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「じゃあ部活が終わったら誉田の家に行くから」
結局断り切れず、後で会う約束を交わしてぼくたちは一度別れた。
家ではなく、近所の駅前に来て欲しいと伝えることだけがぼくの精一杯だった。
駅と言っても小さな路面電車が走るだけの駅だ。
だから駅前と言っても寂れていて、何年も前から看板だけがあるお好み焼き屋と、ジュース自販機ぐらいしかない。
果たして場所がわかるか聞いてみたら「スマホで探す」と一言で解決されてしまう。
もう逃げられないと覚悟し、家路へと急いだ。
ぼくの住んでいるところは、古いこの街の中でもとりわけ古びたところにある。
かつては路面電車を使って街の中心と活発に行き来するなど栄えていた時期はあったらしい。
このあたりにはすごくお年寄りが多いけど、彼らが若いときという気の遠くなるような遙か昔のことなのだろう。
後は朽ち果てていくだけという一角の、公営団地がぼくの家だった。
いつものように鍵を開けて入る。
両親はいないことがわかっているから「ただいま」も言わない。
いても両親と話をすることはあまりなく、一日中口をきかないことも珍しくない。
それでも一人っこの特権というべき与えられた自分の部屋に入ると、机の中から使い込んだ何冊かのノートを取り出した。
すべてぼくが書いた演劇の脚本。
演劇に興味を持ったのは小学校四年生の時だ。
芸術とかの教育の一環だったのだろう。体育館に高学年が集められ、劇団員による演劇を見ることになった。
演目はピーターパンだった。
テレビとは違い、手が届くほど近くで違う世界が興じられる臨場感。
音響やライトによる演出が、いつもの無機質な体育館を色鮮やかな世界へと変貌させる。
何より役者の演技に、ぼくは魅了された。
声や表情に至るまで、自分とは違う人間を精一杯表現する。
異なる他人を演じる行為に不思議な神聖さを感じた。
役者の演技は今思うと稚拙なところもあったのだけど、全く気にならなかった。むしろ人間らしい身近な親しみを覚えた。
ざわついていた他の児童も、最後の方はみんな黙って見ていた。
終わったとき、いつも消極的なぼくが無意識で、とても長く拍手をしたのを今でも覚えている。
自分とは違う人間になれるという行為が、ぼくの心の琴線に触れたのかもしれない。
それからぼくは、この世界に引き込まれていった。
図書館や市役所のお知らせで情報を得る方法を知り、小学生が見に行ける範囲の講演に足げに通うようになった。
やがてぼくの興味の対象は、そんな風に役者たちに新たな人生を与える脚本へと移っていった。
登場人物がたちがあるいは活劇、あるいはラブロマンスを展開する。
自分ならどんなシナリオを作るか夢想してはノートにまとめていった。
冊数を重ねていくと、至る所で出演する役者にまで命があるかのような錯覚をするようになっていった。
いつからか『ライト』の文字が至るところで見られるようになっていく。
ぼくの作品で主演女優を務めることが多い少女。
どんな逆境にも負けず、めげることのないたくましい子だ
どいう環境だとそういう子が生まれ育つのか、ぼくは空想した。
両親は? 兄弟は? どんな小学校に通い、どんな友達と過ごしたのか?
彼女の細かいディティールを埋めていくと、いつしか本当に彼女が目の前にいるような錯覚を覚えるようになっていた。
人なつっこくて強かでたくましい。いたずら好きで悪いこともたくさんするけど、最後にはみんなに笑顔を運ぶ。そんな子だ。
いつしか表情や声、仕草までもが鮮明に脳裏に浮かぶようになっていた。
ぼくが脚本を書くとき、彼女が目の前でその役を演じる姿が見えるんだ。
「やあライト。今度の役はどうだい?」
「うーん、ちょっと状況に無理があるんじゃない? わたしならその程度のことでへこんだりしないもの」
「そうかい。じゃあみんなが絶望に打ちふさがれて至る所を、君が立ち直らせていく話にしようか。それならどうだい」
「いいね。やってやるわ」
そんな風に役者とのやりとりが脳内で行われて、いつの間にか台本が完成している。
端から見ればかなりイタいのだと自覚はあった。
それにしてもよくこれだけの作品を書いたのだと、自分に感心してしまう。
古いのはどういう状況で、どうして自分がこういうのを書いたのかいまいち覚えていないものもあった。
ついついノートを読みなおしていると、気がついたら待ち合わせの時間が近づいていた。
何冊かを私用のカバンにいれ、家を飛び出すと駆け足で駅に向かう。
もしかしたらぼくがからかわれていただけで、こないのではないかとも思った。
でも松川君は駐輪場のそばにあるベンチに腰掛けて、スマートフォンをいじりながらちゃんと待っていてくれた。 ぼくが声をかけると白い歯をむけてくる。
「悪いな、わざわざ。お、これかー。ずいぶんあるんだな」
「わ、割と最近のばかり、だけど」
「その言い方だと家にもっとあるのか。すごいんだな誉田は」
あまり褒められたことがないので、そんな風に言われるとどう反応していいかわからない。
結局どんな顔を作ればいいかわからず、ぶっきらぼうにノートを差し出す。
彼はそんなぼくの様子を特に気にしておらず、ノートを受け取ると「サンキュ」と言って順番に開いていった。
たちまち彼は、脚本を読むのに没頭する。
一人取り残されて、なんだか落ち着かない。
一人でいるのは慣れているし、手持ちぶさたなのもいつもの通りだ。
だけど今は自分の脚本が読まれているという、いわば心の奥底を覗かれているような気がしてならなかった。
あまり表情を変えず、時折頷きながら松川君はページをめくっていく。
時折彼の持つスマホから良く聞くSNSアプリの着信音が聞こえてきたけど、気にしていないようだ。
ぼくはただじっと壁にもたれるか、無意味に自動販売機の辺りをうろうろするか。
一度だけ入ってきた電車の乗客数を数えたりで時間をつぶす。
松川君はこのノートを読んで、どう思うのだろうか。
自分勝手なもので、見てもらうとなると感想が欲しいと考えてしまう。
何十分か経った頃、ノートを閉じると彼は唐突に顔をあげた。
「面白いよ、トヨジ」
始めなんと言われたかわからなくて、ただじっと固まってしまった。
「誉田豊治じゃなかったっけ?」
ああ、そうか。トヨジというのはぼくの名前だ。
ほとんど名前を呼ばれることがないから、自分でも忘れがちになる。
松川君がリーダらしいのは、ぼくみたいな人間でもきちんと名前をどこかからか調べてくることだ。
そして平然と実行できるとろだろう。
「本当におもしろかったよ」
繰り返してもう一度言った。
どう反応して良いかわからず、ぼくはただ憮然と「そ、そう」とだけ何とか応える。
こんな事では無愛想な奴だと思われてしまうではないか。
「特にこの未来の奴が好きだな。オレSF小説とか好きだからよく読むけど、基本を抑えていて、それでいて斬新な切り口をしているよな」
褒められたことよりも、クラスで人気者の松川君がSF小説を好むことの方が驚いた。彼とSF小説がむすびつかないかないのだ。
ああ、でもそんなものかも知れない。
きっと彼のような人間なら何の趣味を持っていても、受け入れられる。
万人に受け入れられる趣味というのは「どんな」ではなく、「誰の」かだ。
「後はキャラクターの造形っていうのかな。それがすごいうまいよ。お前才能あるんじゃないか?」
「だ、誰でもできることだと、思う、けど」
「いや、普通は無理だって。特にこの何回も出ているこの子。ライトって言うキャラはすごい良く出来ていると思ったよ。なんか声とか表情が浮かんでくるぐらいリアリティに溢れている」
「あ、ありがとう」
ライトは自分でも一番気に入っているキャラクターだし、褒められて嬉しくないわけがない。
その後松川君は、ぼくの作品でどこがおもしろく、意外性があるのはどこか。
ここは斬新だという話を振ってきて、ぼくがそこでどう考えたか、どうしてそのアイディアが浮かんだかといったことに応えた。
演劇の事で人と話をすることが今まで無かったので、始めはおっかなびっくりだったけど、だんだん言葉に熱を持ちだしていった。
何より松川君は話がおもしろく、そしてすごく相手の話を聞き出すのが上手だった。
時間を忘れて、僕は夢中になって話し続けた。
◆◆◆
ここがおかしいと感じだしたのは、駅から降りて三十分も経ったころだろうか。
古い街の、さらに古くさい街並みを一通り歩いた。
代わり映えのない景観にすっかり飽きたので、駅へと戻ろうとする。
そこで自分がどこにいるかわからず、駅の場所を見失っていることに気づいた。
すぐにスマホのナビを使おうとしたが、GPSはわたしの居場所を告知してくれなかった。
まさか故障? と慌ててから気づいた。
「マジで」
なんと圏外だったのだ。
富士の樹海のような山中ならまだしも、まさか街中でそんなところがあるだなんて。
わたしの住む街は、想像以上に田舎だったらしい。
通りすがりの人にでも聞くしかなくなった。幸い愛嬌には自信があるので、すぐにでも教えてくれるだろう。
そう――
最初はそう思っていたんだ。
結局断り切れず、後で会う約束を交わしてぼくたちは一度別れた。
家ではなく、近所の駅前に来て欲しいと伝えることだけがぼくの精一杯だった。
駅と言っても小さな路面電車が走るだけの駅だ。
だから駅前と言っても寂れていて、何年も前から看板だけがあるお好み焼き屋と、ジュース自販機ぐらいしかない。
果たして場所がわかるか聞いてみたら「スマホで探す」と一言で解決されてしまう。
もう逃げられないと覚悟し、家路へと急いだ。
ぼくの住んでいるところは、古いこの街の中でもとりわけ古びたところにある。
かつては路面電車を使って街の中心と活発に行き来するなど栄えていた時期はあったらしい。
このあたりにはすごくお年寄りが多いけど、彼らが若いときという気の遠くなるような遙か昔のことなのだろう。
後は朽ち果てていくだけという一角の、公営団地がぼくの家だった。
いつものように鍵を開けて入る。
両親はいないことがわかっているから「ただいま」も言わない。
いても両親と話をすることはあまりなく、一日中口をきかないことも珍しくない。
それでも一人っこの特権というべき与えられた自分の部屋に入ると、机の中から使い込んだ何冊かのノートを取り出した。
すべてぼくが書いた演劇の脚本。
演劇に興味を持ったのは小学校四年生の時だ。
芸術とかの教育の一環だったのだろう。体育館に高学年が集められ、劇団員による演劇を見ることになった。
演目はピーターパンだった。
テレビとは違い、手が届くほど近くで違う世界が興じられる臨場感。
音響やライトによる演出が、いつもの無機質な体育館を色鮮やかな世界へと変貌させる。
何より役者の演技に、ぼくは魅了された。
声や表情に至るまで、自分とは違う人間を精一杯表現する。
異なる他人を演じる行為に不思議な神聖さを感じた。
役者の演技は今思うと稚拙なところもあったのだけど、全く気にならなかった。むしろ人間らしい身近な親しみを覚えた。
ざわついていた他の児童も、最後の方はみんな黙って見ていた。
終わったとき、いつも消極的なぼくが無意識で、とても長く拍手をしたのを今でも覚えている。
自分とは違う人間になれるという行為が、ぼくの心の琴線に触れたのかもしれない。
それからぼくは、この世界に引き込まれていった。
図書館や市役所のお知らせで情報を得る方法を知り、小学生が見に行ける範囲の講演に足げに通うようになった。
やがてぼくの興味の対象は、そんな風に役者たちに新たな人生を与える脚本へと移っていった。
登場人物がたちがあるいは活劇、あるいはラブロマンスを展開する。
自分ならどんなシナリオを作るか夢想してはノートにまとめていった。
冊数を重ねていくと、至る所で出演する役者にまで命があるかのような錯覚をするようになっていった。
いつからか『ライト』の文字が至るところで見られるようになっていく。
ぼくの作品で主演女優を務めることが多い少女。
どんな逆境にも負けず、めげることのないたくましい子だ
どいう環境だとそういう子が生まれ育つのか、ぼくは空想した。
両親は? 兄弟は? どんな小学校に通い、どんな友達と過ごしたのか?
彼女の細かいディティールを埋めていくと、いつしか本当に彼女が目の前にいるような錯覚を覚えるようになっていた。
人なつっこくて強かでたくましい。いたずら好きで悪いこともたくさんするけど、最後にはみんなに笑顔を運ぶ。そんな子だ。
いつしか表情や声、仕草までもが鮮明に脳裏に浮かぶようになっていた。
ぼくが脚本を書くとき、彼女が目の前でその役を演じる姿が見えるんだ。
「やあライト。今度の役はどうだい?」
「うーん、ちょっと状況に無理があるんじゃない? わたしならその程度のことでへこんだりしないもの」
「そうかい。じゃあみんなが絶望に打ちふさがれて至る所を、君が立ち直らせていく話にしようか。それならどうだい」
「いいね。やってやるわ」
そんな風に役者とのやりとりが脳内で行われて、いつの間にか台本が完成している。
端から見ればかなりイタいのだと自覚はあった。
それにしてもよくこれだけの作品を書いたのだと、自分に感心してしまう。
古いのはどういう状況で、どうして自分がこういうのを書いたのかいまいち覚えていないものもあった。
ついついノートを読みなおしていると、気がついたら待ち合わせの時間が近づいていた。
何冊かを私用のカバンにいれ、家を飛び出すと駆け足で駅に向かう。
もしかしたらぼくがからかわれていただけで、こないのではないかとも思った。
でも松川君は駐輪場のそばにあるベンチに腰掛けて、スマートフォンをいじりながらちゃんと待っていてくれた。 ぼくが声をかけると白い歯をむけてくる。
「悪いな、わざわざ。お、これかー。ずいぶんあるんだな」
「わ、割と最近のばかり、だけど」
「その言い方だと家にもっとあるのか。すごいんだな誉田は」
あまり褒められたことがないので、そんな風に言われるとどう反応していいかわからない。
結局どんな顔を作ればいいかわからず、ぶっきらぼうにノートを差し出す。
彼はそんなぼくの様子を特に気にしておらず、ノートを受け取ると「サンキュ」と言って順番に開いていった。
たちまち彼は、脚本を読むのに没頭する。
一人取り残されて、なんだか落ち着かない。
一人でいるのは慣れているし、手持ちぶさたなのもいつもの通りだ。
だけど今は自分の脚本が読まれているという、いわば心の奥底を覗かれているような気がしてならなかった。
あまり表情を変えず、時折頷きながら松川君はページをめくっていく。
時折彼の持つスマホから良く聞くSNSアプリの着信音が聞こえてきたけど、気にしていないようだ。
ぼくはただじっと壁にもたれるか、無意味に自動販売機の辺りをうろうろするか。
一度だけ入ってきた電車の乗客数を数えたりで時間をつぶす。
松川君はこのノートを読んで、どう思うのだろうか。
自分勝手なもので、見てもらうとなると感想が欲しいと考えてしまう。
何十分か経った頃、ノートを閉じると彼は唐突に顔をあげた。
「面白いよ、トヨジ」
始めなんと言われたかわからなくて、ただじっと固まってしまった。
「誉田豊治じゃなかったっけ?」
ああ、そうか。トヨジというのはぼくの名前だ。
ほとんど名前を呼ばれることがないから、自分でも忘れがちになる。
松川君がリーダらしいのは、ぼくみたいな人間でもきちんと名前をどこかからか調べてくることだ。
そして平然と実行できるとろだろう。
「本当におもしろかったよ」
繰り返してもう一度言った。
どう反応して良いかわからず、ぼくはただ憮然と「そ、そう」とだけ何とか応える。
こんな事では無愛想な奴だと思われてしまうではないか。
「特にこの未来の奴が好きだな。オレSF小説とか好きだからよく読むけど、基本を抑えていて、それでいて斬新な切り口をしているよな」
褒められたことよりも、クラスで人気者の松川君がSF小説を好むことの方が驚いた。彼とSF小説がむすびつかないかないのだ。
ああ、でもそんなものかも知れない。
きっと彼のような人間なら何の趣味を持っていても、受け入れられる。
万人に受け入れられる趣味というのは「どんな」ではなく、「誰の」かだ。
「後はキャラクターの造形っていうのかな。それがすごいうまいよ。お前才能あるんじゃないか?」
「だ、誰でもできることだと、思う、けど」
「いや、普通は無理だって。特にこの何回も出ているこの子。ライトって言うキャラはすごい良く出来ていると思ったよ。なんか声とか表情が浮かんでくるぐらいリアリティに溢れている」
「あ、ありがとう」
ライトは自分でも一番気に入っているキャラクターだし、褒められて嬉しくないわけがない。
その後松川君は、ぼくの作品でどこがおもしろく、意外性があるのはどこか。
ここは斬新だという話を振ってきて、ぼくがそこでどう考えたか、どうしてそのアイディアが浮かんだかといったことに応えた。
演劇の事で人と話をすることが今まで無かったので、始めはおっかなびっくりだったけど、だんだん言葉に熱を持ちだしていった。
何より松川君は話がおもしろく、そしてすごく相手の話を聞き出すのが上手だった。
時間を忘れて、僕は夢中になって話し続けた。
◆◆◆
ここがおかしいと感じだしたのは、駅から降りて三十分も経ったころだろうか。
古い街の、さらに古くさい街並みを一通り歩いた。
代わり映えのない景観にすっかり飽きたので、駅へと戻ろうとする。
そこで自分がどこにいるかわからず、駅の場所を見失っていることに気づいた。
すぐにスマホのナビを使おうとしたが、GPSはわたしの居場所を告知してくれなかった。
まさか故障? と慌ててから気づいた。
「マジで」
なんと圏外だったのだ。
富士の樹海のような山中ならまだしも、まさか街中でそんなところがあるだなんて。
わたしの住む街は、想像以上に田舎だったらしい。
通りすがりの人にでも聞くしかなくなった。幸い愛嬌には自信があるので、すぐにでも教えてくれるだろう。
そう――
最初はそう思っていたんだ。
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