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1章 飯テロ?

手料理

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「お嬢様、このくらいですかね?」
「一旦上げてみましょう。」

 引き上げると、ほんのり黄金色になったじゃがいもが現れました。湯気もホカホカ立ち上り、この時点ではすごく美味しそうです。塩を少しふると、教わったレシピでは完成です。

「いい感じですね!」
「そうね、食べてみましょう。」
 私はフライドポテトに手を伸ばします。不思議なものです。あんなものと同じレシピで作りましたのに、こちらは逆に食欲を掻き立てられます。
「熱っ!!」
「だ、大丈夫ですか、お嬢様?!」
揚げたてのフライドポテトは熱く、指に少し痛みが走ります。

「大丈夫よ、少し焦りすぎたわね。」
それでもめげずにそーっと、フライドポテトに手を伸ばします。慣れたのか、熱さは和らいで感じます。
「じゃあ俺も!」
ライアスも続いて手を伸ばし、同時に口に運びました。


「「美味しい!!」」

 外側はカリッ、内側はホクホク。ほどよい塩気が口に広がります。少しふにゃっとしているものもありますが、これはこれで私は好きですね。
 このアツアツのじゃがいも……いえ、フライドポテトですね。フライドポテトの今までにないこの味は絶品です。じゃがいも料理の中で一番かもしれません。さっきから手が止まりませんもの。

「あっ、もう無いですね。」
「そうね。」
気がつくと、あっという間にお皿が空になってしまいました。フライドポテト…恐るべしです。



「やぁ、何か美味しそう匂いがするね。」
 ふと聞こえた声。振り返ると、お父様が立っていました。

「旦那様。」
「お父様。」
「珍しく娘が厨房にいると聞いたから来てみれば……面白そうな事をしていたものだ。」
そして、空になった皿を見ます。

「何を作ってたんだい?」
「フライドポテトと言うものです。」
「聞いた事がないね。」
「アルフレッド殿下の発案です。」
「なるほど。」
お父様はパン、と手を叩きます。そして私を見て微笑みました。

「今日は娘の手料理が食べたい気分だな~」
と言いながら。あぁ、そういう事ですか。

 私はおずおずと手を挙げます。
「では、今日は私がフライドポテトを振る舞いましょうか?」
パッとお父様の表情明るくなります。
「そうかい?ありがとうスカーレット!」
そんなに私の料理が食べたかったのですね。クスクスと笑ってしまいました。
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