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第四章 異世界生活

三話 最果ての街 エンド

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「悪いねぇ、ヨッシー…この娘らに悪気はないんだよ…」


笑いながらのアトリのセリフには、何の説得力も存在しない。


「いいです…おれなんか…」


『環境適応能力』素晴らしいスキルを得ている割に、案外おっさん、ナーバスで打たれ弱い。


ベースキャンプに待機していた五人の女性は、エンドの街を拠点として活動している冒険者グループ(クラン)山茶花に所属のメンバーである。

つまり最初におっさんが出会った四人の美女は、このクラン山茶花の中でも、選抜されたパーティーメンバーであったということである。


新たに出会った五人の美女の紹介も簡単に終え、本拠への帰還を急ぐべくキャンプの撤収を開始したのであった。





最果ての街『エンド』または『エンドゥ』と呼ばれ、名前が二つあるこれは種族的特徴(主に舌の長さ)にて発音が違うため発生している誤差であったりする。

おっさんの放り出された世界、ビクトリアには、大きな大陸が二つ存在していて、一つは、エイジア大陸。そして、最果ての街エンドがあるこの大陸をヒューマニア大陸と名づけられていた。

最初に述べたエイジア大陸は、未開の大陸であり開発が徐々に始まってはいるものの、魔素ごかなり濃いことから強い魔物の存在が確認されており、人の手の開発を拒んでいた。

それとは対象的なのがヒューマニア大陸でありエンドの街もこの大陸の端に存在する。
そんな大陸の一部魔素の濃い地域を除けば、割と人に優しい生活しやすい大陸といえた。
人は魔素の濃い地域にいる魔物の素材を求め、今ではヒューマニア大陸全ての地域へと触手をのばし始めている。




「ヨッシー、あれが、我々の拠点の街『エンド』だよ♪」




ベースキャンプに待機したていたクラン山茶花のメンバー五人の手際も見事で、おっさん一人蚊帳の外。
何を手伝ってよいかわからずうろうろとするばかりである。

ベースキャンプの撤収は、人の多いこともあり、僅かな時間で完了し、何にもない跡地へと変身させる。



2台の馬車に荷物を積み込み走り始めて3時間、気がつけば、アトリの指差す方に城壁らしきものが目に入っていた。


エンド呼ばれるその街は、四方を、高さ5m程の高さの壁が包み込む。
これは、魔素の濃い地域での魔物対策であり、数十年に1度あるといわれる魔物暴走(スタンビート)の対応ともいえた。

そんな魔物暴走の調査が、今回の山茶花のクエストであった。


「ご苦労さまです」


エンドについた2台の馬車に、門の護衛の二人が敬礼をする。


「お疲れ様ニャ♪」


これまでの道中、御者を務めたきたリルアが笑みを向けるたと、二人の門番の表情は一気に崩れていく。


「「お帰りなさい、リルアさん♪」」


「ただいまニャ♪」


二人の門番に睨みつけられたおっさんが冷や汗を流したこと以外には問題なく、山茶花の2台の馬車は少しスピードを落としただけで止められることなくエンドの門を通過する。


「私は、そこで降りて、ギルドに報してくるよ♪」


ことばと同時にひらりとシンディーは馬車から飛び降りた。




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