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第二章

潜入:盗賊団城塞砦

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 大量の食料と酒の入った大甕、それとシルビア様を積んで荷車は進んでいる。

 行軍してそろそろ1時間ぐらい。

 日は完全に傾き辺りは暗闇に支配されている。

 松明のオレンジ色の明かりだけが足元を照らしている。

 こんな状況で狼に襲われたりしたらひとたまりもないな。

「そろそろ到着する。念のために作戦の確認をしたいがいいか。」

 ウェリスの声が少し低い。

 緊張してきているのだろう。

「そのほうがいいだろう。この作戦は我々の行動に全てかかっているといってもいい。」

 最初から甕に入ってもらうと大変なのでシルビア様には荷台に座ってもらっている。

 一緒に行軍するといわれたがさすがにご遠慮いただいた。

「このまま砦に進み、ウェリスの指示で開門してもらいその際入り口の武装と人数を確認。少数で問題がなければシルビア様単独での殲滅、多い場合はウェリスの部下と共に殲滅に当たってください。けして無理はせず穏便にお願いします。我々到着後半刻で本体が合流、それまでに開門できれば作戦成功です。開門後はウェリス派の兵士と合流し中の兵に投降を呼びかけながら進軍してください。従わない者は切り捨ててかまいません。」

「この荷台は入り口すぐの倉庫に納められますので扉を閉めた後ご準備をお願いいたします。」

「なに、そこそこ人数がおった所で何も変わらんよ。お主たちはこちらのことを気にすることなく自分の仕事をするがよい。」

 本体到着までの半刻。

 この時間を稼ぐことがウェリスと俺の仕事だ。

 殺された商人の代わりに新しい商人として雇った。

 騎士団に怪しまれたので俺の手引きでアジトを放棄して逃げてきたという流れだ。

 こうすれば物資の搬入だけで終わらず、状況確認の為リーダーと面会できるだろうと考えている。

 もし面会できなかった場合はウェリスのみで行ってもらうしかない。

 その場合はシルビア様のいる入り口まで単独で戻る。

 できるだけ隠れて動かねばならない。

 ダンボールでも持ってきたらよかった。

 でもこの世界だと逆にばれるか。

「兄貴、見えました。」

 ウェリスの部下が暗闇の先に指を指す。

 松明の明かりで目が追いつかないが、確かに大きな建物がみえる。

 まさかあの高さまで城壁を組んでいるのか。

 前面のみでいいとはいえさすがに規格外なんじゃないだろうか。

「シルビア様窮屈ですが中へ。」

「うむ、後は任せたぞ。」

 酒の入った大甕のなかに空の大甕を混ぜてある。

 話では中身の確認があると言っていたがばれないように誘導するしかない。

 ばれたときはそのときはそのときで何とかしなければならないが。

 適当な検査であることを祈るよ。

 砦の城壁は想像以上の大きさだった。

 近づけば近づくほど城壁は高くなっていく。

 城塞都市の2倍までは行かないが1.5倍ぐらいはありそうだ。

 城壁の中央には巨大な門が行く手を遮っていた。

 人の手では到底開けられない大きさだ。

 おそらく機械式の機構を用いて開閉するのだろう。

 タタラ場の門みたいな感じだ。

 でもあの時は祟り神の力で一人で押し開けたんだっけ。

 しかも肩に女性を載せて腹には穴が開いて。

 ア〇タカ恐ろしい子。

「ウェリスだ、物資を持ってきた開けてくれ!」

 門の前でウェリスが大声手呼びかける。

 え、それだけで開けてくれるの。

 それなら別に嘘ついて呼べばよくない。

「どこのウェリス、物資の量少ない、足りない。」

「サンサトローズのウェリスだ、最上級の酒はお前らの分も俺が飲み干しておいてやるよ。」

「今すぐ奪う、全部俺のもの。」

「いや、俺の。今すぐ頭を飛ばす、二人にバレない。」

 塀の上からよくわからないやり取りが聞こえる。

 誰の頭を吹き飛ばすって。

 俺か?

 奪う物奪って上に報告なしとはさすが生粋の盗賊は違うね。

「いい加減に門を開けねぇとグランドとエルにお前らがピンハネしてることバラすぞ。」

「冗談だよ、見ない顔も、一緒か。」

「こいつのおかげで俺はここに立ってるんだ、丁重に扱えよ。」

「俺たちへの、御代次第。今開ける、ウェリスの旦那。」

 あの距離から顔の違いまでわかるのか。

 伊達に門番やってるだけはないな。

 それに賄賂を要求か。

 物資のピンハネってことは運びこんできたものをちょろまかしているんだろう。

 なるほど、品定めとはこういうことか。

 上司二人を怖がっているみたいだしその辺をうまく突けばなんとかなるかな。

 何かが接続する音が響き地響きをさせながら門が開いてゆく。

 やっぱり特別な機構を使っているんだろう。

 知りたい。

 男ならギミックにあこがれるはずだ。

 どんな技術でこれほど大きな門を開閉しているんだろう。

 やっぱり歯車か。

 それとも魔法の力なのか。

 とりあえずすごいの一言だ。

「待たせた ウェリスの旦那。」

「今日は何だ。酒か、食い物、女か。」

「ホルダにトルタ、お前らは相変わらずだな。」

 なるほど兄弟か。

 背格好も顔も似ているがどっちがどっちだ。

「いいにおいだ。上物の酒だ、それに肉だ。久々に肉が食える。」

「こっちはパンだ。硬くない、やわらかいやつ食える。それに、これは何だ、酒の中から女のにおいがする。」

 犬かこいつら。

 積荷の周りでにおいをかぎながら中身を当てていく兄弟。

 シルビア様の入った大甕の付近で動きが止まった。

「女だ。女がいる。ウェリスの旦那、女は連れてきちゃダメダ、決まりだ。どうしてつれてきた。」

「お前何を言っているんだ、女なんかいるはずないじゃないか。」

「いいやいる。この甕のどこか、女のにおいがする。中身を見せろ。」

 許可も取らずに兄弟の一人がふたを開け始める。

 酒樽は合計6つ。

 一番奥がシルビア様の入った大甕だ。

「これも酒、こいつも酒。こいつは上物だ。」

「ホルダ、酒のにおいで女の匂いが消えた。本当に女のにおいか。」

「匂いが消えた。でも間違いなく女のにおいだ。」

 念のため香りの強い酒を混ぜておいて正解だった。

 犬がいるかもと思っていたがこいつらが犬の代わりか。

「トルタが言っている女なんているはずないし、いるとしてもお前らみたいなケダモノの前に出すはずがない。どうせ散々使った後に捨てちまうんだからもっと大事にしろよ。」

「女は犯す。使い終わったら捨てる。食べ物も一緒。食べたら捨てる。」

 女性と食い物が一緒とは頭のほうも少しおかしいようだ。

 あまり相手にしたくないタイプだがこのままではシルビア様が危ない。

「ウェリス様、おそらくその大甕の出所が猫目館の秘蔵酒だからではないでしょうか。あそこは女の根城、色香も甕に移る事でしょう。」

「そうだなシュウ、その通りだ。あそこのにおいなら女に飢えているこいつらが間違えるのも無理はない。」

 何が起こるかわからないので名前はシュウと名乗ることにした。

 コッペンのところでも同じように名乗っているし所詮偽名だ。

 あとはウェリスの部下という設定なので様付けで呼ぶ。

「ウェリスの旦那、こいつ誰だ。」

「街の商人が裏切ったからな、代わりの商人だ。ただし普通の商人じゃねぇこいつは騎士団の情報を俺に流してアジト襲撃の前に街から逃がしてくれた凄腕だ。この物資も上物の酒もこいつから上の二人への貢物ってわけだ。」

「ウェリスの旦那、門は開けた、俺たちにも何かよこせ。よそ者入れた、罰怖い。」

「罰が無いようには俺からよく言っておく。そうだな、後ろの荷馬車に積んでる木箱を開けてみろ。」

 ウェリスに言われて二人は甕から離れ、木箱を開けた。

「肉だ!上物の肉だ!燻製じゃない生肉だ!」

「ウェリスの旦那、これ、もらっていいのか。」

「他のやつらには黙っとけよ。」

「旦那いいやつ、こいつもいいやつ、顔覚えた。」

「シュウ、おぼえた。今度来る、俺門開ける、肉よこせ。」

「よろしくお願いいたします、次は別の肉をご準備させて頂きますよ。とっておきの上物をね。」

 とりあえず危機は去った。

 ウェリスに肉を持っていくといわれたときは意味がわからなかったがなるほど、こういうことだったのか。

 二人は木箱を持ち去り砦の奥に去っていった。

 いいのか、門番いないぞ?

「とりあえず何とかなったな。」

「ウェリスのおかげで助かりました。門番は他にいないようですね。」

「あいつらが持ち場を離れたからな、別のやつが来るだろう。来たとしても3人ぐらいだ。」

「今なら開けっ放しの門から入れるような気がするんですが。」

 門はまだ開いたままだ。

 今なら何の問題もなく騎士団が進入できる。

「あれはもうすぐ自動でしまる仕組みになってる。操作は城壁上部のレバーを引くだけなんだが開いてる時間が短いからそろってから開けないと全員はいることは難しいな。」

 さすがに開けっ放しはなかったか。

 それもそうだ、これだけ重厚な門を準備して開いてたら何の意味もない。

 しかしこの世界で自動ドアとは恐れ入った。

 しかも電子制御じゃなくて物理制御だもんな。

 ドワーダとかが造ったんだろうか。

「荷車はそこの倉庫に入れておいてくれ、後は手はず通りにたのんだぞお前等。」

「ウェリスの兄貴、お気をつけて。」

「全員引っ張って来やすから安心してくだせぇ!」

「無理そうなやつははじめから縛り上げておきますよ。」

 なんともまぁ優秀な部下だこと。

 それだけウェリスが信頼されているということだろう。

 受け応えはやのつく自由業の皆さんのようだが気にしたら負けだろう。

「シルビア様も後は任せました。兵の数は聞いての通りですが念のため用心願います。」

 返事はない。

 ただ伝わっただろう。

 ここでは誰が見ているかわからないからな、倉庫の中で出てきてもらうほうがいい。

「あの兄弟が離れたのが大きいな。ああ見えてなかなかいい腕をしている。頭は悪いが手先は器用だし動きも早い、それに勘が鋭いからさっきみたいなのもばれやすい。今頃肉に食いついてこっちには戻ってこないさ。」

「それじゃあ後は他の兵の状況を確認しながら、噂の二人に会わせてもらおうか。」

「会う前に俺が先に話を通す。心配するな裏切るわけじゃねぇ、ここでは部外者を入れるにもあいつらの許可が必要なんだ。今回は事前連絡なしだからな一応筋を通しておかねぇと。」

「その間に何も起きないことを祈っていますよ。」

 ウェリスが離れた瞬間に襲われたとしても何も出来ない。

 人気がないなら武器庫とか先に見つけて破壊したいけど、残念ながらそんな道具持っているわけもない。

 隠密技術スニークスキルは皆無だからな。

 おとなしくしてるさ。

 砦の中は渓谷を利用しているためか奥に長く続いていた。

 ウナギの寝床のようだ。

 渓谷の左右にできたへこみや切れ込みをうまく使い、木造の家屋を建てて生活している。

 上を見上げると切れ目から星空が見えた。

 正直日当たりは悪そうだ。

 明かりがないので、いたるところに明り取りの松明が置いてある。

 細い渓谷を抜けたとたん目の前の道が開け大きな広場に出る。

 昔野球を見に行った甲子〇球場のグラウンドぐらいの広さがある。

 先ほどまで覆われていた天井はそこだぱっくりと穴が開いている。

 星空がよく見えるな。

 なんだろう、上から隕石でも落ちてきて開いた穴のようだ。

「ここは昔渓谷だったんだがな、300年前に勇者が大きな流星を降らせたせいで大穴ができちまったんだ。渓谷の奥は埋まり、落ちた場所は湖になった。ここには悪魔がすんでいてそれを退治しに来たという伝説がある。悪魔谷といわれて町の人間は恐れて近づいてこないんだよ。」

 なるほど、それで町の人間が知らなかったわけか。

 300年も昔の話なのに信じているという事はよっぽど悪いあくまでもいたんだろうな。

 もしかしてまだここに眠っていたりして。

「その場所をうまく利用して国を作ろうというわけですか。それにしては不便な土地ですね。耕す土地もなければ特産になる物もない。独立したとしてどうやって国を維持するつもりなのでしょうか。」

「難しいことは俺にはわからん。やつらは誰にも邪魔をされず税金を搾り取られることもない国が作りたいといっていた。俺はその目標に乗っかったわけだからなぁ。」

 仮に独立したとして、本当に国としてやっていけるのか。

 そもそも国とはどういうものなのか。

 そこのところが根本から違う気がするが、そこに関しては直接問いただしたほうがいいだろう。

「二人に会うことがかなったとして、学があるのはどっちだろう。」

「学があるのはエルのほうだ。グランドは武術に秀でている。俺はまぁ部下に慕われているぐらいか。」

「この砦を作る計画を立てたのは。」

「もちろんエルだ、グランドは貧しい農民上がりで税の苦しみをよく知ってる。だからエルの目標に乗っかってここにいるやつらを動かしている。」

 執政がエル、軍部がグランド、外交がウェリスというわけか。

 人が足りないなぁ。

 ついてきている人間が多いというのが不思議でならない。

 よほど税に苦しんでいる人が多いという事だろう。

 どの世界も搾取する者される者の関係はなくならないというわけか。

 資本主義社会の宿命だな。

 もっとも、共産主義や社会主義には興味はない。

 平等であることは望ましいが、それを維持するシステムが破綻したことは歴史が教えてくれた。

 現在純粋な社会主義を貫く某国はミサイルを打ち上げるしか能がないようだが。

「できるだけ穏便に話をするつもりだが、お前の思い描いていた目標を叩き潰してしまうことになってもかまわないか。」

「俺はもう一度あの騎士団で生きていくと決めたからな、いまさら昔の目標がどうなったってどうでもいいさ。」

「そう言ってもらえて決心がついたよ。」

「なんだ、そんなに激しくやりあうつもりなのか。」

 けして過激にやりあうつもりはない。

 しかし、これだけの人を惑わしている目標が本当に信念を持って行われているのかという事を問い詰めたい。

 結局こいつらも上に立って下の者を搾取して潰すだけのブラック国家なんじゃないかってね。

 ブラック企業経験者の恨みは怖いぞ。

 俺たちは組織や社会の歯車ではない一人の人間だ。

 潰されて終わる人生なんてこの世界では見たくないからな。

 綺麗ごとだが曲げられない信念というやつだ。

「ついたぜ、ここだ。」

 湖のほとりに立つほかの家屋より明らかに大きい高床式の住居。

 なんだろう、ジャングルの部族の家みたいだな。

 けど水場の近く出し湿気を考えるとこの方法がいいのか。

 ウェリスは門番をしている男に何か話しかけている。

「シュウはここでまってろ。」

 待てとのご指名だ。

 さてどう料理するか楽しみだな。


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