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【番外編1】:仕事とデートと夜のドライブ
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しおりを挟む「……ッ や、やめっ、あっ、しの、づかっ、お前、何考えて……!!」
ちゅっと、先端にキスをして、完全に堅くなった脈打つ竿に唇を這わせる。たったそれだけの動きに、課長は震えて息を飲む。
「何って、課長のことです」
そうだ、ずっと俺は課長のことばかり考えている。気付けば誰かのことを考えているだなんて、あまりにも恋愛脳過ぎて笑える。いつだって、バカじゃねぇのと自分を嘲る気持ちが心の片隅にある。けれど、この感情に浸るのはたまらなく気持ちよくて幸せだ。
課長のことを考えて瞬く間に時間が過ぎて、この人が俺のことを見てくれていることを感じるだけで、他のことがどうでもよくなるぐらい幸せになって、この人に会いたいのに会えないときは何もかもが手に付かなくなる自分にイライラして、なのに電話で声を聞くだけで簡単にその苛立ちが高揚へと変わる。
用事がなくても電話をする事が許される関係に幸せを覚える。交わした言葉ひとつひとつを思い返すだけで時間が動き出す。
理性はそれらをばかばかしいと訴えるのに、感情は全く付いていかない。それが楽しくて幸せでたまらない。
今は、課長のチンポを舐めて俺は幸せに浸っている。男のチンポなめて幸せとか、気が狂ってんじゃないのかと思うのに、舐めるのが楽しい。
俺の動きひとつにぴくぴくと反応するソレに夢中だ。
俺はこの人にこんな行為をして許されるのだ。最高じゃないか。
野外の車の中だというのに、課長が俺の与える快感に流され始めている。それが嬉しい。
血管の浮く内臓じみた肌にちゅっとキスをし、付け根まで唇でなぞり、それから根元から裏筋をゆっくりと舐め上げていく。つるりとした触感なのに、べっとりと舌に乗せていた唾液は先端の方に行くと乾きかけて、唾液のぬめりの足りない、ざらりとした舐め心地になる。
もっと俺の唾液でべとべとになるまでなめ回したい。舐めたにもかかわらず、湿り気のあまりない先端にチュッと口づける。ぷくりと浮いた先走りが俺の唇をぬらした。
舐めながら視線を上げれば、課長が口を押さえて声を抑えている。
どのくらいいじめたら、声をあげてくれるだろう。
びくびくと脈打つ課長のちんぽがかわいくてたまらない。気持ちが良いと、震えながら伝えてくる。先端から涙をこぼしながらもっとと訴えてくる。
かわいい。
チンポ見て何考えてんだと思う自分がいないわけじゃない。だけど、なぜかずっといじりたくなるぐらいかわいく見える。俺の舌で感じでぴくんと跳ねて反り返る様子も、先端の丸いフォルムも、つるりとした感触でそそり立つ曲がり具合も、何もかもが。
自分の物とそう大差ないにもかかわらず、課長が感じていると思うだけで、まるで小動物か何かを愛でてる気分になるほどかわいい。
もう一度舐め上げれば、再び唾液を乗せた舌は先ほどより簡単に、ぬるりと裏筋の上を滑っていった。
「……ぅぁっ」
頭の上でうめく課長の声が更に気持ちを高ぶらせる。もっとかわいがりたい。
舌でなぞる度に猛ったチンポがびくりと脈動し、ピンと立ち上がるように堅く震える。跳ね上がった先端を唇で挟みながら舌先で割れ目を弄る。
「やめ、ろっ」
俺の頭を押さえながら、課長が首を振りながら震える声で抵抗する。
「いやです、抱きたい」
「……ひぃっ」
抵抗する課長に早く陥落しろと祈りながら、じゅぶっと吸い込むように、口腔に課長のチンポをくわえ込めば、その体はビクビクと全身を震わせながらのけぞった。
「や、やめっ、ばかやろ……!! 口から出せ……!!」
一見抵抗は続いている。しかし、俺をどかそうと頭を押さえつける手に力は入っていない。むしろ震えながら押さえつけられているような気分にすらなる。
「いや、だっ、あっ、あぁ……っっ、や、やめっ」
口の中に密着させ、ずぶずぶと奥までくわえ込んでいくと、抵抗は口だけになり、びくびく震えながら耐えるように俺の肩を掴む。
「あ……、篠塚……ダメだ……」
わななく唇。睨み付けてくる目は潤んでいるように見える。
喉の入り口までくわえ込んだまま目元だけでにこりと笑って、喉で先端を締め付ければ、課長が「ぐぅっ」と声を殺して身体を強ばらせた。
喉の奥で先端を刺激するのは気持ちいいらしい。弾力のある、けれど堅く滾った男の象徴を口の中で舌を使って愛撫し、飲み込むように喉の奥を蠢かせば、それに合わせて課長の体がはねる。
「……っ、ぅあっ、あっ、やめっ、やめっ、ぁあ゛っ」
チンポだけでなく腰までびくびくと震わせながら課長が快感に耐える。険しい表情に、たまらないほどの色気をにじませて、快感に耐えている。
それだけでゾクゾクするほど興奮する。もっと、もっと、気持ちよくさせたい。目に涙を溜めて、腰を振りながら懇願するぐらいまで、もっと。
口の中を占めるチンポに吸い付いたままゆっくりと頭を上げてずるずると口から抜いてゆき、快感に耐えている苦しげな課長の顔を堪能する。ちゅぽっと吸い上げながら口から抜けば「ひっ」と息を飲む課長の吐息がもれて、それからハァハァと浅く速い呼吸がこぼれる。
「せっかくだから、出しちゃいましょう?」
苦しげな課長の目をのぞき込みながら、にんまりと笑う。
課長がおびえるように首をゆるりと横に振ったが、見なかったフリをして再び先端にしゃぶりついた。
「いやだっ、こんな場所で……っ 出そうだから、場所移動し……ひうぅ……!」
吸い付くようにじゅぶっと勢いを付けて根元まで頬張り、ずるずると唇で強く挟み込みながら抜いてゆく。
単調にじゅぽじゅぽと上下の動きを繰り返せば、すぐに抵抗の声は快感を耐える短いあえぎ声に変わる。
反発する勢いを奪ったところで、再び舌と喉を使って愛撫する。
震える低い声が「あっ、あっ」と車内の中で漏れては消えてゆく。
スッと急に窓の端に光が差した。
車道を車が走り抜けていくのが窓の向こうに見える。
ここは車道からは植え込みを挟んで数メートル奥まった場所にある駐車場だ。ましてや端に停めてあり、なおかつ植え込みの木が影を作っていて、他の車が駐車場まで入ってきたとしても、この暗闇では一見して車が駐車されていることにすら気付かないかもしれない状態だ。
課長にキスしたくて、わざわざ狙って人目につきにくい場所に停めたのだ。黒い車体で、後方の窓には少し暗めのスモークフィルムも貼ってある。前から覗いてこない限り中を見られることはまずないだろう。
しかし上半身を起こしている俺とは違って、仰向けに寝転んでいる課長に見えるのは車を照らした光だけだ。
車内を端から通り抜けるように照らして消えていった車のライトに、課長はびくりと震えて、俺の首にしがみつくようにしておびえを見せた。
俺はというと、その動きで喉の奥まで先端を迎え入れることになり、ぐえっと嘔吐きそうになる。ぐっと喉を閉じるようにして耐えれば、「ひぁ……!!」と、裏返った課長の嬌声が漏れた。
「や、篠塚、も、ほんと、やめ……んん……っ 嫌だ、こわ……っ、あ゛ぁぁぁぁっ」
誰がやめるかよ。
めったにないぐらい動揺して痴態を見せる課長に、俺は興奮していた。
最近この人を抱いても、気持ちよさそうではあってもどこか余裕を見せるようになった。それはそれで二人でセックスを楽しんでいる感じがして良いのだが、今の課長の様子は、最初の頃のあられもない姿を彷彿させて、どうしようもない征服欲が込み上げてきていた。
喉の奥近くまで頬張ったチンポを絞る取るように吸い上げれば、堪えきれなかった嬌声が何度も響く。
この時間だ。他の車が来ればライトですぐ分かる。ましてや車道から入ってきて駐車しやすい場所でもない。覗かれることはまずない。
でも、それを言ってやる気はなかった。
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