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第12章 戦いの結末は、探索者たちが決める!
第303話 好奇心
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「なぁ、他のピカピカ見せてくれよ!」
クロムは檻を揺さぶり、何かを期待するように私たちを見つめていた。
うーん、そ、そうだ!
「リン、お菓子取ってきて!」
「う、うん!」
私の指示を聞いたリンは、早速階段を駆け上がり……『ブンタンアメ』を持って降りてきた。
「な、なんだこれ?」
「包装を取って、食べてみて」
「あ、これ……なんか見たことある! 確か瑠璃、これ好きだったよな!?」
「じゃあ食べ方も知ってる?」
「あぁ! 確か中の透明のやつも食べられるんだよな? えーっと……」
クロムは慣れた手つきで銀色の包装紙を取り、口の中に頬張った。
「うーん、なんか、口の中がピカピカしてる……」
「口の中がピカピカ……バリ美味しいってこと?」
「あぁ……これが美味しいって感情なのか……これもピカピカの一種なんだな!」
クロムはブンタンアメを口いっぱいに頬張り、幸せそうな顔を浮かべていた。
中身が私だからか、ブンタンアメをとても気に入ったようだ……そうだ!
「ちょっと待って! 確かここに……」
私は地下室の本棚を弄り……異世界小説を取り出した。
「クロム……字は読めるよね?」
「あぁ、俺はお前だからな!」
「じゃあこれなんかどう?」
私は異世界小説、『滅亡フラグしかない悪役令嬢に転生した件』を渡した。
今読んでみると陳腐な内容の小説だけど……まぁ私だし、きっと気にいると思う。
小説を受け取ったクロムは、早速ページを開いて読み始めた。
「おお……これも……ピカピカしてる……」
クロムは己のドラゴンの羽をパタパタと羽ばたかせつつ、小説を読みふけった。
なんだろう、こういう反応を見せられると、色んなものを体験させたくなる。
「ね? リン、この子が嘘を言っているように見える?」
「た、確かに……こう見ると、ただのバリ好奇心旺盛な女の子にしか見えない……」
リンは納得の表情を浮かべ……クロムに向かって目線を合わせた。
クロムは檻を揺さぶり、何かを期待するように私たちを見つめていた。
うーん、そ、そうだ!
「リン、お菓子取ってきて!」
「う、うん!」
私の指示を聞いたリンは、早速階段を駆け上がり……『ブンタンアメ』を持って降りてきた。
「な、なんだこれ?」
「包装を取って、食べてみて」
「あ、これ……なんか見たことある! 確か瑠璃、これ好きだったよな!?」
「じゃあ食べ方も知ってる?」
「あぁ! 確か中の透明のやつも食べられるんだよな? えーっと……」
クロムは慣れた手つきで銀色の包装紙を取り、口の中に頬張った。
「うーん、なんか、口の中がピカピカしてる……」
「口の中がピカピカ……バリ美味しいってこと?」
「あぁ……これが美味しいって感情なのか……これもピカピカの一種なんだな!」
クロムはブンタンアメを口いっぱいに頬張り、幸せそうな顔を浮かべていた。
中身が私だからか、ブンタンアメをとても気に入ったようだ……そうだ!
「ちょっと待って! 確かここに……」
私は地下室の本棚を弄り……異世界小説を取り出した。
「クロム……字は読めるよね?」
「あぁ、俺はお前だからな!」
「じゃあこれなんかどう?」
私は異世界小説、『滅亡フラグしかない悪役令嬢に転生した件』を渡した。
今読んでみると陳腐な内容の小説だけど……まぁ私だし、きっと気にいると思う。
小説を受け取ったクロムは、早速ページを開いて読み始めた。
「おお……これも……ピカピカしてる……」
クロムは己のドラゴンの羽をパタパタと羽ばたかせつつ、小説を読みふけった。
なんだろう、こういう反応を見せられると、色んなものを体験させたくなる。
「ね? リン、この子が嘘を言っているように見える?」
「た、確かに……こう見ると、ただのバリ好奇心旺盛な女の子にしか見えない……」
リンは納得の表情を浮かべ……クロムに向かって目線を合わせた。
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