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9 バカだな…やるっていっただろう?

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「淫魔のくせに、誘うどころか、おねだりばっかりじゃないか」
「~~~~っっっ」

 もう片方の手も差し込み、両方の乳首を同時につまみ上げれば、彼は声にならない悲鳴を上げて、ビクビクと体を震わせて身を固くする。

「……だって」

 ちゅぽんと口から一物を抜き、震える声で彼がつぶやく。

「副団長の手、気持ちいいから……。触ってるとこ全部気持ちいい……こんなに美味しいの、初めてで、もう、俺、死んでもいい……」

 そう言って、ちゅうちゅうと再び一物の先端を吸い、「おいひぃ……」と、とろけるようなだらしない笑みを浮かべる。
 ぞわりとした興奮がまたも込み上げ、それをごまかすように、くりくりとつまむ指を動かす。

「んっ、んっ、それ、すきっ」

 彼が悲鳴を上げて、また一物に吸い付く。
 這いつくばった彼の尻が切なげによじられる。
 乳首を刺激すれば口の奉仕はたどたどしくなるが、より必死な様子が嗜虐心を煽る。

「乳首いじられて死んでもいいなんて、ケツでこいつを咥えなくてもいいのか?」

 からかいながら、彼の口の中にねじ込むように腰を突き上げた。

「……んぶっ、ん゛ん゛ーーっ」

 喉の奥を突き上げ、同時に乳首を強くつねると、彼の体が激しく反り返って、ビクビクと痙攣した。
 私が腰を落とせば、彼の口からずるりと一物が抜ける。

「……ぁ……」

 ぱかりと口を開けたまま、ダラダラと涎を流し、呆然と私を見ていた彼は、じわじわと涙をためてゆき、首を横に振った。

「……ぁ、いや、です……」

 震える声で、今にも崩れ落ちそうな様子で彼がすがりついてきた。
 はぁ、はぁ、と荒い息を繰り返し、「いやです」と、繰り返す。

「なかに、ほしいです、副団長の、ほしいです……。ください……」

 今にも泣き出しそうな顔で必死の様子で懇願してきて、身を乗り上げてくる。

「お、俺、準備とかいらないので、す、すぐ、使えるから……」

 震えながらすがりついてくる様子が、酷く哀れでかわいくて、「バカだな」と、苦笑する。
 なんでこの程度のあからさまな言葉の駆け引きを言葉通りに受け取っているんだ。お前、淫魔だろう?
 けれど、それは言わずに、目の前まで身を乗り上げてきた彼の頬を撫でる。

「やるって言っただろう? 私は約束を違えたりしない」

 言い聞かせるようにゆっくりと伝えれば、泣き出しそうな顔が、へにゃりとゆがむ。

「は、い……」

 彼は下唇をきゅっと噛んで、涙を堪えるように私の首に腕を回しすがりついた。
 背中をポンポンとたたき軽くなだめてから、顔をあげるように促すと、うるんだ目をした彼の顔を引き寄せる。
 舌を差し込んで、深く口づければ、クチュクチュと水音を立てながら彼が応えた。

「んっ、んっ、……んぁ……」

 彼の舌を捉えて絡め、なぶり、吸い上げては絡ませる。応えてくる舌の動きに、ここもまた性感帯なのだと思い知る。
 彼が触れる場所は酷く心地よく、劣情を煽った。
 口づけをしているだけだというのに、私の一物は熱を冷ますことなく、どくどくと脈動して滾ったままだ。それを跨ぐように座り込んでいる彼が、腰をなすりつけるように前後に動かして更に刺激してくる。
 尻のあわいと、陰嚢から竿にかけて、触れ合う部分が、グリグリと圧迫し、それが気持ちいい。
 彼の快感を求めるような自慰めいた動きは、次第に、クチュクチュと擦り付ける水音をたて始めた。
 準備がいらないとは、こういうことなのだろう。
 さすが淫魔と言うべきなのか、濡れている。女のようにぬるりとした体液を尻から溢れさせ、それを俺の一物に塗りたくるように腰を揺らしている。

「んっ、んっ」

 口づけをしながら腰を前後に揺らす彼の必死さが興奮を煽る。
 ぬちゅぬちゅと擦れ合う快感が、もっと奥まで触れ合いたい衝動となって、口付けをより深めてゆく。
 頬を上気させ、熱い吐息を漏らしながら、必死で私を求めていた。

「ふくだんちょ、おいし、すき、これ、すき……」

 だからやめないで、もっと欲しい、と縋りつくように唇を求めてくる。
 腕を回し、尻を撫でるように指を這わせば、蠢く体がびくりと震えて動きを止めた。気にせずそのまま探るように指を尻の谷間に這わせると、ぬるりとなにかが指先を濡らす。
 ぬるぬると谷間をなぞるように指を動かした。

「……んっ」

 鼻に抜けるような吐息を漏らして、尻が揺れるように小さく動き、指を誘うように擦り付けられる。
 つぷんと指先がそこに入った。
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