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六話
猟師と狼
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***
グレイの店を飛び出した狼男は歓楽街のメイン通りへ走っていった。昼間なので人通りがなく見失うことはない。何よりそこまで足は早くなかった。
「ハア、ハアっ」
「おい!待てって!なあ!」
「はあっ…はあっ…!」
「聞いてんのか!転びそうだぞ!あんた!」
「うるせ!はあっ!はあっ!」
走り慣れてないのか足がもつれている。普段走らない生活なのが見て取れた。
ぐっ
追いついて腕を掴むと、狼男は蹲った。
「げほげほっ!うえっ!ゴホッ!はあっはあっ…どこまでっついてくるんだよてめえ!!」
「このまま帰すわけにはいけねえだろ。あんた気絶したら人を襲っちまうんだぞ。それにまだグレイとも話せてないみたいだし一度店に戻った方が…」
「チっ!うるせえうるせえ!誰が幻獣スナックになんか戻るか!!」
オレは幻獣じゃない、と叫んでる。じゃあなんでグレイの店に来たんだよ。不安だったからグレイに会いに来たんじゃないのか。そう言いたくなったが怒らせるだけだと思い留めた。
「ああ、人間なのはわかってる。俺も人間だから落ち着いてくれ」
「なっ!はあ?!てめえ、オレに襲われたんじゃねえの?」
「襲われたな」
「狼男の状態のオレを…人間のお前がなんとかしたってのか?」
「ああ。この通り痣だらけだけどな」
服をめくって見せてやると狼男は言葉を失った。
「マジかよ…銃とか使ったりしたんじゃ…」
「するわけないだろ。ゲームの世界じゃあるまいし。ま、こういうのは慣れっこだし気にすんな」
「でもこれ絶対いてえぞ…!?」
痣に覆われて青くなった脇腹を触れてくる。
「っつ…!!」
痛みに呻くと狼男が更に顔をしかめた。そんな顔するならなんで触ったんだよ。睨み付けてると
すっ
狼男が下を向いて固まった。急に腹でも痛くなったのかと焦って声をかける。
「お、おい!大丈夫か?」
「…ゴメン」
「え」
「ああ??ゴメンって言ったんだよ!!二度も言わせんな!殺すぞ!!」
「!」
顔を赤くしながらキレてくる。そうか。腹を抱えてたんじゃなくて頭を下げてたのかこいつ。意識がない状態とはいえ自分が怪我させてしまった事を申し訳なく思ったらしい。
(なんだよ…口が悪いだけで…)
俺は笑いながら狼男の肩を叩いた。
「はは、あんた普通にいい奴じゃん」
「はあ??オレがいい奴だあ??てめえイカレてんじゃねえのか!!」
「キレてもいいが中指立てるのはやめろよー」
やんわりと指摘すると狼男は気まずそうに自分の指を見た後、拳の形に折りたたむ。態度と口が悪いわりに素直だ。おかげで最初に抱いた怖い印象が消えていくのが分かった。
「…ってな感じで俺はグレイの店に世話になる事になったわけだ」
場所を移動した俺たちは近くのベンチで身の上話をしていた。まずは俺からという事で軽く話していく。狼男は時々舌打ちしつつも最後まで聞いていた。
「チっ!クソ野郎だな!そのマゾなんとかっつー男」
「真人な」
「アア??んなのマゾで十分だぜ!」
キレ散らかしてる狼男を横目で確認する。髪は黒に灰色のメッシュ、顔は常にしかめっ面なのでわかりにくいが普通に整ってる。身長は俺とフィンの間ぐらい。年は20代半ばかもう少し若いぐらいに思えた。
(喋らなければ普通のイケメンなんだよな…)
その面ではグレイ(※超絶面食い)のセフレというのも頷けた。
「俺の話はこれで終わりだ。で、あんたは?てかそろそろ名前聞いていいか」
「オレはソルジだ。ソルでいい。仕事はハッカーやってる。たまにゲーム配信したり、動画作ってる。ま、趣味も仕事もインドアっつークソ陰キャヲタクってやつだ」
「へえ。ゲームってどんなのやるんだ?」
「イーペックス」
「ああ、銃で撃ちあうやつか」
ゲーム配信でたまに見てたっけな。自分のスマホなくしてからは見てなかったが。ちなみにユウキのスマホは必要最低限のメールと電話以外使用してない。
「てめえイーペックス知ってるのか!やったことはあんのか??好きな銃はあるか??」
「やってみたいけど機材を揃えるのがめんどくてさ」
「機材ならオレが揃えてやる!今度やろうぜ!」
「いいけど下手でも怒るなよ」
「おう!キレながら教えてやるぜ」
「怒るんじゃねーか」
ソルが肩を組んでくる。ゲーム話でテンションが上がったのか先程よりも気さくに話してくれるようになった。しばらく俺たちはイーペックスの話題で盛り上がった。
「はは!イーペックスは変人ばっかだから面白いんだよなあ!銃もかなり忠実に作られてるし最高のゲームなんだぜ」
笑いながら銃のコツを教えてくれた。先程までの警戒が嘘みたいに解けているのが分かる。
(ゲームが好きなんだな…)
俺もゲームは好きだったが金銭的な問題でイーペックスには手を出せずにいた。こんな風にプロ?の話が聞けるのはありがたいし興味深い。何よりゲーム好きの友人がいなかったのでとても嬉しかった。
(最後にやったゲームも真人とやった梅鉄だもんな…)
真人は今何をしてるのだろう。駅で真人を見かけたという話を聞いてからふとした時に顔が浮かんでしまう。駅で誰かを探していたとユウキは言っていたが、もしかしたら俺を探してくれてるんじゃないか?と頭の片隅で淡い期待を抱いてしまうのだ。
(フィンも俺のそういう所に気づいて距離とってんのかな…)
「おーい!ライ!聞いてんのか!?」
「ん、悪い…考え事してた。なんだっけ」
「だから!イーペックス配信してたら違和感がしてトイレに行ったんだよ。そしたら耳が生えてやがった!意味わかんねーだろ??眠すぎて幻覚みてるのかとその日は寝ちまったけどな」
「そこで寝れるのもすごいな」
「うるせ!なあ、一体俺に何が起きてんだよ??さっきあいつが俺の事を狼男って言ったよな!?どうせ揶揄じゃねえんだろ」
「ああ、今のあんたは狼憑きって状態らしい」
軽く事情を説明する。
「…狼憑き、いや狼男か」
今までのように噛みついてくる様子はない。納得できる点がいくつかあったようだ。
「なるほど、全然眠れねえ上に寝てても変に警戒心が強いのは狼になってたわけか…くそっ!こんなんどうやって治すんだよ??つかちゃんと治るんだよな!?!」
「…悪い、わからねえ」
グレイなら何か知ってるかもしれないが「後天的に幻獣になる」という言い方的に人間に戻るのは難しそうな気がする。だが何もわからない俺がわざわざ不安にさせるのも良くない。短く否定するとソルは項垂れた。
「そうかよ、…」
「キャーーー!!」
「「?!」」
すると歓楽街のメイン通りから甲高い女性の悲鳴が聞こえてきた。ソルが肩を組むのをやめてそちらの方を見る。
「なんだあ?うるせえな」
「喧嘩はこの辺りじゃ珍しくないが…今の女性の声だな。一旦見に行くぞ」
「はあーー??」
あんたもいくぞと腕を掴んで引きずっていく。メイン通りに着くと人だかりができていた。
「痴漢よ!今あの男が触ったの!誰か捕まえて!」
「違うって!冤罪だ!!」
男女が人だかりの中心に立って叫んでいる。周りに集まっている人間もどうしたらいいかわからないといった感じで囲んでいる。
「嘘よ!今私のお尻を触ったじゃない!私に触れられる距離にいたのはあなただけよ!」
「俺は両手に買い物袋を持ってるんだぞ?どうやって触るんだ?!」
「手の甲で触るとかじゃないの?!」
両方共ヒステリックになってて話し合いは無理そうだ。俺がなんともいえない顔をしてると横にいたソルが足を蹴ってきた。
「あれみろ」
女性の近くにうっすらと半透明になった何かが飛んでいる。よく見れば小さな人型の幻獣だった。トンボのような羽がついている。
「幻獣…?妖精か?」
「ピクシーだな。イタズラ好きの妖精だぜ」
「じゃああいつが痴漢の犯人か」
「だろうな。あの男は巻き込まれただけだな。証拠もなさそうだし言い合いして終わりだろ」
「大事じゃなさそうで安心した」
「チッ、お人好しが!無駄に走らされて損したぜ!」
「文句言いつつソルも走ってたろ」
「ああ??」
本当は心配だった癖にと指摘するとばつが悪そうな顔をしていた。
くすくす
ピクシーが言い争っている男女を見て笑っていた。ふと俺たちの存在に気づいたピクシーは慌てた様子で反対方向に飛んでいく。メイン通りから外れて少し暗い路地の方へ。
「あ!待て!そっちの道は!…くそっ、ソル!追いかけるぞ」
「はああ??なんでだよおお」
ソルの腕を掴みまた走り出した。ソルが後ろからキレてくる。
「おいっ!てめえ!ハアッゼエッ!オレは陰キャだって!はアッ、言ってんだ、ろ!ハアッハアッ走らせ…んなああ!!」
「喋る暇があったら走れ!」
昨日猟師たちが話していた。
(幻獣が襲われる事件が発生してるって…この辺りじゃなかったか?)
しかも一人になった所を襲われたというし状況的にはピクシーの今置かれてる状況がピッタリ当てはまる。
「杞憂で終わってほしいが…嫌な予感がする」
「はあ?!…うっ!!」
角を曲がった瞬間、腕が突っ張った。ソルを掴んでる方の腕だ。何事かと振り返れば
ブンッ!
首の後ろを蹴りが通過していく。
「なっ…?!」
とっさに前に倒れ直撃を避けたが距離をとるより先に押し倒された。ソルの顔がすぐ目の前に来る。
(やばい!)
噛まれると思いとっさに顎を掴む。ガチンと歯が鳴った。
グルルルルッ
ヨダレを垂らして唸っている姿は完全に正気を失ってる。今の一瞬の間に何があったんだ。どっちにしろこの体勢は不利すぎる。
「くそっ…一応謝っとく!」
ごめんと心のなかで謝りつつソルの股間に蹴りをいれた。キャインっと叫んで怯んだ瞬間を見逃さず体を引いて抜け出す。横に転がり距離をとった。
グアアウ!!
ソルは怒り狂っていたが蹴りを警戒して近寄ってこない。そして何を思ったのか俺の上を飛んで路地の先に進んでいってしまった。
タンッタタンッ
「は…?!おい!どこ行くんだよ!」
慌てて追いかける。目の前を走るソルは人間時と違い息を切らす様子もない。飛ぶように跳ねながら路地を駆け抜けていく。その様は狼そのものだ。
(なんて俊敏な…!)
追い付けない。何回か角を曲がったところで完全に見失ってしまう。走り去る音は聞こえてくるからまだ遠くには行ってないはずだが姿は見えなくなった。
「くそっ…!どっちに行った?!」
当てずっぽうで進むと道が左右に分かれていた。ゴミ箱が倒れて中身が散らばってる方に進む。どうやら当たりだったらしい。進んだ先に人影が見えてくる。
「ソル!」
ソルが立っていた場所は袋小路になっていて進めなくなっていた。てっきりそれで足が止まったのかと思ったが
「……え」
ソルの腕や体のあちこちに血がついていた。まるで何かを引き裂いたかのような血の付き方で…俺は目を疑った。俺が見てない間に何が起きたんだ。しかもその足元には
「そんな…」
ピクシーが無惨にも殺されていた。頭が砕けて血が飛び散っている。
(これ…ソルがやったのか…?!)
絶句しているとブルりとソルが身震いした。音もなく狼の耳と尻尾が消え人間に戻る。
「あ…え…?」
我に返ったソルは目の前の状況を見て飛び退さった。
「ひいい!なんだこりゃ?!死んでやがる!!」
「ソル…気がついたのか…!」
「おい!てめえ!一体何があったんだ!説明しろ!!」
「いや俺だってわかんねえよ…!」
説明してほしいのはこっちの方だ。血だらけのソルと頭が砕かれたピクシー。まるでソルが殺したような状況だ。いや、本当に殺したのかもしれない。一瞬何を信じればいいのかわからなくなった。
ジャリッ
「やっと姿を現したな、狼男」
俺とソルが同時に上を見た。路地を囲む建物。その屋根に小柄な男が立っていて、細長い猟銃を構えていた。
「あんたは!」
「よう、スナックの兄ちゃん」
昨日店で会った猟師だった。銃口をソルに向けたままのんびりと挨拶してくる。もちろん引き金には指を添えたままだ。
「ライだったか。なんで奴と一緒に行動してるのか知らないがさっさと離れた方が良いぜ。その幻獣はピクシーを殺した犯人だ」
猟師の言葉にソルは血管を浮かせてキレ散らかした。
「アアン!?てめえ誰が幻獣だって?!!降りてこい!!」
「お前だよお前。狼男になったばかりなのに知能はすでに狼以下か、可哀想に」
「ブッ殺すッッ!!」
殺すと叫ぶソルの姿は傍から見れば凶悪な犯人そのものだ。損をする言動だとは思ってたがこの状況では致命的すぎる。落ち着かせようとソルの肩を掴んで引き寄せる。
「おいソル!落ち着け!!」
「うるせえ!!てめえも疑いたきゃ疑えばいい!!こちとら意識飛んでて何もわかんねえんだ!さっさと殺せよ!!」
止めようとした腕を弾かれた。牙をむいて睨んでくる。
グルルルルッ
殺気立ってるという言葉で収まらない程の怒りだ。その怒りに駆られてソルはまた狼男になりかけていた。猟師が銃を構えながら忠告する。
「ライ。そいつは危険だ。離れろ!」
「…だがっ」
「あのピクシーを見ろ。こんな事をした化物を野放しにしていいのか?殺した方が世の為だ」
わかってる。状況的には猟師が言ってる事が正しい。狼男になったソルがピクシーを殺したのだ。
(だが…)
ゲームの話をしていたソルは普通の人間だった。怒ったり笑ったり、悪いことをしたら謝れる普通の良い奴だった。それが狼男になった瞬間こんな恐ろしい事をしてしまうとは…思いたくなかった。
「俺は…見てない」
「あ?」
「俺はソルが殺した所を見てない。だから信じねえ」
「「はあ?!」」
二人が信じられないという顔で見てくる。俺は構わず続けた。
「ソルにはピクシーを殺す動機がないはずだ。狼男だから妖精を襲うって決まってるわけじゃないんだろ?」
「腹減ってたんじゃないか?」
「さっきソルは食事したばかりだ。それに…突然歩いてたら狼男になったのも気になる…」
狼憑きは意識を失うか寝ない限り狼にならないはず。もしかしたら近くに別の犯人がいたりするんじゃないか。そう呟くと猟師が頭を抱えた。銃をおろす。
「はあ~。こんな現場見てよく狼男を庇う気になるぜ。しかも俺の証言を全否定とは…おじさん傷つくなあ」
呆れ顔の猟師が梯子を使って降りてくる。ピクシーや袋小路の状態を確認していき、おもむろに振り返った。
「見りゃわかると思うが致命傷は頭部の破壊だ。ほとんど即死に近い。人間や並みの幻獣がやれることじゃねえぞ」
「…傷口は狼男の爪や牙で破壊されてるのか?」
「ぐちゃぐちゃになっててそこまではわからんな。言っとくがこの付近に他の幻獣は見当たらなかったぜ。上から見てたからよくわかる」
「…あんたはソルが殺したところをみたのか」
「見た。といっても動きが素早くてちゃんとは見れてないがな。ただ他の被害にあった幻獣も同じように頭を潰されてた。遺体の状態も近い。やり口は全く同じって事だぜ?」
それでも俺の言葉が信じられないか?そう目で告げてくる。俺は何も言えず歯を食いしばった。
「クソ!!やっぱり殺したのはオレじゃねえか…もういい!殺せ!殺せよ!!」
青白い顔で殺せと叫ぶ。猟師が猟銃を構えた。俺は慌ててその間に入る。
「待ってくれ…!あんた達も知ってると思うがグレイは幻獣関係に詳しいんだ!何か気付けるかもしれねえ!一旦店に…」
「おいおい、こっちは仕事でやってるんだぜ。遊んでる時間はねえ。さっさと殺して金にしちまいたい」
「あんた達猟師は話が通じない幻獣だけを殺すんだろ??ソルは話が通じるしターゲットには含まれないはずだ!」
「詭弁だな。狼になったら手がつけらんねえ化物になる。話が通じねえのと変わらねえよ」
「狼男の時と今のソルは別物だ!」
ソルとなら話も通じるし理解し合える。銃で殺さなくてもやりようはいくらでもあるはず。俺の言葉にソルが目を見開いた。興奮状態はさめたのか狼化が消え人間に戻っている。
ストン
おもむろにソルが膝をついた。
「ソル…?」
「チッ、うっせえな。…オレは人間だ。逃げも隠れもしねえ」
そう言ってソルは自らの両手を後ろに持っていく。
「腕縛っても…化物になったら意味ねえだろうが…殺す隙ぐらいはできるだろ」
「…!」
変な動きをしたら殺せばいい。銀色の瞳がそう告げている。大人しくなったソルを見て猟師が怪しむように猟銃をつきつけた。
「なんだあ?やけに素直じゃねえか。何か企んでるのか」
「…うるせえ」
「言い合いはやめてくれ。ソルが大人しくしてくれるなら店へ移動して話しても問題ないだろ?」
「やれやれ、そこまで言うなら仕方ねえ。ライの顔を立てて少しだけ付き合ってやるか」
猟師も一時的に納得してくれたらしい。俺は気が変わらないうちに、とソルの両手を縛った。猟師が「クマも縛れる丈夫な紐だぜ」と手渡してきたのを使う。
「じゃあ、行くか」
両手を縛られたソルを一瞥してから二人を店まで連れていくのだった。
グレイの店を飛び出した狼男は歓楽街のメイン通りへ走っていった。昼間なので人通りがなく見失うことはない。何よりそこまで足は早くなかった。
「ハア、ハアっ」
「おい!待てって!なあ!」
「はあっ…はあっ…!」
「聞いてんのか!転びそうだぞ!あんた!」
「うるせ!はあっ!はあっ!」
走り慣れてないのか足がもつれている。普段走らない生活なのが見て取れた。
ぐっ
追いついて腕を掴むと、狼男は蹲った。
「げほげほっ!うえっ!ゴホッ!はあっはあっ…どこまでっついてくるんだよてめえ!!」
「このまま帰すわけにはいけねえだろ。あんた気絶したら人を襲っちまうんだぞ。それにまだグレイとも話せてないみたいだし一度店に戻った方が…」
「チっ!うるせえうるせえ!誰が幻獣スナックになんか戻るか!!」
オレは幻獣じゃない、と叫んでる。じゃあなんでグレイの店に来たんだよ。不安だったからグレイに会いに来たんじゃないのか。そう言いたくなったが怒らせるだけだと思い留めた。
「ああ、人間なのはわかってる。俺も人間だから落ち着いてくれ」
「なっ!はあ?!てめえ、オレに襲われたんじゃねえの?」
「襲われたな」
「狼男の状態のオレを…人間のお前がなんとかしたってのか?」
「ああ。この通り痣だらけだけどな」
服をめくって見せてやると狼男は言葉を失った。
「マジかよ…銃とか使ったりしたんじゃ…」
「するわけないだろ。ゲームの世界じゃあるまいし。ま、こういうのは慣れっこだし気にすんな」
「でもこれ絶対いてえぞ…!?」
痣に覆われて青くなった脇腹を触れてくる。
「っつ…!!」
痛みに呻くと狼男が更に顔をしかめた。そんな顔するならなんで触ったんだよ。睨み付けてると
すっ
狼男が下を向いて固まった。急に腹でも痛くなったのかと焦って声をかける。
「お、おい!大丈夫か?」
「…ゴメン」
「え」
「ああ??ゴメンって言ったんだよ!!二度も言わせんな!殺すぞ!!」
「!」
顔を赤くしながらキレてくる。そうか。腹を抱えてたんじゃなくて頭を下げてたのかこいつ。意識がない状態とはいえ自分が怪我させてしまった事を申し訳なく思ったらしい。
(なんだよ…口が悪いだけで…)
俺は笑いながら狼男の肩を叩いた。
「はは、あんた普通にいい奴じゃん」
「はあ??オレがいい奴だあ??てめえイカレてんじゃねえのか!!」
「キレてもいいが中指立てるのはやめろよー」
やんわりと指摘すると狼男は気まずそうに自分の指を見た後、拳の形に折りたたむ。態度と口が悪いわりに素直だ。おかげで最初に抱いた怖い印象が消えていくのが分かった。
「…ってな感じで俺はグレイの店に世話になる事になったわけだ」
場所を移動した俺たちは近くのベンチで身の上話をしていた。まずは俺からという事で軽く話していく。狼男は時々舌打ちしつつも最後まで聞いていた。
「チっ!クソ野郎だな!そのマゾなんとかっつー男」
「真人な」
「アア??んなのマゾで十分だぜ!」
キレ散らかしてる狼男を横目で確認する。髪は黒に灰色のメッシュ、顔は常にしかめっ面なのでわかりにくいが普通に整ってる。身長は俺とフィンの間ぐらい。年は20代半ばかもう少し若いぐらいに思えた。
(喋らなければ普通のイケメンなんだよな…)
その面ではグレイ(※超絶面食い)のセフレというのも頷けた。
「俺の話はこれで終わりだ。で、あんたは?てかそろそろ名前聞いていいか」
「オレはソルジだ。ソルでいい。仕事はハッカーやってる。たまにゲーム配信したり、動画作ってる。ま、趣味も仕事もインドアっつークソ陰キャヲタクってやつだ」
「へえ。ゲームってどんなのやるんだ?」
「イーペックス」
「ああ、銃で撃ちあうやつか」
ゲーム配信でたまに見てたっけな。自分のスマホなくしてからは見てなかったが。ちなみにユウキのスマホは必要最低限のメールと電話以外使用してない。
「てめえイーペックス知ってるのか!やったことはあんのか??好きな銃はあるか??」
「やってみたいけど機材を揃えるのがめんどくてさ」
「機材ならオレが揃えてやる!今度やろうぜ!」
「いいけど下手でも怒るなよ」
「おう!キレながら教えてやるぜ」
「怒るんじゃねーか」
ソルが肩を組んでくる。ゲーム話でテンションが上がったのか先程よりも気さくに話してくれるようになった。しばらく俺たちはイーペックスの話題で盛り上がった。
「はは!イーペックスは変人ばっかだから面白いんだよなあ!銃もかなり忠実に作られてるし最高のゲームなんだぜ」
笑いながら銃のコツを教えてくれた。先程までの警戒が嘘みたいに解けているのが分かる。
(ゲームが好きなんだな…)
俺もゲームは好きだったが金銭的な問題でイーペックスには手を出せずにいた。こんな風にプロ?の話が聞けるのはありがたいし興味深い。何よりゲーム好きの友人がいなかったのでとても嬉しかった。
(最後にやったゲームも真人とやった梅鉄だもんな…)
真人は今何をしてるのだろう。駅で真人を見かけたという話を聞いてからふとした時に顔が浮かんでしまう。駅で誰かを探していたとユウキは言っていたが、もしかしたら俺を探してくれてるんじゃないか?と頭の片隅で淡い期待を抱いてしまうのだ。
(フィンも俺のそういう所に気づいて距離とってんのかな…)
「おーい!ライ!聞いてんのか!?」
「ん、悪い…考え事してた。なんだっけ」
「だから!イーペックス配信してたら違和感がしてトイレに行ったんだよ。そしたら耳が生えてやがった!意味わかんねーだろ??眠すぎて幻覚みてるのかとその日は寝ちまったけどな」
「そこで寝れるのもすごいな」
「うるせ!なあ、一体俺に何が起きてんだよ??さっきあいつが俺の事を狼男って言ったよな!?どうせ揶揄じゃねえんだろ」
「ああ、今のあんたは狼憑きって状態らしい」
軽く事情を説明する。
「…狼憑き、いや狼男か」
今までのように噛みついてくる様子はない。納得できる点がいくつかあったようだ。
「なるほど、全然眠れねえ上に寝てても変に警戒心が強いのは狼になってたわけか…くそっ!こんなんどうやって治すんだよ??つかちゃんと治るんだよな!?!」
「…悪い、わからねえ」
グレイなら何か知ってるかもしれないが「後天的に幻獣になる」という言い方的に人間に戻るのは難しそうな気がする。だが何もわからない俺がわざわざ不安にさせるのも良くない。短く否定するとソルは項垂れた。
「そうかよ、…」
「キャーーー!!」
「「?!」」
すると歓楽街のメイン通りから甲高い女性の悲鳴が聞こえてきた。ソルが肩を組むのをやめてそちらの方を見る。
「なんだあ?うるせえな」
「喧嘩はこの辺りじゃ珍しくないが…今の女性の声だな。一旦見に行くぞ」
「はあーー??」
あんたもいくぞと腕を掴んで引きずっていく。メイン通りに着くと人だかりができていた。
「痴漢よ!今あの男が触ったの!誰か捕まえて!」
「違うって!冤罪だ!!」
男女が人だかりの中心に立って叫んでいる。周りに集まっている人間もどうしたらいいかわからないといった感じで囲んでいる。
「嘘よ!今私のお尻を触ったじゃない!私に触れられる距離にいたのはあなただけよ!」
「俺は両手に買い物袋を持ってるんだぞ?どうやって触るんだ?!」
「手の甲で触るとかじゃないの?!」
両方共ヒステリックになってて話し合いは無理そうだ。俺がなんともいえない顔をしてると横にいたソルが足を蹴ってきた。
「あれみろ」
女性の近くにうっすらと半透明になった何かが飛んでいる。よく見れば小さな人型の幻獣だった。トンボのような羽がついている。
「幻獣…?妖精か?」
「ピクシーだな。イタズラ好きの妖精だぜ」
「じゃああいつが痴漢の犯人か」
「だろうな。あの男は巻き込まれただけだな。証拠もなさそうだし言い合いして終わりだろ」
「大事じゃなさそうで安心した」
「チッ、お人好しが!無駄に走らされて損したぜ!」
「文句言いつつソルも走ってたろ」
「ああ??」
本当は心配だった癖にと指摘するとばつが悪そうな顔をしていた。
くすくす
ピクシーが言い争っている男女を見て笑っていた。ふと俺たちの存在に気づいたピクシーは慌てた様子で反対方向に飛んでいく。メイン通りから外れて少し暗い路地の方へ。
「あ!待て!そっちの道は!…くそっ、ソル!追いかけるぞ」
「はああ??なんでだよおお」
ソルの腕を掴みまた走り出した。ソルが後ろからキレてくる。
「おいっ!てめえ!ハアッゼエッ!オレは陰キャだって!はアッ、言ってんだ、ろ!ハアッハアッ走らせ…んなああ!!」
「喋る暇があったら走れ!」
昨日猟師たちが話していた。
(幻獣が襲われる事件が発生してるって…この辺りじゃなかったか?)
しかも一人になった所を襲われたというし状況的にはピクシーの今置かれてる状況がピッタリ当てはまる。
「杞憂で終わってほしいが…嫌な予感がする」
「はあ?!…うっ!!」
角を曲がった瞬間、腕が突っ張った。ソルを掴んでる方の腕だ。何事かと振り返れば
ブンッ!
首の後ろを蹴りが通過していく。
「なっ…?!」
とっさに前に倒れ直撃を避けたが距離をとるより先に押し倒された。ソルの顔がすぐ目の前に来る。
(やばい!)
噛まれると思いとっさに顎を掴む。ガチンと歯が鳴った。
グルルルルッ
ヨダレを垂らして唸っている姿は完全に正気を失ってる。今の一瞬の間に何があったんだ。どっちにしろこの体勢は不利すぎる。
「くそっ…一応謝っとく!」
ごめんと心のなかで謝りつつソルの股間に蹴りをいれた。キャインっと叫んで怯んだ瞬間を見逃さず体を引いて抜け出す。横に転がり距離をとった。
グアアウ!!
ソルは怒り狂っていたが蹴りを警戒して近寄ってこない。そして何を思ったのか俺の上を飛んで路地の先に進んでいってしまった。
タンッタタンッ
「は…?!おい!どこ行くんだよ!」
慌てて追いかける。目の前を走るソルは人間時と違い息を切らす様子もない。飛ぶように跳ねながら路地を駆け抜けていく。その様は狼そのものだ。
(なんて俊敏な…!)
追い付けない。何回か角を曲がったところで完全に見失ってしまう。走り去る音は聞こえてくるからまだ遠くには行ってないはずだが姿は見えなくなった。
「くそっ…!どっちに行った?!」
当てずっぽうで進むと道が左右に分かれていた。ゴミ箱が倒れて中身が散らばってる方に進む。どうやら当たりだったらしい。進んだ先に人影が見えてくる。
「ソル!」
ソルが立っていた場所は袋小路になっていて進めなくなっていた。てっきりそれで足が止まったのかと思ったが
「……え」
ソルの腕や体のあちこちに血がついていた。まるで何かを引き裂いたかのような血の付き方で…俺は目を疑った。俺が見てない間に何が起きたんだ。しかもその足元には
「そんな…」
ピクシーが無惨にも殺されていた。頭が砕けて血が飛び散っている。
(これ…ソルがやったのか…?!)
絶句しているとブルりとソルが身震いした。音もなく狼の耳と尻尾が消え人間に戻る。
「あ…え…?」
我に返ったソルは目の前の状況を見て飛び退さった。
「ひいい!なんだこりゃ?!死んでやがる!!」
「ソル…気がついたのか…!」
「おい!てめえ!一体何があったんだ!説明しろ!!」
「いや俺だってわかんねえよ…!」
説明してほしいのはこっちの方だ。血だらけのソルと頭が砕かれたピクシー。まるでソルが殺したような状況だ。いや、本当に殺したのかもしれない。一瞬何を信じればいいのかわからなくなった。
ジャリッ
「やっと姿を現したな、狼男」
俺とソルが同時に上を見た。路地を囲む建物。その屋根に小柄な男が立っていて、細長い猟銃を構えていた。
「あんたは!」
「よう、スナックの兄ちゃん」
昨日店で会った猟師だった。銃口をソルに向けたままのんびりと挨拶してくる。もちろん引き金には指を添えたままだ。
「ライだったか。なんで奴と一緒に行動してるのか知らないがさっさと離れた方が良いぜ。その幻獣はピクシーを殺した犯人だ」
猟師の言葉にソルは血管を浮かせてキレ散らかした。
「アアン!?てめえ誰が幻獣だって?!!降りてこい!!」
「お前だよお前。狼男になったばかりなのに知能はすでに狼以下か、可哀想に」
「ブッ殺すッッ!!」
殺すと叫ぶソルの姿は傍から見れば凶悪な犯人そのものだ。損をする言動だとは思ってたがこの状況では致命的すぎる。落ち着かせようとソルの肩を掴んで引き寄せる。
「おいソル!落ち着け!!」
「うるせえ!!てめえも疑いたきゃ疑えばいい!!こちとら意識飛んでて何もわかんねえんだ!さっさと殺せよ!!」
止めようとした腕を弾かれた。牙をむいて睨んでくる。
グルルルルッ
殺気立ってるという言葉で収まらない程の怒りだ。その怒りに駆られてソルはまた狼男になりかけていた。猟師が銃を構えながら忠告する。
「ライ。そいつは危険だ。離れろ!」
「…だがっ」
「あのピクシーを見ろ。こんな事をした化物を野放しにしていいのか?殺した方が世の為だ」
わかってる。状況的には猟師が言ってる事が正しい。狼男になったソルがピクシーを殺したのだ。
(だが…)
ゲームの話をしていたソルは普通の人間だった。怒ったり笑ったり、悪いことをしたら謝れる普通の良い奴だった。それが狼男になった瞬間こんな恐ろしい事をしてしまうとは…思いたくなかった。
「俺は…見てない」
「あ?」
「俺はソルが殺した所を見てない。だから信じねえ」
「「はあ?!」」
二人が信じられないという顔で見てくる。俺は構わず続けた。
「ソルにはピクシーを殺す動機がないはずだ。狼男だから妖精を襲うって決まってるわけじゃないんだろ?」
「腹減ってたんじゃないか?」
「さっきソルは食事したばかりだ。それに…突然歩いてたら狼男になったのも気になる…」
狼憑きは意識を失うか寝ない限り狼にならないはず。もしかしたら近くに別の犯人がいたりするんじゃないか。そう呟くと猟師が頭を抱えた。銃をおろす。
「はあ~。こんな現場見てよく狼男を庇う気になるぜ。しかも俺の証言を全否定とは…おじさん傷つくなあ」
呆れ顔の猟師が梯子を使って降りてくる。ピクシーや袋小路の状態を確認していき、おもむろに振り返った。
「見りゃわかると思うが致命傷は頭部の破壊だ。ほとんど即死に近い。人間や並みの幻獣がやれることじゃねえぞ」
「…傷口は狼男の爪や牙で破壊されてるのか?」
「ぐちゃぐちゃになっててそこまではわからんな。言っとくがこの付近に他の幻獣は見当たらなかったぜ。上から見てたからよくわかる」
「…あんたはソルが殺したところをみたのか」
「見た。といっても動きが素早くてちゃんとは見れてないがな。ただ他の被害にあった幻獣も同じように頭を潰されてた。遺体の状態も近い。やり口は全く同じって事だぜ?」
それでも俺の言葉が信じられないか?そう目で告げてくる。俺は何も言えず歯を食いしばった。
「クソ!!やっぱり殺したのはオレじゃねえか…もういい!殺せ!殺せよ!!」
青白い顔で殺せと叫ぶ。猟師が猟銃を構えた。俺は慌ててその間に入る。
「待ってくれ…!あんた達も知ってると思うがグレイは幻獣関係に詳しいんだ!何か気付けるかもしれねえ!一旦店に…」
「おいおい、こっちは仕事でやってるんだぜ。遊んでる時間はねえ。さっさと殺して金にしちまいたい」
「あんた達猟師は話が通じない幻獣だけを殺すんだろ??ソルは話が通じるしターゲットには含まれないはずだ!」
「詭弁だな。狼になったら手がつけらんねえ化物になる。話が通じねえのと変わらねえよ」
「狼男の時と今のソルは別物だ!」
ソルとなら話も通じるし理解し合える。銃で殺さなくてもやりようはいくらでもあるはず。俺の言葉にソルが目を見開いた。興奮状態はさめたのか狼化が消え人間に戻っている。
ストン
おもむろにソルが膝をついた。
「ソル…?」
「チッ、うっせえな。…オレは人間だ。逃げも隠れもしねえ」
そう言ってソルは自らの両手を後ろに持っていく。
「腕縛っても…化物になったら意味ねえだろうが…殺す隙ぐらいはできるだろ」
「…!」
変な動きをしたら殺せばいい。銀色の瞳がそう告げている。大人しくなったソルを見て猟師が怪しむように猟銃をつきつけた。
「なんだあ?やけに素直じゃねえか。何か企んでるのか」
「…うるせえ」
「言い合いはやめてくれ。ソルが大人しくしてくれるなら店へ移動して話しても問題ないだろ?」
「やれやれ、そこまで言うなら仕方ねえ。ライの顔を立てて少しだけ付き合ってやるか」
猟師も一時的に納得してくれたらしい。俺は気が変わらないうちに、とソルの両手を縛った。猟師が「クマも縛れる丈夫な紐だぜ」と手渡してきたのを使う。
「じゃあ、行くか」
両手を縛られたソルを一瞥してから二人を店まで連れていくのだった。
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