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5章 決着

王妃の証

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 結婚式の式次は終わりました。しかし今回はまたやるべきことが残っています。
 そう、私の即位式です。
 王妃になることを改めて、国民に伝えることになります。

 広間の中央に仰々しく運ばれてきたのは、王妃のティアラ。乱反射した七色の光が眩しいです。王冠と同様に、これも革命の際に作り直されました。これからは、このティアラが王妃に受け継がれていきます。

 ルークがティアラを手に取り、私は跪きます。

「レイ・ハルティア、私の愛する無二の伴侶よ。そなたにハルティア王国民の母であり、王国一高貴な女性である王妃の称号を与える。これより私の隣で、その生を王国のために尽くすことを誓えるか?」

 答えは、わかりきっています。

「はい。この身に流れる全てをかけて、民のために尽くします。」


 ずしり、と頭に重みが加わりました。それは、実際より遥かな重さがありました。
 民からの期待、王家の矜恃、未来への思い。きっとこのティアラには色々なものが込められていることでしょう。

 ふいに風が吹き、サクラの花びらがふわりと舞いました。思えば、私の変転はいつもサクラと共にあった気がします。

「これにて、レイ・ハルティアは王妃となったことを証明する!」

 ルークが声を上げると、辺りから拍手喝采が沸き起こりました。

「国王陛下万歳!」
「王妃殿下万歳!」
「ハルティア王国に栄光あれ!」

 民衆が口を揃えて万歳万歳と叫びます。その声の響きに、胸が打ち震えました。戴冠式でも同じことを考えましたね。

 空色の瞳を青空に向ければ、雲ひとつ無い景色が広がっています。太陽の光が、まるで私たちの門出を祝うように照りつけていました。

 これからは、二人で共に歩んでいきます。泣いて笑って、時々怒って。それらは全て、二人の人生です。命尽きるまで、共にあります。
 それでも良い。そう思えるのは、たった一人ルークだけ。それは言うまでもありません。













ーーーーーーーーー

※補足
戴冠の儀→戴冠式 とし、レイが行うのは戴冠式ではなく即位式としました。紛らわしくてすみません。





 さて、これにて5章&第二部は終了です。レイとルークも結婚し、完結かと思いきや、まだあります。

 一度登場人物まとめを挟んで、三部「未来編」がスタートになります。あまり長い部ではない予定なので、十話くらい投稿したら物語本編は完結となります。(の予定ですが、何しろ書きたいものがありすぎるので、伸びるかもしれません。)

 未来編では、その名の通りキャラたちの未来を描きます。第二号に出た人はもちろん、第一部に出た人たちも再び出るかも…?第一部の登場人物まとめを見ておいた方が良いと思います。

 流れをまとめると、一度登場人物まとめを投稿し、三部を投稿し本編完結した後、二部と三部の番外編を投稿し、それで完全完結となります。

 最後までお付き合い頂けると幸いです。
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