スローテンポで愛して

鈴茅ヨウ

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★隙間を埋めるみたいに。8

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 副島は、日和を慈しむようにキスをくれた。「大丈夫?」とか「苦しくない?」とか聞きながらも、副島の指は日和の中を探り続ける。
 時々、ローションも足されているおかげで痛みもなく、異物感にも慣れ始めた。
 それからどれだけ時間がたったのか、いつの間にか二本に増やされていた指で、熱心な副島の愛撫が続けられているなかでも、一番大きく日和の身体が跳ねた。
「あッ…?!」
 副島の指は、緩い動きで日和の身体が跳ねた部分を撫でる。
「う、ぁ、ん…、な、なに、んん…」
 柔らかな手つきで撫でられると、ぎゅうぎゅうと日和の後ろは副島の指を締め付けた。
「ここ押されると…気持ちいいの?」
「あっ…あぁっ…、…あぁ…」
 感じたことのない感覚におびえたように、日和の身体が逃げていく。
 副島はその様子を見て、
「嫌…? やめた方が、良い…?」
 不安げにそう聞いた。
「あ、う、ンッ、…っ、…お、押さないで…」
 日和が辛うじてそれだけ伝えると、副島は日和の反応が良かったポイントから指を逸らした。
「わかった…じゃあ、ちょっと…っ、押すのは…やめようか…」
 副島は何かを耐えるような表情になって、日和の弱い所を刺激するのを止めてくれた。
「うぅ…っん、んん…っ…、ゆ、指…っ、ぬ、抜くんじゃ…ないんですか…っ」
 副島は気遣っているようで、それでも指は抜かないでいた。
「柔らかくするのが目的なんだけど…抜いたほうがよさそう…? やめる…?」
「や、やめませ…ッ、やめない、です…っ、でも…ちょっと、一回…抜いてください…っ」
 刺激しないように気遣われた速度で、副島の指が抜けた。
 日和は、新鮮な酸素を求めるように深呼吸する。
「すいません…、びっくりして…」
「いや…、まあほら…、初めてだからさ…、そう簡単には」
 副島は苦笑いのような表情で、慰めてくれるようにそう言ってくれた。
「…おれ、あなたに甘えてばかりだ」
 日和も副島と同じ苦笑いの表情で、そう返す。
「そんなことないよ」
「いえ…、おれ、あなたにばかり、譲らせてます。それじゃあ…ダメなのに」
「日和は優しいね。でもさ、これはほら、二人の気持ちが一緒にならないと出来ない事だからさ」
 副島が、優しく日和を撫でる。撫でてくれる手の心地よさに、日和はますます、自分ばかりが副島に譲らせている事が、ダメな事だと思う。
「それじゃあなおさら…、おればかりが譲ってもらっていたらダメです。気持ちは同じですから」
 日和は、そっと副島に近づいて、自分から唇を寄せた。
「続き、しましょう」
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