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3章 変化の時
謁見
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「い、良いですよ……」
「ありがとうございます!頑張りましょうね!」
ヴィオレッタはやや強引ながらもペアを見つけたようですね。ウィンベルグ様は中々嫌そうな顔をしていますが。
というか、ヴィオレッタはウィンベルグ様に音楽をするか聞いていた割には実力も知らずペアを組んでいます。これは前から知っていたのかもしれませんね。ヴィオレッタってそういう計算高い所がありますから。
さて、私はどうしましょう。出るとするならばフルートですが……
いえ、今回はやめておきましょう。
実は今日の放課後に王宮に呼ばれているんですよね。アルフレッド殿下の事で話があるとか。ことによってはまた私が奔走する事になるかもしれませんから、時間は空けておいた方がいいでしょう。
◇◇◇
王宮は初めて来た10歳の頃から変わらず、絢爛たる造りです。今日呼ばれたのは妃教育の時には絶対に使わない謁見室。中では陛下と王妃様が威厳がある姿で座ってらっしゃいます。肝心の殿下は呼ばれたはずですが来ていません。陛下のお呼び出しを無視したのでしょうか。だとすれば中々図太い神経を持っているのですね。今に始まった事ではありませんが。
「国王陛下、王妃陛下、スカーレット・サンフレスが謁見に参りました。」
「そう固くならずともよい。楽にせよ。」
「ありがとうございます。ではご好意に甘えさせていただきます。」
正式な挨拶を終え、少しだけ肩の力を抜いて対面します。お二方の顔を伺うと、陛下も普段は優しげな王妃様も切羽詰まった顔色をしていました。
「さて、早速だが本題に入ろう。」
陛下は重々しく口を開くと、王妃様は申し訳なさそうに眉を下げます。それほどまでの案件とは一体なんなのでしょうか。アルフレッド殿下を諌められない私への非難か、王太子の決定か。はたまた全く別の事か。検討もつきません。
「そなたとアルフレッドとの婚約を解消しようと考えている。」
「そ、それは……!?」
全く予想外の角度からの話でした。婚約の解消となれば、一大案件。ここまで空気が暗いのも頷けます。ですが、そこで一番大切になってくるのは婚約解消の理由です。恐らくこれは私の力不足によるものでしょう。
「わ、私の力が至らないばかりに申し訳ありません……」
ヴィオレッタのようにハッキリものを言える女性だったなら、エミリーのように可愛らしく目を離せない魅力を持った女性だったなら、もう少し状況が変わったかもしれないのですがね。
「ありがとうございます!頑張りましょうね!」
ヴィオレッタはやや強引ながらもペアを見つけたようですね。ウィンベルグ様は中々嫌そうな顔をしていますが。
というか、ヴィオレッタはウィンベルグ様に音楽をするか聞いていた割には実力も知らずペアを組んでいます。これは前から知っていたのかもしれませんね。ヴィオレッタってそういう計算高い所がありますから。
さて、私はどうしましょう。出るとするならばフルートですが……
いえ、今回はやめておきましょう。
実は今日の放課後に王宮に呼ばれているんですよね。アルフレッド殿下の事で話があるとか。ことによってはまた私が奔走する事になるかもしれませんから、時間は空けておいた方がいいでしょう。
◇◇◇
王宮は初めて来た10歳の頃から変わらず、絢爛たる造りです。今日呼ばれたのは妃教育の時には絶対に使わない謁見室。中では陛下と王妃様が威厳がある姿で座ってらっしゃいます。肝心の殿下は呼ばれたはずですが来ていません。陛下のお呼び出しを無視したのでしょうか。だとすれば中々図太い神経を持っているのですね。今に始まった事ではありませんが。
「国王陛下、王妃陛下、スカーレット・サンフレスが謁見に参りました。」
「そう固くならずともよい。楽にせよ。」
「ありがとうございます。ではご好意に甘えさせていただきます。」
正式な挨拶を終え、少しだけ肩の力を抜いて対面します。お二方の顔を伺うと、陛下も普段は優しげな王妃様も切羽詰まった顔色をしていました。
「さて、早速だが本題に入ろう。」
陛下は重々しく口を開くと、王妃様は申し訳なさそうに眉を下げます。それほどまでの案件とは一体なんなのでしょうか。アルフレッド殿下を諌められない私への非難か、王太子の決定か。はたまた全く別の事か。検討もつきません。
「そなたとアルフレッドとの婚約を解消しようと考えている。」
「そ、それは……!?」
全く予想外の角度からの話でした。婚約の解消となれば、一大案件。ここまで空気が暗いのも頷けます。ですが、そこで一番大切になってくるのは婚約解消の理由です。恐らくこれは私の力不足によるものでしょう。
「わ、私の力が至らないばかりに申し訳ありません……」
ヴィオレッタのようにハッキリものを言える女性だったなら、エミリーのように可愛らしく目を離せない魅力を持った女性だったなら、もう少し状況が変わったかもしれないのですがね。
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