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第12章 戦いの結末は、探索者たちが決める!

第314話 王の呼びかけ

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「聞こえるか!! サンルートの民よ!! 余はサンルートの……『元国王』!! ダイヤ・サンルートである!!」

 ダイヤさんの声は、休憩室の中に大きく響いた。
 その声は普段聞いていた落ち着いた声とは違い、威厳のある……まるで、猛獣の雄叫びを聞いているような感覚だった。

「サンルートの民よ!! よく聞け!! 今、この地は……滅亡の危機に晒されておる!! 海底帝国ラブカルドが……この地の中心部に攻めてきているのだ!! ……全てのサンルートの民よ、サンルートの歴史を思い出せ!! 我々サンルートの先祖は、民族が一丸となって、ラブカルドを制した!! 今その歴史が、再び繰り返そうとしておるのだ!!」

 ……そういえば、そんな歴史があるって聞いたな。

「そなたらはまだ混乱しているのであろう……突如別の土地に転移し、そこの民に罵詈雑言を言われ、軽蔑の目を向けられた……だが、もう時間は戻らぬ……サンルートは、もうここには存在していない!!」

 ……サンルートは存在しない、か。
 ふと、リン達を見ると、悲しい目をしていた……だが同時に、何かを決意したような顔をしていた。

「だが……ただ消えたわけではない! サンルートは……『日本』へと生まれ変わったのだ!! これからそなたらは……『日本の一員』として、これから生きよ!! ……もちろん、困難はあるだろう、認めてもらうのには時間が掛かるだろう!! だが、何もせず、ましてや今を生きる日本の民に迷惑を掛けたのならば……その時は、必ず神からの神罰が来ると思え!!」

 ダイヤさんはカメラに向かって、今まで見せたことのない険しい顔で訴えた。
す、凄い……なんか、言葉が出ないよ、私。

「余も、最初は認めてもらえなかった……余は今、日本の商店の運営を任されておるが……日本の民からは、罵声を浴びせられ、時には石を投げられることもあった……だが、同時に、感謝の言葉を述べてくれる民、支援をしてくださる民もいた……余は思った、『今は蔑まされていても、民の為に何かをやれば認めてもらえる』と……」

 ……そっか、確かに最初から上手く行くなんてことはない。
 私も、異世界を認めてもらえるのには時間が掛かった……でも今は、みんなから認められた。
 時間は掛かるかもしれない、でも、いつかは認められるかもしれない……か。
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