牧師に飼われた悪魔様

リナ

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第十章「フラれ悪魔様の告白」

犬も食わない痴話喧嘩

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 それは一日前に遡る。

「なあ、ルト~」
「いやだって」
「一回だけ、一回だけだから~」
「…お前、そう言って一回で終わったことあったか?」
「ん?俺様は一回しかだしてなかったぜ?」
「―っっドヤ顔すんな!!俺は!その間っ…っ、もういいっ」

 ぷん!

 と頭から煙を出して寝室に消えていくルト。廊下にひとり残された俺様。

(あーあ。怒らしちまった。ああなったら何言っても無駄だし)

「仕方ねー街いって相手探すか」

 俺様はのびをしながらパチンと指をならし服を変えた。下町で浮かないよう黒コートでいいか。この赤髪で嫌でも目立つが、まあそれは仕方ない。

「ねえ、そこのお兄さん今夜どう?」
「わたしと遊ばない?」
「そこの赤髪のお兄さん~」

 まとわりついてくる腕をどけて道路を進んでいく。この先はこの街でも有名な売り場がある。売りってのはあの売りな。なかなか好みの子がおらずただ歩くだけにも飽きてきた。

「ったく、ルトめ...悪魔の事情も知ってほしいもんだぜ」

 変身するのにもエネルギーはいる。そのエネルギーは人間の体液、肉体を喰うことでしか回復できない。つまり人間と同じ食事をしていても全てが満たされるわけではないわけだ。顔色は変えないし弱ってるとも言わないが、少しずつ削がれてるのは確かなわけで。

「説明しても、そうやって俺を襲う口実を作るつもりだろ!って信じてくれないだろーし」

 ぼやきながらバーを探す。しょうがない。今夜は酒でも飲もう。明日またルトの機嫌が直ってたらもらえばいいわけだしな。少しの我慢、がまんだ。

(こんな健全な悪魔も俺様ぐらいだぜ?)

 取り憑いてる相手のご機嫌を伺いながら断食とか。でも仕方ない、惚れた弱みってやつだ。

「お、あったあった」

 少し歩いた先にこじんまりとしたバーを見つけ、そこに入る。

「いらっしゃい」
「とりあえずこの店で一番強いやつー」
「は?はあ」

 年老いたマスターは戸惑いつつも棚の上に手を伸ばした。カウンターに座り酒を待つ。

「お待たせしました」

 店とマスターは年老いてたが、酒はそれなりの味でなかなか満たされた。動きにくいコートを脱ぎ隣の席にかける。そのまま酒を堪能していると

「あれ、こんなところにイケメンがいるじゃーん」
「?」

 店の扉があき、カランカランと音が鳴る。俺様はそれに目を向けることなく黙々と飲み続けた。

「やあ、お隣いいかにゃー」
「んあ?」

 コートのかかってない方の椅子が揺れる。そして俺様が答えるより先にその声の主は座ってきた。酒から視線をはずし隣を見る。

「マスターいつものよっろしく♪」

 藍色の髪を肩に垂らし俺様に人懐っこい笑みを向けてくるその青年は、隣で俺様と同じものを頼んだ。黒スーツを脱げばルトぐらいの年に見えそうな童顔。だが、青年の瞳にはどこか鋭い光が宿っていてミステリアスな雰囲気も感じ取れる。

(まあこんな夜中にここらをうろついてるあたりただの青年じゃねーだろうな。どうでもいいけど)

「あれ~無視~?」
「はあ、勝手に座れよ」

 再び酒に戻りマスターの手元を見る。計算された角度で繰り返されるシェイクはそれなりに見応えがあった。

「この店に来るってことはイケメンさんもあっちなんだ」
「は?」

 一瞬悪魔なのがバレたのかと思ったが、すぐにそれが勘違いだとわかった。

 カララン

 店に、男同士が腕を絡ませながら入ってくる。お互いキス出来るほど顔が近い。

 (なるほど。男たちのための店だったのか)

 この静かで人気のない店なら、人目を気にする必要もない。相手がいない者も、ここでなら思う存分探せるだろう。ふと、俺様の視線に気づいた若者が頬を染め俯いた。そいつはすぐにまた顔を上げ誘うようにウィンクしてくる。

「っち」

 俺様はルトならイケるってだけで別に男が好きなわけじゃない。どれだけアピールされようが食指が動かない。立ち上がりコートを羽織った。隣の青年が驚いてこっちを見た。

「あれ、え、違ったの?」

 それには答えず、酒代を置いて去ろうとする。青年はクスクスと笑いながら引き止めてきた。

「待ってって。もしかして知らずに入っちゃっただけ?だったらごめん。別に店にいる人皆がそれ目的だけじゃないから気にしないで」
「...」
「それに、おいの隣にいれば狙われることもないからさ、ほら!」

 俺様とは逆側の席を指さす。何故だか誰も座ろうとしない。

「っは。なんのつもりかは知らないが腹の読めない奴と飲むつもりはねーよ」
「そんなこと言ったら誰とも飲めないじゃない」
「いやあいつなら」

 ルトの顔がよぎる。いつもの困ったような顔。無表情で口下手で毒舌。感情がわかりにくいように見えて、実は違うのだ。ほんとはすぐ顔にでるし色々素直だ。

 (そういう所が可愛いんだよなあ)

 悪魔は人の欲や感情に敏感だが、それは悪魔にとって必要不可欠であるからだ。存在理由でもある。

 (まあ欲や感情で人間を値踏みしてるわけだ)

 だからこういう腹の読めない人間は悪魔にも嫌われやすい。腹の読みあいなんて同種だけで十分だ。

「とにかく、お前は気に食わねーから嫌だね」
「ひどいにゃー」
「なんか誰かに似てる気がするし」
「だれだろう?シータとか?」
「はあ!?あいつの知り合いかよ!」
「イケメンさんこそシータと知り合いなんだ?」
「知り合いというか」

 ルトの周りをちょろちょろ飛んでる鬱陶しい奴。しかも悪魔に取りつかれてて少し力を持ってるのが余計めんどくさい。

「あんな奴の知り合いっつーことはてめえも相当めんどくさいだろ」
「とか言って座るんだ」

(よくわかんねーけど、もうバカバカしい)

 再びカウンターに腰掛けて酒の残ったグラスを傾けた。隣の青年もグラスに口を付ける。少しだけ頬を染め饒舌に話しかけてきた。

「シータってこんなイケメンさん狙いだったっけ?あ、もしかしてイケメンさんが口説いたとか?」
「んなわけあるか」
「あはは、イケメンさんイケイケノンケって感じだもんね」
「はあ。お前はどうなんだ」

 自分の事を話し続けるのも疲れる。適当に質問すると青年は嬉しそうに首を傾げた。そうしてると少しだけルトに似てるかもしれない。

「ん?おいのこと?」
「お前はこんなとこに一人で来て。誰かに誘われたいと思ってんのか?」
「んー…」

 少しだけ間を置いたあと青年は話しだした。

「おいには恋人がいるんだ。でも最近冷たくてちょっと嫉妬させてやろうと思ってさ」
「ほう」
「だからお兄さん」

 肩に青年の腕がかかる。そのままするりと俺様の腕を絡みとり引き寄せた。

「おいと遊んでよ」
「。。。」

 藍色の瞳がこちらをじっと見つめてくる。それをぼーっと見つめていると青年の後ろにいるカップルが俺たちをガン見していることに気づいた。よく見れば、他の客もというか店の客全員が俺様たちを見ている。マスターまで注目してくる始末。え、なにこれ。羞恥プレイですか?俺様の視線に気づいた青年が笑って説明してくれた。

「にゃは。ここらじゃ結構有名なんだ、おいって」
「有名?」
「だからみんなおいには手を出さない」
「ん??」

 俺様が?を頭の上に浮かべてるとそのまま顔を引き寄せられ口付けられた。柔らかい唇。入り込んでくる吐息。

「おいこら!何勝手に」
「いいじゃんか、おにーさんもこうやって発散したくてきたんしょ?」
「ああ??ったく」

 青年の腰を引き寄せる。細い腰はどこかルトを思い出させる。瞳を閉じてその長いまつげを見せる青年の額に顔を近づけた。そして

 バチン

「あいたっ」

 デコピンしてやると、目に涙をため青年はむくれた。

「何するのさー!」
「こういうのは恋人とやれ」
「え~!見た目に寄らず真面目にゃ!!つれないなー!」

 怒っても俺様の体を離そうとしない。俺様に抱きしめられながら怒る青年の姿はやはりどこかルトとかぶった。それを眺めながら俺様は笑みを浮かべる。

(やっぱ教会に戻ってルトをもっかい誘おう、他じゃダメだな)

 そう思った時だった。

「―――おい、お前。アイザックから離れろ」
「?」

 ふと無粋な声が降ってくる。店中の客が一斉に声の方を見き、その男を捉えた瞬間顔を蒼白とさせた。

 (なんだ、こいつも有名なのか?)

 次から次へと有名人がどんだけいるんだよ。

「あ、クリス」

 俺様に抱かれたまま、青年は入口のところに立つ男に手を振った。クリスと言われた男はゆっくりと俺様たちに近づいてくる。明るいところに顔が現れ思ってたより若いことに気づいた。青年と同じか少し上ぐらい。俺を睨みつける瞳だけやけに重く鋭いので変に浮いている。

「クリスが、皆がおいに手を出さない理由だよ、おにーさん」
「は?」

 男がこっちに近づいてくる。そして口を開いた。

「...アイザック、どうして」

 アイザックと呼ばれた隣の青年は俺に腕を回したまま軽快に笑った。

「クリスこそ仕事は~?」
「巡回中だ。それより説明しろ。その男はなんだ」

 腰にかけていた剣を俺に向けてくる。客たちが騒ぎださない(端の方に避難しているが)とこを見る感じこいつは警察かマフィアか。どっちにしろ厄介な事に巻き込まれたのは確実だ。

「...コイツがお前の恋人かよ、アイザックくん?」
「正解にゃ」

 アイザックは素直に頷く。こんな修羅場のくせにどこか嬉しそうなのが意味がわからない。

(ああ、そういやコイツは恋人に嫉妬して欲しいんだっけか?)

「...はあ」

 俺様はアイザックの肩を抱き、クリスとか言う奴に見せびらかすように耳へ口づけた。

「!!!!!」

 クリスの、剣を握る力が強くなった。額に血管が浮き出ていてありありと奴の怒りが伝わってくる。俺様は気にせずアイザックの耳を舐め、奴に挑発するよう笑いかけてやった。

「よう、血気盛んな青年くん。恋人が大事ならちゃんと捕まえておけよな~?こんな感じにとられちゃうぜっ、っとー」

 シュッ

 喉元を切っ先がかすっていく。

(あっぶねえ...)

 咄嗟に避けたが、髪が数本切れて地面に落ちた。

(やべえ、全然見えなかったな…人間の癖に生意気な)

 確かにこんな化物の恋人を狙おうなんて思わないなと理解する。遠巻きに見てる客たちを一瞥した後、クリスの方を見た。

「今度は切る」

 低い声で唸るクリス。

 ざわざわ

 巻き込まれたくない、と言わんばかりに店内の客が壁に逃げていく。アイザックは悠々とした様子でマスターに追加の酒を頼んでいる。

 (ったく巻き込んどいていい度胸だぜ)

 俺様は指の骨をゴキゴキ鳴らしながら上着を脱いだ。

「けけけ!いいぜ、むしゃくしゃしてたところだ。相手してやるよ」

 片手で十分だ。軽くひねってやる。そう思った時だった。

 カランカラン

「およ?なんじゃこりゃ」

 癖のあるくしゃくしゃの灰色の髪の男が入ってくる。よれよれのスーツだが品の良さそうな身なり。

「なんだなんだ喧嘩?若いっていいなあーおじさんにその若さちょうだいな」
「!!」
「...」

 急に現れたその男に出鼻をくじかれた俺様たちはそいつを睨みつけ…ため息をついた。

「はあ、馬鹿馬鹿し」

 俺様は戦闘態勢を崩し脱力する。クリスも呆れたように剣を鞘に戻している。そのままカウンターに戻ると俺様の隣によれよれ男が座ってきた。

(ん?こいつ、人間の匂いじゃねーな)

 野生の獣のような。どこか土臭い匂いはウルフ系だろうか。そんなのが人間の街に何の用だ。

「マスター、おじさんにもなにか頼めるかな」
「わかりました。こちらをどうぞ」
「...んーいいね~ここのお酒!おじさん気に入っちゃった」

 普通に酒飲んでるし。俺様はその様子に呆れつつまた酒に戻る。そうしてるともう片方の隣の椅子にアイザックが座ってきた。その隣にはクリス。

 (クリス、アイザック、俺様、狼男…いやいやなんだこの並びは)

 呆れて文句も言えない。

「ねえ、おじさん。どうしたら恋人に大事にしてもらえるかにゃ?」
「ん~そりゃ愛すこと一択だろー」
「おいはいつだって愛してるよ?でも彼、仕事の方が大好きみたいで~」
「そりゃ大変だなあ」

 いや本人の目の前で相談すんじゃねーよ。気まずすぎんだろ。

(つーか俺様を挟んでやるな)

 仕方ないので、俺様も会話に参加してやった。

「やっぱあれだろ、刺激がたんねーんじゃねー?」

 アイザックは目を光らせてこっちを見てくる。

「刺激かあ!」
「いいねえ。んじゃパーティとかどうだ?おじさん最近の流行りわかんないんだけど、パーティは交流もあるし刺激的だぞ~」
「パーティー!」

 よれよれ男の提案に更に目を光らせる。

「それだ!よし決めた!皆を呼んでパーッと遊ぼ!」
「アイザック...」

 クリスがはしゃぐアイザックをみて呆れていた。

「最近やってなかったけど昔やってたあのパーティ!やろう!ごちゃまぜパーティ!クリスも参加できるよう夜にしとくからさ!んーあと、バン達も呼ばないとな!」
「...はあ」

 止めても意味がないと察したのか、クリスはため息で返事をした。

「ありがとおじさん!おにーさん♪」

 そう言って、男と俺様の頬に口付けてくる。そのままアイザックは勢いよく店を出ていった。クリスも一度だけ振り返り俺様を睨んでから出ていく。あの二人が去ったことで、ようやく店の客たちの視線から解放される。肩から力が抜け、ありえないぐらい酒が美味しく感じた。

「ったく、なんだったんだか」
「はは、若いっていいなあ。恋人とうまくいくといいねえ」
「あんたも若く…はねーか」
「まあね。かくいう君もそれなりだよね」
「!」

 グラスを傾けながらいわれた言葉に驚く。こいつ、俺様の事に気づいてる...?!長く垂らされた前髪のせいで表情が読めない。が、雰囲気の感じから多分狼男の中でも格上の奴なんだろう。

「...あんた何しにきたんだ」
「はは、そう構えないでちょ。おじさんはお嫁さん探しで昨日から来ててさ」
「嫁探しって...」

 その哀愁漂う背中を見つめ、同情してしまう。

(こんな店で飲んでるってことは...収穫なしなのか...)

 俺様は警戒をとき、男の背中を叩いた。

「まあ、頑張れよ。おっさん」
「はは。ありがとね」

 こんな人間の街に来てまで嫁探しなんて狼男も大変だな。同情しながら俺様たちはしばらく呑み交わしたのだった。


 ***


「~~♪」

 狼男とわかれ俺様は店を出た。いい感じに酒が回っていて気分がいい。暗い路地を上機嫌に進んでいく。たまに路地から喘ぎ声が聞こえるけど気にしねー気にしねー。

「ふんふふ~~♪」

 上機嫌で帰路を進んでいると

『もしもし』
「ふふふふ~~♪」
『もしもしご主人様』
「ん~~~~♪」
『ご主人様!!!!』
「んあー?」

 盛大にイラついた声が降ってくる。声の方を見れば先の尖った耳に長い尻尾、黒い羽の生えた小さい悪魔が飛んでいた。よくいるタイプの低級悪魔だ。主な仕事は使えてる上級悪魔のパシリ。ついでにいうと、こいつは俺様のパシリ君である。

「何だお前かよ」
『お前かよ...じゃねーでございます!!あなた今何時だと思ってるんです!』
「...さあ?」
『ああもうっ!もうすぐ総会でしょうが!!』
「...あー」

 だらだらと空を見上げる。まん丸のお月様が大きく光っていた。明日ぐらいに満月になる。

「忘れてた、わりー★」
『なんでそういう!!大事なことを!!忘れやがるんですか!!!!怒られるんは私なんですよ!!!』
「わーったわーった」

 うるさい小姑、いや小悪魔を手で追い払い指を鳴らす。紙とペンが出てくるので、それで字を書いていく。

【わりー、いつもので少し帰れねえ】

 書き終えたものを折りたたみ空中に放り投げた。するとそれはスイスイ空を飛んで行き方向を決める。そして、まっすぐ教会の方に迷わず飛んでいった。

「これでルトはいいか」
『ほら早く!!』
「ああもう、うるせえ!」

 壁に叩きつけると、ぶちゅっという音をさせ奴は潰れた。しかしすぐにそれは元の形に戻り俺様を睨みつけてくる。回復力だけはいいからサンドバックとしてもお使いできます。なんちって。ぐちぐち、と気持ちの悪い音をさせて再生を繰り返す悪魔。形が戻るとキーキーと怒り出した。

『何するんすか!』
「いいじゃねーのどうせ死なねーんだし」
『そういう問題ではありません!』

 やつが回復する間に正装に着替えておく。それから近くの扉に呪文を唱えた。

 ギイイイイ...

 扉がゆっくりと形を変えていく。どこにでもある普通の扉だったものが目玉やら牙やらが何百も生えた気味の悪い扉に早変わりだ。

「行くか」

 取っ手を掴み押しこんだ。ぐにゃぐにゃしたものに包まれながら進んでいくと、ようやくそれから解放され体が自由になった。

 ぐんっ

 突然の浮遊感と足への衝撃。うん、無事着地できたな。上を見ると空中に黒い渦が出来ていて時空が歪んでいた。扉から出たのに空中に出るって流石俺様特性の扉である(※つまりいい加減)。後ろからついてきたパシリ悪魔が悲鳴を上げて落ちてくる。

「うっし!」

 伸びをして辺りを見る。一見すれば普通の森の中だが鬱蒼とした木々には顔がついていて下賎な言葉を唱え続けてる。地面をはう虫には毒針がはえておりヌルヌルと光っていた。動物たちは骨が飛び出たものや内臓を垂らしながら走り回るものもいる。地面に草花はなく、枯れた大地が広がっている。

「ふうーただいま帰ったぜ」

 そう、ここは俺様の故郷であり、悪魔の巣窟。ヘル・ガーデンである。
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