂のイナバ様がうちの娘を気に入って頂いたのですから当然でございます。どうぞ中へお入りください。」
およ、自ら中に誘ってくるか。
これは何か企んでるな。
と、なるとだ。
ここはあえて外で話してみよう。
「今日は時間がないんでね、この場で結構だ。俺の女はどこにいる?この時間まで待ったんだ準備はできているんだろ?」
まずは先制攻撃だ。
早く女を出せとイラついてみせる。
「まだ準備ができておりませんので部屋におります。それと、誠に申し訳ございませんがニケをイナバ様にお譲りすることが出来なくなりそうでして。」
「譲れないとはどういうことだ。こちらは手付けまで払っているんだぞ?」
「お話は伺っております。ですが、昨夜ニケが相手をしましたお客様も大層本人を気に入りまして、このまま買い受けたいと仰ってきたのです。もちろんこちらとしてはイナバ様が買受けるいう事情をお話いたしましたがそれを上回る金額をご提示されまして強引にも買い受けるといわれておりまして。」
なるほど。
そういうやり方で来ましたか。
譲る相手が別に出てきたということにして諦めさせるつもりだな。
もしくは、事情を説明して断るので時間をくれとでも言うつもりだろう。
さて、どういう切り返しでいくべきか。
「それは随分と自分勝手なやり方だな。金さえ出せば人の物を奪っても構わないというわけか、そしてそっちもそれを了承していると。」
「も、もちろんこちらとしてはお断りしています。ですがお名前は出せませんがそれなりに身分のある方でして、私どもとしましても強く言えない状況なのです。私以上の金額を出す男ならば譲っても構わない、そう仰っておりまして・・・。」
「それで、いくら出せばいいんだ?」
「金貨40枚でございます。」
金貨40枚!?
これはまたずいぶんとふっかけてきたな。
それぐらい出すだろうと思われているだろうが、当初の値段の二倍と来たか。
買わないといったらどうするつもりなんだろう。
あぁ、本人が居ないから売るわけにもいかず無理やり高値にしているのか。
となると、ここは逆にあきらめずにグイグイいくべきだな。
「なんだそんなものか。彼女ならもっと高値をつけられていると思ったがその相手も随分と安く見積もったものだな。」
「そ、そうでございますね。」
ほら、引き下がると思っていたのに食い下がってきて慌ててる。
「それで、金貨40枚出せば今日連れて帰れるんだろ?」
「一応、先方に金貨40枚出す方がおりますとお伝えさせて頂きたく、すぐというのは・・・。」
「そうやって言ったとして、向こうがもっと出すといえばそっちに買受けさせるんだろ?そこはどうするつもりなんだ?」
「そ、それはもちろんイナバ様にお譲りさせていただくのが筋かと。」
「それなら今すぐ連れて帰り、先方には後で話をもっていくだけでも構わないんじゃないのか?」
「それはそうでございますが、一応向こう様の顔もございまして。」
困ってる困ってる。
猫目館の入り口で支配人と綺麗な女を連れた男の口論だ、人が少ないとはいえ目立ってしまう。
さっきから俺の後ろを気にして視線が泳いでいるところをみると、世間体を考えているのかもしれないな。
ここは玄関先からあえてエントランスぐらいに移動して安心させてもいいかもしれない。
少し善処したフリをして気を緩めたところをまた攻撃。
正攻法以外のやり方で攻めるのもまた上手い戦い方といえるだろう。
そうだ、これは戦いなんだ。
完膚なきまで相手を叩き潰し、ニケさんを解放するための戦いだ。
「それだけでは納得できないな、筋の通った話をして貰おうか。おい、少し遅くなるが構わないな?」
「はい。」
横にいるエミリアに声を掛けてエミリアの肩を抱きながら支配人を押しのけて中に入る。
その場で話をするつもりだったが、このままでは他の人間にエミリアの下着を見られそうなので場所を移動したかったのもある。
俺だって見たいんだぞ!
一応馬車の中にいるシルビア様と目があったので中に入るのは伝わっただろう。
「お、お待ちください。」
支配人が慌てて後ろを追いかけてくる。
さぁ、向こうの陣地に入ってやったんだ。
どういう風に出てくるのかな。
広いエントランスの横に待機所のような場所があったので勝手にそこに座る。
エミリアは俺の後ろで待機だ。
ふてぶてしく座り、腕を組んで支配人の出方を待つ。
遅れてきた支配人が慌てて俺の前に座った。
「単刀直入に聞くがお前は俺に彼女を売る気はあるのか?」
「もちろんでございます。イナバ様ほどの方に当館の娘を気に入って頂けるという事はとても光栄なことでございますから。」
「だがお前は俺に譲れないとも言っている。」
「そ、それは先ほどもお話しましたように先方の都合がありまして・・・。」
「この場合どちらが先方になるんだ?俺か?それともその偉い人とやらか?」
普通はただの商人が身分の高い人間に向かってこんな口を利いたら処罰されてもおかしくない。
だが今回はそんな人物がいないのを知っているので、少々強気に話を進めることができる。
俺だって不確定な場合はこんな強気の発言しないさ。
今回はこちらがジョーカーを握っているからこそできるやり方だ。
ただ向こうからしてみれば、身分の高い相手にも強気で話をする人間だと思うだろう。
そういう人間を相手にするとどうなるか。
こういう商売で支配人をやっている人間なら分かる事だろう。
「それはもちろん、イナバ様でございます。」
「分かれば結構だ。それで、いつまで待てば良い、半刻か?1刻か?言っておくが私の気は短いぞ。今はこいつがいるから我慢しているが、もしいなかったら今頃この机はどうなっていたかなぁ。」
エミリアの方を見てから再び支配人のほうを見る。
その瞳には怯えた色が出てきている。
なんだかこの役を演じるのが楽しくなってきた。
これが俗に言うなんとかハイという奴なんだろうか。
それとも俺の中にこういう性格の人間がもう一人いるのか。
どちらにしろこの流れのまま話を持っていければ最高だ。
「すぐ使いの者を出しますので、半刻いや1刻お時間をいただけますでしょうか。」
「半刻だ。」
「か、かしこまりました!」
支配人が急いで立ち上がり店の奥へと走っていった。
時間が早い為俺とエミリア以外に客はいない。
「とりあえずうまく行っていますね。」
俺は少しだけ力を抜き、後ろにいるエミリアに話しかけた。
ここまでは全て計算通り。
予定調和ってやつだ。
正直出来すぎなきもするが、トラブルなんて起きないほうがいい。
「本当に目の前にいるのがシュウイチさんか不安になるぐらいです。」
「ちょっとやりすぎですか?」
「そんな気もしますが、それぐらいの方がいいのかもしれません。」
「わかりました。とりあえずこの調子でやっていきますが、怖がらないでくださいね。」
「わかってます。」
エミリアの手が俺の肩に置かれ、俺もその手の上に手を重ねる。
エミリアの体温を感じるととげとげしていた心が丸くなる感じがする。
落ち着くんだろうな。
後ろを振り返って衣装を見てしまうと別の部分が落ち着かなくなりそうなのでそこは自重するとしよう。
しかしアレだな、お客なのにお茶も出さないなんてどういうことだ。
こちとら立派なお客様だぞ!
なんていうとクレーマーみたいになるので言わない。
もっとも、今は半分クレーマーみたいなことしているけど、正論しか言ってないし。
理不尽な事を言うのがクレーマーですよ。
今頃裏で大慌てで作戦会議でもしてるんだろうな。
ニケさん捜索隊も増員されたりして。
でもまぁ、向こうは最強メイドさんがいるし大丈夫だろう。
今俺がしなければならないのは、ニケさんが来るまで向こうの出方を見ながら適切に対処するだけだ。
ジョーカーは俺が握っている。
負けるはずがない。
それからしばらくゆっくりとした時間が流れた。
だがそれもほんのつかの間、予想以上の嵐が俺たちを襲うのだった。
「何処だ!俺の女を買受けようっていう不貞野郎は!」
「お待ちくださいバルバス様!」
奥から巨漢の男と支配人が走ってくる。
どちらさまですか?
「貴族の俺様に楯突こうなんて事考えてるってぇのはお前だな、おい!」
俺の前に巨大な壁が立ちはだかる。
それもお貴族様と来たら、ちょっとヤバくないですか?
いるはずのない昨夜のお相手、しかも貴族。
買い受け大作戦第二幕はそう上手くは行かないらしい。
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