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「なんで目覚まし鳴らないの!?」
翌朝
平日だというのに目覚まし時計がが鳴らなくて、寝坊してしまったわたしがキッチンに飛び込むと
「おはよう、サラダと目玉焼き作ったから朝飯にしよう」
フライパンを片手に持った彼が優しい顔で振り向いた
「ごめんなさい、寝過ごしちゃった」
「いいよ、目覚ましは俺が止めたんだ。疲れさせた責任があるからな」
おまけにエプロンを外しながらそんなことを言うもんだから、昨夜のアレコレを思い出してしまい頬が熱くなる
「それより、予約してもいいんだな?温泉宿」
「う、うん。どこか心当たりがあるの?」
「昨日一緒だった先輩に、客室に露天風呂がある宿を教えてもらったんだ。それなら子どもたちと一緒でもゆっくり温泉に入れるだろ」
「露天風呂…」
ちょっと楽しみになってきたところで、彼が壁に掛けてある時計にチラッと目をやった
「なぁ、そろそろ子どもたちを起こす時間じゃないのか?」
「あっ、たいへん!もうこんな時間」
「いいよ、俺が起こして来る」
慌てて子ども部屋に向かおうとしたわたしの腕を掴んだ彼が、耳元で優しく囁いた
「しばらくはハイネックの服を着た方がいいかもな」
「えっ?」
リビングにある鏡をそっとのぞいて見ると首筋や鎖骨の上に、いくつもの紅い花が散っていた
※次回に続きます
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