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第6章 【龍の涙】

第6章21 【龍王女】

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ヴァハト「酒じゃー!酒を持ってこーい!」

ミラ「マスター、そんなに飲んだら、またお体を壊しますよ?」

 王都に来てまで変わらないこの光景。みんな、酒に酔い潰れて、そこら中で暴れている。一応、いつもの酒場と違って、ちゃんとしたお店なんだけどね。

 なんで、6日目の試合に勝っただけでここまで大騒ぎできるかね......

セリカ「......」

レラ「セリカ、もう怪我は大丈夫?」

セリカ「レラ?うん、まだちょっと節々が痛いけど、もう大丈夫」

レラ「そう?」

セリカ「うん。流石はネイりんってところね。今日一晩ゆっくりしてたら完治すると思う」

レラ「......あの子ね、性格は悪いけど、セリカのために一生懸命戦ってくれたのよ」

 知ってる。ネイりんもヴァルも、仲間のために命だって捧げられる。1年も過ごしてたら、それくらいの事は分かるから。

ネイ「おぉーい!酒を持ってこーい!妾はこの程度では満足せんぞー!」

セリカ&レラ「「 ゲッ...... 」」

ヴァル「おい!誰だ!こいつに酒を浴びせた奴は!今すぐ出てこい!」

グリード「おォおォおォ!やっぱ神様も酒好きなんだなァガッハッハッ」

ネイ「飲み比べでもしてみるか?」

 あ、犯人分かった。

ヴァル「おい!誰なんだ!犯人現れろ!」

 いや、今分かりやすいくらいの反応示してた人がいたじゃん!なんで気づかないの!?

ヴァル「仕方ねえ。許せネイ」

ネイ「あふ......」

 いつもの腹パンで気絶。そろそろネイりんのお腹あたりが壊れるか、耐性がつくかのどちらかになりそう。

グリード「なんでェヴァル。折角いいところだったのによォ」

ヴァル「お前か犯人は!ネイに酒入り瓶を渡すなって言っただろうが!」

グリード「あァ?知らねえよォ」

シアラ「ヴェぇルぅドさぁま!私が入れたお酒を飲んでくれましたか?」

ヴェルド「だからくっ付くなお前は!で、そのグラスなら、ネイが紅茶と勘違いして飲んでたよ!」

 まさかの別方向に犯人発見!?

ヴァル「......なんか疲れたわ」

 うん、そうだろうね。激しい試合の後に、こんな大騒ぎなところにいて、疲れない方がおかしい。

グリード「おォ!ヴァル!神様の代わりに、俺と勝負しろやァ!」

ヴァル「殴り合いならいいけど、酒は勘弁だ」

グリード「男のくせに、根性のねえ奴だなァ」

ヴァル「うるせぇよ!」

ヴェルド「ヴァル、そんな事よりも、こいつどうにかしてくれねぇか?」

 ヴェルドに、蛇のように巻き付くシアラ。ちょっと苦しそう。

ヴァル「自分でどうにかしてろ!」

ヴェルド「冷てぇ奴だ!氷属性習得してからとことん冷てぇな!」

ヴァル「お前は火属性習得してからとことん暑くなったな!」

 属性って、そんな表に出てくるもんなの???

レラ「あはは......うるさい......」

 同感です。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

ヴァル「あ"ぁ......あ"ぁ......」

 なんでこんなに疲れてんだろ。俺、ツッコミ系主人公になったつもりはねえんだけどさぁ、なんなの?これ。

セリカ「お疲れ......だね?」

ヴァル「お疲れなんてもんじゃねえよ。酒飲みを抑える立場って、こんなに大変なんだなって感じだ」

セリカ「ごめん。ちょっと何言ってんのか分かんない」

ヴァル「......そういや、セリカ。もう怪我は大丈夫なのか?」

セリカ「うん。そこで酔い潰れてる神様のお陰で、なんとかね」

 頬を赤らめて、気持ち良さそうに眠る俺の相棒。まるで、明日への不安は何もないと言った具合に平和そうな顔をしている。

ヴァル「......お疲れ様」

セリカ「お疲れ様、ネイりん......それと、ありがとね」

 軽く頭を撫でてやる。

ヴァル「セリカ、ちょっと髪の毛触っていい?」

セリカ「?別にいいけど......」

 ああ、なるほどな。

ヴァル「ネイの方がサラサラしてて綺麗だな」

セリカ「ちょっとそれどういう意味よ!」

ヴァル「そのまんまの意味だ」

 確かに、最近やたらとシャンプーとかリンスの種類が増えたなとは思ってたが、そんなに髪の毛に命をかけてたとは思わなかったな。言うて、セリカも普通に綺麗に整ってるけどな。

ネイ「......呼ばれてる」

セリカ「うわっ......」

ネイ「呼ばれてる......」

ヴァル「どうした、ネイ」

 突然、何かに取り憑かれたかのように立ち上がるネイ。そのまま、酒場の外に出て行く。

ヴァル「ま、待てよネイ!」

ネイ「呼ばれてる......」

セリカ「あ、待ってネイりん!」

 止まる様子がない。仕方ないので、ネイの跡をつけていく。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

ネイ「呼ばれてる......」

 何分か歩いてネイりんが目指す場所が、何となく分かってきた。

 目指しているのは、王城。王城と言えば、あのゼイラ王女がいる場所だが、まさか......ね。

ヴァル「なあ、あいつ、このままだと王城だけどさ、何に呼ばれてんだろうな」

セリカ「さあ?ネイりんの事だから、何かあるんだろうけど」

ヴァル「そうかなぁ......」

 ネイりんの意識はハッキリとしていない。ハッキリとしないまま、王城を目指している。何かあると言うよりも、本当に何かに取り憑かれてるんじゃないだろうか?

ネイ「呼ばれてる......」

ヴァル「あいつ、色んな奴に取り憑かれるからな。普通に、なんかが取り憑いててもおかしくねえんだよな」

セリカ「そういや、そうだったね」

 最近は出てくることが少ないけど、ネイりんの中には5つの人格があったんだっけ。それと、プラスしてユミの人格。一応、私がヒロインなのに、ネイりんの方がヒロイン属性高い気がするんだけど、気のせいだよね?

ヴァル「......で、辿り着いちまった訳だが」

 その後、数分歩いて、あっという間に王城の目の前。門番がいないのが謎に不気味だ。

ネイ「......ここだ」

 突如、足元を覆い尽くすくらいの大きさの魔法陣が出てきて、地面に穴が空いた。

セリカ「わ、わぁぁぁぁぁ!?」

ヴァル「セリカ!捕まれ!」

 いつの間にか、ネイを小脇に抱えていたヴァルが、こちらに手を伸ばしてくる。

セリカ「ど、どうするつもり!?」

ヴァル「気合いだ気合だぁ!」

 足元に火を灯して、なんとか落下速度を落とそうとする作戦。高所からの落下による骨折は防がれるが、代わりに、変な洞窟へと辿り着いてしまった。

ヴァル「......なんだ?ここは」

セリカ「鉱石がいっぱいくっ付いてる洞窟?しかも、この鉱石、グラレアルじゃない?」

ヴァル「なんだそりゃ?」

セリカ「グランアークでしか取れない希少な鉱石。とても軽くて丈夫だから、刀とか剣を作るのに適してるんだって」

ヴァル「そんなものが王城の地下にねぇ......」

 まあ、グランアークで取れるんだから、ここにあっても不思議ではない。この鉱石は、鉱山とかから取れるわけではなく、そこら辺の地下にたまに埋まっている物。

 それにしても、こんなにたくさんの鉱石が残ってるってことは、ここは採掘されていないようだ。王都にマナが溢れている理由も、この鉱石が原因なのかな?

ネイ「......あれ、私、なんでこんなところに」

ヴァル「気づいたかネイ」

ネイ「ヴァル?えっと、ここは?」

ヴァル「お前がここまで俺達を連れてきたんだ。むしろ、ここが何なのかを聞きたいのは俺達だ」

ネイ「......記憶がないです」

 本当に取り憑かれていたんじゃないだろうか?

ヴァル「しまったな。とっくに穴が塞がれてやがる」

セリカ「えぇ......どうするの?」

ネイ「あ、こっちです」

ヴァル「なんかあるのか?」

ネイ「なんか、呼ばれてる気がするんです......」

 そういや、ずっと「呼ばれてる......」って言ってたもんね。

ヴァル「なんかあるんだろうな。行ってみるか」

ネイ「ヴァル......」

ヴァル「どうした?」

ネイ「......疲れて足が......」

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

ヴァル「あぁクソ。なんでいつもいつもお前はこんなんだよ」

ネイ「今更そんなことを言わないでください。常に疲れ気味なんです」

ヴァル「引きこもってばっかりだから体力が付かねえんだよ!」

セリカ「まあまあヴァル、落ち着いて」

ヴァル「落ち着いてられるか!どんだけ歩けばいいんだよ!こんな変わり映えしない場所を!」

 ずぅーっと、キラキラした鉱石が並んでいる洞窟。オマケに、ネイを背中に乗せて天井の低い場所を歩いている。嫌でも腰に相当な負荷がかかる。

 それに、ゴールが見えないっていうのも精神が病んでいく原因だな。ネイの言うがままに進んではいるが、いつになったら目的の場所に着くのか、それはネイにも分からないらしい。

ヴァル「本当に、いつになったらゴールに......」

 そう言いかけた瞬間、目の前に大きな空洞が広がる。

ネイ「ここだ......」

 ネイが自分から降りてこの場所に立つ。

ヴァル「なんじゃこりゃ?」

セリカ「龍の......骨?」

 巨大な骨の塊。形的には、龍だと思って間違いはないだろう。

ヴァル「なんで、こんな所に龍の骨が......」

ネイ「......ジーク?どうしたの?」

ヴァル「なんか分かったか?」

ジーク「間違いねぇ。こりゃァ、俺の遺体だ」

 ......なんだって!?

ヴァル「これが、お前の遺体?」

ジーク「ああ。間違いねぇ。これは、大昔の俺だ」

 そういや、ジーク達は魂だけの存在とか言ってたか。

セリカ「なんで、こんなところにジークの遺骨があるの?」

ジーク「知らねえよ。俺だってそれが知りたい」

ヴァル「昔、お前はこの場所で死んだとか?」

ジーク「さあな。俺だって昔の記憶はそこまで完璧に残ってるわけじゃねえんだ。ただ、ここに骨があるってことは、昔の俺がここで死んだってことだろうな」

 骨に触れて何かを感じ取ろうとしてみるが、特にこれといって何もない。本当にただの骨だ。

ジーク「分かんねぇ。何も思い出せねぇ」

セリカ「......でも、死んでるはずなのに、凄いマナの量だよね」

「貴様ら、そこで何をやっている!」

ヴァル「っ......!」

 振り返ると、そこには鎧に身を包んだ髭の濃いオッサンがいた。

「っ......貴様ら、グランメモリーズだな!何故ここにいる!」

セリカ「何でって言われても......」

ヴァル「俺達はネイに付き添って来ただけであって......」

ネイ「え?私のせいですか!?」

 いや、事実お前のせいだろ。お前がどっか行かなきゃ俺達もついて行かなかったんだし。

「......なるほど。そういう事か。......ついて来い」

セリカ「え......?」

 ついて来いと言ったが、どうする?

ヴァル「なあ、どうするよ」

セリカ「えぇ......でも、ここはついて行かないと、後々面倒なことになる展開じゃないの?」

ネイ「でも、あんなオッサンについて行きたくないですよ」

ヴァル「俺としても、見ず知らずの奴について行くのはゴメンだな。目的も分からねえんだし」

「何をしている?早く来い!」

 えぇ......ついて行きたくねぇな。

 でも、仕方ねえ。ついて行くか。

ヴァル「なあ、オッサン。どこに連れて行く気だ」

「オッサンじゃない。シドウだ。グランアーク騎士団総騎士長の者だ」

 ああなるほど。約立たず集団のお偉いさんか。

シドウ「お前ら、ツクヨミという者は知っているな。そこにいる」

「「「 ゲッ...... 」」」

 思い出した。こいつ、確かネイを拐っていった奴らのトップじゃねえか。思い出しただけで殴りたくなってきたが、今は我慢。

ヴァル「うちの仲間に何の用だ」

シドウ「用があるのは私ではない。ゼイラ様だ」

 あの王女様かよ......めんどくせえなぁ。

シドウ「あのような強硬手段に出たことは謝っておこう。すまない」

ヴァル「ごめんで済んだら騎士団は要らねえんだよ」

セリカ「ヴァル、この人騎士団長」

 そうじゃん。騎士団長じゃん......。

シドウ「私としては穏便に済ませたかった。ゼイラ様が考えている事は、私には分からない」

ヴァル「じゃあ、なんでそんな奴の言うこと聞いてんだよ」

シドウ「我が主だからだ。主の命を叶えるのが、私の仕事。ただそれだけだ」

 よく分かんねえなぁ。要するに、その王女様がネイを拐えって言ったから拐いに来たって事だろ?冗談じゃねえ。

 ゼイラ王女。そいつの真意を確かめてやる。
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