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4章 無血革命
短気
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「エメリック公爵家当主、リアム・エメリックが参上しました。」
「レイ・エメリックが参上しました。」
「うむ、よく来た。」
こちらは緊張感が漂う中、陛下は何も知らないので呑気にこちらを見ており、玉座にふてぶてしく座っていました。
「して、今回は婚約の返事だったかな?」
「はい。恐れながら……」
言葉の途中でお父様は私の方を向き、真剣な眼差しを送りました。私はそれに頷きます。
「この縁談はお断りさせていただきます。」
そしてキッパリと言いました。断る、と。陛下は目を見開き、心底驚いているようです。
「な、何故だ!?王家との縁談だぞ!?」
「理由としましては……」
「産まれる子はリリアーナ王妃様の子ではないからです。」
「は?」
陛下は玉座から立ち上がり、お父様を怒りに震えながら睨んでいます。拳が怒りて震えています。信じられないのも無理はありませんね。
「嘘を言うな!エメリック公爵、言って良いことと悪いことがあるんだぞ?」
「嘘ではありません。」
「馬鹿を言え!リリアーナが何故!」
「順を追ってお話します。」
叫ぶ陛下にお父様は陛下に全てを話しました。テレネシア公爵の自白、王室転覆の陰謀、リリアーナ王妃との取引、その全てを。
全て聞き終えた陛下は放心していました。玉座に力なく座り込みます。
「ふ……ふふふ………ハッハッハ!!」
そして、大声で狂ったように笑い出したのです。
「エメリック公爵よ……よく考えたものだな!手の込んだ芝居だった……」
フラフラと立ち上がり、お父様の近くまで歩んで来ました。その時、魔力がまた警告を鳴らした気がしました。嫌な予感がします。
「しかし!私は欺けない!リリアーナを侮辱した罪、我が直々に断罪してくれる!!」
そう言って、陛下はお父様に殴りかかってきたのです。
「レイ・エメリックが参上しました。」
「うむ、よく来た。」
こちらは緊張感が漂う中、陛下は何も知らないので呑気にこちらを見ており、玉座にふてぶてしく座っていました。
「して、今回は婚約の返事だったかな?」
「はい。恐れながら……」
言葉の途中でお父様は私の方を向き、真剣な眼差しを送りました。私はそれに頷きます。
「この縁談はお断りさせていただきます。」
そしてキッパリと言いました。断る、と。陛下は目を見開き、心底驚いているようです。
「な、何故だ!?王家との縁談だぞ!?」
「理由としましては……」
「産まれる子はリリアーナ王妃様の子ではないからです。」
「は?」
陛下は玉座から立ち上がり、お父様を怒りに震えながら睨んでいます。拳が怒りて震えています。信じられないのも無理はありませんね。
「嘘を言うな!エメリック公爵、言って良いことと悪いことがあるんだぞ?」
「嘘ではありません。」
「馬鹿を言え!リリアーナが何故!」
「順を追ってお話します。」
叫ぶ陛下にお父様は陛下に全てを話しました。テレネシア公爵の自白、王室転覆の陰謀、リリアーナ王妃との取引、その全てを。
全て聞き終えた陛下は放心していました。玉座に力なく座り込みます。
「ふ……ふふふ………ハッハッハ!!」
そして、大声で狂ったように笑い出したのです。
「エメリック公爵よ……よく考えたものだな!手の込んだ芝居だった……」
フラフラと立ち上がり、お父様の近くまで歩んで来ました。その時、魔力がまた警告を鳴らした気がしました。嫌な予感がします。
「しかし!私は欺けない!リリアーナを侮辱した罪、我が直々に断罪してくれる!!」
そう言って、陛下はお父様に殴りかかってきたのです。
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